ブルーベリーピッキングでセカンドビザ取得!農場労働の裏話を公開
合計トータルで3年間滞在出来るのがオーストラリアのワーキングホリデービザの特徴です。
しかし、その申請にはある条件を満たさないといけません。
その申請条件というのは、「オーストラリア政府が指定する地域&分野&期間での労働」です。
そして、この申請条件を満たすためにワーホリの間で一般的なのがファーム(農場)での就労です。
実際に私もこのファーム労働でセカンドビザを取得しましたので、このコラムでは、私のファーム(農場)での体験談、生の声をご紹介したいと思います!
ファームがあるのは基本田舎地域!
セカンドビザ、サードビザ申請に必要な労働ですが、以前は季節労働=Seasonal Workという名前でした。
しかし、現在は対象となる労働の種類や分野が増えたため、特定分野労働=Specified workという名前になっています。
対象となる労働の種類や分野は増えていますが、勤務先はそこまで大きな変化はなく基本「オーストラリアの田舎地域」となっています。
これはオーストラリア政府が「なかなか人が行かないような田舎地域、人手の足りない産業でもし働くならば、ワーキングホリデービザを延長してあげるよ」という条件提示でスタートしたのがセカンドビザ、サードビザだからです。
つまり、「人が多く便利な都市部からファームへ気軽に通う」という事ができないのです。
そのため、通常は「ファームの近くで住み込み」、「バックパッカー滞在」、「シェアハウス滞在」のいずれかでファーム勤務をします。
ちなみに私の場合は、1年目のワーホリ期間中にトータル4ヶ月間、2カ所でファーム生活を経験しました。
それぞれの条件を比較しながら、私のファーム体験記をご紹介していこうと思います。
コントラクター(農場の紹介斡旋者)とは?
私は2カ所のブルーベリーファームで働きました。
見つけ方としては下記の記事で詳しく書いていますが、1つ目はバッパーで知り合った知人の紹介です。
・セカンドビザ延長成功!ファームの探し方とリアルな体験談
そして、2つ目は大手ファームのウェブサイトから直接申請をしての勤務です。
ちなみに、2つ目のファームは、こんな感じでの勤務スタートでした。
↓
・すぐに返事は来ないので、とりあえずは1つ目のファームで働きながら応募のお返事を待つ
↓
・返事が来たので、その時点で2つ目のファームに移動
オーストラリアのファームですが、ほとんどの場合が個人経営のファームとなっていて、オーストラリア人やインド人、韓国人など他様々なオーナーが経営しています。
そして、オーナーによって経営の仕方や給料体制なども大きく異なります。
仕事を見つける際は、ファームオーナーに直接雇ってもらうスタイルと、コントラクター(農場の紹介斡旋者)といってその人が提携している複数のファームに連れて行ってもらうスタイルもあります。
その場合、給料からコントラクト代(紹介料)が差し引かれます。
よくバックパッカーやTHA(ユースホテル)などでファームを紹介してもらえるのは、そういったコントラクターが斡旋(仲介)してくれるからなんですね。
1つ目のファームをご紹介!
まずは私の方でお世話になった1つ目のファームをご紹介します。
1つ目のファームは、インド人経営のブルーベリーファームで休みの日を含み2ヶ月間、ピッキングというブルーベリーを収穫する仕事をしました。(歩合制)
その時は私は台湾人のグループに所属させてもらい、車もシェアハウスも提供してもらって一緒に過ごしていました。
その台湾人グループのボス(いわゆるコントラクターにあたります)が提携しているファームに私たちを派遣するというスタイルです。
日系サイトでもこうした「シェアハウスと送迎がついていて、ファームに毎日連れていってあげるから、働きたい人はいませんか?」というスタイルでの募集を見かけると思います。
私はファームに来たての時は、右も左も分からない状態だったので、最初に送迎の手配やシェアハウス探しが省けたのは良かったかなと思います。
また、このグループに所属する前には、私はまずバッパーで知り合った知人に「このファームでは給料は遅れずちゃんと支払われるか、シェアハウスの金額や送迎代は一日いくらなのか」という部分を事前確認しました。
その上で、実際に働き始める前には、ファームでのルールや働く上での条件、注意する事、ペイスリップ(給料明細)やセカンドビザに必要な様々な書類にサインは貰えるかという部分もしっかり確認しました。
状況や条件がよくわからないまま、ハッキリしないまま働き始めると後々トラブルの元になりますので、こうした部分は働き始める前にしっかりと確認するのがベストです!
2つ目の大手ファームをご紹介!
次は、2つ目のファーム(大手ファーム)のご紹介です。
こちらのファームでは、私は2ヶ月間過ごしました。
ここでは、ブルーベリーのピッキング(歩合制)、ラズベリーのピッキング&パッキング(歩合制)、メンテナンス枠でシーズン後の枯れたラズベリーの撤去作業(時給制)を行いました。
2つ目のファームは、シェアハウスや送迎などは自分自身で手配していました。
このファームは大手なのでオーストラリア全土にいくつもの拠点を持っています。
なので申請すれば、シーズンに合わせてファームの拠点を変える事も可能です。
一からファーム探しを始めなくて済むので、この移動可能なシステムはありがたいですね。
私の友人のケースだと、ニューサウルズウェールズでのブルーベリーシーズンが終わると同時に、これからシーズンの始まるタスマニアにそのまま移動して引き続きブルーベリーの仕事をする事が出来ていました。
インディアンファームでの仕事内容
1つ目のインディアンファーム(インド人経営のファーム)では、ブルーベリーのピッキングがメインで4~50人ほどのピッカー(従業員)がいました。
国柄はマレーシア人と台湾人が中心で、日本人は私一人、韓国人の子も一人いました。
ピッキング以外の仕事はなく、仕事の選択の余地はありません。
服装は厳しい指定はありませんでしたが、基本的に中袖長ズボンに帽子など、一日中外にいるので日焼け対策は必須です。
歩合制だったので自分が収穫した量kg=自分の給料です。
収穫作業時は、腰ベルトにブルーベリーを入れる用バケツを付けて、収穫したブルーベリーをひたすらバケツに入れていきます。
バケツが一杯になったら出荷用のケースに移し替え、そのケースが一杯になったらボスのところへ運び、量(kg)を計ってもらいます。
大体1バケツ2kgほどで、1ケースが4kg~4.5kgでカウントされました。
基本的にこの作業の繰り返しになります。
文章にすると簡単な行程ですが、ピッキングにはコツがいり、それでスピードの速さが人により全く異なってきます。
また、この時にブルーベリーの品質も重要になってくるので、状態の悪い実を取り除く仕分けの作業もあります。
それを怠ると、ボスに出しても後から呼び出されてやり直しさせられます。時間のロス&量(kg)も減りますね…。
ピッキングする際は二人一組のペアになり、ブルーベリーがなっている木のレーンを両サイドから取っていきます。
上から下、真ん中の方までしっかりと収穫しなければなりませんが、まだ熟してない実は取らずに、それらを避けながらピッキングしなければなりません。
ここのファームは特に厳しいルールがなかったので、のんびり自分のペースでゆっくりやる子もいれば、とにかく稼ごうとめちゃめちゃピッキングが速い子もいました。
休憩やランチなども自分のタイミングでよく、なんなら昼休憩を挟まない子達もいましたよ。(その分稼げるので。)
大手ファームでの仕事内容
大手ファームはシーズン中になると何百人と従業員が雇われます。
世界中のワーホリメーカーが集まってくるので、アジア人からヨーロピアン、アフリカン、オージー(オーストラリア人)と国籍も多様なのが特徴です。
ファームの規模もピカイチで、車がないとファーム間での移動ができないほど広すぎ!
私が働いていたファームには、ブルーベリーファームとラズベリーのファームがあり、それぞれピッキングの仕事とパッキング(パック詰め)センターもありました。
そのため、パッキングの仕事、そして収穫したものをパッキングセンターまでトラックで運ぶドライバーもいます。
ワーホリメーカーでもチャンスがあればスーパーバイザーと呼ばれるグループの指揮官にもなれます。
何百人と従業員がいるので、20人程のグループで構成され、各グループが与えられたエリア・ブロックで収穫していきます。
こちらのファームでは効率化を図るため、ブルーベリーはピッキングする人はひたすらピッキングし、一杯になったバケツをどんどん地面に置いていきます。(歩合制)
そして1グループ2人程それらのバケツを回収して、ケースに入れボスのところまで運ぶという仕事もありました。(こちらは時給制)
また、ラズベリーではピッキングとパッキングを両方自分で行いました。(歩合制)
こちらも腰ベルトにバケツを2つ付け、状態の良いものと悪いものに分けて収穫していきます。
その後パッキングする場へ行き、1パックずつグラムを計りながらパックングしていきます。
この工程で、パック数×その日のレートで給料が計算されます。
ラズベリーにはトゲがあるので手袋をし、服装もブルーベリー同様長袖長ズボンです。
そして最後に行った仕事は、シーズン後のラズベリーの枯れた木を処分するメンテナンス作業です。
長袖長ズボンはもちろん、首・手首・足首も露出を避け、目を守るためのサングラスもかけて、手袋も硬く破れないものを使用します。
ラズベリーは一つの植木鉢に一つの苗が植えられており、そこからツルがロープに絡まりながら成長していきます。
なので一つずつバケツから苗を土ごと抜き取り、絡まりまくった枯れたツルも綺麗に除去して、その後1カ所に集め撤去されます。
次のシーズンでまた一から植木鉢を置いていけるように整える作業ですね。
これはかなりの重労働でめちゃくちゃキツかったのですが、時給制だったので安定して稼げました。
労働時間や休みはどのくらい?
労働時間やお休みに関しては、ファームによって違います。
インディアンファームの方は、基本的に雨の日は休みです。
乾いたブルーベリーでないと商品にならないので、小雨でも休みでした。
逆に晴れの日が続けば、ひたすら働けます。
休みは申告制で、週に1~2度休みが取れました。
申告しなければ休みなく働くこともできます。私は早くビザ日数を稼ぎたかったので、23日連勤しました!
めちゃめちゃ気合いを入れて勤務していましたが…ある日、雨が降ったので連勤記録がストップしました(笑)
開始時間は朝にブルーベリーの乾き具合がチェックされるため、何時スタートか毎朝メールで知らされました。
雨などが関係なければ、だいたい7~8時スタート。
労働時間もバラバラで10時間働く時もあれば3~4時間で終わる時もありました。
これは全てスーパーバイザーやボスの判断で、ブルーベリーの取れ高や状態、その日の天気などでも左右されました。
次に大手ファームですが、ファーム自体の休みはなく1週間稼働しています。
チーム毎にローテーションで、週1~2日の休みが設けられるため、確実に週に休みがありました。
雨の日でも大降りでなければ休みになりませんでした。
加工商品の方も扱っていたので、そちらに回せば多少の雨なら大丈夫とのこと。
開始時間はブルーベリーの場合、前日の夜にFaceBookに載せられます。
だいたい7時前後スタートでした。
ラズベリーの場合は、ビニールハウスなので天候が関係ないため、毎朝6時スタートでした。
労働時間も与えられたブロックが終わり次第終わりますが、早く終わった場合は別のチームのヘルプに行く事もありました。
なので、1日の労働時間は大体平均8時間ぐらいでした。
こちらのファームでは休憩時間もちゃんと設けられており、ブルーベリーのチームでは午前中に30分、ランチ休憩が30分の計1時間。
ラズベリーのチームは開始時間が早いので朝食タイムとして、15分の休憩とランチ休憩が30分ありました。
時給制のメンテナンスの仕事の時は基本的に6時スタートで8時間労働ですが、真夏で暑かったこともあり労働時間は6時間ほど(朝~昼まで)になり、土日休みでした。
こちらも30分の休憩が2回設けられていました。
ぶっちゃけファームの時給は幾ら?
インディアンファームでは歩合制のみで、レートと言われる1Kgの単価が、当時私のいた時期は2.45ドルでした。
要するに、1日の収穫した合計Kg×2.45ドルです。
レートは時期やシーズン、また各ファームによって変動します。
例えば、シーズンの始まりたての時期はまだたくさんの実がなっていない分、収穫量がどうしても少なくなってしまうので1kgのレートが6ドルだった時もあると聞きました。
さらに労働時間やブルーベリーの実の成り具合、天候によってその日の収穫量は変わりますし、ピッキングの速さも関係してくるので、人それぞれ給料が違います。
私は平均的な速さだったのですが、1週間の給料が平均で4~500ドルほどでした。
少ない時は週2~300ドルの時もありました。
稼ぎが少ない時期は、始めたての頃や労働時間が少なかった時期ですね。
歩合制なので仕方がないところはありますが、設定されているレートは低いと感じており、「正直、割に合わないな~。」と思っていました(笑)
一方、大手ファームへ移動してからは、給料面や設備面などかな~り充実していました。
与えられたブロックの実の状態からその日のレートが決められ、チームによってもレートが違いました。
そこはさすが大手といった感じで、上手く調整されており平均的な時給になるようにしてくれます。
例えば、チームに与えられたブロックのフルーツの状態が良くたくさん取れる場合、レートは低くなります。
ただ、その分たくさんの収穫が可能なので、低いレートをたくさんの収穫量で補います。
反対に、フルーツの状態が悪くトップピッカー(収穫が上手なベテラン作業員)でさえ収穫量が少ない時は、レートがかなり上がります。
なので少ない収穫量を高いレートで補えます。
また、フルーツの品質チェックが良いチームは、レートがさらに良くなります。
収穫量(kg)を稼ぎたいがためにピッキングの速さばかりを重視すると、商品にならないような実も気にせず取ってしまう人が多いためです。
このように毎回チームによってもレートが変わり、全体のバランスを取ってくれます。
大手ファームへ来てからは、給料の平均が700ドル。良い時は900ドル台になることもありました。
もちろん速さも関係してくるので本当に人によってバラバラですが。
トップピッカーたちは、週に1,000ドル以上稼ぐのが当たり前で、毎週1,200ドルほど稼ぐ子もいました。
月給にするとかなり良いですよね…羨ましいです。
時給制のメンテナンスの仕事は週5日働き、時給24.2ドルでしたので、働いた時間×24.2ドル×5日間でした。
正直、給料に関しては時給制ではない限り、かなりバラつきがあります。
インディアンファームにいた時は給料が少なくて悩みましたが、違うファームで働いていた子達にレートなどを聞いたりもしたので、その時期のレートの平均も大体把握していました。
ピッキングが早い子、は同じファームでもそれなりに稼いでいましたしね。
ただ自分のピッキングの速さもなかなか変わらなかったので、もはやブルーベリーファームは諦めて同じ地域のキツくて大変と噂の時給制ファームへ移るか、別の作物を狙って思い切って全く違う地域へ移動してしまうかなど色々と悩みました。
幸運にも悩んでいる間にもう一つのファームから連絡が来たので、そのタイミングでインディアンファームから移動することができ、給料も上がったので結果的には良かったです。
給料に不満があったり、オーナーとの相性が合わなかったりすれば、我慢せずファームをどんどん変えてしまうことも可能です。
条件の良いファームはきっとたくさんありますので!
セカンド目的で働く際に確認しておきたい事
ペイスリップ(給料明細)はセカンドワーホリビザ申請時に必要になるので、しっかりもらいましょう。
請求しているのに後回しにしてくるファームは、十分に気をつけてください!
また、ビザ申請で必要なものや申請の仕方などは年々変わることもあります。
そのため、最新情報から申請時に何が必要か事前に確認しておきましょう。
自分で調べていて不明な部分があれば、働く予定のファーム先にも、事前確認することをお勧めします。
また念のため、自分自身で何日間働いたか、何時間労働だったかや、その日の給料も自分で計算しておくなど詳細をしっかりメモしておきましょう。
オーナーも人間なので不本意で間違ってしまうこともあるので、その時は自分のメモを控えておけば後で照らし合わせて確認できますしね。
いかがでしたか?
これはあくまで私の体験に基づくものなので、どこまで参考になるか分かりませんが、ファーム生活を覗いた気分になって少しでも何かの助けになれば幸いです♪