【オーストラリア大学留学】大学入学前に通うカレッジって何?ファウンデーションって何?
皆さんこんにちは、えみりです。
コロナウイルスの影響でシドニー大学の授業は全てオンラインになり、課題などもオンラインに変わるなど慣れないことにあたふたしています。自宅待機真っ最中の筆者ですが、皆さんもどうかお気をつけてお過ごしください。
さて今回は大学の紹介に入る前に、私自身も通っていたカレッジ「Taylors College(テイラーカレッジ)」について紹介させて頂きます。
今回の記事は、インターナショナルスクールに通っていなかった高校生向けの記事です。インターナショナルスクールに通っていた方、海外の高校に通っていた方(オーストラリアのYear12レベルの学習をされた方)は対象外になります。
大学留学を考えている方は、大学のウェブサイトで自分の入学条件を確認してみてくださいね!大学に直接問い合わせたり、留学エージェントに確認したりするのも良いでしょう。
インターナショナルスクールに通っていないのに急に海外大学なんて心配…という方も多いかもしれません。カレッジでは、大学本科に入る前に必要な基礎的な知識を学べます。オーストラリアで住むのに役立つ情報や基本的な大学の授業の受け方から英文法などの再確認まで、様々な事を学べるので心配ご無用です。
私自身、高校時代の日本の友達はみんなもう大学に通っていますから、何だか取り残されたような気持ちでいっぱいでカレッジ(ファウンデーションコース)に通っていました。
でも、長くて一年ほどなのであっという間ですし、大学にいきなり飛び込むよりもカレッジに通っている間にオーストラリアに慣れることができたかな?と今では感じています。
最後にカレッジに通うメリット、デメリットもご紹介していますのでぜひ参考にしてみてください。それでは本題に行きましょう!
カレッジ(ファウンデーションコース)って何?
え、私立の女子校出身でも大学にそのまま入れないの?
海外大学でもそのまま入れるのではないか…とうっすら期待をしていた私は、「カレッジ」という聞き慣れない言葉に非常に戸惑いました。
当時よくしてくださっていた留学エージェントの方も、オーストラリアに慣れるという意味でも通うのがいいと思う(それしか選択肢ないけど)と後押ししてくださり、大学に入るためには行かなければならないと心を固めました。
ちなみにTaylors Collegeはシドニー大学付属のファウンデーションコースで、コース終了後に他大学にも出願できます。Taylors College卒業生の95%は、シドニー大学からオファーをもらっているとうたっています。
上記の通り、インターナショナルスクールなどに通っている方や、海外の高校に通っていた方(オーストラリアのYear 12レベルの学習をされた方)はこちらのカレッジに通う必要はないと思いますが、よくよくご自分でご確認ください。
ちなみに、Taylors College(住所: 965 Bourke St, Waterloo NSW 2017)はシドニー大学とは違うキャンパスにあります。
Green Square駅から徒歩10分ほど、Central駅からもバスで通えるWaterlooに位置します。
Taylors Collegeでは、大きく分けて二つのコースがあります。
私は留学エージェントの方に「もしかしたら推薦通るかもよ!」なんて言われてHigh Achievers Preparation Programをおすすめされました。しかし、以前の記事にも書いた通り、高校時代の成績には全く自身がなかったので、初めからファウンデーションコースの方に出願しました。
ファウンデーションコースと短期集中コースの主な違いはコースの長さ(ファウンデーションコースは52週、39週、72週のいずれか、短期集中コースは18週)と科目数(52週のスタンダードコースは2タームあって12教科、短期集中コースは全部で4教科)となります。
Taylors Collegeのサイトでは短期集中コースは週20時間とあり、高校のようなスケジュールのスタンダードコースよりも毎週の学習時間が短いように感じますが、友達で短期集中コースを受けていた子はとても忙しそうにしていました。
また、偶然か必然か、ホームステイ先で一緒にステイをしていた中国人も同じTaylors Collegeに通う事を知り、初日に一緒に登校する約束をしました。
登校初日は、緊急連絡先の情報や銀行口座の開設方法などベーシックな生活面の情報から数学のテストを受けたり、教科書を購入したり授業の時間割などの配布がされました。また、カレッジでは高校のように小さなクラブが何個かあり、私もドラマクラブに参加しました。
緊張の中、案外スムーズに全て済んでいたのですが、登校初日に今でも忘れられない偽札事件に直面しました。
教科書を購入する際に長蛇の列に並んだ挙句、ようやくたどり着いた教科書の販売担当であった先生に「え、このお札どこのルートで手に入れたの?」と聞かれ頭の中が大混乱。
別の部屋に連れて行かれてよくよく先生の話を聞くと、どうやら私が所持していた日本の銀行で両替したお札を偽札と疑っていたのです。日本の銀行は両替する際に新しいお札を出してくれるようで、お札に折り目がなくリニューアルされた小さめの新札でした。
先生の言い分は理解したものの、信用できる日本の銀行で両替したものだし、所持金は全て同じ銀行からのお金のなで本当に慌てました。先生に銀行からおろしたものである事を証明できるレシートと、そのお金を使って開設した銀行口座を見せるように言われました。
次の日先生に会いに行くと「あ〜、夫に聞いたけど最近またお札が新しくなったらしいわね、ごめんね!」と言われて気が抜けました。あの時の涙を返して。(悲)
カレッジの授業とは?
私はスタンダードコースを受講していたのでそちらのコースをベースに書かせていただきますが、短期集中コースも授業形態は変わらないので参考にしてみてください。
スタンダードコースでは英語が必須で、これは短期集中コースでも必須です。残りの3つの教科は、志望の学部によって必要な教科や成績が変わってくるので、Taylors Collgeに載っている一覧表をご覧ください。
私の場合はBachelor of Arts (Global Studies)が第一志望だったので、English A&B、Essential Computer Skills A&B、Foundations of Social Science A&B、Australian Studies A&B、International Studies A&BとMedia Studies and Communications A&Bを受講しました。
どの教科も基本的には教科書と、Taylors College独自の教科書を用いて授業が行われます。高校のようなホームルームはなく毎回授業によってクラスメイトが変わるものの、一日の拘束時間が長く、4階建てのビルで生徒が行ったり来たりしているので高校のような感覚でした。
なので、様々なコースの生徒がいるものの授業は同じものから選ぶので、みんなお互いに何となく顔は見た事ある、という感じでした。
授業の名前にある「A」と「B」の違いですが、Aは一学期に行われる基礎的なもの、Bは二学期に行われる高度な授業の事を指し、スタンダードコースではどちらの授業も取らなければなりません。実際にBはAよりも授業内容が難しくなります。例えば、International Studies Aでは世界史を習い、Bでは国際的にビジネス事情を分析します。
先生方は優しい方が多く、しっかりと授業を受けていれば助けてくれますし、個人的な相談にもたくさんのってくれました。また、生徒の中には授業に来ない人や、ずっと携帯をいじっている不真面目な留学生も多くいました。しかし、真面目に受けて入ればとってもいい成績をもらえ、大学入学時に選べる学部の選択肢が広がります。
私は真面目に成績を受けていたからか、先生と仲良くなり成績優秀賞を頂けました!また、私は数学のテストに自信がなく受けなかったのですが、学部の選択肢を広めるという意味でテストを受ける事を強くお勧めします。
全員必修の英語のクラスでは、基本的な文法から大学で必須の参考文献の書き方について学びます。インターナショナルスクールなどに通われていた方はもうお手の物かもしれませんが、普通の高校を卒業した身としては参考文献に非常に苦労をします。
海外大学では、エッセイなどで引用した本などの著作権に厳しく、様々な参考文献の種類があり、私自身今でも書き方には苦労しているので、しっかり学びましょう!
カレッジでのイベント
カレッジでは、高校のようにカラーラン・インターナショナルフェスティバル・校外見学などなど様々な行事があります。当記事のトップ写真も校外見学に行った際の写真です。
大学に入ってしまうと授業によって全く知り合いがいなかったり、なかなか毎日会う友達が出来なかったりします。しかし、Taylors Collegeで出会った友人は、お互い不安な中で留学していたこともあり、普段から不安や心配事を共有していたので今でも家族の様な存在です。
また大学生になると忙しく、なかなかベーシックなシドニー観光も出来ないので、授業を通して色々な所に連れて行ってもらえるのも魅力的でした。
Taylors Collegeでは生徒と先生の距離が近く、イベントでも先生もノリノリで参加していました。インターナショナルフェスティバルでは、日本人の友達とお好み焼きを作って販売したのですが、何度もブースに来てくれておかわりもしてくれました。
また、カラーランでは単に楽しむだけではなく、Multiculturalismの大切さについてエッセイを書いたうえで、先生が主体となって開催されました。
ちなみに、Taylors Collegeの真横には普通のオフィスが並び、心底迷惑そうな顔をされましたが…。(笑)
皆がシドニー生活・Taylors College生活に慣れて来た頃には、友人と一緒に国際交流ディナー(毎週違う国の料理を作りその国について学ぶイベント)を定期的に開催する様になりました。
普段では絶対に選ばないパキスタン料理からヨーロッパ料理、ミャンマー料理まで様々な食事を食べました。そして、その国の文化の話を聞いたり、皆でわいわいしたりした時間はとっても楽しかったです。
【まとめ】 カレッジに通うメリット・デメリット
最後にまとめとして、私の感じたカレッジに通うメリット・デメリットを説明します。
これから成績を伸ばす余裕のある方や高校から転校する余裕のある方は、自分は通う必要があるのか考える材料にして頂けたら嬉しいです。
まずは、メリットからご紹介します。
・オーストラリアでの生活に慣れながら勉強ができる
これは今でも感じるポイントで、いきなり大学に飛び込んで勉強漬けの生活をしながらオーストラリアでの生活に慣れるよりも、Taylors Collegeに通いながら生活リズムが作り、銀行口座の開設など生活に必要な基本的な手続きを進められたのは良かったです。
・他の国籍の子と家族の様に仲良くなれる
Taylors Collegeでは日本人の数が圧倒的に少なく、マレーシアやシンガポール、ミャンマーをはじめとするアジアからイタリア等、様々な国籍の子と毎日会う事ができます。お互いに悩みを共有したりするため、家族のような関係に発展します。Taylors Collegeでできた友人は大学に入ってからできた友達とまた違い、大切な存在です。
・日本の高校では習わない様なことを学べる
上記で紹介した参考文献もそうですが、日本の高校と海外大学では生徒の知識にすごく差があり、自分の無知さを実感します。Taylors Collegeを通して、国際情勢やメディアの報道問題など、様々な知識を身に付けることが出来たと感じています。
次にデメリット部分について説明します。
・カレッジ全体の8割くらいが中国人の生徒に感じる
建物のどこを歩いていても中国語が飛び交っていて疎外感があります。中国語が話せなくても仲良くしてくれる中国人もいますが、どうしても同じ国籍同士で固まります。そのため、テスト情報の交換や、どの先生の授業が良いかなどの情報を得ることが難しいです。
・大学への入学時期が遅れてしまう
そこまで気にする必要はありませんが、大学に入学する時には自分より一つ下の子達に囲まれる事もあり、少し寂しいです。一浪した感じでしょうか…。
・高校のような授業に飽きてしまう
上にも書いたBの授業は高度なもので飽きてしまう暇もあまりありませんが、Taylors Collegeはシドニー大学から離れた場所にあり、大学入学の目的を見失いそうになりました。
Taylors Collegeについて、ファウンデーションコースの説明、メリットとデメリットのご紹介は以上になります。
これからオーストラリアやシドニーに留学される方、大学留学する方の参考になれば幸いです!