帰国時にオーストラリアの銀行口座は解約?それとも維持?それぞれの手続き方法を確認しよう!
新型コロナウイルスの影響で、海外からの帰国を余儀なくされた方も多いと思います。
緊急帰国となれば帰国準備に十分な時間をかけられない中、銀行口座ってどうするべきか悩まれる留学生・ワーホリの方も多いのではないでしょうか。
今すぐに銀行口座を解約してオーストラリアドルを日本円に換金してしまうのか、それとも口座を維持してとりあえず様子を見ておくのか、そして維持するならどんな方法がベストなのか。
一般的には留学・ワーホリを終えて帰国する時には、現地の銀行口座は解約するのが一般的な流れではあります。
今回のコロナウイルスの件では、時間がなくて銀行口座の手続きが間に合わず、帰国してしまった方も中にはいるかもしれません。
今回はオーストラリアの銀行口座の手続き方法や注意する点についてご紹介していこうと思います。
オーストラリアの大手銀行事情
基本的には、完全帰国する方は銀行口座解約の手続きをするのが一般的な対応です。
まだビザの期限がたくさん残っている状態で緊急一時帰国の場合でも、今回のコロナウイルスのようなオーストラリアに入国できるか未定である場合は、一旦解約することが無難かもしれません。
理由としてはオーストラリアの銀行はNABを除き、条件を満たしていなければ毎月口座維持費がかかるからです。
例え口座残高が0ドルになっても開設している限りは毎月かかるので、放置してしまうと後々面倒なことになりかねません。
ちなみに、帰国後に解約の手続きも可能ですが、少々手間がかかってしまいます。
(1)オーストラリアの4大手銀行と各維持費
・CBA(コモンウェルスバンク)
毎月$2,000以上の入金(21~24歳なら毎月$1,000以上の入金)がない場合は、毎月口座維持費$4がかかります。21歳以下は免除されます。
・ANZ(オーストラリア アンド ニュージーランドバンク)
毎月$2,000以上の入金がなければ毎月口座維持費$5がかかります。25歳以下は免除されます。
・WBC(ウェストパック)
毎月$2,000以上の入金がなければ毎月口座維持費$5がかかります。
・NAB(ナショナルオーストラリアバンク)
口座維持費は無料。
(2)解約する前に確認しておきたいこと
口座を解約してしまう前に確認しておきたい事は以下5点です。
①・②の場合は、銀行をそのまま維持する場合は通常通り振込みがされると思います。またキャッシュでやり取りする場合も問題ないかもしれません。
しかし 口座を解約したいとなると振込先がなくなってしまいます。なので、まずはボスやオーナーに相談しましょう。コロナウイルスという異常事態なので対応してもらうことが必要です。
③携帯電話料金の支払いや何か月額で契約しているものなど、引き落とし先が無くなることになるので、そちらの解約手続きや対応も行いましょう。
④の場合は銀行の種類にもよると思いますが、私が解約したANZでは解約に時にデビットカードが停止されました。しかし、口座内での決算が済んでいなかったため、決算が完全に行われた後にANZの方で停止の手続きをしてくれるとのことでした。
なので、解約する直前に買い物などしてしまっても一応問題はなさそうでしたが、念のために解約する2~3日前にはカード利用は控えておくといいかもしれません。
⑤解約してしまえば、もちろんデビットカードなど使えなくなる訳ですから、帰国までの間に必要となる現金の確保をしておきましょう。
CBA・ANZ・WBCの銀行を利用している方
上記にも記載した通り、NAB以外の銀行は残高が有ろうが無かろうが口座維持費の手数料が毎月かかってしまいます。
なので、解約を希望する方は銀行窓口へ行き手続きを行いましょう。
以下は私が行ったANZでの解約手続き方法になります。
口座解約手続きは、とても簡単かつ短時間ですみます。
必要なものは、「キャッシュカード(デビットカード)」と「パスポート」の2点です。
窓口へ行き、「銀行口座を解約したいです(I would like to close my bank account. )」と伝えれば、銀行員さんが手続きをしてくれるので、後は書面にサインを書けば解約完了です。
残高を予め全額引き出しておいてもいいですが、口座に残っている場合でも現金または小切手で受け取れます。
しかし、残高が多い場合は、事前に銀行に連絡しておくとスムーズに受け取りができると思います。
また、$10,000(100万円相当)以上の現金や小切手などを日本へ持ち込む場合は、関税申告が必要になります。
その他、日本の銀行口座に海外送金することも可能です。
銀行間での海外送金は、海外送金手数料や中間手数料、受け取り手数料と手数料だけでも約5,000円程度取られてしまうので、金額が大きい場合のみとしておいた方が良さそうです。
NABを利用している方
完全帰国の方で、もうオーストラリアの銀行は必要ないという方は解約してもいいですが、NABに関しては維持費がかからないので口座をそのまま残しておく選択肢もアリです。
キャッシュカードには有効期限があるので、しっかり確認しておきましょう。有効期限が過ぎたら当然ATMは使えなくなってしまうため、カードの再発行が必要です。銀行窓口でのお金の預け入れや引き出しはできます。インターネットバンキングの利用もできます。
他銀行を利用していたけどオーストラリアの銀行口座を維持したい方は、新しくNABを開設してもいいかもしれません。
(1)口座を維持するメリット
・上記「解約する前に確認しておきたいこと」でも紹介したように、帰国後に給料なりボンド(敷金)などの口座振込み、また何かの引き落としがされる予定がある場合でも問題なく利用できる。
・一時帰国の場合、オーストラリアに戻れた際に再度銀行開設する手間が省ける。
・タックスリターン(確定申告)やスーパーアニュエーション(年金)の手続き・返金用口座として利用できる。日本の銀行口座に振り込んでもらえる場合もありますが、手続きが面倒だったり手数料が高くついたりする場合があります。
・「維持できる=今すぐ海外送金をする必要はない」ので、円高・円安の様子を見るのもアリ。特に現在オーストラリアでは円高が進み、ここ数週間で60円台になってしまいました。(2020年3月27日時点:1AUD=64円)確か私がオーストラリアに来たばかりの頃は、80円台だった気がします…。
今すぐのタイミングでオーストラリアドルから日本円に換金することに損を感じる方は、口座を維持しておくことで自分のタイミングで海外送金など行うことができるという訳です。
待てば必ず円安になるという保証はありませんが、長期目線で見ると1ドル80~90円前後が平均で、過去には1ドル100円を越えた場面もあります。
そうした円安のタイミングを待って、円安になったタイミングでインターネットバンキング経由から日本に海外送金するのも良いでしょう。
(2)口座開設だけなら1日で作れちゃう
私はオーストラリアの銀行口座を維持したいと思っていたので、口座管理費のかからないNABの銀行口座を作り、そちらにお金の移動をしました。
銀行口座の開設自体は1日でできるので、手間は掛かりません。
ただし、キャッシュカードにおいては手元に届くのに1週間ほどかかりますので、帰国1週間以上前に口座開設した方がベターでしょう。
口座を開設しネットバンキング・アプリケーションの登録をしておけば、オンライン上で金銭の操作はできますし、オーストラリア国内送金も日本への海外送金可能です。
ちなみに、キャッシュカードは、オーストラリアの住所ではなく日本へ郵送してもらうことも可能です。私のように緊急帰国する場合は、銀行員に日本に送ってもらうようにお願いましょう。
ワーホリ期間中はずっとANZを利用していたので、NABの口座を開設後そちらの口座にANZ口座にあったお金を全てトランスファー(送金)して、その後ANZ口座を解約しましたよ!
オーストラリアの銀行口座を維持しておきたい方は参考にしてみてください。
(3)口座維持するなら帰国後にSMS Security登録をしよう
SMS Securityとは、日本でNAB内の登録情報や個人情報を操作・変更する場合に使うツールです。
なので、帰国後に銀行へ国際電話をかけ「SMS Security登録をしたい(I would like to register SMS Security )」と伝えましょう。
なぜ登録する必要があるかというと、オーストラリアの携帯番号が使えなくなればNABからSMSに送られるコードなどを受け取ることができなくなります。
なので、帰国後にSMS Securityを登録・日本の携帯番号の再登録をすることで、コードを受け取ることが可能になります。登録が完了しコードを受け取れるようになったら、非住居者の登録(日本の住所へ変更)をする必要があります。
なぜ、この手続きが必要になるかと言うと、金利の良いオーストラリアでは、その分の受取利息にかかるタックスリターン(確定申告)の手続きが必要になります。
しかし、非住居者の登録をすることによって、タックスリターンが不要になるためです。
インターネットバンキングでは、海外送金したい場合の上限金額を上げることもオンライン上で変更できるようになります。その他、名前やメールアドレスなども変更可能です。
帰国後に銀行解約の手続きをしたい方
口座解約する時間がなくそのまま帰国してしまった方、給料の振込などを待つ必要があり残しておいた場合でも、帰国後にオンラインと郵送の手続きを通して解約することは可能です。
しかし、書面での手続きを要するので、インターネットバンキングから解約依頼手続きを行った後、海外送金手続きや必要書類を受領し、記入後国際郵便で指定住所に郵送する必要があります。
ANZ・NAB・CBAは日本にも銀行の支店がありますが、オーストラリアで口座を開設した場合は解約手続きを日本の窓口で行うことはできません。
現地の銀行口座は、現地窓口経由でしか口座解約できないのが原則となっています。
何か問題が発生した場合の質問・相談などは日本の支店でも対応してもらえると思いますが、大抵の場合は現地窓口に直接依頼するように指示されるはずです。
ただ、全ての銀行で同じかは不明なので、各自確認をとってみてください。
解約か維持か自分に合った方法を選択しよう!
以上のことを踏まえた上で、ご自身に合った手続きを行いましょう。
新型コロナウイルスの影響で、本当にたくさんの人がパニックに陥り、時間がない中どうするべきか選択を余儀なくされていると思います。
どうすればいいか分からないからと、取り敢えず放置してしまったり、後でどうにかなるだろうと考えたりしていると、いざ問題が発覚した時には面倒なことなる場合もあります。
このような状況の時こそ冷静になって、一つずつ問題をクリアしていくことが必要になっていくと思います。
情報は確かか自分自身でもしっかり調べたり、正しい判断か冷静に考えたり、家族や友達に相談するなど、まずは今自分にできることをしっかり確認しておきましょう!
一刻も早くこの混乱が収束することを祈ります。