ワーホリ後にオーストラリアに残って生活することは可能なのか?
ワーキングホリデービザで過ごす1年間は、思った以上に早く時間が進みます。気が付いたら残りの滞在期間は、あと数カ月なんてことは「ワーホリあるある」です。(笑)
・正社員として働いてみたい。
・できることならオーストラリアに移住したい。
実際、ワーホリで1年間近く滞在すれば、思い入れも強くなります。オーストラリアを第二の故郷に思う人がいても、何ら不思議ではありません。
私の周辺でもワーキングホリデー終了後、現地大学に進学したり、アルバイト先だった飲食店で正社員として働いたりする友人も見てきました。
私の友人はかねてから「オーストラリアに長く滞在していたい!」と強く希望していたので、オーストラリアに入国した段階から情報収集や準備を重ねていたのが印象的です。
ワーホリや学生ビザで長期滞在する方が留学後の将来を考えた時、「オーストラリアに残る」という可能性も一度は考えるのではないでしょうか?
ワーホリ終了後にオーストラリアに滞在するには、いくつかの方法やビザ種類があります。滞在延長するためには、どんな方法があるのかご紹介します。
セカンドワーキングホリデービザを取得する方法
セカンドワーホリは、もう1年ワーホリを延長する方法。
最初の1年間と合わせれば、トータル2年間のワーキングホリデー滞在が可能となります。セカンドワーホリ制度は、他国にはないオーストラリアだけの特徴となります。
「セカンドビザ制度があるから、オーストラリアを選びました!」という方もお客様の中には多く見かけます。
この方法は、最大2年間の滞在期間であり、ずっと永住することはできません。
オーストラリアは、2年間もあれば結構お腹一杯になる人が多いです。留学前に行きたいと思っていた観光地は、一通り巡ることができる十分な期間です。
「留学期間が1年だとあっという間だから、もう少し長く海外滞在したい!」と思ってる方は、セカンドワーホリ制度を利用するのが丁度良いと思います。
セカンドビザの基本ルールは最初のワーホリビザ条件と変わりはありません。年齢制限は18歳以上30歳以下であることとなり、申請時点で31歳になっていなければ大丈夫です。就学は最大4カ月可能、雇用条は同一雇用主のもと最大6カ月の労働が可能です。
セカンドワーホリビザの取得方法
セカンドビザを取得するには、最初の1年間の滞在中に、指定された日数(88日)、政府指定の仕事をする必要があります。指定の日数の仕事が終わると、雇用主から働いたことを証明する書類を貰います。
セカンドワーホリの申請は、オーストラリア国内または日本帰国後でも大丈夫。
オーストラリア国内で申請する場合は、2年間のワーホリビザとなります。日本帰国後に申請する場合は、最初の1年目のワーホリ期間が終わって、その後日本でしばらく過ごした後、再度1年間渡航する形となります。
要するに、連続2年間でも良いし、一旦日本に帰国してゆっくりしてから数カ月~数年後に戻って来ることもできます。
意外と簡単にセカンドビザは取れるように思われますが、実際指定された日数(88日)の労働をクリアするのに意外と時間がかかります。
主な労働先はファーム(農場)、漁業、林業、などになるのですが、1つの仕事先で88日の労働をクリアするのは難しくなり、複数の労働期間の合算となるケースも多くあります。
天候不順や不作などにより、計画的に88日間の労働ができない場合が多くあります。セカンドビザ取得を希望する場合は、オーストラリア入国後早い段階でファーム先の情報取集や労働を始めるようにしましょう。
セカンドワーホリビザの良い点
ワーホリビザの特徴として、滞在期間中は学校・仕事・観光、などとにかく自由な滞在が可能です。学生ビザのように学校の出席日数の拘束もありません。
オーストラリアの滞在は長くしたいけど、まだやりたいことが決まっていない人に最適!
2年間あれば、自分を見つめ直すには十分な時間です。ワーホリ生活で英語力を伸ばして、次の道を模索する方は多く見かけます。
セカンドビザを取得する際のファーム仕事は、オーストラリアの大自然を感じながら多国籍な仲間と働く事ができる貴重な経験になります。
学生ビザに切替えて滞在延長する方法
「もっとオーストラリアで英語を学びたい」、「語学学校以上の専門学校や大学へ進学してみたい方」は、学生ビザに切替えることができます。
学生ビザの基本ルールは、オーストラリアの語学学校、TAFE、専門学校、大学などの教育機関に3カ月以上申込みし、受講コースは週25時間以上のフルタイムコースでなくてはけません。
語学学校だと半年~1年、TAFEや専門学校だと1~2年、大学だと3~4年、大学院だと2年が一般的な学生ビザ期間になります。
ワーホリの後に、語学学校、専門学校、大学と組み合わせて行けば、5年以上の長期滞在も可能です。(その分お金は莫大に掛かりますが…)
オーストラリアの学生ビザの最大の魅力はアルバイトができること!
他国では学生ビザでアルバイトができる国は殆どありません。ニュージーランドやアイルランドはアルバイトできるものの、求人が少ないため十分なアルバイト収入は難しくなります。
学生ビザには労働許可書(Work Permission)が付与されており、2週間で40時間の就労が可能です。アルバイトしていれば、生活費の半分~8割くらいカバーできるでしょう。
また、学生ビザは就学中にホリデー(休暇)があるので、その期間は自由!
友人との旅行、などもオーストラリアを満喫することもできます。語学学校の場合は、ホリデーは自己申請が必要です。専門学校や大学だと、1~2カ月間の学期休みがありますね。
学生ビザの注意点としては、学校が指定する出席率を必ず守らなければいけないこと!
出席率は学校により80%や50%など違いはあります。万が一、指定の出席率を下回ってしまうと、オーストラリア移民局よりビザの取り消しを通達されることも。要するに強制送還ですが、稀に見かけます。(苦笑)
勉強するためにオーストラリアへの滞在を許すビザを出したのに、学校に出席していないのは不法滞在や不法労働しているのと変わらないので、仕方がありませんね…。
万が一、ビザの取り消しになった場合は、4週間以内にオーストラリアを出国しなければなりません。さらに、「その3年間はオーストラリアに入国できない」と言った制限を強いられる場合もあります。
体調不良で長期間学校を休む場合は、病院で診断書の発行をお願いしましょう。
学校に証明書を提出することで、欠席扱いにはならないため、出席率は下がらずに済みます。
学生ビザの審査が厳しくなっている!?
オーストラリアの学生ビザは移民局の審査が厳しくなっており、ここ最近ビザ申請を却下されることが多くなっています。
学生ビザ申請で重要なのは、Genuine Temporary Entrant(GTE)レターです。
昔はこのようなレターは無かったのですが、2016年7月から提出が義務化されました。学生ビザを取得しても、勉強せずにアルバイトばかりしてる学生が増えたからでしょうね…。
要するに、「どれだけ情熱を持ってオーストラリアで勉強したいのか!」を移民局に訴える作文です。
GTEは正当な目的で学生ビザを申請しているかの確認となり、オーストラリア留学の目的や学ぶ意欲、帰国後のプラン、などを文中にまとめます。
このGETレターをより具体的に説得力を込めて、英語で書く必要があります。また、GETレターの裏付けとなる証拠となる書類を添付するのもポイントです。
ちなみに、留学ドットコムでは学生ビザの申請、GETレターの書き方指導や添削など、完全サポートをしてますのでご相談ください。
学生ビザで滞在を延長する良い点
学生ビザの申請に年齢制限はありません。幅広い年齢や目的に沿ってた滞在が可能となります。オーストラリアの教育機関は評価が高く、世界大学ランキング100以内に7校の大学がランクインしているほどです。語学学校~大学まで、世界中から質の良い教育を求めて留学生が集まります。
仮にオーストラリアに滞在することが主の目的であったとしても、学位や資格も高い不可価値を持つのでお勧めです。
語学学校やTAFE・専門学校でも、デザイン・情報処理・ツーリズム・ビジネスなど様々な分野を学ぶことができます。オーストラリアはアルバイトもできることから学生数も多く、他国に比べてもコース数は充実しています。
ビジネスビザに切替えて滞在延長する方法
多少ハードルは高いですが、ビジネスビザという選択肢もあります。
「オーストラリアで正社員として働いてみたい!」と思う方も多いと思います。その場合はビジネスビザを出してくれる企業を探すことになります。
オーストラリアのビジネスビザは、永住権取得にも繋がる人気のビザです。
多くの場合、ワーホリビザ→ビジネスビザ→永住権の流れでビザ取得が続いていきます。そのため、ビジネスビザを取得する際は、永住権取得まで考えたビザ選び、職種選びをしていくことになります。
オーストラリアのビジネスビザは2018年3月に一新され、基本的条件として、「一定の英語能力」、「固有スキル」、「スポンサー企業」の3つが必要です。
英語力は上級者レベルが必要となります。英語力やスキルは留学中に努力していくことで得られるものなので自分次第で何とかできます。
多くの留学生は、ビジネスビザをスポンサーしてくれる企業探しに時間を費やします。スポンサーとは「留学生の技術、英語力を認め、会社に必要な人材だと認めてくれる雇用主」です。
例えばお寿司屋さんでアルバイトをしていて、オーナーにお寿司を握る技術を認められ、ワーホリが終了しても引き続きお店で働いて欲しいと思ってもらえれば、企業側がスポンサーになってビジネスビザの取得が可能になります。
雇用主側はビジネスビザをサポートする以上、必ず会社の利益になる人材を選びますので、まずは雇用主との信頼関係を気づいていくことが重要になります。
永住権に繋がる職種は、シェフ・会計士・看護師・保育士・エンジニア、などです。
オーストラリアの専門学校に入りスキルを身に付ける方法もありますし、アルバイト先で鍛えていくこともできます。
突然ビジネスビザをスポンサーしてくれる企業が現れるのは稀なケースです。そのため、ワーホリ時代からビジネスビザを見据えたアルバイト探しをしていくことが重要です。
ビジネスビザで滞在を延長する良い点
オーストラリアのライフワークバランスは非常によく、十分な給与や100%の有給消化率、残業ゼロ、など日本と比べると驚くほど待遇が良いです。
オーストラリアで働くことで、生活に余裕ができ、プライベートを大切にしながら仕事をすることができます。
これを経験すると、日本で働きたいと思わなくなる人も多いです…。(苦笑)
またビジネスビザは永住権取得にも繋がりますので、さらに長くオーストラリアに滞在したい場合はおすすめとなります。
ビザ取得や切替えは100%できるものではない
各種ビザの取得や切替えに関してご紹介をしてきましたが、ビザの取得は必ずできるものとは言い切れません。ビザコンサルタントであってもそれは保障できません。ビザが取れるかどうかは、その時の運もあるのでケースバイケースになります。
ビザを発給するのはすべて移民局の判断となり、同じ条件で申請したとしても、取得できる場合と取得できない場合もあるのです!
例えば、トランプ大統領のような人がオーストラリアの首相や移民大臣だったら、ビザの条件はとてつもなく厳しくなるでしょう。つまり、「その時の運」としか言いようがありません。
この仕事をしてると各国の移民政策を見て来ていますが、その時々で状況は変わっていますので、運も影響することは頭の片隅に入れておきたいところです。
特にオーストラリアの学生ビザとビジネスビザは、2017年頃より移民局からの審査が厳しくなっていますので注意が必要です。
ちなみに、留学ドットコムでは、国内だけでなく海外就職のサポートも行ってます。海外就職を希望する方は、シンガポール・香港・ベトナムなどの東南アジアがチャンスです。
東南アジア諸国は、先進国に比べてビザも取りやすく、目まぐるしく発展してる国々なので、より重要な役職を任されキャリアアップにも直結します。
専門家の立場からキャリアアップのことを考えると、ハッキリ言ってオーストラリアにこだわる必要性はありません。あらゆる可能性を模索しながら、留学プランを練っていくことが重要であると思います。