日本人は真面目に働きすぎ?カナダで働いて気づいた働き方の違い
「日本人は真面目に働きすぎだ。」というのはよく耳にすることですが、それは本当なのでしょうか?
信頼性の高い調査によると日本人の有休消化率は低く、労働時間も長く、サービス残業という言葉もあるくらいですが果たして海外ではどうなのか。
実際にカナダに住み始めて僕が思ったことは、、、
「明らかに日本人の働き方とは何かが違う!」
最初はそれが何なのかが曖昧でしたが、実際に1年間働いたことにより労働生産性が低いと言われている日本との働き方の違いが少しずつですがわかってきました。
この記事では、データではなく僕自身がカナダで様々な国籍の人たちと一緒に働いて肌感覚で気づいた働き方の違いについてシェアして行きたいと思います!
組織内の関係性がフラット
僕がカナダで働いてみて、最初に感じた日本との違いは職場内の人間関係のフラットさです。
日本では社長、部長、課長などの色々な役職が存在していて、このような人達のことを役職名で呼びます。
僕は部長を〇〇さんと呼んだだけで叱られた経験があります。
それほど絶対的な上下関係が日本の組織内には存在します。
それに比べて、カナダでは職場内のみんなが平等というような雰囲気があります。
もちろん日本のように役職は存在しますが、全ての人がお互いを名前で呼びあっていてとても風通しの良い雰囲気があります。
このような雰囲気なので、働いている全ての人が自分の思ったことを言い合い、いつもいい意味での話し合いをしていました。
彼らは何か不満なことがあったらすぐに上司に相談し、上司はそれを一緒に解決していこうという姿勢がよくみられました。
日本では何か不満なことがあってもほとんどの場合はそれを言うことを我慢し、夜の飲み会で上司の愚痴をこぼすのが一般的なスタイルだと思います。
カナダで働いていた時のカナダ人同僚が、上司に以下のような交渉をしてる場面を目にしました。
「最初に言われたことは全てできるようになりました。あとは何をできるようになれば時給をあげてくれますか?」
このような交渉をしていて、正直カナダ人すごいなと驚いた覚えがあります。(笑)
不満を抱えていつも愚痴をこぼしながら働くよりも、不満をしっかりと解決してから働いた方が、労働生産性が上がるのは一目瞭然です。
余談ですが、カナダには正社員とバイトという概念がなく、日本のような社員至上主義はありません。週40時間働くフルタイムワーカーか、それ以下のパートタイムワーカーという分け方しか存在しないので、これも職場内の雰囲気がフラットな要因の1つです。
良く耳にする海外の「完全実力主義」
「海外は完全実力主義だ。」という話は良く耳にするフレーズです。一方、日本は徐々に薄まりつつあると言われますが、未だに年功序列が根強く残ってる部分があります。
私が次に気づいたこと、はカナダに限らず西欧系の国は圧倒的な実力主義だということ。
日本のような年功序列の雰囲気は全くなく、仕事ができれば年齢関係なく役職も上がるし、給料も上がります。
これは組織に属する正社員や上層部だけの話ではなく、僕らのようにワーホリで働いている人間にも当てはまります。
彼らにとってワーホリかどうかなど問題ではなく、仕事ができるかどうかだけが問題なのです。
実際にワーホリでも仕事ができる人には色々な仕事が任され、それに見合った給料が支払われていました。
日本のような「時給1,000円、ただし高校生時給900円」という身分に応じた給料設定は海外ではあり得ません。
そして、日本との大きな違いは、仕事ができないとすぐにクビになることです。
僕はカナダで働いている間に、クビにされていく従業員を何人も見ました。
日本では法律によって一度雇用した社員はなかなかクビにできませんが、海外ではどんなポジションであろうと会社にとって必要ないと思われたら即日クビになります。
実際に僕の友人がクビにされるのを目の当たりにした時、少し厳しすぎるのではないかと感じたこともありました。
しかし、クビにできないからといって自分から辞めるように仕向けられるような社会よりは、ハッキリとしていていいのではないか思うようになりました。
仕事ができない人をクビにできないことで、仕事ができる人にツケがまわってくるのが日本社会の現状です。
僕が日本で働いていた時の上司は優秀で仕事が早いこともあって、私はいつもできない人の分の仕事を振られ、いつもサービス残業をしていました…。
もしもこれが海外だったらできない人はすぐにクビになり、優秀な上司はもっと効率よく昇進していたでしょう。
転職が当たり前の海外
カナダでは、転職に対するイメージが日本とは180度違います。
日本では転職をよくしている人に対して、以下のようなマイナスのイメージがあると思います。
「あまり仕事が長続きしないのかな…。」
「どうせまたすぐ辞めるだろう…。」
一方、カナダでは転職に対する考え方が、以下のように全く異なります。
「色々な経験をしていていいね!」
「キャリアアップのためのプランがしっかりしてる。」
このように、カナダを含む欧米社会では、転職に対してプラスのイメージがあるのです。
実際に僕が働いていたレストランでも、副料理長は何回も変わっていました。
彼は他のレストランからもっと条件の良いオファーをもらったらしく、さらっと辞めていきました。
仕事を辞めることに関する価値観ですが、彼らは完全に僕ら日本人とは違うのです。
実際に僕は仕事を辞めると周囲の人に伝える時、日本では「どうして?勿体無くない?もうちょっとだけ頑張れば?」と引き止められがちです。
一方、カナダでは、「Congrats man! (やったな!)」といつも理由も聞かずにお祝いしてくれました。(笑)
日本人は会社の同僚に家族意識もあるせいか、「みんないい人たちだから辞めづらい…。」と思うこともありますが、彼らにはそういった感情が一切ないみたいです。(笑)
バケーション制度がある
僕が1番羨ましいと思ったのは、このバケーション制度です。
ヨーロッパ諸国に比べてカナダのバケーションは短いみたいですが、それでも僕ら日本人からしたらこのバケーション制度は羨ましい限りです。
2019年のGWは史上最長の10連休で日本は大いに盛り上がっていましたが、欧米諸国からしたらそんなもの大したことはありません。
カナダの職場では、「来週は俺の誕生日なんだ!1週間休みをくれ!」と真面目に上司に相談している人がいて笑ってしまいました。実際に彼は無事にバケーションを獲得していましたし、こういった主張はカナダでは受け入れられているようです。
僕は旅行中に出会ったフランス人にこんなことを言われたことがあります。
「(日本人は)バケーションもないのに何のために仕事を頑張っているんだ?」
彼らからすると、バケーションありきの仕事ということなのでしょう。プライベートや家族が一番で、あくまで仕事は2番目と言う考え方とも言えます。
働き方改革が推奨されているとは言え、日本人の多くは仕事第一と考えている人がまだまだ多いのは事実です。
しかし、彼らは家族との時間や趣味の時間をもっとも大事にするので、仕事の優先順位は低い傾向があるように感じました。
欧米人も案外残業はする
僕は海外で働いている人は残業しないという謎の先入観を持っていたのですが、これは少し違いました。欧米人も案外残業はしているんです。
ただし、日本とは違うところは、無駄な残業やサービス残業は皆無だということです。
日本でも残業に対する考え方は少しずつ変わってきていますが、いまだに「残業=頑張っている」と捉える文化は少なからず残っています。
少なくともカナダでは、そのような考え方を持った人にはほとんど出会いませんでした。
本当に必要な時は残業してでも働きますが、それ以外は早く仕事を切り上げて遊びに行くといった人が多かったです。(笑)
これはカナダで働いていてとても驚いた話なのですが、彼らは大雪が降った次の日に仕事を休むことがあります。
その理由は、パウダースノーを楽しむためです。(笑)
日本人からしたら滑るために仕事を休むなんて考えられない話ですが、カナダではあるあるな話らしいです。
彼らは、「遊びのために仕事はほどほど。」にというスタイルです。
ただ時給で働いている人の中には、稼ぎたいからもっと働かせてくれと言っている人もいました。
ただやっぱり大雑把!
人によっても違いますが、僕周りで働いている人たちは大雑把な人が多かったです。(笑)
僕の個人的なイメージではカナダ人は豪快なイメージがあったのですが、これは大体あっていた気がします。繊細なカナダ人の方ごめんなさい。(笑)
彼らは何をするにも大雑把で、日本人からしたら考えられないようなこともたくさんありました。
ただその一方で、何でもキッチリと仕上げる日本人はすごい褒められます。
僕ら日本人の感覚からすると普通に働いているだけなのですが、「日本人は本当によく働くな!」と言われることが多くあり、これは海外で働く日本人あるあるだと思っています。(笑)
これは日本人である大きなアドバンテージだと思うので、存分に有効活用していきましょう。(笑)日本のホスピタリティは世界一だと評されることもありますが、日本人の繊細な配慮はもちろん外国人にも通じます。
実際に僕は日本人という理由もあって、採用されたという話を後日聞かされました。
僕が働いていたレストランのシェフは世界中で働いたことがあるらしいのですが、どこの国に行っても日本人は高いクオリティの仕事をしていたそうです。
【まとめ】 欧米人は何事もハッキリしている!
以上カナダで働いてみて気づいた日本との違いでした。
総合的な印象は、みんな何事もハッキリしていて、自分の感情に素直に働いていること。
何か思うことがあればすぐに言うし、小さなことはあまり気にしません。僕自身このような人たちに囲まれて最初は戸惑いましたが、慣れてくるとこの働き方が結構心地よくなってきます。(笑)
日本での仕事に嫌気がさしたという人は、日本から出て海外のスタイルで働いてみるのもいいかもしれません。
自分の中の仕事に対する価値観が大きく変わるかもしれませんよ!