幅広い選択肢を求めるなら「私立語学学校」がオススメ!付属校よりも私立校をお勧めする理由とは?
語学学校には、大学や専門学校の付属語学学校と、私立の語学学校の2タイプがあります。
学校選びの際、最初に付属校と私立校のどちらにするか迷う方が多いです。
カウンセリングの中で、良く聞くフレーズは以下のようなものです。
・大学付属校に行って現地大学生と交流したい
・大学進学は考えてないけど付属校に行きたい
しかし、皆さんがイメージしている付属校は実際と少し違います。
「何となく良さそう!」と言うイメージで学校を選んだものの、入学してから自分の語学学校のイメージと実際が異なるケースがあります。最悪、こんな学校に通ってても無駄だと感じて、退学される方もいます。
なぜこのような事態が起きるのでしょうか?
結論から言うと、付属校は大学や専門学校に進学を考えている方が通う学校だから。
ワーキングホリデービザや観光ビザの方、短期留学の方でコミュニケーションを中心に勉強したい場合は、幅広い選択ができる私立語学学校がお勧めです。
具体的に私立学校と付属校の違いを踏まえながら解説します。
私立語学学校と付属校の主な違い
まず主な項目を一覧で確認してみましょう。以下の表では、4つの項目について違いを比較してあります。
もちろん、各学校によって運営方針やコース内容は異なります。全てが以下の表に当てはまるワケではありませんが、私立語学学校と付属校の大まかな方向性を捉えて頂ければと思います。
私立語学学校 | 大学付属語学学校 | |
開講コース数 | ◎ | △ |
講師の質 | ◎ | ◎ |
学生の国籍 | ◎ | 〇 |
キャンパス設備 | 〇 | ◎ |
開講コースが多いのは私立語学学校
私立語学学校と付属校の大きな違いは、開講しているコースです。付属校の場合、大学進学を予定する学生向けとなります。つまり、大学進学コースがメインとなります。一般英語コースも開講していますが、進学コースに入れない英語初級者向けとなります。
大学付属校の場合、場合によっては「進学英語コース」の1コースしか用意していないケースもあります。
一方、私立語学学校はワーキングホリデー生や短期留学、学生ビザなどさまざまな学生が学んでいるため幅広くコースを開講しています。
メインは一般英語コースとなり、総合的な英語力の向上となります。その他、スピーキング強化、発音矯正、コミュニケーションスキル、試験対策英語、ビジネス、職業訓練、などさまざまなコース選択が可能です。
私立学校の場合、入学してからも柔軟にコース変更ができます。一般英語コースで英語力を磨いた後、ビジネス英語やスピーキング強化をする方が多い傾向です。このように現地到着してからでも、自分の英語力や学びたい内容に応じて、柔軟に変更できるのが私立学校の強みです。
「進学英語コースじゃ駄目なの?」と思われる方もいらっしゃるかも知れません。
進学英語コースでは、大学進学後に必要な「レポートの書き方」や「プレゼンテーションスキル」などを中心に学習します。
ワーホリや観光ビザの方が、こうした内容を学びたいなら否定しません。しかし、普通は英会話を中心にバランス良く英語力を伸ばしたいと思うはずです。
英会話を中心に勉強したいなら、進学英語コースでは条件に合っていません。
講師の質はしっかりとキープ
私立語学学校と大学付属校共に講師の質は良く、英語を教えるための専門的トレーニングを積んでいます。付属校の講師は大学出身者が多く、大学での実際の授業をベースに付属校でも授業を展開していきます。講師の性格は比較的まじめで、授業中のジョークなどは言わないタイプです。
付属校の授業の特徴として、一般英語コースでも進学英語コースでも、大学の講義と同様に講師が一方的に授業を行うスタイルが多くなります。そして、生徒はノート(板書)を取るといった機会が多く、日本の中学や高校の英語の授業に近い雰囲気があります。
一方、私立語学学校では、さまざまなコースを教えられる教師スキルと、留学経験を持つ講師も多くなります。授業では英語以外にも講師の体験談を話したり、学生の悩みなどを理解しフォローしてくれたりと、生徒に対するテイクケアが細やかです。
私立語学学校の一般英語コースでは、日本人留学生が求める会話中心の授業が展開されます。ノートを取るといった時間よりも、様々なシチュエーションを作って、授業で覚えたフレーズを積極的に発言させる時間が多くなります。
私の通学していたオーストラリアの語学学校には、アイリッシュの講師がいました。現在のアイルランドの現状や問題、なぜオーストラリアで講師をしているのかなどを話してくれました。アイスランドのことがともて身近に思え、考えさせられたことを覚えています。
友達作りに多大な影響がある学生の国籍
皆さんにとって学校選びのポイントとなるのは、語学学校内やクラスの国籍バランスがあります。海外の大学進学を目指すのはアジア圏の学生がほとんどです。
付属校の学生層は、韓国・中国・日本・台湾・タイ・ベトナムなどの学生が中心です。
ヨーロッパ系や南米系の学生は、ほぼ在籍してません。クラスを見渡すと、日本人と同様の黒髪&肌色の学生ばかりです。
例えば、コロンビア大学付属語学学校の主な国籍は韓国35%、日本20%、台湾10%、スイス2%、その他の国籍がそれぞれ1~3%の割合で在籍しています。基本的にメインの国籍は、アジア系の学生になります。
でも、パンフレットを見ると、金髪の学生も載っていますよ?
ばい、そうですね。
付属語学学校は大学とキャンパスを共有している場合が殆どです。大学内には現地の学生が通ってます。つまり、キャンパス内施設の写真を撮れば、金髪の学生も載っています。でも、語学学校にネイティブの学生が通うなんてことはあり得ませんよね?
この勝手なイメージと、入学後の現実がギャップとして現れるのです!
ヨーロッパや南米の留学生は、海外大学に進学する人は殆どいません。その多くはワーキングホリデービザで来ている方々です。ヨーロッパや南米の学生は進学を考えてないのですから、付属校に行っても彼らが在籍していないのは当然のことです!
ヨーロッパや南米の学生は、普通は私立の語学学校に通います。
私立語学学校の主な国籍は、南米約30%、ヨーロッパ30%、日本10~20%、日本人以外のアジア10~30%、と常にバランスの取れた状態です。私立語学学校によっては、国籍比率を保つため、国別の入学規制も行っているケースもあります。
ちなみに、付属校に行けば「現地大学生と交流できる!」と思ってる方もいます。しかし、大学生と語学学校の生徒では、タイムスケジュールが全く異なります。多くの場合、現地大学生との接点はありません。
現地大学生との接点は、やはり大学進学後になります。語学学校で勉強している間は、基本的に語学学校で知り合うアジア系学生との交流がメインとなります。
ご自分が超積極的な性格の持ち主で、キャンパス内に歩いてる大学生に積極的に声を掛けて行けるなら、そこから交流が始まるかも知れません。しかし、万人には無理な芸当ではないでしょうか…。
憧れのキャンパスライフはどちら?
付属校の良いところは、大学施設内に語学学校キャンパスが併設されてますので、図書館やカフェテリア、スポーツ施設、などを使用できることです。なかなか海外の大学内で時間を過ごすことはありませんから、広々としたキャンパス内で時間を過ごすだけでも思い出になるでしょう。
私立語学学校も設備に力を入れていますが、いち語学学校が広大なキャンパス施設を構えるなんてことはできませんから、そこは大学には適いません。しかし、学生専用キッチンやお茶やコーヒーの無料サービス、カラフルで明るい内装、など学生の要望をすぐに取り入れ、より良いキャンパス作りをしています。
付属校は大学キャンパス内に語学学校があるため、広大なキャンパスで開放的な雰囲気である一方で、通学の便が良い市内中心部には殆どありません。大抵、付属校は郊外の地域にキャンパスがあります。
通学の便は、私立語学学校の方が一般的に良く、付属校の場合は悪くなる傾向にあります。
私立語学学校と付属校を比べると大きな違いがあり、イメージだけで良さそうと感じる付属校も完璧ではないことが分かります。
私立語学学校と付属校で授業内容は違うの?
上記でも簡単に触れましたが、付属校の授業内容は大学授業で必要とされる英語スキルを身に付けることを第一に考えられています。資料を読み解きレポートにまとめる課題や、プレゼンテーションスキルを向上させる訓練が多くなります。
大学に進学すると、語学学校卒業後はネイティブの学生と講義を聴き、議論やテストを受けて単位を取らないと卒業できません。そのため、授業内容はおのずと難しく、講師も厳しく教えていきます。学術的(アカデミック)な分厚い本の読解も必要ですし、専門的な単語も多く出てきます。授業の予習、復習は必要です。
ワーキングホリデーの方や短期留学の方にとっては、「こんな単語も覚えなきゃいけないの?」と言った単語が次から次へと出てきます。彼らが求めてる英語とは異なるため、違和感の要因になります。
付属校は英語初級・中級の学生にとって、かなり難しい授業内容になります。各自の英語レベルに合わせた授業内容にはなりますが、大学進学を前提としていない留学生にとっては、無駄に回り道をしてるように感じる方もいます。
留学前にイメージしていた授業内容とは異なるため、継続して勉強していくモチベーションも下がり、最終的に不登校になってしまう方も少なくありません。
私立学校の授業は、まずは日常会話ができるようになることを目標としています。英語の全体的なレベルアップを目標としていますので、スピーキング、リスニング、リーディング、ライティング、グラマー、などをバランスよく学んでいきます。授業では講師やクラスメイトとのコミュニケーションが多く、比較的賑やかな授業となります。
英語レベルも細分化されており、英語初級クラスではゲームや音楽を取り入れた内容、中級クラスではスピーキング強化、上級者クラスではビジネス英語やアカデミック内容など段階的に授業内容がグレードアップして行きます。
私立語学学校では、基本的に学生の目標や学びたい内容に沿って計画されています。まずは、ご自身がどのように英語を勉強していきたいか、語学学校後の目標設定を明確にしましょう。
付属校はどんな人にお勧めなのか?
大学付属校は、大学進学予定者にお勧めの学校です。
付属校ではダイレクトエントリーコースと呼ばれるコースがあり、規定の英語レベルで卒業すれば、大学入学時の英語力証明(IETLSやTOEFLなどのスコア証明)を免除してくれる制度があります。
テストで結果を残すのが苦手な方にとっては、エレベーター式で大学進学を手にできます。
また大学への進学予定はないけど、日常会話よりもアカデミックなプレゼンテーションや長文レポートの書き方を勉強したい方にも良いでしょう。
付属校在籍中は授業についていくことだけで大変で、多くの課題が出されます。徹夜でレポートを書いたり、プロジェクトのグループで集まり夜遅くまでプレゼンテーション資料を作ったりする機会もあります。
つまり、旅行や遊び、アルバイトなどはできなくなります。周りに流されて遊んでしまうタイプの方にも良いかも知れません。
私立語学学校はどのような人にお勧めなのか?
日常会話、コミュニケーション能力やスピーキング向上を目指す学生にお勧めです。授業は難しい文法よりも「話す力」に重点を置いており、スピーキング強化に適しています。
留学がはじめてで、英語に自信がない方やグローバルな友達を作りたい、英語の勉強はしたいけどコースが決められない方にとっても、私立語学学校がお勧めです。
また、私立語学学校では、学生ビザ、ワーキングホリデービザ、観光ビザなどすべてのビザに対応していますので、どのような方でも入学できます。
私立語学学校にも進学英語コースはありますので、私立語学学校はマルチに対応できる語学学校が多くあります。
最初は日常会話と英語の基礎を学んでから、ゆくゆくは進学英語コースで大学を目指して勉強したい方は、コースが充実している私立語学学校を選ぶと良いでしょう。
このように私立語学学校と付属校は大きな違いがあり、学ぶ学生層も異なります。留学前にしっかりと違いを理解して、どのタイプの学校がご自身に合うか検討していきましょう。