留学・ワーホリはどこへ行く?渡航先(国やエリア)を選ぶ際のポイント4つを解説!
こんにちは、ちひろです。
留学やワーキングホリデーを具体的に計画していく中でまず悩むのが、「どの国に行こう?」という点ではないでしょうか。
私自身も最初はイギリス、アメリカ、オーストラリア、カナダという4つの選択肢を持っていました。そして、その中からいくつかの判断材料を頼りに、カナダを選んだ経験があります。
実際に海外旅行などで各国を訪れたことのある人なら、現地の雰囲気や自身の体験を踏まえて渡航先を決めることができるでしょう。また、専門的な学習がしたい人はその分野に特化したコースがある大学やカレッジを選べば良いので、比較的留学先の決定が簡単です。
でも、みんながみんな同じ状況だとは限りません。「とにかく海外で英語の勉強ができれば良い!」という方が過半数以上だと考えます。
英語の勉強ができれば良いのだけれど、可能なら安く抑えたいし、安全な場所に住んで観光も楽しみたいし、アルバイトも難なく見つけられる場所で…と欲張りになってしまうのは当然のこと!
そこで今回は、どのような観点で情報を整理して渡航先候補を絞っていけば良いのかについて、私の留学経験も踏まえながら4つのポイントからお届けします。
その1: 治安は日本と似通ったものであるか?
海外生活は身の安全確保が最優先です。そこで検討材料の一つにしていただきたいのが「治安の良さ」です。
「日本の治安はどの国よりも素晴らしい!」とは言い切れませんが、海外は法律が違えば、住んでいる人の人種も宗教も日本のものとは異なります。
今まで見慣れてきた日本の光景とは違う現象(例えば、薬物乱用者や銃の所持者)は恐怖心をあおられます。
日本から一歩外へ足を踏み出すと、マリファナや銃の所持が合法だとされている国があります。私もカナダに来た当初は、街のいたるところで大麻の匂いが鼻につき、慣れるまでは非常に不快な思いをしました。薬物中毒者らしき人も見られ、エリアによっては日中でさえも一人で歩くのが怖いです。
また、アメリカの一部の地域では、新型コロナウイルスの影響でトイレットペーパーや消毒液の売り切れと共に、銃の品薄まで相次いだと言います。これは、食料や日用品の不足がゆくゆくは生活必需品の奪い合いに発展することを予期した市民が、暴動に備えて銃器購入に殺到したことで起きた現象です。
銃の売り切れは極端な例ですが、日本だったら日用品の売り切れとともに凶器となりうる品物までが在庫薄になるとは考えにくいです。アメリカなど、常に実力主義社会で生きている人々は今回のコロナのような非常事態が起きた際にも、実力行使で自分の身や利益を守ろうとします。
大麻や銃の所持が禁止されている国やエリアが安全と言いたいわけではありません。
日本とは法律が違う国では日頃の街中の光景も、有事の際に市民が取る行動も、私たち日本人が育ってきた環境とは大きく異なることを知っておきましょう。
日頃から海外ニュースも積極的に収集するようにし、暴動が頻発している地域や、あまりにも日本での生活とはかけ離れているエリアを留学先に選ぶことは避けた方が無難です。
その2: 物価の違い
こちらは、特にワーホリでの渡航を予定している方にお伝えしたいことです。
ワーホリ経験者の個人ブログやSNSの情報で、「オーストラリアの〇〇エリアで働いたらすごく稼げた!」や「カナダのダウンタウンは、最低賃金が他のエリアよりも高いからオススメ!」といった投稿を頻繁に見かけます。その情報に誤りはないでしょう。
でも、もう一歩踏み込んで考えていただきたいのは、給料や最低時給が高いエリアは、生活費もかさむ可能性があるということです。
私はカナダ国内で三度の引っ越し経験がありますが、同じ間取りにも関わらず田舎から都会のダウンタウン付近へ移っただけで、家賃がひと月300ドルも高くなる事態に陥りました。
人気のエリアやダウンタウンでは稼ぎが増える分、支出まで激増する場合があるのです。日本国内から現地の家賃や日用品の値段を調べる方法はいくらでもあります。
こちらの「留学コラム」で各ライターの物価に関する記事を読むのも良いですし、ネット上で各国のスーパーのチラシを見てみましょう。
また、地域情報掲示板で都会と田舎のそれぞれのシェアハウスの入居者募集を検索して、家賃の違いを調べてみるのも参考になるでしょう。
物価検証は、収入・支出の双方向から情報収集をしてはじめて、正確度の高いものになります。
聞こえの良い情報だけに飛びついてエリアを選定すると、渡航してから苦労する羽目になってしまうので注意が必要です。
その3: 「都会」と「田舎」どちらを選ぶ?
結論からお伝えすると、私の経験上、「留学(勉強)メインなら田舎、ワーホリ(就労)が主なら都会」をオススメしたいです。
端的に理由を言うと、田舎の方が勉強に集中しやすい環境だけど仕事探しに困り、都会は学習の妨げ要素が多いけれど仕事は潤沢にあるからです。
私自身は、海外生活の前半の半年間は田舎、残りの後半の半年間は都会で暮らしました。田舎に住んでいた頃はカレッジに通っていましたが、「勉強以外は何もすることがない」という環境でした。
ダウンタウンへ出るにもバスを乗り継いで1時間以上かかりますし、ショッピングモールはおろか、おしゃれカフェすら近くにありませんでした。車もなく移動も大変なので、毎日が必然的に学校や図書館と家を往復する日々になりました。
当時は、「せっかく海外に来たのにSNS映えする写真が何も撮れないし、想像していたキラキラカナダ生活とは違うな…。」と不満げでしたが、今思い返すと、勉強だけに集中することができたので、1年の中で最も英語力が伸びた期間となりました。
一方、仕事を始めるとなると、カフェすらひとつもない街なので、働く場所がありません。飲食店や施設の数が少ないだけでなく、従業員の入れ替わりも滅多にないため求人が極端に少ないのです。都心部まで通うのならば、バスや電車で通勤する手もあります。でも、公共交通機関の便もそれほど良くないので、ダウンタウンに出るにも一苦労です。
私は日本でもカナダでも職歴がありますが、職場は徒歩圏内にあるのが理想的です。通勤時間や交通費の節約にもなりますし、冬場の雪でダイヤが乱れやすいカナダでは特に家から職場までの距離は短いのが理想です。
また、勉強の観点から都会を見ると、人によっては「学習に集中しようとする努力が必要」になるでしょう。イベントや映画館、飲食店などで街は賑わっています。文字踊り誘惑が多くあるので、友人から遊びのお誘いを受ける機会が田舎よりも断然多いです。
少し余談ですが、2019年のNBA(北米で展開している男子プロバスケットボールリーグ)でカナダのチームが優勝した際、平日の日中に祝勝パレードが行われることになりました。
私はその時、まだ学校に通っている身でサボるということも知らない人間だったので、通常通り学校へ行きました。
すると、パレードを見るために8割ほどの生徒は授業を欠席していることが発覚しました。ちなみに日本人留学生は軒並み出席、他国出身の生徒は欠席でした。国民性でしょうか…。
「勉強もそれ以外の海外生活もバランスよく楽しみたいから都会を選ぶ!」という方は、周囲や目先の誘惑に流されないことが重要です。つまり、自分で設定した目標に向けて自己コントロールが必要になってきます。
その4: 「気候」も大事な要素
「雨の日は鬱な気分になってしまう…。」、「寒くて外に出たくない…。」といったように、天気や気温に行動もしくは気分を左右されてしまう要素があり、普段から気温や天候に影響を受けやすい人は要注意項目です。
カナダを例に取ってみると、バンクーバーは「レインクーバー」とも言われるほど、雨が多いエリアとして有名です。雨季はだいたい10月から長いと4月頃まで続き、多い時ではひと月の中で28日間も雨が降っていたほどです。このシーズンは毎日雨だと言っても過言ではありません。
一方、トロントは10月頃から一気に冷え込み始め、冬季はマイナス20度まで下がるのが通例です。3月になっても気温は低いままで、暦上は春でも引き続きダウンコートを着用しています。
家の中にこもっている限りは、気候の影響は何ら受けませんが、通学・通勤時の天候って意外と重要だったりしませんか?私なんかは、靴が雨でぐしょぐしょになっただけで、一気にやる気が削がれてしまうので、バンクーバーでは生活できそうにありません…。
私は寒さには耐えられるのでトロントでは何ら問題ありませんでしたが、雨も寒いのも両方嫌だという方は、仮に気候だけで見るならば年間を通じて温暖なアメリカのカリフォルニア州が候補になるかもしれません。ただし、アメリカの場合はワーホリ制度での渡航ができない点が、カナダやオーストラリア、イギリスといった英語圏と異なる点です。
ワーホリ希望者で気候が温暖な場所を希望するなら、年間を通して降水量が少ないオーストラリアに絞られてくることでしょう。このように、気候は意外と留学生活には重要なポイントとなってくるのです。
【まとめ】 理想のライフスタイルを具体的にイメージ!
「さぁ、留学やワーホリで訪れる国を選ぶぞ!」と意気込みすぎると、何だかものすごい難題に取り掛かるような感覚に陥ります。でも意外と、日本国内で引っ越しをする際のエリア選定と大差ないように思います。
これらの思考過程は、日本でも世界でも変わりありません。
まず大切なのは、「自分がどのような環境で生活するのが理想的か?」を具体的に考えることです。次に、そのイメージに則して、あらゆる角度から情報収集を行うことです。
その角度とは、発信者の立場(留学・ワーホリ経験者、在住者、ニュースソース)しかり、メリットとデメリットしかりです。
とにかく、ひとつの情報源から事実を拾うだけでは情報収集としては不十分です。
下調べは時間を要しますし、労力もかかりますが、この地盤を整える作業を大切にすることで、渡航後に「こんなはずじゃなかった…。」と落ち込んだり苦労したりすることを防ぐことができます。
一度留学(ワーホリ)生活が開始されると、すぐに別の場所に移動すると言うこともできません。国や都市は日々のモチベーションにも影響しますので、自分自身が納得のできる根拠に基づいた渡航先を選ぶように心がけましょう。
みなさんの留学やワーホリ生活が充実したものになるよう願っております。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。