語学学校の教師の年齢や勤続年数は、学校のクォリティに影響する?
語学学校を選ぶ基準の中に値段(授業料)がありますが、安いだけで語学学校の質が良くなかったら困りますよね。何でも値段とクォリティは比例すると言われますが、語学学校のクォリティも概ね同じだと思います。
学校選びの際に優先する条件は、人それぞれ異なりますが、語学学校の費用が安いに越したことはありません。
ただ、最安値の学校を選んだ結果として「学ぶことがなかった…。」となると、その授業料が勿体ないですよね。
教師歴が長くて勤続年数が長い教師が多く在籍していると、授業のクォリティは高くなるように感じます。
経験豊富な教師を雇用することは、新人教師に比べれば当然人件費が高くなるのは当然。結果として、語学学校の授業料も割高なイメージが湧くと思います。
語学学校で一番大切なのは、授業のクォリティです。その授業に一番大きく関わる教師の平均年齢と勤続年数から、値段の差があるのかを検証してみました。
語学学校のアンケート結果
今回の検証に当たって、欧米圏複数の語学学校にアンケートを申し入れました。半数以上の学校で教師の年齢については、「回答できない」という結果になりました。
そのため、年齢については不十分な点もあります。以下、アンケートの結果です。
A校 | B校 | C校 | D校 | E校 | F校 | |
全生徒数 | 250~300 | 250~300 | 250~400 | 140~200 | 70~100 | 250~300 |
人数 | 30 | 22 | 35 | 10 | 12 | 未回答 |
平均年齢 | 未回答 | 未回答 | 未回答 | 未回答 | 36 | 未回答 |
平均勤続年数 | 3 | 2 | 5 | 4~5 | 未回答 | 未回答 |
1週間の価格 ※日本円で表示 | 30,360 | 26,864 | 30,030 | 41,144 | 19,140 | 22,200 |
※1週間の価格は、全て一般英語コース週15レッスンの価格になっています。
A校・B校・C校は、地域に根ざした実績のある語学学校で、D校は世界的な語学学校チェーンの有名校、E校・F校は値段がリーズナブルなことで知られている語学学校です。
教師の平均年齢が若い
語学学校のシニアマネージャーになると少々年齢が上がる傾向にありますが、実際に授業を担当している教師は20~30代がメインです。語学学校の生徒も10~30代と比較的若い年齢層であることもあり、価値観が近い同世代を採用していると言えます。
多くの語学学校では、フレンドリーな雰囲気を作るために生徒に一番近い存在である教師の年齢を合わせることもあるようです。今回のアンケート対象には含まれておりませんが、生徒の年齢層が高めでかつ値段も高い語学学校の教師は、平均年齢も高くなります。
社会人の方がメインで受講するビジネス英語コースや、生徒の年齢を30歳や50歳以上と年齢制限のあるコースを開催している語学学校もあり、それらの教師の平均年齢は上がる傾向があります。
平均勤続年数5年以下が多い
日本では1つの会社に長く在籍していることが良いとされる風潮がありますが、勤続年数が5年以下の教師が多いというデータには驚かれるかもしれません。欧米圏では能力のある方はどんどん転職を繰り返し、収入・キャリアの向上を目指していくのが常識です。
平均勤続年数が5年以下というのは、常に良い給与・就労条件を求めて、転職していることの現れです。これは、キャリアアップの一環と認識されている欧米圏だからこそのデータと言えるでしょう。
この平均勤続年数は、あくまでも1つの学校に在籍している期間です。英語教師としてのトータルキャリア期間はもっと長くある方々がほとんどです。そのため、平均勤続年数移管しては、そこまで重視する必要が無いと言えるでしょう。
語学学校の値段と教師の質は比例するのか?
結論から言うと、語学学校の値段と教師の質の関係性はあまり高くはありません。
今回のアンケートに協力してくれた語学学校では、教師は全員英語教師としての資格を有しています。多くの語学学校では、採用時に英語教師としての資格を確認しているのです。そのため、どの語学学校も一定以上の質を有した人材を持っています。
実際に語学学校に通われた生徒さんのフィードバックから、具体的に学校毎の教師の質を見ていきましょう。
他校の授業を受講して比較しているワケではありませんが、「授業に満足できたかどうか?」という視点での回答です。
A校 | B校 | C校 | D校 | E校 | F校 | |
値段の順位 | 2 | 4 | 3 | 1 | 6 | 6 |
教師の質 | ◎ | 〇 | 〇 | ◎ | 〇 | 〇 |
教師の質に関して、どの学校も生徒からの評価は高いため一律◯なのですが、さらに上級資格を持つ教師が在籍していたり、講師への定期的なトレーニング制度を用意していたりする語学学校は◎としています。
値段は4番目に位置しているB校は、多くの生徒から好評を得ていました。授業の内容、留学の成果共に評価が高い語学学校でした。
一番安いE校は、運営母体は大手語学学校グループであり、授業についてもその大手語学学校の教育トレーニングを受けているため、授業に対する不満足度もありません。
2番目に値段の高いA校は教師の多くが上級資格を持つ上に、生徒をサポートするための学校運営スタッフの数が際立って多いのが特徴です。値段が高い語学学校は、教師の資格についても上級資格を持っている旨を学校パンフレット等に明記しています。
さらにA校は、十分なスタッフの人数と生徒が在籍していてはじめて活用できるE-Learningや、学校独自のSNSなどのオンラインシステムを充実させています。
多くの語学学校には学生サポートの制度がありますが、そのサポートの厚さは異なります。
語学学校の値段の違いは教師の質というより、主にこうしたサポート制度と語学学校の設備の充実度に現れる傾向にあります。
値段が高い語学学校だけが良い学校とは限らない
私は留学カウンセラーとして、多くの留学希望者と接してきました。皆さん全員が、「英語力を伸ばしたい!」と語る希望は変わりませんが、皆さんの個性や希望される条件は異なります。そのため、留学希望者1人1人に対して、最適な語学学校は異なるのです。
今回、値段が高い語学学校は教師の質の高さだけでなく、サポート制度も手厚いと紹介しました。ただ、海外慣れしている方や積極的な性格な方にとっては、サポート体制の充実度はそこまで重要な要素でない場合もあります。
また、「最初は自分でやってみて、ダメな時に自分から助けを求めたい。」という方にとっては、最初から手取り足取りのサポート体制は性格的に合わないかもしれません。慣れない土地での生活や学習にサポート体制は必要不可欠ですが、その人の性格にもよります。
つまり、、、「値段高い語学学校 = 留学生にベストな語学学校」というワケではありません。留学生の好み・個性・希望内容などがマッチングしたのがベストな語学学校になります。
一人であれこれ悩んでいても、ピッタリとマッチングする語学学校を探すのは難しいことです。
多くの方は私たち留学カウンセラーと話す中で、自分でも気づかなかった答えを見つけます。
是非、気軽にカウンセリングにお越しくださいね!