【オーストラリア留学】ワーキングホリデービザから学生ビザに切り替え、ケンブリッジFCEコースに挑戦する留学生をご紹介!
日本の大学を中退してワーキングホリデービザでオーストラリアに渡航し、ケンブリッジのFCEコースに挑戦している「石橋さん」をご紹介します。
石橋さんは、2017年11月にワーキングホリデービザでオーストラリアに到着しました。将来子供に英語を教えるお仕事をしたいということで、到着後すぐにJ-SHINE(TECSOL)という幼児・小学生に英語を教えるための6週間コースをIH Sydneyで修了しました。
そんな石橋さんから、ワーホリ生活が半年以上たった2018年7月下旬頃に、「日本帰国・就職を考えてTOEICの点数を取りたいが、どんなコースがいいのか?」と相談がありました。
オーストラリアのワーキングホリデービザでは、17週まで(語学)学校に通えます。石橋さんは既に6週間学校に通っているため、彼女に残された学校に通える期間は11週間しかありません。
いくつかの語学学校及びコースを提案し、お話をしていく中でNSECのケンブリッジ英検のFCEレベル(TOEIC785に相当する試験)を受講することにしました。こちらのコース期間は12週間のため、学生ビザへの変更をすることになりました。
石橋さんのケンブリッジFCEコース受講の決め手や、これまでの石橋さんの経歴などを含めて体験談を紹介します。
ケンブリッジのFCEコースに決めた理由
石橋さんは、NSECのケンブリッジFCEコースに挑戦することになりました。なぜTOEICでの高得点を希望している石橋さんが、ケンブリッジFCEコースを受講することに決めたかを以下に紹介します。
1. 英語圏においてTOEICは信用度が低いから
英検と並び日本で一番良く知られているTOEICには、スピーキングとライティングが試験内容の中にありません。スピーキングとライティングが試験に含まれる「TOEIC SW」というのもありますが、こちらは日本ではまだまだマイナーで、従来のTOEICに比べると受験者が多くありません。
それ故、TOEICは英語圏の国で信用性が高くないというのが現実です。実際英語圏の語学学校が用意している英語試験対策コースといえば、IELTSそしてケンブリッジ検定が主流です。(北米であれば、これに加えてTOEFLもあります。)
一説には、TOEIC受験者の大半は、日本人と韓国人とも言われます。
そのため、世界中から留学生が集まる欧米圏の語学学校では、TOEICコースを開講している学校は少ないのです。
今から留学を考えている方に知っておいて欲しいことがあります。
今はリスニングとリーディングだけのTOEICでも評価されますが、近い将来スピーキングやライティングも含めた英語試験が評価される時代になります!
実際、小学生から英語教育が導入されたり、より会話(コミュニケーション)を重視されたりするのも、その表れと言えるでしょう。
2. ケンブリッジFCEに合格すると最低でもTOEIC785点に相当する
ケンブリッジのFCEに合格することで、CEFRという言語を評価する国際指標の「B2」という英語力に相当します。「B2」は最低でも785点に相当するとあります。(下記のテーブル参照)
各資格・検定試験とCEFRとの対照表
CEFR | TOEIC | IETLS | TOEFL(iBT) | ケンブリッジ英検 |
C2 | - | 8.5~9.0 | - | CPE |
C1 | 945~990 | 8.0~7.0 | 95~120 | CAE |
B2 | 785~944 | 5.5~6.5 | 72~94 | FCE |
B1 | 550~784 | 4.0~5.0 | 42~71 | PET |
A2 | 225~549 | - | - | KET |
A1 | 120~224 | - | - | - |
(出典: 文部科学省)
つまりケンブリッジのFCEに合格することで、800点に近い点数があることを同時に証明することができるのです。これは帰国後の就職において大きなアドバンテージと言えるでしょう。
日本で知名度が低いからといって、ケンブリッジ検定やIELTSを避けている人もいますが、それは間違った考えです。
2020年にセンター試験が廃止になりますが、その代わりにケンブリッジ検定やIELTSなどの民間試験が採用となり、日本でも近い将来メジャーな試験になるのです!
【参考記事】
【2020年 大学入試共通テストとは】TOEICスコアが有利じゃなくなる!?~今後の転職、就職、就活の英語対策~
多くの英語試験は英語能力を測る目的で作成されていますので、ケンブリッジ検定もIELTSも必ず英語力向上には役に立ちます。
また、ケンブリッジ検定はTOEICよりも難易度の高い試験なので、集中的に学習できる留学中にチャレンジしておくのは理に適っています。
3. ケンブリッジ試験は有効期限がない!
ケンブリッジの英語試験は有効期限がないのが特徴です。一度合格すれば、一生履歴書に記載できるのも大きな魅力です。
多くの英語試験によっては、スコアの有効期限は2年までとあったりします。この点、ケンブリッジ検定は、生涯保証された英語力証明と言えるのです。
多くの方にとって、留学経験は1度しかないものだと思います。
そんな「人生に1度しかない留学を何か形に残したい!」という人にもケンブリッジ検定はとても良い試験だと思います。
4. 日本で知名度が無いということの特典
日本人にとって知名度が低い英語試験ということは、必然的に興味を持つ日本人は多くありません。つまり、語学学校のクラス内の日本人も少なくなります。
海外企業ではFCEを英語力として評価するので、特にヨーロッパ圏の学生はFCEに積極的にトライします。
日本人にとって積極的にトライするのがTOEICであれば、ヨーロッパ圏の学生はケンブリッジ検定にトライしているのです。
勘の良い方なら、もう言わなくてもわかりますよね?
ケンブリッジ検定コースというのは、大半の皆さんが求める「日本人の少ないコース」である可能性が高いのです。
「せっかく留学したのに、自分のクラスには日本人ばかり…。」という話を聞きますが、ケンブリッジ検定コースでは、日本人ばかりといった可能性はほぼありません。
ワーホリから学生へのビザ切り替えと滞在延長
オーストラリアのワーキングホリデービザ期間中に学校に通えるのは、最大17週までというルールがあります。石橋さんは、ワーキングホリデービザで既に6週学校に通ったため、希望するケンブリッジFCEコースは12週に通うことができません。
費用はかかりますが、今のワーキングホリデービザから学生ビザに切り替える必要があります。オーストラリアでは日本に一時帰国することなく、ワーキングホリデービザから学生ビザに切り替えて、滞在延長することができます。
大学生の方のように休学を利用して留学する方は、大抵3月頃には日本に帰国をしなければいけません。しかし、日本で学生ではない方は、滞在延長を考えることも珍しくありません。
実際、滞在中に自分で感じたこと・経験したこと・出会った人からの影響から、渡航前に決めた滞在の予定を変える方も珍しくありません。
ただ我々日本国籍の人間が、外国に滞在するという時はビザの問題を抜きに語ることはできません。ただ滞在を伸ばしたいという理由で、無暗にビザを伸ばすこともできません。
渡航前に決めた時期に100%帰国することが決まっていない場合は、その可能性も含め、留学ドットコムのスタッフにお伝えください。
石橋さんの経歴と留学を決めた経緯
オーストラリアの学生ビザ申請には、GTEレターと呼ばれるレターの提出が必要です。「何故、何のためにそのコースで学びたいのか?」という内容を記述するものです。
石橋さんのGTEレターには、日本で大学入学したことがあるのだが、卒業せず中退したという記載がありました。
石橋さんが通っていた日本の大学には「国際」という名前がついているものの、留学生と思わしき人はほとんど校内には見当たらなかったようです。
そんな中でも自分なりに英語に時間を費やし、1年生が終わるくらいに初めてトライしたTOEICは500点台だったようです。傍からみればそこまで悪い点数ではないように思いますが、本人にしてみればかなり一生懸命やった1年だったとのこと。
その後大学2年生の9月頃から4か月間、大学が企画するアメリカ留学に参加し、その後受験したTOEICスコアは650点程度だったようです。
この結果を見て、ご自身が費やした努力に見合う結果ではなかったことが、「本格的に英語圏で生活しよう!」と思うきっかけだったそうです。
ちなみに日本の多くの大学では4年生になると、就活がメインとなり週1度くらいしか学校に行かないのに、高い授業料を払うことも、ご自身では納得できなかったそうです。
シドニー郊外に滞在して英語環境で生活してみよう!
石橋さんは到着以来、シドニーの中心街から北西に10キロほど離れたエリアに住んでいます。私もこのエリアに長く住んでいたのでわかるのですが、このくらい離れていると、日本人を目にすることはほぼありません。
10キロ離れていますが、「Limited Express」と呼ばれるバスに乗れば中心街から30分強で移動も可能です。
もし「シドニーは日本人だらけ…」という意見を聞いたことがあるとすれば、それは中心街で生活をしていた方の意見、シドニーのほんの一部分でしかありません。
シドニーには400万人が住んでいるのですが、日本人留学生やワーキングホリデーの方はかなり中心街の極一部に集中しています。
皆さんから「日本人の少ない語学学校がいい!」という声はよく聞く一方、滞在先に関しては利便性の高い中心街を選ぶ傾向が高く、結果的に中心街にはたくさんの日本人を見かけるのも事実です。
中心街からの近さを求めると、必然的に部屋をシェアすることとなります。1部屋に2人以上となると、他の部屋も同じ複数人が住んでいるので、家全体で住む人間の数がとても多くなります。たくさんの人がいると、落ち着いた生活をすることが難しくなります。
石橋さんは郊外に住みながらも、近くの大きなショッピングセンターでアルバイトを見つけていました。そういう意味で、仕事も部屋も中心街にこだわる必要はないのです!
例えば、中心街から5キロ離れるだけで、ぐっと日本人の割合は減ります。もし交通費が気になる人でも5キロ程度であれば、学校やアルバイト先などまで自転車などを使うのも良い方法だと思います。
ワーホリでTOEIC600点は射程圏内!
ワーキングホリデービザを選ぶ方は大学生、あるいは社会人が多いと思っていたところに、石橋さんはなかなかユニークな経歴をお持ちの方でした。
私自身も石橋さんのように思ったように英語力が向上しない時期がありました。日本で英語に取り組んでいるのに、結果が出ず苦心している人に参考にして欲しいと思います。
そして、石橋さんの渡航前の時点でTOEIC650 と聞いて少しびっくりしました。…と言うのは、そこまで留学前にそこまでの英語力に達していない方の方が大半だからです。
オーストラリアのワーキングホリデービザであれば17週まで語学学校に通えますので、留学開始時点でTOEIC500点ほどあれば、1年後にTOEIC650点到達は十分実現可能な射程範囲と言えるでしょう。
ケンブリッジのFCEコースもTOEIC600点ほどの実力があれば、入学が可能なケースが多い印象です。正確には学校の用意するプレースメントテスト(入学試験)を受けてもらうことが必須になりますが…。
ちなみにTOEICを運営している団体の統計結果によると、英語圏での生活経験がない日本人のTOEIC平均点は440点程度です。
この英語力からでもオーストラリアのワーキングホリデービザで17週間しっかり語学学校で勉強すれば、600点到達は十分射程範囲です。つまり、ケンブリッジFCEコースへのチャレンジは、誰でも可能性があるのです。
ワーキングホリデービザ経由でのケンブリッジFCE挑戦は、日本での就職に大きな追い風となるはずです。それでは石橋さん残りの学生生活頑張ってください!