オーストラリア にある木曜島、かつて名も無き日本人のドラマがあった島に行ってきた!
こんにちは、マユミです。オーストラリアよりお届けしております。
さて、突然ですがオーストラリアがいくつの島々からできているかご存知ですか?その数、8,222個あるそう。そう、めちゃくちゃ多い。
今回はそのうちの一つ、クイーンランドの北の端に浮かぶ、わずか3.5 平方kmの小島であるThursday Island(木曜島)についてご紹介したいと思います。
Thursday Islandって?
Thursday Islandとは、先住民※トレス海峡諸島民(Kawrareg)の言葉でWaiben(水のない島)とも呼ばれる、ニューギニア島とオーストラリアの間、274以上の島々からなるトレス海峡諸島の島の一つです。オーストラリア本島からは、クイーンズランドの北端Cape Yorkからさらに北へ約39 km (24マイル)に位置します。人口は2,938人(2016年)となっています。
木曜島という名はWilliam Blighらが漂流中に命名したと言われて、ちなみにWednesday Island、Friday Islandもあります。「曜日全て揃っているのか?」と言われるとそうでもなく、土曜島や日曜島なるものはありません。(笑)
小さいながらも”The heart of the Torres strait”、トレス海峡諸島の中心となる島で乾季の間はたくさんのツーリストが訪れます。
※トレス海峡諸島民: 独自の文化を形成するアイランダーと言われる人々。(アボリジナルとは異なる。)
日本人と関わりのある歴史
ただの小島の一つやないか。そう思った人!いえいえ、違うんです。日本と実は歴史的な関わりがあるのです…。司馬遼太郎の小説、「木曜島の夜会」の舞台でもあり、この島で働く日本人たちの話が描かれています。
Thursday Islandの周りでは、高級ボタンの原料となる白蝶貝(高級なボタンの材料として利用されていた)の採取が盛んでした。そのために当時生活が貧しかった人々が大金を稼ぐことを夢見てこの島にやってきました。
明治から第二次世界大戦前まで世界でも優秀と言われていた日本人の潜水夫(ダイバー)が生活しており、明治30年頃には日本人渡航者の数は1,000人を越え、一時は島の6割が日本人だったともいいます。
水深約50メートルの海底での長時間にわたる過酷な作業、また空気を送るポンプも人力で危険であったとされます。過酷な潜水作業により潜水病や海流による遭難などとして、800人以上の日本人が命を落とし、またその多くは若者だったといいます。
島には日本人墓地があり、今でもお盆の時期にはオーストラリア本島からお坊さんがやってきて毎年供養が行われているのと事です。
船に乗っていると毎日たくさんのサメを見ますし、クロコダイルの生息域でもあります。そんな中で死と隣り合わせの仕事をするというのは一体どんな気持ちだったのか…想像することもできません。
さらに、日本のオーストラリア空襲については、皆さんご存知でしょうか。ダーウィンの空襲は有名です。その時期にThursday Islandを含むトレス海峡は防衛の拠点となりました。
日本軍はこの海域にもかなり激しく空爆を行ったとのこと。今でも第二次世界大戦の軍事施設が残っており、観光スポットとなっています。
ツアーに参加してみよう
さあ、そんな歴史をもつThursday Islandですが、かなり小さな島で観光ポイントも限られているのでツアーはたった1時間半とコンパクトです。
先ほど話したような寂しい過去があるようには思えないほど美しく、海と他の島々に囲まれた島です。他にも周りの島を巡るツアーなんかもあるので、時間があれば参加してもいいかもしれませんね。
Thursday Islandにやってきた日本人の出稼ぎ民ですが、特に和歌山県南部出身者を中心に大量に来島したといいます。そこで日本にも和歌山県の串本町にある、「潮風の休憩所」という無料休憩所にも町からオーストラリアへ向かった人々の資料が展示されています。近くに寄る機会があれば、ぜひ足を伸ばしては如何でしょうか?
町の様子
小さな島のメインストリートは船着場の目の前の通りから一歩中に入った通りのDouglas Stです。スーパーマーケットや図書館、銀行、薬局、パブそれからホテルが並びます。
ご想像通り、物価は高いので何かを買うのは…お勧めできません。ガソリンはDarwinやCairnsなどと比べてAUS$0.30ほど高いですし、パブでご飯を食べるならAUS$20以下のものはありません。
船着場前の通りにはカフェとミュージアムがあります。
アクセス方法
① 陸路経由
メインランドからはSeisiaというポートから船が出ています。片道AUS$60(予約必須)です。30kmの距離を1時間と10分でつなぎます。
このフェリー会社が島のツアーも行っているのでついでにそちらも予約しました。(AUD$32)往復フェリーとのパッケージなどもあるのでホームページにてご確認を!
② フライト経由
CairnsからフライトでThursday Islandのお隣の島、Horn Islandに飛びます。エアポートからのバス+ポートからThursday Islandまでの船がセットになったパッケージ(AUD$27)が販売されているのでそちらを利用しました。
フライトを意識したタイムスケジュールになっているので利用者には有難いです。30~40分で島に到着します。
Horn空港の様子
最後に空の入り口であるHorn空港の様子をシェアしておきたいと思います。
Check inの様子。自動チェックインがないという、今のご時世にしては珍しい空港です。
小さなキオスクを挟んで右側がDeparture、左がArrivalです。本当に必要最低限のこぢんまりとした空港です。
待合室の様子。
小さいながらもパソコン等が使えるスペース、綺麗なトイレもあります。
ゲートを出ればすぐに飛行機が。規模が小さい分、待ち時間もなくかなりスムーズな乗り込みができます。
如何でしたか?今回は、オーストラリアの島々にある小さなThursday Islandのストーリーを少しシェアしてみました。
私の滞在時間は半日程度でかなり短かったものの、それでも島民同士の距離が近く穏やかな様子が伺えました。
近くにはHorn IslandやFriday Islandなどの観光スポットもありますので、のんびりとオーストラリア本土とは異なる島独特の雰囲気を味わってみては。
https://en.wikipedia.org/wiki/Thursday_Island
https://www.ga.gov.au/home
https://www.town.kushimoto.wakayama.jp/kanko/kizuna/mokuyoutou.html