【オーストラリア留学】子どもに英語を教えたい方注目! J-SHINE受講体験記 ~IH Sydney編~
日本でも小学生から英語教育が開始されていますが、英語教育の開始年齢が早まっています。
現在は小学校5年生からとなっていますが、2020年度からは小学校3年生になります。さらに、最終的には小学校1年生からになる予定があることも耳にします。
こういった状況もあり、ワーホリ人口が多いオーストラリアやカナダでは児童英語教師養成コースを開講している学校が複数校あります。
今後より一層、子どもに英語を教える英語教師の需要が増えることは明白です!
今回の主人公である「金子 光義」さん(写真右)は、英語力アップだけでなく、児童英語教師資格も取得しました。
金子さんはオーストラリアにワーホリで来る前、フィリピンで4ヵ月間、英語力アップしてからオーストラリアに渡航しました。
フィリピン留学前は英語力がほぼゼロの状態だったそうですが、4ヵ月スパルタ式の学校で猛勉強し、英語力をUpper Intermediate(中上級)レベルにまで引き上げてから2018年7月に渡豪されました。
今回は、IH Sydney(International House, Sydney)のJ-SHINEコース(児童英語教師養成コース)の授業内容や受講の感想をお聞きしました。
J-SHINE(ジェーシャイン)って何?
J-SHINEって言葉を聞いたことがありますか?
児童英語教師を目指す方であれば、頻繁に耳にするはずです。
簡単に説明すると、「子どもに英語を教えることができる資格」です。
NPO 小学校英語指導資格認定協議会より公認されている資格で、教員免許がなくても小学校で英語指導を行うことができます。
また、J-SHINE資格を持っていることで、小学校だけでなく民間の英会話スクールに就職する際に有利になります。
2020年度から小学校の英語教育が大きく変わるため、今後注目の資格なのです!
2018年度からすでに5,6年生は「体験型学習」をしていますが、2020年度からは3,4年生が「体験型学習」を、5,6年生が「英語」という教科が始まってきます。
小学校にも英語が話せる、教えられる人が必要になってきます。
【参考記事】
【2020年 小学校での英語教育とは】大きく変わる小学校での英語教育改革まとめ
TECSOL(テクソル)って何?
児童英語教師養成コースは、J-SHINE資格だけでなく、もう1つの資格があります。それが、TECSOL(テクソル)と言うものです。
TECSOLはTeaching English to Child Speakers of Other Languagesの略で、英語を母国語としない学生のための児童英語教授法です。
元々、大人に英語を教えるTESOL(テソル)という資格があるのですが、子供向けの英語教師資格として、TECSOL(テクソル)という造語を作ったのがはじまりです。
TECSOLは子供(4歳から12歳)に英語を教えるコースで、児童英語の教授法の部分がJ-SHINEと共通していますので、日本人はセットで資格を取る人がほとんどです。
簡単に言うと、TECSOLは世界共通の資格で、J-SHINEはTECSOLをカバーした内容の日本独自の資格です。
金子さんにJ-SHINEコースのインタビュー
金子さんにIH, SydneyのJ-SHINEコースの詳細を伺いました。
Q:どうしてJ-shineを受講しようと決めましたか?
A:大学を卒業後、医療器具製造メーカーにて約7年勤務させて頂きました。そこで色んなことを学ばせて頂きましたが、ずっと仕事をしながら「このままでいいのだろうか?たった一度きりの人生なのにこのまま終わっていいのだろうか?」と常に自問自答していました。
ですが、現実的な範囲の中で自分が何をしたいのかもよく分かりませんでした。
「とにかく現在の自分が興味あることをやってみよう。このまま目標さえ作れず実際のところいつ終わってしまうか分からない貴重な時間がただ過ぎてしまうのは勿体無い。」と思い、留学を決めました。
実際にフィリピンに行ってほぼゼロの状態から英語を学び始めたため、とても苦労しましたが、英語を学ぶことはとても楽しく、英語というツールを用いて異国の人と関係を築けることに物凄く感動しています。
しかし、その時も自分が何をこれからやって行くべきか、よく分かりませんでした。とにかく英語をもっと学びたいと思い、シドニーに来たものの、自分の場合、最初の一週間ユースホステルを予約していた以外何も決めてませんでした。
その後、シェアハウスに住み始めましたが、自分の所属するコミュニティーみたいなものも無かったので、「わざわざ高い家賃や生活費にお金を使い、こっちにいる意味があるのか?」と悩み始めてしまいました。
そんな時ある本を読んでいて、南アフリカ共和国のマンデラ元大統領の「教育は、世界を変えるために使える最も強力な武器だ。」という言葉に感銘を受けました。
なぜなら、国を作っているのは人であり、人を作っているのは教育だと思ったからです。現在の自分自身は何もないけど、何らかの形で教育に携わることができればと興味を持ちました。
SydneyにあるIHという語学学校では、最後の2週間現地のチャイルドケアセンターにて実習ができるということもあり、そこでJ-SHINE & TECSOLコースの受講を決めました。
Q:受講前に何か準備しましたか?
A:特にはしてないです。でも本当はしようとして、前もって教科書をもらえるのかなと思って学校に聞いたんですが、規則上ダメでした。
「小学校指導要領がネットに載っているので読んでおくように。」とアドバイスを受けたので、それにサラッと目を通しておきました。
Q:IH SydneyのJ-SHINEはどんなスケジュールでしたか?
A:トータルで6週間です。1~4週目は授業で、5~6週目は現地のチャイルドケアセンターにて実習というスケジュールです。J-SHINEと言っても、実際にはTECSOLとJ-SHINEの授業で分かれていました。
TECSOLの授業の時は、外国人の生徒も一緒に受講しますが、J-SHINEの授業の時はもちろん日本人だけです。(J-SHINEは日本の資格制度のため)
どの週からでも入学できるのですが、2週目、3週目、4週目の人達と最初から同じ様に授業を受けることになります。そのため、最初の1週目のTECSOLの授業は、先輩達が何をやっているのかチンプンカンプンで、本当に戸惑いました。(笑)
Q:J-SHINE受講中の毎日の様子を教えて下さい。
A:1日の流れは以下の通りです。
時間 | 詳細内容 |
6:00~ | 起床、弁当作り、朝食、出掛ける準備、テスト勉強や課題をする |
7:30~ | 家を出る |
8:15~9:45 | TECSOLの授業(1限目) 国籍は日本、ブラジル、チリ、中国、韓国など、15人 |
10:00~11:30 | TECSOLの授業(2限目) |
11:45~13:15 | TECSOLの授業(3限目) |
14:00~15:30 | J-SHINEの授業 日本人のみ約10人(TECSOLを受ける日本人のみ) |
15:30~19:30 | 学校の空いている教室かロビーで課題をする ※基本的に火曜日にTECSOLの模擬授業の課題が出るので、パートナーと2人で打ち合わせをし、木曜日か金曜日にその課題発表があります。パートナーは先生が決めます。 |
19:30~ | 学校を出る |
20:00~ | 夕食、その後また課題のプラン作りと資料集め ※発表は木曜日か金曜日なので、それまでに終わらせなければいけません。発表の練習時間も考えて、出来る限り早く形にすることを心掛けました。 |
0:00~ | 就寝 |
入学する週にもよりますが、4週目にはJ-SHINEのテストが2個、J-SHINEの発表が1個、TECSOLの発表が1個あったので、この週は1日3時間の睡眠時間にして、テスト勉強や課題の製作・練習に取り組みました。
J-SHINEは発表の前に日本人スタッフにお願いをすれば添削をしてくれます。
Q:J-SHINEの実習はどうでしたか?
A:5,6週目の2週間、実質10日、ChatswoodのStringybark Day Care Centreにて実習をさせて頂きました。実習先はみんな違うところに配属されるので、1人で行くことになります。バスを使えば片道40分くらいでした。
実習の時間は9:30~15:30で、2~5歳の子供達が25人くらいいました。ランチは自分で持参しました。(子どもたちはセンターで提供されるモーニングティーやランチを食べます。)
折り紙で釣りをしたり、扇子に桜の貼り絵をしたり、バルーンアートや、紙飛行機など、課題にもなるけど、日本の文化を取り入れながら子供たちに喜んでもらえるアクティビティをやりました。
Q:J-SHINE受講後の感想はどうでしたか?
A:実習が一番良い経験でした。何が喜んで貰えて、かつ子供達の成長に繋がるのか、じっくり考えて準備したものはそんなに子どもに人気がなく、単純な紙飛行機とかが意外と人気がありました。
本当は一緒に折り紙を折りながら教えたかったのですが、幼すぎたのか外国の子だからなのか、目の前で実演して見せても同じように折るのは難しいようでした。日本人の子どもが1人いましたが、その子は割と上手な感じがしました。
短期間で資格を取れるのは魅力ですが、思った以上にハードでした。そのため、コース受講中は、アルバイトはしない方がいいです。
TECSOLだけ受講していた外国人の学生はアルバイトしている人いましたが、J-SHINEとTECSOLの両方受講の日本人でバイトしている人はほぼいませんでした。
両立してる人は1人いましたが、自分には無理です。
クラスメイトに本当に恵まれ、みんなの助けがなければ卒業まで踏ん張れなかったと思います。
これはあくまでも個人的な感想ですが、最初からオーストラリアに留学している人の英語レベルの方が、フィリピンに留学している人よりも高い気がしました。
フィリピン留学は最初のステップとして、学ぶ人が多いのもその理由の一つだと思います。オーストラリアはヨーロッパ人や南米人の生徒が多いので、最初からオーストラリアに来るような人は、もともと話せる人が多いです。
フィリピン留学は韓国人、日本人、等のほぼアジア人がメインです。英会話初心者の自分にとって、先にワンクッションとしてフィリピンに留学しておいて良かったです。
ワーホリやJ-SHINEコースを考えてる方にアドバイス
金子さんは、ワーホリ終了後(日本帰国後)のプランについて、どのように考えているのかお聞きしました。
また、児童英語教師養成コース(J-SHINEコース)を考えてる方に向けてのコメントも頂きました。
Q:日本に帰国してから役に立ちそうですか?
A:完全に自分の場合は、教育者としての経験が全くありません。「生徒として授業を受けるのと、先生という立場で授業をするのとでは全然違うな!」ということが分かっただけでも、自分にとってはプラスになった事は間違いないです。
今後の予定は、働きながら、通信制大学に通い、教員免許の取得を考えています。
Q:受講を検討している人にアドバイスはありますか?
A:間違いなく最初の1週間は戸惑います。1週目が終わってから、みんなが何をやっているのかが段々と分かってきます。みんなそうなので心配しないで下さい。
オーストラリアで受けて良かったと思うのは、2週間現地の学校に実習に行けることです。あとは短期で資格が取れたことです。あと可能であれば、忙しいので学校の近くに住んでいた方でいいです。遠くに住んでいる方は、大変すぎて途中で引越した人もいました。
はっきり言って、フィリピン留学のスパルタコースよりも断然忙しかったです。
Q:オーストラリアのワーホリ生活はどうでしたか?この経験は人生の役に立ちそうですか?
A:最初に来たばかりの時は、はっきり言って「もう帰ろうかな…。」と思いました。自分の場合オーストラリアに来た当初は、学校もまだ決めておらず、英語の勉強だったら実際どこでも出来るなと感じたからです。
でも学校に行くと決めてから、変わりましたね。貴重な経験が色々とできました。学校に行ってからは、友達もできて、外国の友達もできたので、そのつながりで別の友達もできて、一緒に遊びに行ったりできました。
インド人の友達と一緒に遊んだ時、ヒンズー教のお寺に連れて行ってくれました。そこでは毎日無料でご飯が頂けるので、一緒にお祈りしてからご飯をもらいました。(笑)
現地のチャイルドケアセンターでの実習もそうですが、そういう日本ではできないような経験ができたのでオーストラリアに来て良かったです。
最初の時点で何かしらのコミュニティーに所属していることは重要なことかも知れません。
幼稚園児や小学生に日本で英語を教えることに興味がある方は、ぜひJ-SHINEの資格取得のためにオーストラリアを選んではいかがでしょうか?
児童英語教師養成コースの受講は、ワーホリビザでも観光ビザでも大丈夫です。6週間という短期で取得できますし、最後の2週間は現地のチャイルドケアセンターに実習にも行けます。
もうすぐ日本の小学校の英語教育が大きく変わるので、J-SHINEは今後注目の資格です。