外国に入国する際には、かならず入国審査があります。これは犯罪被疑者が国家間を移動すること防ぐためという防犯上の理由と、国内の生態系維持・感染症拡大予防、移民制限による経済保護の観点から実施されているものです。
オーストラリア留学での渡航で入国審査の際、必ず提出しなければいけないものが入国カードとなり、記入内容はパスポート情報や現地滞在先など身分を証明する基本的なものとなります。出入国カードの形式は国によってそれぞれ異なっており、機内で配られることが殆どですが、稀に機内で配られないという場合もあります。その場合は客室業務員に声をかけて自分で貰うか、空港内の入国審査ロビーに置いてあるため離陸後に手に入れることもできます。入国カードは曖昧な記載や、嘘の申告をすると罰金刑があるため正確に記入するようにしましょう。また、頻繁に出入国を繰り返すなどすると怪しまれて荷物チェックをされたり、質問責めにあったりと面倒なことになるため、しっかりと記入を行いましょう。
入国後ビザ変更をする際の注意点
オーストラリアへ観光ビザで入国し、その後に学生ビザへ切り替えを行う人は、その内容を正直に記入すると高確率で足止めされるため要注意です。そのため、入国審査の時点ではたとえビザの切り替えや滞在期間の変更の予定があったとしても観光として入国することを前提で入国カードを記入することをお勧めします。
入国カード記入例-日本語版(表面)
①姓名 | 姓名はパスポートと一致するように記入します |
---|---|
②パスポート番号 | パスポートに書いてある番号を記入します |
③現地での滞在先 | ホームステイ先やホテルなど必ず記入をしてください |
④滞在期間 | 滞在期間はワーキングホリデーや学生ビザで1年もしくはそれ以上の期間滞在する方は「はい」、1年未満の方は「いいえ」を選択します。 |
⑤結核と犯罪歴 | 必ず「いいえ」にチェックしてください |
⑥申告項目 | 申告項目があれば正直に記入してください。罰金制度あり。 |
記入の際の補足
現地での滞在先
滞在先は無記入だと詳しく聞かれるため、ホームステイ先や滞在先の住所と電話番号を控えた紙を必ず持参するようにしてください。滞在先が不明な場合、怪しまれて荷物検査や質問をされたりするため気を付けましょう。
滞在期間
滞在期間については取得しているビザの期間、または滞在予定期間に応じてチェックを入れます。1年もしくは1年以上滞在される方は「はい」、数週間から数カ月の滞在の方は「いいえ」を選択してください。
申告項目
申告項目については、最もチェックが厳しい部分のため、正直に記入しておく必要があります。ただし、申告すると検疫の際に時間がかかることがあるため、時間に余裕を持たせておくか必要なもの以外は持ってこないようにしましょう。(特に食品関連)オーストラリア固有の動植物の保護、環境維持に際して厳しい検疫体制が実施されています。具体的には規制対処に卵・卵製品/乳製品/肉・肉製品/魚/種やナッツ/野菜や果物・穀物などの食料品はもちろん、生きている動物(犬・猫のペットは除く)・生きている植物・動物や植物を使った製品から土や砂まで含まれます。
入国カード記入例-日本語版(裏面)
⑦オーストラリアにおける連絡先 | ホームステイ先の家族の連絡先や、弊社現地オフィスの番号を記入してください |
---|---|
⑧フライト情報&個人情報 | フライト情報を記入してください |
⑨緊急連絡先 | 日本の連絡先を記入して下さい |
⑩滞在目的等 | 留学生はBの項目を記入してください |
記入の際の補足
オーストラリアにおける連絡先
オーストラリアにおける連絡先については、身元が分からない人に対しては事情聴取を行います。その時点で怪しいと思われた場合は、直接滞在先に連絡が入ることもあります。この項目がない場合はまずその場で記入をするよう指示されますが、そこで記入できない場合はいろいろと質問される場合があるため、連絡先はメモをとって持参するようにしましょう。弊社でお申込み頂いたお客様には現地サポートとして現地オフィスが利用できるため、このオフィスの連絡先を記入して頂くことも可能です。
緊急連絡先
緊急連絡先は日本に滞在しているご両親やご親戚の住所、Eメールアドレス、電話番号などを記入するようにしてください。いざとなった時に連絡するところになります。何も記入しないと怪しまれるため、記載漏れがないようにしましょう。なお、移民局の方から緊急連絡先に連絡が入ることはまずありません。
滞在目的
滞在目的の欄ですが、ここが大事な項目となります。滞在予定期間は入国時のビザステータス(ビザの目的)に合わせた内容にするようにしましょう。また、滞在可能期間いっぱいで記入した場合は審査官から怪しまれる可能性が高くなるため、実際の滞在期間より少し短めに記入することをお勧めします。
入国の際の注意点
オーストラリアにワーキングホリデービザや学生ビザで入る場合は、予めビザ審査を経て入国許可をされている部分があるため特に問題ありませんが、観光ビザ(ETAS)で入国する場合は注意が必要です。定められた最大滞在期間は3カ月ですが、観光で3カ月も滞在する人は稀なケースになるため、審査官に怪しまれる可能性が高くなります。滞在目的が怪しいと思われた場合、入国審査の際に入国目的を聞かれる場合があります。観光ビザで入国する方はあくまで「観光」とのみ答えるようにし、なるべく語学学校に通うといったことは伝えない方が良いでしょう。また、観光ビザで入国している方で、ボランティアやインターンシップ(無給)をするといったことを告げると、グレーゾーンの就労に該当する内容となるため、正直に伝えてもさらに突っ込みを受ける場合があります。観光ビザはあくまで観光を目的としたビザのため、その範囲内の返答をしておくのがセオリーです。