語学学校、TAFEなどの専門学校への進学と並んで人気があるのは、オーストラリアの大学への学部進学や大学院への進学です。語学学校とは異なり、大学に進学した場合は専門分野の学位が取得できるのが大きな違いとなっています。オーストラリアの大学は世界的に高い教育水準で知られており、ほとんどの大学は国公立大学となります。私立は2~3校のみにとどまっており、公立の場合は州立が多数を占めています。日本の大学と違って入学試験にパスするよりも卒業する方が難易度は高く、かなりの勉強量が求められるためハードな学生生活となります。オーストラリアでは進学準備課程というものがあり、進学する前に大学や専門学校で専攻する分野の基礎学力をつけています。そのため、留学生は進学準備コース(ファンデーションコース)に在籍してから入学・編入するのが一般的です。基本的にオーストラリアの大学は3年制となっており、語学留学と組み合わせても最短4年間で大学卒業できることから、日本帰国後の時間的ハンディキャップも少ないため大変人気があります。
入学基準について
オーストラリアの大学へ進学する際、最終学歴(高校卒業以上)の卒業資格に加え、規定の英語力証明が必要となります。日本では試験さえ受かれば入学できますが、大学の知名度が高い大学であればあるほど、高校時代の成績を重視する傾向にあります。オーストラリアの大学や大学院に進学する際には、以下の3点が重要となります。
①大学・大学院入学のための英語力をクリアしていること(IELTS6.5程度)
②高校もしくは大学の成績が規準を満たしていること
③入学する学部に関係する経験があること
出願する際に必要となる書類は以下のようなものがあります。各大学により求められる書類が異なるため、入学手続きを開始する際にご確認ください。なお、証明書の発行には時間がかかるモノもあるため、入学日から遡って半年前には準備をはじめましょう。
①高校卒業証明書
②高校成績証明書
③推薦状
④職務経歴書(社会人の場合)
⑤志望理由書
大学入学申請に必要な書類
入学願書
エッセイ
推薦状
卒業証明書
成績証明書
財政能力証明書
健康診断書
※大学によって提出が必要な書類は異なります。特に入学試験がある訳では無いので、有名大学であればあるほど必要書類が多く、入学審査が厳しくなる傾向にあるので注意が必要です。
授業料と開講時期
オーストラリアの大学の授業料は学部で年間200万~250万程度となっており、決して安いとは言えない学費です。現地オーストラリア人は奨学金制度を利用していますが、留学生には適用されないものとなるため、私費留学となります。生活費なども含めると年間およそ300万~400万弱はかかることになります。オーストラリアは学生ビザでのアルバイトも可能なため、アルバイトをしながら大学生活を送ることにより、生活費の多くをカバーしながら大学に通うことが可能になります。
オーストラリアの大学で取得できる学位
大学 |
Bchelor Degree Honours |
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大学院 |
Graduate Certificate Graduate Diploma Masters Degree Doctral Degree(Ph.D) |
大学院の学習方法の違い
オーストラリアの大学院では、2種類の学習方法からひとつ選べるようになっています。出願する際には、どちらのコースで受講するかをあらかじめ希望を出す必要がありますが、大抵の場合はコースワークで単位を取得することにより、学位を取得するのが一般的です。
コースワーク |
リサーチコース |
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日本の大学の学部授業と同様に、講義とチュートリアルクラスで編成されたコースとなります。出席率や試験、レポートの評価によって成績が決まります。規定の単位を取得することで、学位が取得できます。研究論文を書かない場合や、研究テーマが決まっていない場合などはこちらのコースワークに参加することとなります。 |
専門的な研究論文の完成を目的としたコースとなり、個人的に担当教授から指導を受けながら自分の興味のあるテーマをリサーチしていきます。講義形式のクラスはほとんどなく、マンツーマンで教授の指導を受け論文を1~2年間の時間をかけて書き上げます。学部レベルで研究テーマを絞り込み、論文により学位を取得したい方向けのコースです。 |
オーストラリアでの名門大学
オーストラリアの大学の授業料は学部で年間200万~250万程度となっており、決して安いとは言えない学費です。現地オーストラリア人は奨学金制度を利用していますが、留学生には適用されないものとなるため、私費留学となります。生活費なども含めると年間およそ300万~400万弱はかかることになります。オーストラリアは学生ビザでのアルバイトも可能なため、アルバイトをしながら大学生活を送ることにより、生活費の多くをカバーしながら大学に通うことが可能になります。
ニューサウスウェールズ州
The University of Sydney |
オーストラリア最古の大学であり、ダントツで入学希望者の多い大学です。特に人文科学・生命科学分野で世界的に高い評価を受けています。 |
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University of New South Wales |
シドニー大学のライバルである同大学は、日本の名門大学の多くと提携しており、質の高さに定評があります。特に科学分野に強みがあり、工学分野ではトップレベルです。 |
Macquarie University |
1964年設立の比較的新しい大学ですが、その革新的な方針が世界的に評価され始め、留学生に人気の学校です。翻訳・通訳やエジプト考古学は世界的評価が高い大学です。 |
University of Technology, Sydney |
学生の約3分の1が留学生となっており、世界中から学生が集まる大学です。実学重視の方針となっており、ビジネス界とも繋がりがあるため、就職に強い大学です。 |
Wollongong University |
キャンパスが複数に分かれており、特に教育学部の評価の高い学校です。留学生が世界中から集まる環境となっており、年々施設の充実を図っている大学です。 |
University of Western Sydney |
シドニーの中心部から離れた場所にあるこぢんまりとした大学です。学部は人文学部・ビジネス学部・健康科学部の3つとなっており落ち着いて勉強したい方向けの大学です。 |
Australian Catholic University |
元々カトリック系の学校として設立されましたが、現在は宗教に関係なく総合大学として学生の受け入れを行っています。教育や保健科学など福祉系の学部に定評があります。 |
Charles Stuart University |
ニューサウスウェールズ州の中に複数のキャンパスを持つ大学で、動物、生物、看護など様々なコースがあります。 |
Southern Cross University |
1994年に新設された大学で、学生数は12,000人程で観光学や法学などが有名です。 |
Curtin University of Technology, Sydney |
旧カーティン工科大学から名称が変更され、総合大学として現在は運営されています。アジア人の留学生が比較的多い大学です。 |
University of Newcastle |
港町であるニューカッスルに位置する大学で、リサーチなど研究部門が有名な大学です。 |
クイーンズランド州
The University of Queensland |
ノーベル賞やアカデミー賞などの受賞者が多く、数多くの優れた人材を輩出してきた名門大学です。レベルが高いため、入学の難易度も高くなっています。 |
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Griffith University |
ブリスベンにある総合大学で、ゴールドコーストなど複数のキャンパスを持つ大規模な大学です。主体的な学習に重きを置いた教育方針が特徴です。 |
Queensland University Of Technology |
規模が大きくクイーンズランド最大の大学であり、即戦力重視のカリキュラムが特徴です。専門性が高く、ITや工学分野に強みがあります。 |
BOND University |
オーストラリアで初の私立大学で、留学生比率が多いことが特徴です。スポーツ分野に定評があり、世界中から学生が集まってきています。 |
その他の州の大学
州名 |
大学名 |
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サウスオーストラリア州 |
・University of South Australia |
ビクトリア州 |
・Victoria University |
キャンベラ |
・Australia National University |
ウェスタンオーストラリア州 |
・Murdoch University |
注目を集めるマッコーリ大学
シドニーの中心部から電車で30~40分程度離れた場所にあるマッコーリ大学(Macquarie University)は、オーストラリアの革新的大学として現在世界的に注目されてきています。設立は1960年代以降と比較的新しい部類となりますが、伝統校に劣らない教育レベルを誇っています。世界大学ランキングでは全世界で67位と、社会科学や人文科学分野に注目が集まっています。特に大学院に力を入れているため、留学生が多く集まっています。そのおかげで人口も増え、周辺の開発なども進み、活気のある街となっています。オーストラリア史上初の女性学長が誕生するなど、今後も様々な革新を行っている注目大学です。