「ワーホリが多い学校」と「学生ビザが多い学校」の各語学学校の違いを徹底検証
オーストラリアやカナダ、ニュージーランド、イギリス、アイルランドなど、日本とワーキングホリデー協定を結んでいる留学国では、ワーキングホリデービザ(ワーホリビザ)の取得が可能です。
特にオーストラリアとカナダは、ワーホリの人気が高い国で有名です。
ワーホリビザでは、旅行はもちろん、アルバイトや学校での勉強もすることができます。一方で、学生ビザは学校で勉強をするためのビザになります。学校で勉強する期間分に加えて、滞在猶予期間が数カ月分加わった期間のビザがおります。
留学生の目的によって、どの種類のビザで渡航するかはそれぞれです。
語学学校の中には、ワーホリビザの生徒が多い学校もあれば、学生ビザの生徒が多い学校もあります。同じ語学学校ですが、語学学校の運営方針に違いがあり、授業の進め方や学校の雰囲気にも違いが出てきます。
それぞれの国でワーホリが多い学校、学生ビザが多い学校をピックアップしてみました。
ワーホリビザ | 学生ビザ | |
オーストラリア | La Lingua | Langports |
カナダ | iTTTi | ILAC |
ニュージーランド | Worldwide | NZLC |
では、「ワーホリが多い学校」と「学生ビザが多い学校」では何が変わってくるのでしょうか?それぞれの違いを検証していきましょう!
ワーホリビザを持っている生徒が多い学校の特徴
特にワーホリビザを利用する生徒に人気の渡航先、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドの3カ国を例に見てみましょう。
ワーホリビザを持っている生徒が多く通っている学校は、「学校規模が小さめ」で 「スピーキングに力を入れている学校」であるという共通点が見られました。
語学学校の規模が小さい傾向がある
ワーホリビザが多い語学学校は、3校共に300名以下の規模であり、平均の生徒数は150名程度と小~中規模程の学校です。小規模の学校は、大規模の学校に比べて生徒が講師やスタッフと近い距離であることが特徴です。
また、多くのコースを開講するというよりも、発音矯正コースやスピーキング特化コースを始め、接客英語コースやバリスタコースなど、特徴的なコースを持っていることが多くなります。
幅広いコースを取り扱うと言うより、ワーホリが求めている日常会話レベルの習得と、アルバイト探しに必要となる英語力の提供に力を入れていると言えます。
もっと掘り下げると、ワーホリビザの客層にフォーカスしているため、学生数も小~中規模となり、結果として学生ビザの生徒は必然的に少なくなっているとも言えます。
スピーキングに力を入れたカリキュラム
ワーホリビザを持っている生徒は、1年間のビザ有効期限の中で4カ月前後勉強するのが一般的です。つまり、ビジネス英語などの高度な英語力よりも、まずは海外生活に必要なコミュニケーション力の習得に重点を置いているニーズが多くなります。
日常会話レベルのスピーキングに重点を置く学校がワーホリには人気なのです。
オーストラリアの La Lingua は、通常の一般英語コースの他に会話中心で構成された一般英語コースも開講しています。
カナダの iTTTi は、独立したスピーキング特化コースの他、選択授業内でも発音矯正などのクラスを用意しています。
ニュージーランドの Worldwide では、グループディスカッションを積極的に取り入れている他、アクティビティにも力を入れ、講師も参加させるなど、授業以外でも英語に触れる機会を積極的に作っています。
オーストラリアの La Lingua とカナダの iTTTi は、接客英語コースやJob Preparationクラス(アルバイト探し準備)など、ワーホリビザの生徒が必要な履歴書や面接の練習・準備ができるコースが充実しており、これらのクラスはワーホリに大変人気があります。
学生ビザの生徒が多い学校の特徴
次に学生ビザの生徒に人気のある語学学校には、どのような特徴があるのでしょうか。
3校の学校を見ていると、「学校規模が大きめ」、 「コース数が多い」、 「検定/進学コースに強い」という特徴が共通してみられます。
学校規模が大きい
学生ビザで滞在している生徒に人気の3校は、どの学校も生徒が300名以上、多い学校で1,000名規模という学校もあり、多くが大規模校になります。
学生ビザの生徒が多い学校は、「ワーホリの生徒が少ないのか?」と思われるかもしれませんが、ワーホリの生徒もそれなりにいます。全体の生徒の3~4割はワーホリビザと言っても良いでしょう。
特定のビザタイプにフォーカスした学校作りと言うよりは、幅広いタイプの学生を受け入れる体制が整っているため、生徒数も多く在籍する大規模校になっているのです。
大規模校が多い理由は、次で触れる「コースの多さ」に関係があります。
コース数が多く充実している
大規模の語学学校では、コース数も多いことが一般的です。学生ビザを利用して留学する生徒の多くは、1年やそれ以上など、長期で留学することが多くなります。そのため、「最初は一般英語コースで基礎英語の勉強し、途中でコースを変更する」ということがよく起こります。
具体的には一般英語コースの他、ビジネス英語やケンブリッジ・IELTS・TOEFL検定コース、大学進学コースなど、様々なコースが用意された語学学校を選ばれる傾向にあります。
学生ビザの生徒の多くは、最初はワーホリビザの生徒と同じ日常会話の習得からスタートします。つまり、ワーホリビザの生徒であっても、何ら問題なく学習できる環境が整っているのです。
ワーホリビザ向けの語学学校に比べると、接客英語コースや仕事準備のためのコースまで充実していない場合もありますが、それでも一定数のワーホリビザの生徒が集まります。
様々なタイプの学生が集まってくるので、学生の国籍も豊富で、国籍バランスも整っている傾向が強くなります。要するに、国際交流できる環境を求めているワーホリが一定数集まってくるのです。
各種試験対策や進学コースに強い
語学留学後に現地の大学進学を目指している場合は、まずは語学学校で大学入学ができるレベルまで英語を上げるのが一般的です。最初は一般英語コースで勉強をし、英語レベルが上がったところで大学進学コースや、大学入学に必要な検定コースに変更します。
特に大学進学に強い学校では、語学学校で一定のレベルに達すれば、語学試験のスコア免除で提携大学に進学できるシステムがあります。語学学校からエレベータ式で、現地の専門学校や大学へ進学できる体制が整っています。
また、進学専門カウンセラーが在籍している学校も存在します。勉強の進み具合と併せて進学相談に乗ってくれるため、勉強をしながら自分の希望に合った進学先を絞り込むことができます。一人で何十校といった大学から選ぶよりも、自分の目的にあった大学を提案してくれるため心強い存在です。
学生ビザの生徒が多く在籍するような、長期の生徒を受け入れている学校の中には、定期的に生徒とカウンセリングを行い、目標英語レベルまで達せられるよう長期的にサポートしてくれるシステムがある学校もあります。
長期で留学する生徒の場合、中だるみをしてしまう生徒もいますが、これらのサポートで集中力を維持して勉強できる仕組みがあるのも、学生ビザの生徒が多い学校の特徴です。
ワーホリが多い学校は賑やかでアットホーム
ワーホリの留学目的は、高度な英語力習得よりは、海外生活に必要なコミュニケーション力(日常会話)を学ぶことが目的である傾向が強くなります。
学生ビザの生徒は、明確な目標があります。大学進学を考えている方は、大学入学に必要な英語力を取得するため必死に勉強しなければなりません。また、日本帰国後に英語環境の就職を考えている方は、TOEICでハイスコア取得を目指している方もいます。
一般的にワーホリが中級レベルの英語力を目標にしているのに対し、学生ビザは上級レベルの英語力を求めている傾向にあります。
そのため、ワーホリの生徒は机に向かって必死に勉強するというよりは、語学学校で知り合った友達と積極的な交流を通じて、現地生活を楽しみつつコミュニケーション力を伸ばすといった雰囲気が強くなります。
結果として、ワーホリ向けの語学学校は、より賑やかでアットホーム感がある雰囲気が強くなる傾向が強くなるのです。
和気藹々と賑やかな雰囲気が強いのは、ワーホリビザの生徒が多い学校の特徴です。
一方、学生ビザの生徒は、「勉強しに来たオーラ」が強くなります。ワーホリビザの生徒と比べて、真面目な雰囲気が強くなります。
学生ビザの割合が多い語学学校は、落ち着いた雰囲気が強くなる傾向にあります。
ワーホリビザの生徒でも、勉強重視のプランの方、帰国後の就職活動のためにTOEICスコアを取得したいと思ってる方は、学生ビザの割合が多い大規模校を選ぶと良いでしょう。
自分の目的によって選ぶタイプの学校は分かれる
「ワーホリが多い学校」と「学生ビザが多い学校」では、学校の規模や提供しているコースに違いがあることが分かりました。また、集まる学生のタイプにより、学校の雰囲気も影響します。
「ワーホリが多い学校」では、アルバイト探しや日々の生活で助けになるサポートが整っている一方、賑やかでアットホーム感が強いのが特徴です。
「学生ビザが多い学校」では、モチベーションを保ちながら目的の英語力まで着実に上げるためのサポートが重要視されており、真面目で落ち着いた雰囲気が強いのが特徴です。
ワーホリビザの生徒は、学生ビザが多い学校を選ぶことに対して、さほど大きな問題はありません。一方、学生ビザの方がワーホリ向けの学校を選ぶと、最初は良いですがコースの充実度が限られているため注意した方が良いでしょう。
語学学校は、それぞれ運営方針に違いがあり、皆さんにははっきり見えない部分でもあります。自分の留学目的や留学期間などで、選ぶ学校が明確に変わってきますので、一つの判断基準として参考にしてみてください!