観光大国オーストラリアの専門学校で学ぶツーリズムコースってどんな感じ?
英語コースが終わった後何か新しいことを学びたい人や、ワーホリが終わってもう少しオーストラリアに残って勉強したい方は、どんなコースに入るか迷うところですよね。
オーストラリアには多くの専門学校があり、ビジネスやチャイルドコース、調理コースなど様々なコースが展開されています。
そんな数ある専門コースの中にTourism(ツーリズム)コースがあり、これが私の今勉強しているコースでもあります。
正直最初の段階では、旅行関係の何かを学ぶという漠然としたイメージしかありませんでした。
そこで今回は、私がツーリズムコースでどんなことをこのコースで学んでいるのか少しご紹介していきたいと思います。
Tourism(ツーリズム)とは、言わずとも知れた観光・観光事業といった意味です。このコースでは、観光関係例えば旅行代理店や航空会社、クルーズ会社で働きたいといった学生が学びに来ます。
その他、ホスピタリティを学ぶこともできるので、その他ホテル等の仕事に興味がある人など。
オーストラリアでは経済の重要な要素として、観光業界は大きな役割を担っています。
Tourism Australia(https://www.tourism.australia.com/)によると、2019年には約940万の人々がオーストラリアに海外から訪れています。
その観光客が使った金額は約450億円です。国別にすると中国が多く、シンガポールや韓国、日本を含むアジアからやイギリスなどからの観光客が多いようです。
そんな観光業が発達しているオーストラリアでは、ツーリズムコースを学んでいる学生が多いのはもちろん、観光業界に携わる仕事の人々が多いのが現状です。
VETコースとは?
VETコースとは、Vocational Education and Trainingの省略後で、専門学校のコースのことを指します。私が取っているツーリズムコースも含まれます。
VETコース(専門コース)は、オーストラリア人向けに運営している職業専門学校であるTAFEや、私立の専門学校、そして一部の語学学校が展開しています。
この専門コースでは、専門的な職種の仕事スキルや知識を学ぶことはもちろん、社会人の方でキャリアを変えたい方、または大学に入る前の準備コースとなっています。
VETコースは、CertificateやDiplomaといったレベル(資格)に分かれています。VETコースを監視している役所があり、きちんとここのルールに従ってカリキュラムが立てられています。
簡単に説明すると、半年、1年、2年と言ったコースの期間によって、それぞれ得られる資格が変わってきます。専門学校卒業後に大学に編入を希望する方は、Diplomaコースの資格を取得しなければなりません。
入学の際には英語レベルの証明も必要です。IELTSでスコアが5.0や5.5以上などの入学基準が設けられています。また、語学学校の進学英語コースを卒業した方は、IELTSやTOEFLなどのスコアを免除でVETコースに入れます。
多くの専門コースの場合、学校は基本的に毎日通う訳ではなく、週3~4日程度を学校で授業を受け、その他はオンラインにて課題の提出があります。また、同じコースでも昼間だけでなく、夜間のコースが用意されている場合もあります。
そのため、仕事しながら夜の専門コースを取っている人もいます。大学と同じで授業毎に受講している生徒が異なるため、英語クラスに比べると特殊だと思います。
授業の中には、先生や他のクラスメイトと行う課題や発表がありますが、現在はコロナウイルスの影響によりオンラインでZoomを使用して行うとの連絡が学校から来ました。なお、グループでの作業は、学校再開の際にできるようになっています。
Tourismコース内容
同じコースであっても、各学校でカリキュラムが微妙に異なりますが、私が通っているツーリズムコースの内容を紹介したいと思います。
ちなみに、先生はオーストラリアの大型旅行代理店に元務めていらした方です。
毎回、ユニット(単位)毎に授業用のパワーポイントとその他の資料があります。自宅からでもパソコンや携帯でも確認できます。授業の前に、分からない単語を一通りチェックしています。私が受講しているCertificateⅢでは、全部で15ユニットあり、約1年のコースになっています。
ツーリズムは旅行代理店のみではなく、空港やホテルで働くことを想定した内容も含まれ、ホスピタリティの分野やビジネスの分野とも被っています。
仕事場の安全を考える内容、仕事の組み立て方、環境のことを考える内容も含まれます。
また、旅行のプランを考えた上で、どのようにプレゼンするかなどの授業もありました。たくさんの人種が住むオーストラリアならではだと思うのですが、色々な国の文化を学び理解するといった授業も。
観光業界に携われば色々な国の人に出会うことになるため、そんな時のために役に立つ授業が行われます。
ここで一つ私が驚いたのは、日本だと話を聞くとき目を合わせることが礼儀正しいとされていますよね。
でも韓国やオーストラリアの原住民アボリジニーの人は、目を合わせないことが礼儀正しいとされているそうです。知っていると知らないとでは、お互いに誤解を生んでしまいますね。
また、英語が第一言語ではない耳や目が不自由といったお客さまや、団体や家族への対応やサービスの提供の仕方など、様々なお客様のタイプへの対応も学びます。
観光関係の授業で言うと、旅行代理店で働いていると仮定しての課題が増えます。どんな観光スポットがあるか。また、特定のエリアにビジネスで訪れる方がいる場合、どのホテルや観光スポットやその他のサービスを提供するかなど文章で答える課題も。
ブリスベンの専門学校だからということもあり、ゴールドコーストの4つのテーマパークの比較やお客様への提案のユニットもありました。ゴールドコーストには、ムービーワールドやドリームワールドなど、4つの遊園地やプール、動物園などがあります。
1つのチケットで3つのテーマパークに行けるため、ゴールドコーストに訪れた際には見逃せない観光スポットです。残念なことに、筆者はまだどれひとつ行けていません…。
提案・発表などは、Face To Faceといって先生や他の学生と行う課題になります。パワーポイントを作って発表することもたまにあります。
先生も私たちにとって英語が第二言語だからということで、いろいろと書き方や言い回しなどの指導も丁寧にして下さるので、英語の勉強にもなります。各授業は短いものから発表等がある長いものまであり、筆記試験で出来ても実技となるとまた違っていきます。
課題によっては何パターンかお客様のタイプを変えて行われるので、いくつかサービスやプランを考えておく必要があります。こういったことを繰り返していくと、実際に旅行代理店働いた時のための実践にもなります。
パワーポイントもある大型の授業だと、オーストラリアの旅行のアドバイスやサービスの提供をするというものがあります。
ここでは、各州の観光スポットや歴史や文化を学びます。
その他、オーストラリアの航空会社Qantas(カンタス)のサービスやブリスベンからシンガポールの往復チケットの比較やサービスに対するレビューをレビューサイトから持ってくるなどの発表もしました。
各々の航空会社からも予約できますが、私がよく使うようなSkyscannerやExpediaなど多くの航空会社を比較できたりするサイトも便利ですよね。
私はこうした比較サイトをよく使うので、あまり航空会社自体のサイトを見たことがなかったのですが、コースを受講するにあたって実際に航空会社のサイトを見る機会が増えました。
チケットのみではなく、保険のサービスなどの多種サービスがあることに驚きです。
また、一流ホテルなどの宿泊場所のみではなく、安価なAirB&Bのオプションも。昔は、ホテルしか扱っていなかったようですが、時代の変化でニーズも変わってきていてサービスも変わってきているようです。
どの授業でも、情報を探して必要なものだけをまとめる作業が求められます。当然、情報は最新のものではいけません。また、旅行代理店で働いていた場合を想定し、情報をどのように取得するべきか、アップデートするべきか、共有するべきかを学ぶユニットもあります。
特殊なものでは、クルージング関係の授業もありました。クルージング特殊な言葉を学んだり、オーストラリアでのハネムーン企画のためグレードバリアリーフエリアをパンフレットから学んだりしています。
英語プラスアルファで専門コースを学んでみよう!
今や海外留学やワーキングホリデーは、決して珍しいものではなくなってきました。そのため、基礎的な英会話ができることは、特殊な能力ではなくなっています。
英語力を一定レベル以上に伸ばした後、何かプラスアルファで挑戦したい方は、今回ご紹介したVET(専門)コースで興味のある分野について学んでみるのも1つの手段です。
今回ご紹介した通り、授業は全て英語で行われるため、身に着けた英語で自分の興味のある専門分野を学ぶチャンスでもあります。
ただ英語だけを学んで帰国した方々と差をつけるためにも、英語で専門分野を学んでおく価値はあると思います。
そんな中で、観光大国であるオーストラリアらしい専門コースと言えば、ツーリズムコースとなります。将来、観光産業やホスピタリティ関連の業界に携わりたい方には、このツーリズムコースは最適です。
このツーリズムコースは、観光に関わることのみではなく、ホスピタリティやビジネス関係も含まれています。
幅広いジャンルにまたがっているコースなので、卒業後の就職活動でも選択肢が広がることは間違いないでしょう。
専門コースは夜間コースもあるので、仕事との両立の方にもオススメです。オーストラリアは学生ビザでもアルバイトができる国の1つなので、金銭的負担も最小限にして学ぶことができるのは魅力的です。
この機会に、語学留学やワーキングホリデー後の1つの候補として考えてみて下さい。