“料理”は海外生活で重要なスキルになる?外国人とコミュニケーションを広げる手段
みなさんは、初めて海外に渡航した時やこれから渡航することを想像した際に、「しっかりと外国人の方々とコミュニケーションを取ることができるかな…。」と不安に感じた経験はないでしょうか?
私は自分から他の人に話しかけることが苦手な性格であったので、渡航前や渡航後の数日は、何度も不安に感じた経験があります。
そんな時、私を救ってくれた武器があります。それが「料理」です。
音楽や似顔絵アートなどの目に見えるスキルは、沢山の場面の中で、その人の海外での生活を助けてくれ、また英語力が不十分であっても「人と人を繋げてくれる一つの武器」になります。
今回は、「どのように料理のスキルは私の海外生活を助けてくれているのか?」という体験談を書かせていただこうと思います。
ちなみに、私の料理スキルがどのくらいか?ですが、私は料理学校に行ったことはありませんし、料理を始めたのも大学に入学してからで料理歴としては3年間ほどです。
料理の腕前としては、ほぼ毎日自炊をし、弁当も自身で作成、長い間飲食店でアルバイトをしていたため、定食屋のメニューを一人で作ることができる程度でしょうか。これを念頭において、読んでいただきたいです。
日本人は海外の食事が合わないことが多い
今の時代、日本食は世界で大ブームになっており、海外でも沢山の日本食レストランを見ることができます。
これは、日本食が他国とは異なる独特の味付けが人気を博しています。
裏を返せば、日本食の味に慣れた日本人にとって海外の脂っこい味付けは、口に合わない、お腹を下すといったケースが多々あります。
私も、海外の味付けは、体に合いませんでした。(笑)そのため、自身で料理する際も日本食を作ることが多かったと思います。
海外には多くのアジアンマーケットがあり、そこで日本食材を簡単に手に入れられます。気になる価格は、一般的に日本での販売値段と比べると輸入の輸送量や関税が掛かっているため、少し割高の1.5倍~2倍くらいになります。
このアジアンマーケットには、冷凍の物からインスタント食品、醤油などの調味料と品揃えが豊富です。できるだけ現地の安い食材を使って、どうしても代用できないものだけ購入するようにすれば、日本食のレパートリーが格段に広がります。
結果として、日本でいつも作る料理を、海外で日本と変わらないの出費で作ることが可能です。
例えば、物価が日本より高いと言われているオーストラリアでも、野菜や果物は国産であるため、価格は日本より安いです。
海外で生活される方にとって、「食」という部分は私達の生活を大きく左右する部分だと思います。
海外の味付けを好まれる方、好まれない方はそれぞれだと思いますが、生活の質を向上させるために、絶対にあって損はないスキルです。
自炊は圧倒的な節約手段となる
これは、日本でも同じく言えることになります。
東南アジアなどの地域では、物価の安さから作るより外食が安いことはあります。
しかし、ヨーロッパやオーストラリアといった地域は、外食での価格は日本で外食するよりも高いです。
観光地とローカルな地域では差がありますが、日本の1.2倍~1.5倍くらいの値段になります。今、滞在しているオーストラリアのパースでは、普通のラーメンは一杯1,200円くらいが相場です。
短期旅行であれば、そこまで支障はないかもしれませんが、中長期になると出費は大きく差が出ます。
そのため、海外留学(ワーホリ)をする人にとって、自炊は必須になってきます。
オーストラリアにも大手のスーパーマーケットが存在します。大手のスーパーマーケットでは、調味料から生鮮食品まで日本と同じ値段か、物によっては安く手に入れることができます。割引の商品も多く売られています。
現地で生活していて思うのは、郊外より市内の方が価格は安く、より規模が大きいお店ほど価格は安い印象があります。
私は、オーストラリアの生活で、1日3食自炊して食費を500円以内に納めています。もちろん、野菜や調味料も心掛けているため、健康的な食事です。(笑)
一回外食すると、安いハンバーガー屋さんでも500円は超えてしまいます。料理のスキルがあれば、健康と節約の2つを手に入れることができます。
また、私はオーストラリアで車中泊のキャンピング生活を送っていた経験があるのですが、オーストラリアでは公園やビーチの近くに、無料のバーベキュー台と流しが設置されています。
こちらの施設でバーベキューをすれば、外食を避けることができて節約できますし、自炊生活も楽しく行うことができました。これからオーストラリアに行かれる方は、ぜひ無料のバーベキューサイトを使用してみてください。
レストランの仕事を見つけやすくなる
オーストラリアには、ワーキングホリデーで来ているので、仕事を探していました。
仕事探している中で分かったことは、多くの仕事場で求められるのは、「経験」と「実力」の二つです。
日本のように、採用後に研修してくれて実力を上げさせてくれるお店は、ほとんどありません。
はじめから、ある程度の基本的な力は求められます。
流れとしては、一般的に面接から始まり、その後トライアルという期間が数日あります。そこで実力やお店に馴染めるかを判断されます。
私の場合、料理好きがきっかけで、日本で3年間の間、日本料理屋からイタリアン、Barなど、多様な飲食店で接客とキッチンハンドのアルバイトをしていました。
そのため、オーストラリアでも、面接で順調に話が進み、ほとんどのお店でトライアルを受けることができました。その後は、自身の英語レベル不足や雰囲気が合わないなどの事情で、採用されないこともありました。
ですが、この料理の経験は、仕事を手に入れる可能性をかなり上げてくれたと思います。
料理がコミュニケーションを広げる
料理がコミュニケーションを広げるという部分が、今回私が一番伝えたかったトピックになります。
フィリピンの留学中、一人旅でのゲストハウス、ワーキングホリデーでのシェアハウス生活、どんな場所でも自炊生活をしていました。他の人のために料理をしていたことも何度もあります。
シェアハウスでの生活を例に挙げると、ハウスメイトが8人いる時に、私は8人分の夜ご飯を毎日作って、食卓をみんなで囲んでいました。
時には近くの家に住んでいる友人がご飯を食べに来て、最大で14人分を作ったこともあります。(笑)ここでの料理の目的は2つあります。
➀を説明すると、初めて出会った人に「友達になりませんか?」と直接的に話しかけるのは、苦手ですし、唐突な感じもあるので違和感があります。
話しかけても共通の話題が無ければ、「どんな話題で会話を続けよう…。」となったこともあります。
そんな時に「今から夜ご飯作るのですが、一緒に食べませんか?」というフレーズが使えます。
特別な用事がない限り断る理由はないですし、誘ったら大抵は食べに来てくれます。
そして、食べに来てくれた人との会話は、料理に関しての話題で続けることができます。
料理を提供することは、友達作りのきっかけと会話の話題提供にかなり効果的です。
相手の胃袋を掴むことは世界共通でした。(笑)
そして、「あいつの夜ご飯美味しいぞ!」、「夜ご飯作ってくれる人がいる。」と知らない内に他の人に告知してくれて繋がりの輪ができていくので、多くの友人を作ることができました。
次に⓶を説明すると、自分の手で自身の居心地が良くなるシェアハウスの雰囲気を作ることができます。
日中は学校や仕事の人が多いですが、夜ご飯の時間帯は一番シェアメイトが家に集まる時間帯になります。
その時間帯に、みんなのために料理をすることで、自分中心でその時間が回ります。
つまり、友達と対話の時間を増やすことができ、多くの人から頼られる機会を作ることができます。
これにより、いざ自身が何か困った時などに、今度は逆にハウスメイトに気軽に頼ることもできます。相手にとっては借りがある状態とも言えるでしょうか。
もちろん、大人数分の料理をするのに労力と時間は費やす必要があります。
僕は、せっかく作るのであれば、食事を楽しんで欲しかったため、毎日違うレパートリーで、複数の品数を作ることを心がけていました
しかし、振り返ってみると、友人との繋がりが強くなり、大人数の料理を作る経験を含め、その労力と時間以上の対価を手に入れることができました。
ゲストハウスで一度しか会っていないスイス人の方から、「前にディナーを作ってくれた日本人の少年だよね?それで、君の名前も覚えている。(笑)その日以来、日本食が好きになった!」といきなりメッセージが来た時は、心の底からディナーを振舞って良かったと感じました。
料理が得意な人は是非試してみて!
以上が、私の「料理」による体験談になります。
はじめは、「ただ節約のために…。」と料理を始めたことが、ここまで自身の海外生活を助けてくれるとは思っていませんでした。
料理は誰でも家で簡単に始めることができるスキルです。
そして、料理を作る技術は、音楽やアートと違い、短期的にレベルを上げることができます。
これから渡航される方には、強くお勧めしたいスキルです。料理を作る技術に加え、周囲をもてなすホスピタリティ精神があれば、あなたの世界はどんどん広がっていくでしょう。
私自身の考えになりますが、料理以外でも長く続けていたことは、何かしらの場面で自身の生活を助けてくれる武器になります。
一つでも何か武器を携えて渡航してみると、新しい体験ができるかもしれません。