知っておきたい!オーストラリアのバックパッカーズのメリットとデメリット
こんにちは、まゆみです。
最近はオーストラリア第3の都市と言われるブリスベンにあるバックパッカーズ(Backpackers)に、かれこれ3ヶ月ほど滞在しています。
2022年に入ってからは毎日のように海外からやって来た人を見かけるようになり、オーストラリアのボーダー(国境)がついに開いたんだなあということを肌で感じています。
そもそもバックパッカーズって何?
一般的には、2段ベッドの相部屋(ドミトリールーム)を前提とした宿泊施設のことを指します。日本ではあまり馴染みのない宿泊形態ですよね。宿泊料金が1泊20~30ドルほどと安価であることと、特に事前予約もなく宿泊が出来てしまうという手軽さから、たくさんの人が利用しています。
相部屋の収容人数は2~4人から10人を超える大きなものまで存在しており、収容人数に合わせて値段も変動します。トイレやキッチン、バスルームなどの施設は基本的には共用ですが、金額によっては部屋に完備されていることもあります。施設内は、必要最低限のものしか用意されていませんので、シャンプーなども自分で用意する必要があります。
そんな海外ならではのシェアをすることを前提とした宿泊形態に少しワクワクしますよね。とは言え、どんなところか想像が出来ないと、聞き慣れないところに泊まるのは、少し勇気がいるのではないでしょうか?私が実際に住んでいて感じる、バックパッカーズのメリットとデメリットを参考にしてみてください。
バックパッカーズの悪いところ(デメリット)
セキュリティの問題
バックパッカーズでは、1部屋に何人かがランダムに人が滞在します。値段により、部屋にバス・トイレがついているか、何人部屋かなど条件が変わりますが基本的には他人とスペースをシェアします。
そこに何ヶ月も住んでいる人もいれば1~2日のショートステイの人もいるので、部屋の雰囲気もその時々によって変わります。そこで定期的に問題になるのが盗難です。
・最近の盗難事件
最近では、友人カップルのプライベートルームに泥棒が入ってしまいました。鍵がかかっていたにも関わらず、ノートパソコン2台、モーターバイクのキーといった高価なものが盗まれました。
非常出口から侵入した外部者が、部屋の開いていた窓から部屋に侵入したようです。バックパッカーズには基本的に防犯カメラが張り巡らされているので、犯人の顔や犯人がどのように侵入したかなどは明らかにはなりましたが、未だに捕まっていないのが現状です。
・シェアルームで気をつけること
自室もプライベートルームでない限り、不特定の人が出入りするので貴重品の管理はきちんとしましょう。基本的にどのバックパッカーズにもロッカーが1人1つはあてがわれているはずなので貴重品はロッカーに入れて鍵をかけておきます。
鍵は通常、個人のものを使いますので、南京錠など1つ2つ持っておくと安心ですね。長期滞在のバックパッカーが複数のロッカーを占領してしまっていることがありますが、必要であることを伝えてきちんと自分のロッカーを確保しましょう。遠慮は不要です。
・食材も盗難の対象に
さらに冷蔵庫の中の野菜や卵、アルミホイルなど、日常的な小さな盗難は毎日のように起こります。
醤油やクッキングオイルや塩なども「ちょっと借りる」気持ちで他人のものを使ってしまう人がいるので、使われたくない調味料などは公共のスペースではなく、部屋に持ち帰るのが無難です。
パーソナルスペースの狭さや共同生活によるストレス
基本的に自分のスペースは、バンクベットと呼ばれる簡素な2段ベッドのベッド1つとロッカーぐらいなのでかなり狭いです。そこへ自分のスーツケースやバックパック、洗濯物に洗面用具…などをひと通り置けば、もう物でいっぱいだなという感じです。
部屋によってはルームメイトの私物が散らかっていて自分のものを置くスペースがない…なんてこともあります。ルームメイトと話し合いをするか、レセプション(受付)に相談してみましょう。
・荷物の管理
1~2日の短期の宿泊ならば特に問題ないと思いますが、長期の滞在になるとどうしても荷物は増えていきますので上手く整理してくださいね。散乱していると物が無くなっても気付きにくいものです。
防犯対策としても自分の物がどこにあるのかきちんと把握しておけるといいでしょう。つい先日は、自室のコンセントに挿しておいた変換プラグを勝手に持ち出され、使用されていました。
友人ならともかく、見たことも無い人だったので、しっかり怒っておきました。「他人のものを勝手に使わない!」という割と日本では一般的な常識は、色々な価値観が入り混ざる海外では通用しません。自分と他人ものの境界線がない人はかなり多いと思って間違い無いでしょう。
・騒音によるストレスなど
バックパッカーズには、値段と気軽さ故にいろいろな人が宿泊しています。休暇やパーティー・遊びを目的に短期で滞在している人、長期滞在の人でも早朝の仕事、夜の仕事をしている人など様々な人が宿泊しています。そのため、生活リズムの違いから起こる騒音(騒ぎ声、音楽、足音や機械音などなど)で眠れない…というのはよくあるトラブルです。
常識的に考えて夜中の騒音はお互いに気を付けるべきですし、もしも騒音でトラブルがあれば我慢するよりその場で直接その人に気をつけるように言って大丈夫です。言いづらいようでしたら、レセプションに相談するのも手ですよ。我慢しても状況は改善されませんしストレスが溜まるだけですから。基本的にはどのバックパッカーズでも夜10時以降のパーティーや騒音は禁止されているものですが、なかなか盛り上がっている人たちには届きにくいルールです…。
体臭やいびきなど、本人の努力ではどうしようもない問題もあります。こればかりは部屋の換気をする、自分の部屋を変えてもらう…という限られた選択肢になるでしょう。また、自分でできる騒音対策としてイヤープラグ(耳栓)とアイマスクの活用をおすすめします。
衛生面での注意
何度も話題に挙げていますが、さまざまな理由で泊まりに来た異なる価値観を持った人がたくさん1つの場所に滞在しています。そのため、「共有のものをどう使うか?」というところもまた問題になってくるところです。
・みんなで一斉に風邪をひく?!
風邪を引いた時に咳やくしゃみをしても、口を覆わない、手を洗わない、他人との交流を控えないような人がいます。共有する場所も人も多いので、その後に皆が一斉に風邪をひく現象が発生します。私も2度ほど経験しました。
他人の行動はコントロールできないので、自分が風邪をもらわないように手洗いやうがいなど基本的なことをきちんとして予防するのが一番でしょう。
・繁忙期はとにかく荒れる
他にはキッチンも使った物が洗われることなくシンクにたまっている、ゴミが捨てられていない、水が散っていてシンクに水が詰まっている、調理台が汚い、共有のものが壊れている…なんて日常茶飯事です。
トイレも後の人のことを考えずにめちゃくちゃに使う人、ゴミや共有物をどこにでも散らかす人…なども残念ながらよく見かけます。人が多いとその分汚れやすいですしね。
あまりストレスを感じても仕方がないので、もう諦めて自分の使いたい場所は自分で確保してキレイにするぐらいの心持ちがいいでしょう。
・ベッドバグ(Bed Bug)にも要注意
吸血性の昆虫で、日本名はトコジラミといいます。バックパッカーズには不特定多数の人が出入りするため、衣服やバックなどと一緒に持ち運ばれ、条件がいいと繁殖します。暗闇を好んで活動するようで、夜に眠っている間に身体中を噛まれて赤い斑点2週間ほど残ります。これが日常生活に支障が出るほどものすごく痒いらしいです。
ベッドバグが1度出るともう大変。自分の持ち物は全て洗って(高温である必要がある)、ベッドバグが発生したベットマットは処分され、ベッドバグが自分のベッドや持ち物に移るのを恐れる皆からは避けられる…という悲しさです。不運です。
つい最近日本からきた若者がベットマットにシーツを引かずに寝ていたので驚きました。ベッドバグに遭遇してからでは遅いですから、本当に気をつけたほうがいいですよ…。
バックパッカーズの良いところ(メリット)
「もう絶対にバックパッカーズになんか泊まりたくない!」なんて思わせてしまうほど悪いところを書き連ねました。それでも筆者はもちろん、たくさんの人がバックパッカーズに宿泊するわけですから、もちろん良いところもたくさんあるんですよ。
安くて気軽に泊まれる
・手軽さがウリ
何より、泊まりたい時にサクッと泊まれて、出たい時にサクッと出られるのでかなりお手軽な宿泊形態です。シェアハウスと比べてみても、ボンド(保証金)も場所によっては無いですし、あっても20ドルほどで大きな負担にはなりません。最低滞在期間もありません。
ちなみに、バックパッカーズに直接電話したり現地で受付したりすると、オンラインサイトで予約するより安くなることがあるので確認してみてもいいかもしれません。長期滞在を検討している場合は、長期割引があるかどうかをレセプションに確認してみましょう。大体、1週間毎の支払いにすると日払い料金に比べて比較的安価になったりもします。
旅行などで数日バックパッカーズに泊まる必要がない日があるならば、荷物をクロークに預けて部屋はチェックアウトしてもいいでしょう。戻ってきた時に再度チェックインをすれば、余計な部屋代を支払う必要もありません。(同じ指定条件で戻ってきたとしても、以前と同じ部屋に戻れるとは限らないところも面白いところです。)大部屋に疲れたら数日間プライベートルームをとったり、気分を変えて近場の他のバックパッカーズに泊まってみたり…と色々なリフレッシュ方法もあります。
・お得?なフリーイベント
バックパッカーズによっては、フリーブレークファスト(とはいっても食パンやシリアル、牛乳とインスタントコーヒーといったシンプルな物)があります。少しでもお金を節約したいワーキングホリデーの皆さんには嬉しいサービスですよね。週末のバーベキューやピザパーティー、親睦を深めるためのイベントがある場合もありますよ。
人との出会い
・一生の友人に出会えるチャンス
ありきたりではありますが、たくさんの人が活発に出入りするバックパッカーズではいろいろなバックグラウンドを持つ人々に出会うチャンスが他の宿泊形態に比べて濃厚です。共有するスペースが多い分、話すきっかけも自然と多くなります。
自分にはない価値観・考え方を他人から学ぶことができるのはもちろん、今まで名前も知らなかった国のことや文化などを知れるのは大きな刺激ですよね。気の合う友達を見つけられる可能性も大きいですよ。また、長期滞在をすれば少しずつ顔見知りが増えてくるのも楽しいものです。
仲良くなれば一緒にご飯を作ってシェアをしたり…と居食を共にする、まるで家族のような関係性になっていきます。
活発に話せば話すほど友達の輪は大きくなります。かと言って、無理に話そうとする必要はないですよ。何となく話したいなと思える人が出てきますし、話すタイミングも何となく見つけられるでしょう。
・仕事情報などその土地の生きた情報を得られる
バックパッカーズは情報収集には最高な場所です。掲示板にはバックパッカーをターゲットにした仕事情報(ファーム・ホスピタリティ・コンストラクションなど)やイベント情報・車のセールス情報…何かと情報が掲示されています。
さらには話す人話す人に今何が欲しいか・興味があるのかについて話してみると、誰かが何かしらの情報を持っています。ワーキングホリデーにはお馴染みのファームジョブについても、経験をした人から情報をもらえますよ。ネットで仕事を探して全く見当のつかないファームに行くよりは、実際に経験した人からどれだけ稼げるのか、どんな雰囲気なのか…という事前情報を得て向かうほうが安心ですよね。
その他にも同じバックパッカーズに泊まる知り合いから仕事を紹してもらえる、なんてこともあります。仕事だけではなく、安くて美味しいレストランや遊ぶ場所やオススメの観光地などを聞いてみてもいいかもしれませんね。
他にもメリットがあるかも!
・アコモデーションのために働けることも
バックパッカーズが安いとは言っても、それでも払い続ける宿泊費はじわじわと重荷になってくるもの。ちょっとお金が苦しいなという時は、レセプションに声をかけてワーカー・クリーナーを募集していないか聞いてみましょう。
私がクリーナーやナイトマネージャーをした時は、1時間働いて1日分の宿泊費とのエクスチェンジでした。仕事場が「家」なので、通勤にかかる時間もありませんし、大抵がリラックスしたものです。
週に150ドルの出費を抑えることができるのは結構大きいですよ。一度断られても、頻繁に聞き続けるとひょんなタイミングで空きが出たりするので、めげずに聞き続けるといいでしょう。
・フリースタッフもチェックしてみよう
人の移動が激しいと物の動きもいろいろあるようで、バックパッカーズには何かしらの理由で誰かが置いていったフリースタッフの置き場があります。言わばセカンドハンズですね。機会があれば覗いてみると面白いですよ。その名の通りフリーなので自分が必要かも、と思ったものはそこから気兼ねなくもらってください。
私はテント・折り畳みの椅子やテーブル、クーラーボックスといったキャンピング用品をほぼフリースタッフで手に入れました。直ぐに汚れるであろう仕事着なんかは何だっていいですから、お金をかけずに適当なものがあればありがたいものです…。その他、おしゃれ着、シャンプーや食品などもゴロゴロ転がっています。
使うかも?と思ったらとりあえずゲットしてみるのがオススメです。不要でしたらまたフリースタッフの棚に戻しに行けばいいのですから。逆に自分がいらなくなったものでも、もしかすると誰かの役に立つかもしれません。まだ使えるけどもう使わない…といったものは、フリースタッフに回してあげるといいでしょう。
実際に住んでいて思うこと
良いところ悪いところありますけども、不特定多数の人と一緒に住みますから自分の思った通りに物事は進みません。けど、人生ってそんなもんじゃないでしょうかね。譲れるところは譲って、多少のことは気にしないマインドがうまくやっていくコツかなと思います。
起こるかどうかも分からないことを心配していても心は休まらないですし、疲れちゃいますから。必要なセキュリティはきちんとすることと、リラックスするバランスが大事ですよね。
リラックスして過ごすためにはどれだけパーソナルスペースを確保できるか?といったところもポイントになるでしょう。大きなシーツをベッドにかけて境界線を作る、これだけで結構プライバシーが守られている感覚がありますよ。
大きい街には、いくつものバックパッカーズがありますから自分に合うところを探してみても良いでしょう。ホームページをチェックすればパーティーバックパッカーズなのか、落ち着いた雰囲気を売りにしているのか、設備は整っているのか、新しいのか古いのか…といった情報が少し見えてきます。
個人的には落ち着いたバックパッカーズが好きなので、メインストリートから少し離れたバックパッカーズをよく利用します。敷地が広い分パーソナルスペースが取りやすく、雰囲気も落ち着いていることが多いですし、車のパーキングスペースも確保しやすいのです。
実際訪れてみると、思っていた雰囲気と違うこともあるでしょう。もしも安心を感じられないようでしたら、そのバックパッカーズから離れて違うところを探して見てください。やはり安全第一ですからね。今回の記事、皆さんの参考になれば幸いです!こちらの記事も参考にしてみてくださいね。