たくさんある英語能力テスト!どの英語テストを受けるのが良い?
早速ですが、今年はTOIECでいいスコアを取るとか、語学留学に行くとか目標にされている方はいらっしゃいますか。
仕事のためや留学に行く前の英語力チェックのために英語能力テストを受ける人は多いと思いますが、日本だと英検やTOIECが有名ですよね!
しかし、この英語能力テストは、国によって知名度の差があるってご存じですか?
私が住んでいるニュージーランドやオーストラリアだと、大学や専門大学に入る基準として指定されるのが、IELTS(アイエルツ)やCambridge Examination(ケンブリッジ)があります。イギリス英語圏はこの2つの試験がメジャーなので、イギリスもアイルランドも同様です
一方、アメリカ英語圏だと圧倒的に知名度が高いのがTOEFL、次いでTOEICといったところでしょうか。とは言え、TOEICは日本人と韓国人しか受けない試験とも言われています。
これらのテストの使い道は、それぞれ異なります。就職活動のための英語力証明のため、専門学校や大学などの英語力証明のため、就労ビザや永住権取得の際の英語力証明のためなど、その使い道によってテストを使い分ける必要性があります。
例えば、オーストラリアの専門学校のようなTAFE(公立の職業訓練学校)にあるコースの入学基準として、IELTS5~6、Cambridge FCEとあります。
また、イギリス英語圏の専門学校や大学はIELTSを好む傾向にあり、アメリカ英語圏ではTOEFLを好む傾向にあります。最近はボーダレスになりつつあるので、IELTSとTOEFLのどちらでもOKな教育機関も増えてきました。
今回は、日本人ならば誰もが知るTOEICは除いて、それ以外のメジャーな英語テストについてお話していきたいと思います。
イギリス英語圏で最もメジャーな試験「IELTS」
IELTSとは、International English Language Testing Systemの略です。
オーストラリアやニュージーランド、カナダ、イギリスの国では、仕事や学校、移住(ビザ関係)に大切になってくるテストの一つになります。
例えば、ツーリズムやビジネスコースなどの専門学校に入る際IELTS5~5.5程度などと表記されていることがあります。仕事や移住に関しては、永住権や就労ビザ(ビジネスビザ)の申請に一定のスコアが必要な場合も。
テスト内容は、リスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4つです。トータルの試験時間は、2時間45分となっています。リスニング・リーディング・ライティングのテストは1日で行われ、スピーキングテストは実際に試験官と話す形で別日に行われます。
IELTSには2つのタイプがあります。Academicと General Trainingです。前者は学校への進学に、後者の方は移住の際のビザにといったところですが、申し込みの際に必要条件がどちらのタイプを言っているのか確認してください。
2つのタイプともリスニングとスピーキングは同じ内容ですが、ライティングとリーディングはそれぞれのタイプで変わるので、勉強の際は間違った方を勉強にしないようにしてくださいね。試験の難易度はAcademicの方が難しくなっています。
帰国後の就職活動の際に使用する場合、スコアは高い方が当然見栄えが良いですよね!ですので、就職活動の英語力証明としてIELTSを使うなら、試験の難易度が低い「General」で受験すると良いでしょう。
試験のスコア結果は、1から9の数字でスコア付けされます。
テストを受けるには、語学学校にて一斉申し込みや個人でも申し込みはもちろん可能です。近くのテスト会場(大学など)を確認し、申込書をダウンロードしてやWEBから応募できます。WEB応募には、名前や住所、パスワードを作る画面が出てきます。
ちなみに、オーストラリアでの現在の申し込み費は$340(3万円弱)となっていますが地方だと$370(約3万円)となっているようです。かなり高いですよね…。 ※2020年1月現在
勉強の方法としては、自力でテキストを購入して過去問を解くのが1つ。現地の図書館に行くと、リーディングやライティング、スピーキングの問題集や過去問の本が置いてあるコーナーがあります。その場で勉強することももちろんですが、図書カードを作って借りて持ち帰って勉強することもオススメです。
図書館にあるテキストは古いテキストが中心となります。そのため、自分では書店で新しいテキストを購入し、十数年前の過去問まで手を伸ばしたい人は図書館を利用すると良いでしょう。
また、IELTSの過去問を勉強できる無料サイトもあるので探してみて下さい。
語学学校ではIELTS対策のコースもあるので、語学学校で勉強するのが最も効率的にスコアを伸ばす方法になります。
特にスピーキングとライティングは明確な正解が無いので、自力で勉強するのが難しい分野になります。
これらは、語学学校のプロの先生に手ほどきを受けないと、スコアを伸ばすコツをつかみづらいのです。
IELTSに限らず、ケンブリッジ試験やTOEFLなどのスピーキングとライティングがあるタイプの試験は、語学学校で試験攻略のコツを学びつつ、自力でリーディングとリスニングをコツコツ勉強していく併用型の勉強が最適です。
スコアの有効期限がない「Cambridge Examination」
ケンブリッジ試験の最大の特徴は、一度合格し得たスコアは一生使えることです。その他の試験はスコア取得後2年間の有効期限が設定されているケースが殆どです。
ケンブリッジ試験を好んで受験する方の特徴としては、一生ものの英語力証明が欲しい方が中心です。
ケンブリッジ試験は、ケンブリッジ大学があるイギリスをはじめ、オーストラリア、ニュージーランドなどイギリス英語圏でメジャーな試験です。
そのため、これらの国々で中規模以上の語学学校であれば、ほぼ必ずケンブリッジ試験対策コースを開講しています。
コチラのケンブリッジ試験は、5つのタイプの試験となっています。
ケンブリッジ試験は全員が同じ試験を受けるのではなく、レベル別に試験が分かれているので英検に似ています。当然、自分の英語レベルに合ったテストを受けることが推奨されており、多くの方はKETやPETから順に受験していきます。
このテストは、IELTSやTOEICなどのスコアを絶対にもらえるテストではなく、合否が出るテストです。CPEは、英検1級よりも難しいようですよ。
オーストラリアで受験できる会場のサイトを見てみると、FCEからしか扱っていない場所もありました。
FCEレベルがTOEICで620点以上に相当するので、英語が使えることを証明する資格としては、FCEからが本番という意味合いもあるのでしょう。
英検で言えば、英語を証明する資格と言えるのが2級以上(TOEIC500点以上)なので、それ以下は英語を使える証明とはならないのと同じことですね!
ケンブリッジ試験もオーストラリアやニュージーランドでは語学学校にテスト対策クラスが設けてあり、かなり厳しく密に勉強するクラスです。テスト内容は、こちらも4技能です。
合格して1度取ってしまえば、一生涯使えますし海外で仕事をしたいとか、進学したいといった高い意志を持った方にオススメです。あと、キャリアアップにも。
IELTS とCambridgeの違い
IELTS | Cambridge | |
問題の出題 | 全てのレベルが同じ問題 | レベル別の出題 |
試験時間 | 2時間45分 | 約4時間のものも |
リスニング | イギリス英語中心で録音は1回再生 | 録音は2回再生 |
スピーキング | 試験官と生徒は1:1 | 試験官と生徒は2:2 |
テスト結果 | 不合格なし(1~9までのスコアで表記) | 60%の正解で合格 |
スコアの有効期限 | 2年間有効 | 一生もの |
ちなみに語学学校でのクラス分けテストだと、Elementary(初級) → Pre Intermediate(準中級) → Intermediate(中級) → Upper Intermediate(上中級) → Advance(上級)といったクラス分けされます。
学校によって微妙にレベル判定が異なりますが、このレベルだとIELTSやケンブリッジのレベルがこれぐらいですよ、といった表があります。
そのため、語学学校に通っている人は、どのレベルの試験を受ければ良いかは、自分の所属しているクラスレベルで簡単に把握することができます。
最近人気が高まってきている「PTE Academic」
コチラは、Pearson Test of Englishの略です。Pearson社が提供している試験です。
こちらは、あまり知られていませんが、オーストラリアのビザ取得の際や学校進学の際に認めてもらえる英語能力試験の一つです。中国人の間では既に広まっているようで、無料で勉強できるサイトも中国語で見つけることができます。
全てパソコンでの受験となります。結果も5日以内(早ければ48時間以内)に出ます。パソコンでのタイピング作業に慣れている人や、早く結果が欲しい人にオススメのテストです。
値段は現在$340です。4技能を3時間で行います。スコアは、10~90点(満点)で出ます。
テスト日も多く、コンピューターでの採点方式なので公平で、結果が出るのも早いというところからも人気が出てきているようです。
スピーキングも人と話さない分、緊張し過ぎずに受験できそうですよね。でも、注意も必要なようです…。1度しか録音できなかったり、マイクにうまく入らなかったり…準備が必要そうですね。
PTEのWEBサイトでは無料ではありませんが、preparation kits と呼ばれる勉強できる教材の提供もありました。リスニングでは、アメリカアクセント、ブリティッシュアクセントからネイティブではない人のアクセントまであるとのこと。
PETは他の語学試験よりもマイナーで、スコアの使い道が少ないこともあります。他の英語テストにプラスアルファの英語力証明として受験するには良いでしょう!
アメリカ英語試験でメジャーな「TOEFL」
TOEFLは、Test of English as a Foreigner Languageの略で、ETSというTOEICなどのテストを提供している会社が運営している英語能力テストです。ちなみに、TOEICは日本と韓国で人気の試験だと上述しましたが、TOEFLに関しては世界中で知名度があります。
アメリカにて多く使われている英語能力テストですが、オーストラリアやニュージーランドなどイギリス英語圏での進学、ビザ申請時にもスコアを使用することが認められています。また、フランスやドイツでも人気のようです。
4技能で3時間ほどのテストです。スコアは120点満点で、このスコアはIELTS同様2年間有効です。スピーキングはPTEと同様にマイクにて録音する方式です。リスニングがIELTSに比べて、30分ほど長いのも特徴的かと思います。リスニングでは、アメリカアクセントが基本です。
永住する際に求められる英語力
オーストラリアにて移住の際ビザ申請にてどれくらいのスコアが必要になってくるのか調べると、IELTSは4技能とも少なくとも6.0以上、PTEだと少なくとも65以上とありました。
IELTSで6.0というレベルは、TOEICで800点前後に相当するスコアなので、仕事で使える英語力が必要ってことですね!ま、永住して現地で働いていくなら当然のレベル感と言えるでしょうか。
永住ビザを申請する際はポイント制になっているので、スコアが何点以上で20ポイントなどとスコアが良ければ獲得できるポイントが大きくなる仕組みです。(visa2immigration.com 参照)
ちなみに、ワーホリで人気のカナダでも独自のテストがあるようです。それは、CELPIPと呼ばれ、カナダの移住・市民権を取得する人のためのテストで、ノースアメリカンアクセントの内容になっています。
試験には2つの種類があり、ジェネラルだと4技能を3時間で行うに比べ、ジェネラルLSは1時間でスピーキングとリスニングのみを行います。前者は永住権、後者は市民権申請のためのものです。全てがコンピューターで行われます。
カナダでの日常生活がベースにされているようなので、ワーキングホリデーや語学留学で慣れ親しんだアクセントでのテストなので、少しは安心なのではないでしょうか。
【まとめ】 自分の目的に適した試験を選択しよう!
自分がどれくらいのレベルなのか知りたい、または進学やビザのためにこれだけ必要だからと、いろいろな理由でテストを受けると思います。
テストによって出題形式もそれぞれ違うので、各試験でハイスコアを取得するためには、傾向と対策を理解して試験対策をしなければなりません。
TOEICで800点持っていても、IELTSで6.0取れるものではありませし、TOEFLで80点(iBT)取れるほど簡単ではありません。それぞれのテストで試験対策をしないと、これらのスコアは取れるものではありません。
どの英語能力テストを受けるのかは、どの試験が自分にとって最も有益なのかを検討してみてください。
どのテストを受けるにしても、入念な繰り返し勉強が必要なことも今回感じたことです。
日本人の場合は、基本的にはTOEIC受験は大前提として、それにプラスアルファとして今回ご紹介した英語テストのいずれかを付随して受験することをお勧めします。