【オーストラリア版】海外でのシェアハウスの実態と探し方を紹介!
ワーキングホリデービザや学生ビザで数か月以上の海外生活をする場合、一般的には自分で住まいを探すことになります。
入国直後は、出発前にあらかじめ手配しておいたホームステイ先や学生寮に1ヶ月程度住む人が多い印象ですが、その後は各自家探しをすることになります。
2~3ヶ月の滞在期間であれば、その期間最後までホームステイや学生寮に滞在するパターンもありますが、それ以上の期間となるとシェアハウスに引っ越す可能性が圧倒的に高くなります。
欧米社会全般で同じなのですが、オーストラリアも同様に日本のようなワンルームアパートのような単身向けの物件が殆どありません。
日本に比べて1つひとつの家が大きく、オマケに家賃も高騰しており、ほとんどのワーキングホリデー等の人たちは予算面から1つの物件を自分だけで借りることは難しいのが現状です。そのため、1つの物件を複数名でシェアして滞在するシェアハウスに住むことになります。
手続きは、非常にシンプルで簡単です。興味のある物件を内見し、条件や入居日などを確認・調整し、保証金を支払って、あとは引っ越すだけです。荷物もスーツケース1つなので、引越し業者にお願いする必要もありません。
私は滞在期間中に色々な家に住みたいと思い、渡豪してからこれまでに3回引越しをし、近日中にも引っ越すことになっているので、それを含めると4回目になります。
家探しは慣れていないと少し不安に感じる方もいるかもしれませんが、1回経験してしまえばなんてことはないです。
今回は、オーストラリアのシェアハウスの実態と個人の経験などを絡めながら、家探しのイロハを共有できればと思います。
シェアハウスとは?
シェアハウスは、日本では殆ど聞かないシステムですが、海外では極々一般的な滞在方法です。他人同士が同じ家もしくはアパートで共同生活をする家のことを指します。
ひとつの寝室に何人が入るかは物件によりますが、オーストラリアでは1人部屋から4人部屋程度が主流です。4人部屋になると、2段ベッド形式になるところが多い印象です。
そして、日本語でシェアハウスと言っても、1軒家をシェアする場合(ハウスシェア)と、日本でいうマンションやアパートなどの1部屋をシェアする場合(フラットシェア)があります。
ハウスシェアやフラットシェアといった専門用語が幾つかありますが、要するに1つの物件を複数名でシェアして住むものだと思っていただければ良いです。一般的には、それらを総称してシェアハウスと呼んでいます。
シェアハウスにはオーナーが同じ家に住んでいる場合もありますし、別のところに住んでいることもあります。オーナーが一緒に住むケースも良し悪しがあります。
一緒に住んでいると掃除などのルールが厳格化するため、綺麗な生活環境を維持したい人には快適です。オーナーがいないと、その辺はルーズになりがちです。一方、ルールに口うるさいオーナーもいるので、ストレスに感じる方もいます。
シェアハウスの特徴
メリットもデメリットもありますが、ざっと挙げると以下の特徴があります。
・スーツケースひとつで入居
ほとんどのシェアハウスは家具が備え付けで、家賃の中に、光熱費、水道代、インターネット代も含まれていることが多いです。キッチン用品、洗濯機などの電化製品も家にあるので、スーツケースひとつで入居が可能です。
・入居や退去が簡単
(大抵のシェアハウスが違法だからというのも関係しているかもしれませんが)日本のように契約が煩雑ではありません。保証金(ボンドと呼びます)を支払えば、基本的にはあとは入居するだけです。保証金は退去時に何もなければ戻ってきます。
収入証明や身元の確認、様々な書類を熟読してからの契約書などもほとんどありません。
また日本では2年縛りの賃貸契約が多いですが、シェアハウスの最短契約期間は2~3ヶ月が主流です。
・ルールは家によって様々
大抵のシェアハウスでは、家を清潔に保つために、掃除当番があります。もちろん、中には掃除をサボる人もいますが。(笑)上記でも触れた通り、オーナーが同居している場合は、ルールは厳格化されますが、管理する人間がいないとどうしてもルーズな人が出てきます。
そのため、オーナーが同居していないシェアハウスによっては、リーダーがいたりします。その人が主にオーナーとの窓口になり、家賃の徴収や内見などを対応する代わりに、家賃が少し安くなっているパターンが多いです。
ルールと言っても掃除当番と、共有で使う備品(食器洗剤やトイレットペーパー)を持ち回りで買ってくるといった程度のものです。
私が住んでいたシェアハウスを紹介
以下、私が住んでいた家の概要とルールを参考までに共有いたします。
1件目は学生寮なのですが、他人とシェアをして生活していたという環境では、シェアハウスと限りなく近いので、学生寮の情報もシェアしたいと思います。
1軒目: 日本で手配していった学生寮(4週間)
・一戸建て+離れ+中庭付き
・寮生活していた生徒は20人以上(ブラジル、チリ、ペルー、インド、日本、トルコなど)
・2人部屋(ルームメイトはペルー人)
・物件エージェントの担当者は南米人
・シャワー/トイレは4人で1つを共有
・契約書なし(本来はあり)
・掃除当番あり(3~4週間に1度)
・外部からの訪問者OK
多分、物件エージェントの担当者側が忘れてしまっただけだと思いますが、なぜか私だけ契約書を交わすことなく終わりました。なので、ルールは最後までよく分からなかったです。
2軒目: 語学学校のブラジル人友達からの紹介(3ヶ月)
・アパートメント(日本でいうマンション)
・同居人5人(ブラジル、コロンビア、フランス)
・3人部屋(ルームメイトはコロンビア人とブラジル人)
・オーナーはブラジル人カップル
・シャワー/トイレは3人で1つを共有
・契約書あり
・共同スペースを使ったら必ず片付けること
・外部からの訪問者OK(22時以降は禁止)
・他の人を泊まらせるのはNG
・掃除当番あり(平均週1回)※オーナーが入っているSNSグループ上で掃除後の写真を送付
・パーティー禁止
・洗濯機は8~22時の間に利用
・ベランダに洗濯物を干してはいけない
・大きい荷物がある際は、正面玄関を通らずに別の出入り口を利用しなくてはいけない
この家のルールが一番細かく厳しく、3ページにわたる契約書をオーナーと一緒に読みあわせし、サインをしてから入居しました。
ですが、退去時には何のフォローも立ち会いもなく、退去後に掃除をしたかどうかで文句をつけられました…。
最終的には保証金もきちんと戻ってきて事なきを得ました。
3軒目: 家探しサイトで見つけた物件(2ヶ月)
・アパートメント(日本でいうマンション)
・同居人7人(日本)
・2人部屋(ルームメイトも日本人)
・オーナーは東南アジア人
・シャワー/トイレは4人で1つを共有
・契約書なし
・来訪者NG(ただし事前にオーナーの許可を取ればOK)
・人を泊めてはいけない(事前にオーナーの許可が必要。宿泊させる場合は1人30ドル。)
シェアハウスの実態とは?
シェアハウスと聞くと、リアリティー番組の影響で、「楽しそう」、「リア充」といったイメージを抱いている方もいるかもしれません。
しかし、実際は…半分は合っていて、半分は間違っている、と個人的には思います。
同居人たちと仲良くなれば、家でパーティーをしたり一緒に出かけたりと楽しいです。
ただ、相性が合わなかったり、ルールに対する価値観がずれたり、またオーナーとも揉める人も少なくなく、ストレスが溜まるのも事実です。
私は2軒目の引越し先として、英語力の向上のために日本人がいないシェアハウスを選びましたが、私以外の全員がラテン女子でした。彼女たちはお互い困ったら助け合う精神が強く、最初の方は楽しめていました。一方、パーティーやクラブが大好きで、毎日のように同居人の誰かの友達が家にやってきては、夜中まで大きな声でおしゃべりをしていました。
共有スペースを散らかしても片付けない子も多く、途中からはグループチャットで冷戦のような状況が続いた時もありました。また、家にはカップルも住んでおり、自分のすぐ横でイチャイチャが始まることも日常茶飯事でした。
最終的には、マンション全体で禁止されているパーティーを家で行い、翌日に近隣から苦情が殺到し、マンションの管理会社からオーナーに警告書面が届いたこともありました。
最終的に私は彼女たちのルールのルーズさに耐えきれず、最短契約期間で退去しました。
その次は、ルールを守って常識のある人たちと一緒に住みたいと思い、行き着いたのは日本人だけの家でした。英語環境で生活し続けたいと思っていたので、ためらいはありましたが、条件に合うキレイな家がそれ以外見つからなかったのです。
ただ、引っ越してからというもの同居人に恵まれ、快適に暮らしています。その代わり、オーナーは職権乱用するタイプで、日本人女子に声を掛けてはデートに誘い出したり、必要なキッチン用品を買い渋ったりするため、オーナーVS入居者の構図になっています。
やはり、すべてが完璧に満足という物件に巡り合うことはなかなか難しいのだと思います。今回も最短契約期間が終わるため、また英語環境に移動すべく近日中に引っ越すことにしました。
これらの教訓から言えることは、知らない人たちと暮らすことだけでも色々大変な上に、文化や価値観が大きく異なる人たちと一緒に生活していくことは、面白さもストレスも得ることになります。
シェアハウスをどう思うかはその人の性格によるものが大きいですが、長年一人暮らしをしていた私にはなかなかハードでした。細かいことが全然気にならない人には最高でしょう。
シェアハウスには大なり小なりストレスがつきものだということを頭に入れておき、家探しをしましょう。
シェアハウスの探し方
家の探し方は、大きく分けて2つあります。
「友達からの紹介」、または「家探しサイト」を検索して自分で探すかの二者択一です。
友達に紹介してもらう場合は、仲良くなった子たちに聞くだけですので、ここでは家探しサイトでの探し方について簡単に紹介していこうと思います。
オーストラリアで家探しをする際は、2つのカテゴリーに分かれます。
シェアハウスは誰と一緒に住むかで、探す媒体が変わってきます。日本人以外と住みたいなら、現地の英語サイトで探すのが一般的です。
一方、家では極力ストレスフリーを重視し、日本人同士で生活したいと考える方もいます。そういうタイプの方は、日本人が物件を募集している日系サイトで探しましょう。
現地の英語サイト
・Gumtree(https://www.gumtree.com.au/)
・Flatmates(https://flatmates.com.au/)
・ozflatmates.com(https://ozflatmates.com/)
・Roomster(https://www.roomster.com/)
・Facebook(https://www.facebook.com/)
日系サイト
・JAM’S TV(https://www.jams.tv/)
・日豪プレス(https://nichigopress.jp/)
・Cheers(https://cheers.com.au/)
興味のある物件を見つけたら、メッセージで問い合わせをします。
すぐに内見を勧めてくる人が多いので、先に質問しておきたいことがあれば、メッセージ上で聞いてしまいましょう。担当者はオーナー以外の、家のマネージャーや代理店であることもあります。
面倒臭がりな人が多いので、質問に回答してくれなかったり写真を送ってほしいと頼んでも送ってくれなかったりする人もたくさんいます。そもそも返信さえくれない人も結構いるので、少しでもアリだなと思ったら、どんどん問い合わせするのが良いと思います。
以下は、英語サイトで物件に対し、英語で問い合わせをする場合を紹介します。
問い合わせ内容には、この5項目をメール文に入れるだけで大丈夫だと思います。文体もカジュアルで問題ありません。
ただし、物件によっては、国籍、入居予定日、どのくらい住む予定か、などを最初に記載して欲しいという人もいるので、物件案内に書いてある文章を読んでから連絡をしましょう。
特にオーナーと同居するタイプのシェアハウスだと、最初に自己紹介を求められることもあります。返信が来たら、やりとりをして、内見したい場合は日時を決めます。
住所が書いていなかったり間違った住所がサイトに掲載されていたりすることが多々あるので、必ず住所を確認してから物件に向かいましょう。
もし、やりとりの最中で内見したいと思えなかった場合は、お礼を言って終わりにしましょう。
ちなみに、日本語サイトの方は、電話番号の記載があれば、直接電話してしまった方が話は早いかも知れません。
シェアハウスは早い者勝ちなので、人気物件は1日や2日で決まってしまう場合もあります。メールでやり取りしていたら、ライバルに出し抜かれます。
詐欺物件情報には注意!
余談になりますが、家探しのサイト上には詐欺物件がゴロゴロ転がっています。明らかに写真がキレイで生活感が一切感じられない写真の物件には疑ってかかった方が良いです。
私は怪しいと分かっていながらも、奇跡的に優良物件だといいな…と1%の希望を抱いて、2件問い合わせたことがありますが、いずれも詐欺物件でした。
メールの返信がとても早くかつ長文で、聞いてもいないのに自分は仕事で海外にいる等と言い始めたので、すぐに詐欺物件であると確信しました。
基本的に、「内見ができない物件=完全に詐欺物件」と思っておけばOKです。また内見の前に保証金の支払いを要求してくるのも完全にアウトです。
シェアハウスの内見する際のポイント
内見時には、自分が気になる質問をたくさんぶつけましょう。英語ができなくても、事前に文章にしてメモしておき、案内してくれる人に見せれば大丈夫です。
内見後にもメールなどで質問はできますが、その場でしか感じることのできない臭いや音にも気にしてみましょう。虫が苦手な人は、住んでいる人に発生するかどうかを聞いてみるのもいいでしょう。
窓ガラスが二重になっていたら、外の音がうるさいエリアなのだなと分かりますし、家が古く見えなくてもリフォームなどを繰り返しているだけで根本は古く、水回りが臭かったりもします。
契約条件やルールなどもしっかり確認しておきましょう。お金がらみで揉めることはよくある話です。揉めた場合、オーナーは入居者の保証金を預かっているので、立場が弱いのは確実に入居者です。オーナーの逆鱗に触れて、家にいた全員が強制退去させられた子も見てきました。
契約期間に関しては、最短契約期間を定めているシェアハウスが多く、シドニーでは2~3ヶ月が多いです。期間を満了せずに退去すると、罰金を支払うもしくは保証金が返ってこないことがありますので、事前にきちんと確認しておきましょう。
退去の連絡に関しては、大抵2週間前の告知を義務づけています。物件によっては3週間のところもあったりするので、これも要確認です。退去時に関しては、私の場合は過去すべてオーナーの立ち合いはありませんでした。
契約書が無い場合は、良くも悪くも「主張したもの勝ち」です。上手くいけば自分の主張が通せます。
3軒目の家には契約書がなかったため、家に必要だと思うものはオーナーにガンガン主張して買ってもらいましたし、家賃交渉もしました。
海外なので、思うことがあればどんどん主張していくことをおすすめします。ただし、相手に嫌われない程度に節度を持っての主張が大前提ですが。
海外の人たちは自分たちの権利は強く主張しますし、時には全然必須ではないものも「私たちには絶対に必要!」とオーナーに交渉していく姿を見てきました。
日本人からすると、「図々しいと思えるレベルが世界基準の自己主張なのでは?」と思えてきます。
そういった部分の価値観の違いを体感することも、海外経験だと思いますし、国際感覚を養うためには重要な要素だと思います。
交渉を有利に進めるためには、相手が誰であろうと駆け引きが重要です。一方的に主張すると相手も意地になってしまうこともあるので、日本人特有の柔軟性を活かして引くところは引いて交渉上手になりたいものですね!