語学学校選びで失敗しない!小規模校のメリットとデメリット
留学が決まり実際に学校を選んでいく中で、語学学校には生徒数が数十人のこじんまりした学校もあれば、生徒数が500名以上もいる学校らしい学校まであることに気付くはずです。
それぞれのタイプの学校には特徴があります。そして、カウンセリングに来る皆さんは、どちらの学校にすれば良いのか悩まれます。
【参考記事】
多くの留学生が学校を選ぶ時、選ぶポイントは正しい?プロの目から検証!
学校選定の際はしっかりとメリットとデメリットを把握することが重要です。自分の希望条件はあるはずなので、その条件にマッチした学校であるかどうかが大事なポイント。
小規模校の一番のメリットは、「一人一人の学生に目が行き届くサービス」がウリです。
これは、本当に理にかなっているのかを分析したいと思います。
「一人一人の学生に目が行き届くサービス」とはどういうこと?
パンフレットやホームページを見ると、学校の特徴が記載してあります。
小規模校の語学学校では、アットホームな雰囲気で、スタッフや教師が生徒一人一人に目が行き届くサポート体制を謳ってるケースを多く見かけます。
実際のところ、お客様も何となくしか理解していません。手厚いサポートって何なのでしょうか?実際にどのようなサービスか、語学学校に確認してみました。
少人数クラスにより英語力アップが可能!
一般的な語学学校では、クラスの学生人数は12~15名になります。
一方、小規模校では、10名以下の少人数クラスをウリにしてるケースを見かけます。
講師にとってみれば、学生の数が少なければ少ないほど、一人一人の学習状況を把握しやすくなるのは必然です。学生が分からない部分があれば、よりフォローし易くなります。その都度、問題点をクリアにすることができれば、英語力の伸びにもプラスの影響がありそうです。
少人数クラスによって、学生は講師と直接スピーキングを行える機会が多くなります。正しいスピーキングを鍛える機会も増えるでしょう。
大人数クラスの場合、学生同士のスピーキング練習が多く、発音や文法が間違っていても同じ英語レベルの学生が訂正をしてくれることはありません。そのまま間違った英語を話し続けることになり、スピーキング力においてもプラスの面が多そうです。
全校生徒とスタッフみんなと友達になれる
小規模校は在籍している学生やスタッフが少ないため、顔や名前をすぐに覚えて貰えることも特徴的です。廊下でクラス外の学生とすれ違っても挨拶しますし、街中にいてもすぐに同じ学校の学生だと気が付きます。
大規模校は全学生数が500~1,000人規模になることもあり、同じ学校の学生であるものの、「同じ空間にいる他人」といった感じになってしまいます。結果的に良く顔を合わせるクラスの友達と過ごす時間が多くなり、大規模校なのに友達は数人といったケースは良くあります。
日本の大学生活でも同様だと思いますが、キャンパス内には大勢の学生がいますが、その殆どは友達ではない関係性になりがちです。
小規模校の方が自然と友達を作ることができ、交友関係が広がる傾向にあります。
小規模校では、日々挨拶はもちろん気軽に会話をしています。そのため、信頼関係を築きやすくなり、何かあった時には相談し易い環境だとも言えるでしょう。毎日学生を見ているスタッフにとっても、学生の変化にも気付き易くフォローも的確になる傾向にあります。
ホームステイ先は学校が選定した選りすぐりが多い
小規模校は学生数が少ない分、ホームステイの数も多く必要ありません。学生に紹介するホームステイ先の数は、学校スタッフがしっかりと時間をかけて選び、訪問して問題ないと感じたファミリーを紹介しているケースが多くなります。
大規模校の場合、学校スタッフがそこまでしている余裕はないため、外部のホームステイ会社に委託しているケースは多くなります。学校側で管理していても、管理が行き届かないケースもあるでしょう。
小規模校は学校自ら選んだホームステイなので、万が一トラブルがあったとしても対応は迅速な場合が多い印象があります。
外部業者を使用していないので、状況把握と対応がすぐにできることも小規模校ならではのサービスです。
※小規模校でも外部業者に委託している語学学校もあり、小規模校なら全て自社管理とは限りません。
学校内だけではなく、生活環境もサポートが手厚くなる傾向があり、その部分は小規模校の良い点と言えるでしょう。
小規模校のデメリットはあるのか?
小規模校のデメリットは全体的な学生数が少ないため、レベル分けが大雑把になってしまうことです。
クラス内で学生間の英語レベルの差が大きくなってしまいます。
例えば、大規模校は入学時のレベルチェックテストの結果をもとに学生の英語レベルを10~15段階で分け、クラスはきめ細やかに細分化されてます。一方、小規模校の場合は3~5段階でのレベル分けになる場合が殆どです。
授業をリードするのは、そのクラスで英語力のある学生です。英語力がある学生は、積極的に発言しますので、そうした学生に合わせて授業が進んでいく傾向あります。そのクラスで一番英語力が低い学生は、授業に置いて行かれるリスクがあります。
また、開講しているコース数も少なく、学生の選択肢は少なくなります。学校のホームページやパンフレットに記載されてるコースも、募集定員まで学生が集まらないと開講されないことは日常茶飯事で、「希望コースを受講できなかった…」といったトラブルもあります。
小規模校の学生は観光ビザやワーホリが中心
学校規模によって、集まってくる学生タイプも変わります。
小規模校は、日常会話を学びに来る観光ビザやワーホリが中心です。
長期間で真面目に勉強する学生ビザの学生は少なくなります。上記でも触れた通り、学生数が少ないため、コース数は必然的に少なくなります。学生ビザの学生は、半年~1年の長期間勉強するため、日常会話だけでなく語学試験対策や進学英語などの勉強も希望します。上級レベルのコースの充実度が低いため、学生ビザの割合は少なくなるのです。
小規模校は、数週間~半年未満の留学に適した環境と言えます。
観光ビザやワーホリビザであれば、フィーリングが合う可能性が高くなります。一方、学生ビザの方は、時間が経過すると自分と周囲の勉強に対するモチベーションが異なり、違和感を抱く方も少なくありません。
観光ビザやワーホリビザの方でも、既に中級以上の英語力があり、意識の高い学生が多く締まった環境で勉強したいなら、大規模校の方がベターと言うことになるでしょう。
語学学校は数多くありますが、自分の目的と英語力によって、適した学校は変動することを理解しておきましょう。
スタッフォード(旧:オムニコム)卒業生の体験談
学校名: Stafford House International, Calgary
国・都市: カナダ・カルガリー
私はカナダのカルガリーにある小規模校に通っていました。元々大人数で、ワイワイした雰囲気が自分にはあまり合っていないと思って選んだのがきっかけです。実際、小規模校に通ってみて、「選んでよかった!」と思えた事例を2点ご紹介します。
1. 1クラスの人数が少なめ
カナダの語学学校の1クラスの平均人数は12~15名ほどですが、私が通っていた学校はどこのクラスも1クラス10名ほどのクラス編成でした。特に一般英語コースは私を入れて3~4名のクラスだったため、先生の目が一人一人に行き届きやすく、またわからないところはすぐに質問ができる環境でした。人数が少ないのでクラス内で発言する回数も必然的に多かった印象があります。
2. アットホームで友達が作りやすい
大規模校の方が出会う人の数が多いので友達がつくりやすいイメージがありますが、小規模校はそもそもの学生数が少ない分、ある程度学校に通うと大体が見たことのある顔ぶれになってきます。
私の場合、ランチタイムに給湯室にあるレンジでお弁当を温めていたら、同じタイミングでカップラーメンにお湯を注ぎにきた他の学生に出会い、そのまま話しているうちに仲良くなったというケースがあります。(笑)
廊下ですれ違ったりアクティビティの際に見かけたり、日頃何となくお互いを認識していることが多いので、声を掛けるハードルも低くなるのが小規模校のメリットだと思います。
フィリピンの小規模校 F2F の学校スタッフのインタビュー
学校名: Face To Face English School(F2F)
国・都市: フィリピン・タガイタイ
フィリピンのタガイタイにあるF2Fの学校スタッフに、小規模校の特徴やメリット、小規模校ならではのエピソードを聞いてみました。
Q. 一人一人に行き届くサービスのために、どのような企業努力をしていますか?
A.
一人一人の学生に目が行き届くためには、スタッフの数がどうしても不可欠だと思っています。
例えば、1人のスタッフが50人の生徒さんの対応をしていたら、物理的にも時間的にもどうしても無理な部分が生じると思います。
同校では通常(7月8月のピークシーズン除く)、生徒数が約25人に対してスタッフを3人以上配置しています。生徒さんにはLINEで各スタッフや私と自由に連絡を取っていただけるようにして、困ったことや相談などがあればすぐに対応するようにしています
Q. 実際に少規模校で良かったエピソードを教えてください。
A.
宿舎に住み込み講師が12人いますが、彼らが毎週2回無料ナイトクラスを開いてくれます。その中で生徒さん同士が仲良くなったり、自分の担任以外の先生とも親しくなったりすることができます。
週末に定期的にアクティビティを開催していますが、ほとんどの場合先生が一緒に参加するのでそこでも講師たちと密なかかわりを持つことができます
スタッフの数が多いので、勉強の悩みや生活で困ったことなどを一人ひとりの生徒さんとゆっくり時間をかけて話すことができます。
小規模校は留学初心者に安心できる環境を提供
小規模校の特徴が見えて来たのではないでしょうか。大きな特徴は、学校スタッフと学生との距離が近いこと。それにより、教師やスタッフも学生への声掛けや、サポート体制も気を配っていることが挙げられます。
実際、留学ドットコムのクチコミ投稿を見ていると、多くの留学生の満足度合は学校スタッフの対応やサポート体制に現れやすい傾向にあります。
大規模校の特徴であるコースが充実していることや、真面目な学生が集まっているという特徴は、「当たり前」に感じられて、学生の満足度に直結し難い部分なのかも知れません。
クチコミ投稿だけ見てると、小規模校が非常に良くて、大規模校はさほどメリットが無いように見えがちですが、そこは冷静になって考えて欲しいと思います。
小規模校が一切の欠点が無いならば、多くの学生は小規模校を選ぶはずです。結果として、いつまでも学生数が少ない小規模のままではないはず。これは、メリットと共にデメリットも同時にあることを意味するからではないでしょうか。
小規模校ならではの小回りが利く対応やアットホームな環境は、海外がはじめての方や、留学初心者、英語力に自信が無い方には最適な環境だと思います。
完璧な環境の語学学校は、存在しないことを理解しましょう!