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【日本語教師体験談】資格なし・経験ゼロでも海外で外国人に日本語を教える方法を伝授します!

公開:2020/03/10 著者:細屋 環 1584 Views

ワーキングホリデーや学生ビザで海外にやってきた人の中で、外国人に日本語を教える仕事をしたいなと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回の記事は、資格はないけれども外国人に日本語を教える仕事がしたい方たちに向けての内容となります。

海外にやって来ると、最初からその国の言語がペラペラなほぼネイティブみたいな方達を除いては、外国人である我々はローカル(英語環境)の仕事の選択肢が少ないのが実情です。

 

そのため、留学の最初のステージでは、日本食レストランなど日本人であることを活かした仕事にならざるを得ないのが現実です。

 

英語スキルなどがあったとしても、同レベルのスキルであれば言語を自在に操るネイティブの方が優先されるのはどこの国でも同じです。

そうなると、現地の人や他国の人たちに絶対に負けない分野で勝負するのが手っ取り早く、ネイティブ日本人であることを生かしたものになってきます。

「ネイティブ日本人であることを活かしつつ、英語も使える仕事は何か?」と考えて、すぐに私の頭に浮かんできたものは「日本語教師」でした。

プライベートレッスンなら資格なしでも可能

求人サイトで日本語教師の求人を漁ってみても、いずれも教員免許が必須になっていました。そりゃまあそうですよね。私は残念ながら教員免許を持っていません。

そこで、自分で仕事を作ることにしました。プライベートレッスンであれば、資格の有無は問われないからです。

オーストラリアには、「Gumtree」というオーストラリア最大の掲示板サイトがあり、登録をすれば自由かつ簡単に無料で広告を出すことができます。登録は無料なので、これを活用しない手はありません。

 

→ オーストラリア人が使う掲示板サイト「Gumtree」。

まずは掲示板サイトに広告を出してみる

広告文は、「日本語を習いたい人はいませんか?」というような問いかけと、簡単な自己紹介、どういったレッスンを想定しているのかを書いた上で、場所・価格・時間も併記した内容を英語で投稿しました。

投稿してからというものなかなか連絡がありませんでしたが、1週間が経ってようやく問い合わせが1件入りました。

ただ、問い合わせしてくれた人は、広告文章を全く読んでくれておらず、条件調整の段階でやりとりが途絶えてしまいました。

 

それからまた問い合わせが来なくなったため、広告や文章にも問題があるのではないかと思い、興味を持ってもらいやすくするために、イメージ写真を載せたりタイトルを取っつきやすく変更してみたりしました。

すると、現在の生徒さんから連絡が入りました。彼も私の広告文をほとんど読んではいませんでしたが…。(笑)

ただ、日本語を勉強したいという熱意がメッセージから感じられ、条件交渉にも積極的だったため、無事に話がまとまり晴れてレッスンが始まりました。

 

生徒と条件を決める

メッセージ上で生徒側と決めたことは、「金額」と「場所」と「時間帯」でした。私が投稿した広告文では、場所は自分の家近くの図書館で、時間帯については図書館の営業時間に準じながらも柔軟な対応可。その上で1時間あたりのレッスン料を記載していました。

ただ生徒さんは、仕事はフルタイムで働いており、平日昼間の休憩時間を使って会社近くでレッスンを受けたいとのことでした。なので、生徒の希望に沿う形で、諸々条件を調整していきました。

その際、シドニーで日本語を教えた経験を聞かれましたが、正直に無いと答えました。日本での経験もありませんし、どんなに盛ってもゼロはゼロです。1~2回レッスンをしてみて“無し”だと思われれば、それで終わりなので、最初が肝心です。お金をもらってやる仕事ですので、プロフェッショナルな対応を心がけましょう。

実際のレッスンの進め方

以下は、私のレッスンの進め方です。プライベートレッスンなので正解というものはありませんし、あくまでオリジナルです。

私と同様、日本語教師経験がないけれども「日本語を教えてみたい!」という方の役に少しでも立てれば幸いです。

 

【初回】生徒さんの日本語レベル・学習目的・目標をチェック

ここでは授業料はもらいませんでした。理由としては、これまで日本語を外国人に教えた経験がゼロで、レベルを確認してからすぐに進め方を提案してレッスンを始める自信がなかったためです。ただ生徒さんは、その代わりにと昼食をご馳走してくれました。

 

メッセージ上で授業の進め方の提案・意見交換

生徒さんは、日本語を1年半ほど学習した経験があり、ひらがなは全て読み書きができて基礎的な文法も学習済みでした。彼の目標は、旅行の際や日本人の友人と日常会話ができるようになりたい。

そして、ゆくゆくは仕事で日本人のお客さんとコミュニケーションできるようになりたいということでした。そのため、テキストは使わず、毎回テーマをこちらで設定し、それについて会話をする形式を提案しました。

また、語学の習得には語彙力も非常に大事ですので、次回のテーマを事前に伝えることで、関連する単語を事前に予習しておいてもらうようにしました。授業外でもできるだけ勉強してもらわないと、どうしても成長スピードが鈍化してしまうからです。諸々の合意が取れたら、日時を決めてレッスン開始です。

 

【2回目】レッスン開始

カフェで横並びの席に座り、タイマーをセットしてレッスンを始めます。前回の復習を軽くした後に、その日のテーマに関する質問を投げかけていきます。手元にはノートとペンを用意し、会話文を書きながら適宜修正や補足していく方法で授業を進めています。

生徒さんには会話に集中してもらうために、ノートは使わないようにしてもらっています。私がノートに書いている文字を見やすいように、生徒さんには自分の左側(私が右利きのため)に着席してもらうのがベストです。

ノートを使うメリットは大きいと思っています。理由としては、説明がしやすくお互いに復習もしやすく、生徒がどこで何を間違えたのかを記録して次回以降のレッスンに反映させることができるからです。

 

レッスンの最後に、ノートに書いたことを写真におさめてもらい、質問などの有無を確認し終了です。

レッスン後は、必要に応じて連絡をしていますが、その際、できるだけ英語と日本語の文章を併記して送るようにしています。

なお、生徒さんの理解度を意識しながら日本語を書くのはなかなか労力が要る作業で、自分の首を締めることになりかねないので必須にはしていません。

 

レッスンを進めながら適宜調整

プライベートレッスンの良いところは柔軟性だと思うので、できるだけ生徒さんの要望を聞いて適宜調整・対応をしています。

例えば、当初会話のテーマを1回毎に設定していましたが、もう少し深堀りした会話練習がしたいという要望がありました。そこで、2回で1テーマとし、その翌回に復習をする流れにしました。また、生徒さんは仕事が忙しいものの復習や予習にあてる時間をきちんと確保したいということで、レッスンの頻度も調整しています。

なお、私の場合は、生徒が1名ということもあり、質問やライティングの練習をしたいと思ったら、授業外でも自由にメッセージを送ってよいというルールにしました。ただし、業務時間外のため、すぐに返信できるかの保証はできないと伝えた上でです。

 

何語で教えているの?

教える方法は、日本語で日本語を教える直接法と、学習者の母国語で日本語を教える間接法の2種類がありますが、私の場合は後者の間接法です。

自分の英語レベルと生徒の日本語レベルによって、ベストな方法を見つけるのが良いと思います。また、自分の英語レベルに合わせて、生徒の日本語レベルを条件に入れても良いと思います。

生徒の日本語レベルが高ければ高いほど、日本語で教えることが簡単になります。

 

広告を出す際の反省点

プライベートレッスンなので、その特徴を最大限に生かすために、金額・場所・時間については初めから応相談にすると良いと思います。

私は当初すべてを決めてしまっていましたが、あとで適切ではなかったな…と思いました。

ただ、きちんと広告文を読んで問い合わせをしてくる人もいない(に等しい)ので、やりとりの中で詳細を詰めていけば良いと思います。

 

ワンポイントアドバイス

移動時間・交通費・準備時間等をきちんと考慮して、レッスン料を決めましょう。

私の場合は生徒の満足度と経験値を得ることが最優先だったので、金額もリーズナブル(といってもジャパニーズレストランよりも高い給料)に設定しました。

今回で経験もできたので、次回からはもう少し金額を上げてみようと思います。

 

自分自身もしっかり学ぶことが大事!

 

資格ゼロ経験ゼロでも、このように外国人に日本語を教えることは可能です。しかし、自分自身で日本語について勉強をすることがとても大事です。

 

質問に答えられないようでは、レッスンを受けてくれている生徒に申し訳ないですし、そんな教師だと次回から依頼してくれなくなります。

 

私は、日本語の教え方やレッスンの仕方、外国人がつまずきやすいポイントなどをインターネットを通して情報収集しつつ、日本語教師である友人たちに相談しながら、知識をつけている最中です。

日本語教師でないかぎり、自分の母国語について考えることなんてそんなにないと思うので、常に新たな発見があって面白いです。

興味のある方はぜひ気軽にチャレンジしてみてください。そして楽しく働けるといいですね!

 

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