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カテゴリー:ワーキングホリデー

「何となく海外に行きたいから → ワーホリ」で本当に良いのか?留学先で出会ったワーホリを分析してみた

公開:2019/09/02 著者:三浦 愛香 4961 Views

申請に年齢制限があり、30歳までしか取得ができないワーホリビザ。

「若いうちにしか行けない…。」となると、やはり人生で1度は行ってみたいですよね。そう思うのは、普通のことだと思います。

 

ただ、ワーホリは「30歳まで、1つの国につき一生で1回」しか申請できません。

 

そのため、現地での生活をより有意義なものにしていかないと、貴重なワーホリビザを無駄に捨てることになってしまいますし、何よりも帰国後に「ただ海外でふらふらと遊んできた。」というレッテルを貼られてしまいます。

私もカウンセリングの対応をしていて、「海外に長く住む=英語力が伸びる=ワーホリにしよう!」と考える方がとても多い印象です。

お金に余裕が無いから、「現地でアルバイトができるワーホリを選びました!」というケースも多いですが、最終的な目標を考慮してワーホリを選択したようには思えません。

 

結論からお伝えすると、何も考えないで「何となく行きたい!」という気持ちが先行したプランは、正直あまりお勧めしません。

 

そのようなプランの立て方だと、帰国後に何も成果が残らないという結果になってしまいかねません…。

誰だって充実した時間を過ごしたいと思いますし、自分でも満足できる1年間、そして周囲から見ても評価を受ける1年間でありたいと思うのは当然ですよね!そのためには、やっぱり計画性のあるプランニングが何より重要なのです。

皆さんが思い描く留学プランが果たして成功となるのか、今回は実際に私が留学先で出会ったワーホリ生の実体験をもとに、留学エージェントの視点で分析していきたいと思います。

「海外渡航の目的は、英語力を伸ばしたいから!」というAさん

Aさんは現役大学生で、大学を1年間休学してワーホリを選択しました。

Aさんは帰国後に就職活動も控えているので、当然英語力を伸ばすことは重要な目的の1つでした。

 

Aさんの最大の問題は、具体的にどのくらいの英語力まで伸ばしたいのかの目標設定がとても曖昧だったことです。

 

「英語力を伸ばしたい!」と一口に言っても、そのレベルは様々です。

海外旅行に一人で行けるレベルの英語ができればいいかなと思っている方から、英語を使って働きたい!と思っている方まで、目標とする英語力は人それぞれです。

前者であれば、一年海外で過ごしていれば何となくコミュニケーションをとれるだけの英語力は身につきます。

 

ただし、英語力をビジネスレベルまで伸ばしたい方、英語を使って仕事をしたい方はただ海外に住んで十分な英語力が身につくかと思ったら大間違いです。

 

もちろん、ワーホリビザは語学学校に通うこともできるのですが、ほぼすべての国でワーホリ期間中に学校に通える期間は限られています。

 

私がカウンセリングしてきた中で、ワーホリの語学学校に通う平均期間は、3~4カ月間といったところです。

 

この語学学校に3~4カ月、しかもグループレッスンが主体の欧米圏の学校では、皆さんが目標とする英語力を獲得することは難しいと言えるでしょう。

私がワーホリ先で出会ったAさんは、将来的に外資系企業でバリバリ働くことを夢見てワーホリにやってきました。

しかしながら、Aさんが語学学校に通っていたのは最初の1か月のみ。

 

その英語力だけでは英語を使った仕事を見つけることも難しく、結局は日本食レストランを掛け持ちし、朝から晩まで日本語環境でのアルバイト。

お金はそれなりに貯まりましたが、帰国後の就職に結びつく結果を残すことは難しく、Aさんは日本で再度専門学校に入り直し、就職を先延ばしにすることとなりました…。

ワーホリは出稼ぎに行く場所ではありません。多少のお金が貯まっても、殆ど何の意味も持ちません。ワーホリ中に帰国後の就活につながる成果が手にできなければ、帰国後に厳しい現実が待っています。

 

「海外渡航の目的は、海外で働いてみたいから!」というBさん

ワーホリビザの醍醐味は、何と言っても自分の好きな場所でフルタイムのアルバイトができることです。

 

実は海外で働くことは非常にハードルが高く、職歴や学歴を問わず日本人が合法的にフルタイムで働けるのは、ほぼ唯一の手段がワーホリであるといっても過言ではありません。

 

それなら海外で働きたいということは、「ワーホリの目的に十分当てはまっているんじゃないの?」と思われるでしょうか。

もちろん、海外で働きたいという目標は素晴らしいと思います。

私も実際に海外で接客業を経験したくて、ワーホリでカナダに行った経緯があります。

 

 

しかし大事なのは、「海外へ行ってそこでどのような仕事をするのか?」ということです。

 

日本食は現在世界各国で人気が高く、皆さんがワーホリで行かれるカナダやオーストラリアにも日本食レストランのお店がたくさんあります。(一風堂、牛角、吉野家、丸亀うどんなど日本の有名店も多数あります。)

こういったお店は基本的に日本語環境の職場で、つまりは英語ができない日本人ワーホリが働くための受け皿ともなっているわけです。

最近は日本の店舗にも外国人のお客さんが増えている状況ですので、正直日本食のお店で働くのであれば日本でも海外でも英語の使用頻度にそこまで差が無いと言われる方もいらっしゃいます。

 

実際に現地にあるラーメン屋さんでアルバイトをしていたワーホリのBさんに英語の使用頻度を聞いてみたところ、日常生活ではほぼ英語は使わないという回答が…!

面接から研修、そして日々のスタッフ同士のやりとりまですべて日本語だそうです。

せっかく「海外で働く」ことを目標に一生で1回しか取れないビザを取得して渡航した結果が、「それで本当いいの?」ということを改めて考えて欲しいと思うのです。

 

→ 英語環境の仕事をするためには、当然英語力は必要です!

 

「ワーホリの目的は、お金を稼ぎたいから!」というCさん

お客様からいただくご質問でたまにあるのが、「ワーホリって稼げるんですよね!?」というご意見。

確かに、現在東京の最低賃金は985円、その一方でバンクーバーのあるカナダのBC州の最低賃金は15ドル(約1,230円)、オーストラリアにいたっては18.93ドル(約1,419円)となっています。

ここまで差があると、もはや日本でアルバイトするよりも「カナダやオーストラリアでアルバイトする方がお金を稼げるのでは?」と思えてきますよね。

 

ただ現在カナダやオーストラリアは最低賃金額が上がった分、それに比例して家賃や物価も上昇傾向にあります。

 

当然ですが、物価と賃金は密接に関係します。そのため、幾ら最低賃金が高くても、その分生活費も高くなります。基本的には最低賃金で雇用される一般のワーホリが、多額を稼いで帰国することは難しいと思っていただいた方が良いでしょう。

私がカナダでワーホリ中に出会ったCさんは、大学を卒業して就職をせず、またワーホリ中には語学学校に通うこともなく、すぐにカナダでアルバイト探しを開始しました。

彼曰く、「カナダは日本よりも最低賃金が高くて稼げるし、生きた英語も学べる!こんな一石二鳥なことはない!」と思っていたそうです。

 

持ち前のコミュニケーション能力で英語力不足をカバーし、奇跡的に現地のカフェの仕事をゲットしたCさん。

しかし職歴も語学力も無い彼に告げられたのは、「最初の1か月は無給」宣言でした。

 

せっかく仕事を手にしても最初の1か月は無給、そして2か月目以降に給料が発生したものの、最低賃金を下回る時給でのお給料だったのです。

 

本来は最低賃金を守らないと違法ではありますが、個人経営店など一部手渡しでお給料を渡す(キャッシュジョブ)お店は、最低賃金以下のお給料を支払っていることもあります。

この記事を読んでる多くの方は、「そんなブラック企業でなぜわざわざ働くの?」と不思議に思うのではないでしょうか。

しかし、英語力が無く、経験も無ければ、どこも雇ってくれません。雇う側の立場からすれば、「そのような人材を雇うメリットはどこにあるのか?」は、普通に考えれば誰でも分かることだと思います。

 

厳しい言い方をすると、Cさんは足元を見られ、安く買い叩かれたのです。そして、能力のないCさんは、その現実を飲まざるを得ませんでした。

 

英語がしっかりできていればこういったトラブルも避けられましたし、何よりももっと仕事の選択肢も多かったはずです。

結局、お金を稼ぐことを目標にカナダにきたCさんは、最初の1か月が無給だったこともあり、最終的には出費が収入を大きく上回る結果となってしまいました。

 

3人が「何となく…。」でワーホリを選択して失敗した原因

Aさん、Bさん、Cさんの実体験を紹介してきました。

では3人が、何となく海外に行きたいからワーホリを選択した結果、失敗に終わってしまったのは一体なぜなのかを見ていきましょう。

 

Aさんの場合

ワーホリで長く海外で生活していれば、自然と英語力が伸びると思った。

結論: 「海外で暮らす=英語が伸びる」ではない。

 

残念ながら、ただ海外生活しているだけでは英語力は伸びません。

もし海外生活しているだけで英語力が自然と伸びるなら、大学を一年休学してワーホリに行きさえすれば、誰でも英語が話せることになるかと思います。

 

しかし、実際にワーホリへ行った大学生の半数以上は、英語力が伸びないまま帰国しています。

 

ここで言う「英語力が伸びないまま」と言うのは、帰国後の就職活動でアピールできるレベルではないという意味です。無計画でワーホリする方は、TOEICスコアが600点以下に終わってしまいます。

そして、TOEIC700点以下は、海外留学して来たというアピール材料にはなりません。

英語を本気で伸ばしたいと思っているのであれば、それ相応の勉強時間を確保する必要があります。

 

Bさんの場合

ワーホリすれば海外で働くという経験が身に着くと思っていた。

結論: 海外に行けば英語環境で働けるとは限らない。

 

今は海外のどこにでも日本食レストランがあり、都市部であれば英語が話せない人ですらアルバイトは見つかるのが現状です。

その分仕事内容や職場環境は、英語ができるかそうでないかに大きく左右されることになります。

英語ができて、初めて英語環境で働くということが実現するわけです。

 

Cさんの場合

ワーホリに行けばお金が稼げると思っていた。

結論: 英語ができない人がたどり着く仕事は最低賃金さえ保証されないことがある。

 

今回のCさんのように、小さな個人経営店や日本食レストランの場合はいわゆるキャッシュジョブ(給与を現金で支払う方法)をこっそり適用している場合もあります。

キャッシュジョブは最低賃金が守られていないというケースにとどまらず、給与明細が発行されていない、つまり雇用主側が法の目をかいくぐって脱税をしている可能性もあります。

早々に雇ってくれてラッキーと思っていたらお給料がきちんと支払われない、でも給与明細もないからそもそも証拠がないなど、何も知らない留学生がトラブルに巻き込まれてしまうことがあります。

 

しかし、英語力も無い、経験もない人が雇って貰うためには、マイナスの条件を飲まざるを得ないリスクが常に伴います。

 

雇ってくれる会社が無ければ、生活費がどんどん出ていく一方です。仕事目的でワーホリに来る方は、当然十分な予算を用意してワーホリに来ているワケではありません。

自分が希望する仕事が見つからなければ、多少条件が悪い仕事であっても、条件を飲まざるを得ない状況に陥っていくことになります。

こういった悪徳な雇用主に騙されないよう、やはり最低限の英語力と知識を備えてワーホリに臨む必要があります。

 

ワーホリで成功した方のお話も少し

最後にワーホリで成功した人の話もしておきましょう。

マイナスなお話ばかりだと、気分が落ち込みますしね!(笑)

留学ドットコムのお客様である大学生のDさんは、2か国留学の経験者。出発前のカウンセリング通りにプランを実行して、理想的な1年間を過ごすことができました。

 

Dさんは、半年間のフィリピン留学で見事TOEIC800点以上を取得しました。

英語力をしっかり伸ばした上で、2か国目のオーストラリアにワーホリビザで入国。

現地のローカルジョブに就き、英語を使いながら働き、時給も高い条件という理想的なワーホリ生活を送っています。

 

しかし、Dさんは始めから特別英語力が高かったわけではありません。

 

計画的に学習プランを練り、着実にスコアを伸ばし、目標の800点台をクリアしました。しかもDさんは大学生でありながら、自分で貯めたお金で留学をしています。

このように大学生であってもしっかり計画を立てて効率良く留学をすることで、英語力だけでなく一生モノの経験をすることもできるのです。

本当に自分の思い描いた留学プランで、「自分の想定する結果を手に入れられるの?」と不安に思った方は、まずはプロである留学カウンセラーに相談してみてください。独りよがりのワーホリプランになっていないかどうか、念入りにチェックすることが大事です!

 

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