平成23年度より小学校において新学習指導要領が全面実施されたことにより、小学5~6年生で年間35単位時間の「外国語活動」が必修化されることになりました。この改正により外国語に慣れ親しませる活動を通じ、言語や文化について理解を深め、コミュニケーションが取れるよう能動的な英語学習を受ける機会が増えていくこととなります。それに伴って、英語教師の需要が高まっており、民間の英会話スクールでも幼児や小学生向けのスクールも年々数が増加傾向にあります。語学学校でも英語教師のトレーニングコースが充実してきており、帰国前に語学力を生かした資格が欲しいという方にはぴったりのコースです。
英語教師養成コースには、主に2種類のタイプがあり、小学生以下のお子様に英語を教える資格コースと、それ以上の大人向けに教える資格コースがあります。それぞれ授業内容が異なるため、自分の目的に適したコースを受講しましょう。マルチに活躍する英語教師を目指している場合は、両方の資格を取得しておくと良いでしょう。ココでは、英語教師養成コースの種類やコース内容についてご紹介します。
英語教師養成コースの種類
児童英語教師養成コース | 児童英語教師養成コースの中にも2種類あります。1つ目は日本の子供を対象とし、日本国内で有効なものがJ-SHINEとなります。一方、国関係なく子供全般を対象にしたものがTECSOLとなります。J-SHINEは小学校英語指導者認定協議会というNPO団体が認定を行っており、TECSOLはオーストラリア政府が認定を行っています。いずれも4歳~12歳までの子どもを対象とした資格となります。 |
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英語教授法資格 | 成年を対象とした英語教師の資格としては、TESOLがあります。これはTeaching English to Speakers of Other Languagesの略称で、英語が母語ではない人に英語を教える教授法にあたります。現在母国で英語教師をしている人や、これから英語を教えたいと思っている方に適した資格となります。教師が単純に英語力があるだけではなく、どのように授業を行えば、より正確に学生に英語を教えられるのかの技術を身に付けます。 |
コースを受講する際に求められるもの
J-SHINE・TECSOL | TESOL |
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J-SHINEやTECSOLコースに入る際入学条件として、IELTS3.0ポイント以上、TOEIC450点以上と中級レベルの英語力が必要となります。また、語学力以外ですと子供が好きであること、英語が好きであることが必要条件となるでしょう。教える相手が子どもとはいえ教師には変わりがないため、必要最低限の英語力とやる気が求められます。英語力に自信がない場合は一般英語コースを受講した後に受講することをおすすめします。 | TESOLの場合は成人に英語を教えることになるため、高い英語力が求められることになります、目安としてはIELTS6.0以上、TOEIC750点以上の中上級レベルは必要です。また、相手が自分より年上の場合も予想されるため、ある程度高いレベルの知識と教養が求められる場合もあります。中にはある一定期間以上の教師経験を求める学校もありますので注意が必要です。 |
J-SHINE・TECSOLで学べる内容
J-SHINEやTECSOLの児童英語教師養成コースでは英語教育の知識や心理学・言語学の基礎的な理論から、スピーキング・ライティング・リスニング・リーディングといった基本的なスキルを伸ばすための指導法など実践的なものまで一通り学ぶことができます。また、クラスルームマネジメントやレッスンプランの作成など講師経験がない人でも安心して受講できるよう、基礎的な内容からカリキュラムが組まれています。
TESOLで学べる内容
TESOLは教える対象が成人向けのコースとなるため、J-SHINEやTECSOLよりレベルの高い学習者を教えることになります。留学生向けのクラスは4週間~12週間までの期間で開講されています。ネイティブの学生向けには、1~2年の長期間のクラスもあります。授業内容は、クラスのマネジメント方法やレッスンプランの作り方といった必要不可欠なスキルはもちろん、オーストラリアやTESOLの歴史、言語学の理論、リーディング・ライティング・リスニング・ライティングの基本4スキルをどのように教えていくかを学んでいきます。入学基準が高いため、それなりの英語力を事前に身に着ける必要があります。
英語教師養成コースが学べる学校
La Lingua Language School
シドニーの中心地にある語学学校で。TECSOLとJ-SHINEが8週間で受講できるコースになります。最後の2週間は地元の小学校等で実習となっており、楽しく学びたい方におススメです。
International House, Sydney(IH)
世界中に校舎を持つ、言わずと知れた名門校で、シドニーとブリスベンのIHで開講しています。TESOLとJ-SHINEが組み合わせており、6週間の受講となります。TECSOL科目は英語、J-SHINE科目は日本語で授業が行われます。最後の2週間はチャイルドケアセンターで実習があります。
帰国後の就職事情
近年日本において、ますます加速するグローバル化に対応できる人材を育てる動きが活発になってきています。従来の読み・書き重視型の英語教育では海外に行った際にうまくコミュニケーションが取れず、「日本人は英語が出来ない」というイメージを払しょくすることは難しいでしょう。今日では海外駐在や出張など、経済面でのグローバル化も進み、実際に海外経験があり、従来の読み書きのみではなく話す・聞くというより実践的な英語を教えられる人材が求められることになると予想されます。特に、子どものうちから英語教育を受けさせたいと思う親も増えてきており、児童英語教師の求人も増えていくことが見込まれるため、将来的に教職に就きたいと考えている方は、是非取得しておきたい資格の1つです。