留学後の税金(住民税)はどのくらい掛かる?用意すべき資金を紹介 | 留学・ワーホリ・海外留学・語学留学は留学ドットコム

カテゴリー:留学の準備

留学後の税金(住民税)はどのくらい掛かる?用意すべき資金を紹介

公開:2019/02/04 著者:織野 さおり 5370 Views

社会人の方で海外留学(ワーホリ)を志している方、その中には「留学前に思い切って仕事を辞める!」という方も多くいらっしゃいます。

お仕事を退職後、留学に行かれる場合、用意しておく資金は留学資金だけではなく、それに加えて自治体に納めなければならない税金分を資金としてきちんと考えておきましょう。

 

仕事を辞めても支払いが残っているのは、「住民税」になります。

 

通常、給料から天引きされていく住民税ですが、退職した場合にはそうはいきません。

住民税は退職した後にも支払う必要がありますので、留学に行ったからといって支払いが免除されるものではないのです。

皆さんの年収に応じて幾らほどの支払いが必要なのか、また、いつどうやって支払う必要があるのかを紹介していきます!

住民税について

私たち日本人は、毎年住民税を収めています。

住民税の納税額は各個人異なり、それは所得・居住地に応じて変化します。

 

前年1~12月までの所得に応じて、翌年6月より支払っていく形になります。

 

その支払い額は、前年度の収入から社会保障控除額や基礎控除額を差し引き、課税対象額に対して税率をかけ合わせることで算出されます。

このときの「税率」は、自治体ごとにわずかに異なりますが、「都道府県民税率+市区町村税率=10%」となる場合が多くなっています。

 

住民税の支払い額例

実際に支払う住民税がいくらなのかというのを以下の条件で計算していきたいと思います。

東京都豊島区在住の方の場合、住民税の税率を調べてみると、、、

 

東京都民税率: 4%
豊島区民税率: 6%

 

…となっているので、東京都豊島区に在住の場合、住民税の税率は10%となります。

年収350万円の会社員のケースで、住民税の計算を以下に紹介します。

 

1. 給与所得控除額を計算

まず、年収に対する「給与所得控除額」を調べます。

給与所得控除額とは「年収(給与などの収入金額)」から「税金計算時に差し引ける金額」の事です。

 

「税金を計算する時の基準額」が多ければ多いほど支払う税金も多くなってしまいますので、税金を支払う立場からすれば「給与所得控除額は多いほどお得」です。

 

給与所得控除額は年収によって異なり、その計算方法は以下の通りです。(令和5年4月1日時点)

年収控除額
~162.5万円55万円
162.5万円~180万円収入の40%ー10万円
180万円~360万円収入の30%+8万円
360万円~660万円収入の20%+44万円
660万円~850万円収入の10%+110万円
850万円~195万円

 

以上の表より、年収350万円の場合には、

350万円 × 0.3 + 8万円 = 113万円  となります。

 

2. 社会保険料控除額を計算

次は、すでに支払っている雇用保険や健康保険などの社会保険料は控除の対象となるので、その控除額がいくらになるのかの計算を行います。

その支払い額はざっくり計算する場合には年収の約15%になります。

350万円 × 0.15 = 約52.5万円

 

今回の場合、社会保険料控除額は約52.5万円となります。

 

3. 基礎控除額

住民税の基礎控除額は43万円とされています。

これは、どこの都道府県・市町村にお住まいでも一律の金額となります。

 

4. 全体の住民税控除額を計算

以上の計算から、今回の場合の控除額は以下の通りになります。

113万円 + 52.5万円 + 43万円 = 208.5万円

 

5. 住民税課税対象額を計算

年収から住民税控除対象額を差し引き、住民税の課税対象額を計算します。

350万円 - 208.5万円 = 141.5万円

 

年収が350万円の方の場合、その内141.5万円が住民税の課税対象となります。

 

6. 住民税額を計算

課税対象額である145万円に最初に出した税率10%を掛け合わせ、住民税額を計算します。

141.5万円 × 0.1 = 14.1万円

※実際にはこの金額より均等割や調整控除などを足し引きすることで実際の金額を出すことができます。

 

以上のような計算により、東京都豊島区在住、年収350万円の方の住民税は、およそ15万円となります。

 

その他の年収の場合の支払い例

他の年収帯で同様に計算すると、住民税は以下のようになります。

年収250万円の場合 → 約9万円

年収300万円の場合 → 約12万円

年収400万円の場合 → 約18万円

年収450万円の場合 → 約21万円

 

その他の控除がある場合

長期留学される方の中には、結婚して配偶者がいらっしゃる方、お子様がいらっしゃる方は少ないかも知れません。

もし、これらに該当する場合は、追加での控除を受けられます。

その場合、上記の控除とは別に「配偶者控除」や「扶養控除」などがありますので、住民税は約3~6万円安くなります。

 

また、生命保険や地震保険などの加入されている方も、保険料に応じて控除されますので確認しておきましょう。

 

住民税の支払い方法

サラリーマンの場合には、毎月の給料から住民税が天引きされていく「特別徴収」という形がとられています。

転職の場合には、次の会社が特別徴収を引き継いでくれるので心配はありません。

 

しかし、これから留学(ワーホリ)に行かれるという方の場合には、「普通徴収」という形をとることになります。

 

普通徴収とは、会社を通じての住民税納付ではなく、自分自身で納付する方法で、この場合、役所から自宅へ住民税の納付書が郵送されてきます。

その納付書を持って期日までに銀行や役所にて住民税の納付を行います。

 

そしてその納付期限は年4回となっており、支払時期は以下の通りです。

1回目: 6月末日
2回目: 8月末日
3回目: 10月末日
4回目: 翌年1月末日

 

この4期に渡って、分割して住民税を支払っていくことになります。

分割の支払いが面倒と言う方は、一括ですべて払いきるという事も可能です。

送付されてくる書類の中に一括納付書が同封されているのでそちらを利用して一括納付が可能です。

自治体によって異なりますが、口座振替やクレジットカード払いも用意されているため、お住まいの自治体に確認し、留学中に自動引き落としされるように手続きしておきましょう。

 

退職の際に必要な手続き

住民税に関する手続きは、会社に退職をするということを伝えると、会社が手続き全般を行ってくれます。

退職後、「住民税の支払いは普通徴収でお願いします」という旨を会社に伝えるだけで大丈夫です。

 

手続きに関しては、特段心配されなくて大丈夫です。

皆さんが行う手続きとしては、支払い方法だけです。

自動引き落としされるように自治体に届け出をしましょう。

 

留学中に未払いトラブルにならないように手続きを忘れずに!

住民税は、年収・自治体によって違いますが、数万円から数十万円の支払い義務が発生するものになります。

ご自身の年収でどの程度の支払いが必要になりそうか、今回のコラムを参考に資金を用意しておきましょう。

 

もし、住民税を支払わなければいけないという事を知らずに日本を離れてしまうと、それを支払う資金であったり、納付ができなくなってしまったりします。

 

住民税の滞納があると、役所から督促状が届きます。

未納期間に応じて延滞金を請求されることになります。

そうならないように、留学前の手続きはしっかり行っておきましょう!

 

お仕事を退職、もしくは休職されて留学する際には、お勤め先の会社に住民税をどうやって支払うのかを確認し、ご自身でもしっかり把握・手続きしておきましょう。

 

また、住民税や年金、社会保険などのお手続き(海外転出届)などを詳しく知りたい方は下記のコラムも参考になるかと思います!

 

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