オーストラリアの「新型コロナウイルス」最新情報とシドニーの現状をレポート
こんにちは、オーストラリアのシドニーに滞在中の「ちさき」です。
世界中で大流行しているコロナウイルスの早い終息を祈るばかりですが、そんな皆の思いとは裏腹に、オーストラリアでは感染者が増え続け、政府がコロナウイルス対策ととる施策もどんどんと厳しいものになっているのが現状。
今までに体験したことのない「未知への恐怖」からパニックに陥り、スーパーからは日用必需品が姿を消しています。また、いつも観光客で賑わうシドニーのシティが空っぽになるなど、日々「コロナウイルス」の凄まじさを実感しています。
オーストラリアに滞在している日本人はもちろん、オーストラリアにワーホリや留学で渡航予定だった人など、たくさんの日本人がオーストラリアの近況を気にかけていることでしょう。
留学の中止や延期で落ち込んでいる人は多いと思いますが、「現在の状況下では、渡航できたとしてもプラスになることは無い…。」ということを、この記事を通じてご理解頂けると思います。
今回は、シドニー在住の私から、オーストラリア政府の政策からスーパーや街中の様子など気になる近況をお届けしたいと思います。
オーストラリアのコロナウイルス感染者数
3月23日(月)時点で発表されているオーストラリア国内でのコロナウイルス感染者数の合計は1,098名。州毎の内訳は以下のようになっています。
シドニーのある「New South Wales」の感染者数が一番多いことがわかります。その次に感染者数が多いのが第二の都市メルボルンの「Victoria」です。
当たり前ではありますが、人の多く集まる大都市はコロナウイルスの感染者数が多い傾向にあることが分かります。
オーストラリア政府のコロナ対策
オーストラリアでは毎日のように政府から新たな施策や方針が発表されており、それによってオーストラリアに滞在している人の毎日の生活が大きく左右されます。
オーストラリアへの渡航を予定していた人にとっても、オーストラリア政府から発表される対策は必見ですよね。
2020年3月23日(月)現時点で発表されている、オーストラリア政府のコロナウイルス対策をまとめました。
・非居住者は入国禁止
ついこの間まで、入国規制のかかっていない国(中国、イラン、韓国、イタリア以外)からであれば「14日間の自主隔離」付きでオーストラリアに入国することができました。
ですが、3月20日(金)よりモリソン首相はオーストラリア国籍保持者と永住権保持者以外のオーストラリア入国を禁止すると発表。
つまり、オーストラリアにワーホリや留学で近い将来に渡航予定だった日本人は、オーストラリアに入国することができません。オーストラリアに入国するには、政府から「入国禁止」が解除されるのを待つしかない状況です。
・NSW州、VIC州、ACT、「必要不可欠でないサービス」を閉鎖
3月22日(日)には、「non-essential service」は閉鎖という発表がありました。
シドニーのローカルカフェで働いている友人も先週までは普通に出勤していました。しかし、3月23日(月)からはすべ手のシフトはキャンセルされ、お店はクローズすると連絡があったようです。
「non-essential service」とは、「必要不可欠でないサービス」という意味で、つまり、映画館などのエンターテイメント施設はもちろん、レストランやカフェなどもすべて閉まります。
オープンしているお店はスーパーマーケットや薬局、銀行やガソリンスタンドなど家での自粛生活で生き延びるのに本当に必要なサービスのみ。
詳細は近い将来に発表されるとのことなので、まだ詳しくは分からず私もとても不安ですが、事実上の「ロックダウン」になると予想しています。
現状、外出できるのは、食料品の買い出しだけになりそうです。
・Northern Territory、Tasmania、South Australia、州境を閉鎖
ノーザンテリトリー、タスマニア州、南オーストラリア州は、ノーザンテリトリーは各3月20日(金)、その他は3月24日(科)より、州境を閉鎖することが発表されました。
オーストラリア内の他州からこれらの州に入る場合は、14日間の自己隔離が必要となります。
シドニー市内や有名観光スポットの様子
私が最近外出した際にとった写真と共に、シドニーシティー内の様子を見ていきましょう。
・オペラハウス周辺
オペラハウスとハーバーブリッジが見渡せる「サーキュラーキー」。
普段のシドニーなら、曜日・時間を問わず観光客で賑わうシドニー屈指の観光スポットです。
でも今のオペラハウスやハーバーブリッジは、きっとシドニーで生まれ育ったオーストラリア人でも驚くくらい閑散としています…。
結構前からシドニーを訪れた外国人は14日間の自己隔離生活だったので、観光客の姿がないのも納得です。(※3月20日(金)以降は、外国人のオーストラリア入国が不可になっています。)
あまり意味もなく出歩くのは避けているので、シティ内の他の場所を写真に納めてくることはできなかったのですが、普段一番込み合っているサーキュラーキーでこの様子だとシティ内はどこも人が少ないことと思います。
・ボンダイビーチ/マンリービーチ
シドニーで観光客と地元オージーから大人気のボンダイビーチとマンリービーチの2大ビーチですが、オーストラリア政府によって3月21日(土)の午後から閉鎖されました。
その前日の3月20日(金)は、シドニーの3月後半では珍しい30度近い夏日を記録したことで、下写真をご覧の通りありえないほど多くの人が集まってしまいました。
「え?こんな時期に?」と言葉を失いそうなくらいの混雑ぶりですよね。
次々と職場が休業になり時間を持て余した人がたくさんいたことも重なって、こんなに混雑してしまったのかもしれません。
もともとはこの状況下でも特にビーチが閉鎖ということはなかったのですが、「屋外での500人以上の不必要な集まり」を前々から禁止している政府はビーチを閉鎖せざるを得なかったことと思います。
シドニーでの生活の様子
シドニーで日常生活をするにあたって、どのような変化があったのかお届けします。
日々発表される政府の発表に対し、オーストラリア中の人々が「次はどうなるのか?」と釘付けです。
・多くのオフィスワークは在宅勤務に
シドニーCBDにはたくさんのオフィスビルディングが立ち並び、スーツを着たオフィスワーカーでいつも賑わっています。
そんなシドニーCBDですが、3月16日の週の中旬あたりから多くのオフィスワーカーは在宅勤務となり、市内からオフィスワーカーの姿がほぼ消えました。
「Wynyard駅」近くのカフェで働いている友人は、オフィスワーカーが市内から消えたことにより、コーヒーの売り上げはガタ落ちだそう。
オフィスワーカーのランチ休憩を狙って営業しているオフィス街のレストランやフードコートも大打撃だろうな…と思います。
・普段は繁忙なレストランも空席が目立つ
3月23日の週からはレストランやカフェはクローズしてしまいますが、先週はまだレストランへ行くことができたので、その時の様子をお伝えしたいなと思います。
いつもは観光客や常連客で賑わって、予約をしないと入れないほど大人気なレストランに足を運んだのですが、正直のところ空席ばかりでした。
お店の人に話を聞いたところ、「もう最近はずっとこんな感じ…。」だそう。サービス業界はきっと今どこの国でも大打撃を受けていそうですよね。
・スーパーで「買いだめ客」が目立つように
日本でトイレットペーパーが品薄になったニュースがあった時には、「オーストラリアはまだ大丈夫だな。」なんて正直思っていました。ですが、その次の週あたりからトイレットペーパーがスーパーから消えました。
最初は本当にトイレットペーパーだけが消える騒ぎだったのですが、日に日にスーパーの品揃えは減っていきます。
私の中で一番スーパーの品薄がひどかったのは、先週の3月18(水)〜20日(金)あたりで以下の商品がまったく手に入りませんでした。
・ティッシュ
・肉
・牛乳
・卵
・米
・パスタ
・ハンドソープ
・ハンドサニタイザー
昨日(3月22日)スーパーを訪れたところ、以前よりも全体的にストックがあったので、スーパーの品薄状態は改善方向にあると思われます。
でも残念ながら、トイレットペーパーをはじめとする紙製品やハンドソープやサニタイザーなどの商品はまだ手に入れるのが難しい状況です。
・商品の品薄状態にスーパー側も対策を始める
コロナウイルスによる異常事態によって、大量の買いだめを行うパニック客を多く抱えるスーパー側も決して見て見ぬ振りをしているわけではありません。
大手スーパー「Coles」が必要な商品をより多くの人に届けるために行なっている対策を紹介します。
① お年寄りや障害者だけが買い物できる時間を設ける
店舗によって多少の差はあるようですが、私の家の近くの店舗には下写真にあるような張り紙が見られました。
月曜から金曜の朝7〜8時は、65歳以上の高齢者と障害者のみがスーパーを利用することができます。スーパーへの立ち入りの際には、政府によって発行された証明書を提示する必要があります。
これは、お年寄りや障害者が安全に必要な物資や食料を入手できるようにと設けられている対策のひとつです。
② 購入制限を設ける
コロナウイルスによるパニックで人々が大量に買いだめしている傾向のある商品にはひとりで2つまでなどの「購入制限が」設けられています。
購入制限が設けられている商品は、パスタや米などの食料品からハンドソープやサニタイザーなどさまざまです。詳しくは下写真を参考にしてくださいね。
買いだめの代表的商品となったトイレットペーパーに関しては、お一人様1点までとなっています。この対策のおかげで、皆に必要な物資や食料が行き届くことを祈るばかりです。
・マスクをつける人々
日本人からすると、「新型のウイルスが流行しているんだから、マスクの着用なんて当たり前でしょ!」と思うかもしれません。
日本だとコロナウイルス流行前でも普段からマスクを付けている人をよく見かけます。しかし、オーストラリアを含む欧米社会では、マスクを着用する文化がありません。昨年末の「ブッシュファイヤー」の煙被害で酷い時でも、マスク着用者を見かけることは一切ありませんでした。
オーストラリア人にとっては、「予防」としてマスクを着用する習慣はなく、「マスクは医者がつけるものでしょ?」くらいの認識なのです。
しかし、最近では事の重大さに気付き始めたのか、マスクをつけて食料品の買い出しをする人をよく見かけるようになりました。
・学校は今のところ通常運行
日に日にどんどんと街中から人が姿を消している、そんな状況ではありますが、意外にも学校は今のところ通常通りオープンしています。(※一部の大学や語学学校は除く。)
街に出れば、今でも制服を着た中高生の姿を見かけます。ちなみに、専門学校や語学学校などは、オンラインの授業に変更になったというところも多いようです。
何が何でも学校だけは休校にしない政府の考えは、他国の対応レベルと比べると、少し気になるところです。
オーストラリアのワーホリ勢が直面する問題
私を含めて、オーストラリアに今もワーホリで滞在している日本人は多くいます。そんなワーホリ勢が直面している問題について少しお話しします。
ワーホリ勢は基本的にカフェやレストランなどのサービス業でアルバイトをする人が多いのですが、コロナウイルス大流行によりサービス業の売り上げはガタ落ちしているのが現状です。
したがって、ワーホリ勢の中には職を失ってしまう人や、クビにはならなくてもシフトを入れてもらえないという人が多くいます。
レストランやカフェの営業側も経費を少しでも削り落とさなければいけないので、突然の解雇さえもありえないことではないんですよね…。
それに加えて、今のこの状況だと新たな職を見つけることは限りなく不可能に近いです。
入国禁止がでる直前にオーストラリアにワーホリビザで入国したという人も、「職が見つからない…。」と悩んでいる人は多いはず。
このままだと、本当に生活費が稼げなくて帰国…なんていうワーホリ勢が出てきてしまいそうです。
一刻も早い終息と穏やかな日常の復活を祈ることしかできない自分に、余計に悔しいといった状況です。
留学やワーキングホリデーを検討している方は、こうした予期せぬハプニングも想定しておいた方が良いです。
以下の記事では、「リスク管理」の大切さについて紹介していますので、是非併せてご覧ください。
オーストラリアへの渡航を検討されている方へ
コロナウイルスが流行して以来、「オーストラリア留学が延期になった。」、「オーストラリア旅行が延期に…。」という悲報を日々多く耳にしています。
また、オーストラリアでのワーホリビザの期限がまだ残っているのにも関わらず、日本へ緊急帰国をした人も私の周りにはいます。現地にいるワーホリでさえも、今後の選択を真剣に考えて行かないといけない状況です。
上述の通り、3月20日(金)に発表されたオーストラリア国籍保持者と永住権保持者以外のオーストラリア入国禁止により、日本からはもちろん世界中どこからも入国ができなくなりました。
残念ながら、近い将来にワーホリビザや学生ビザでオーストラリア入国を予定していた人たちは、このまま「入国禁止令」が解除されるまで日本で待機するしかない状況です、
政府がいつ頃までこの入国禁止令を続けるかは未知で誰も予測することができないので、もう本当に一刻も早いコロナウイルス終息を祈ることしかできません。
楽しみにしていたオーストラリア渡航がキャンセル・延期になり悲しいですが、自身や世界中の人々の安全と一刻も早い終息のために、自宅での英語学習やスキルを高めるなどできることを行うのが良いと思います。
私も自宅にてたくさんの記事を執筆しています。外に出られない、やりたいことができないと辛い状況ですが、頑張っていきましょう!
【まとめ】一刻も早い終息を願うばかり…
普段は観光客で賑わうシドニーですが、「新型コロナウイルス」による影響を大きく受けているということをこの記事でお伝えしてきました。
政府による国レベルの前代未聞の対策の数々から、私達の生活を脅かす「スーパーの品薄問題」、「職を失い生活費が稼げない」という問題までさまざまなレベルで大きな支障が出ています。
毎日1日単位で状況が変化しているので、明日になればまた状況が変化している可能性も十分あります。ちなみに、この記事の情報に関しては、「2020年3月23日(月)」時点での情報になります。