コロナウイルスからの治安悪化に注意!海外生活で身の安全を守るために実践したい5つの対策!
こんにちは、カナダ在住のちひろです。
最近、「新型コロナウイルスの影響で治安が悪化している国やエリアがある。」というニュースを見聞きする機会が増えています。「ドイツではフランス国境付近でフランス人へのコロナヘイトが激化している。」なんて報道も記憶に新しいです。
そこでふと「日々、生活を送る上で、治安の悪化から身を守る対策案をみなさんとシェアしたい。」と思い至りました。私はカナダに住んで1年以上が経ちますが、今のところは幸いトラブルに巻き込まれた経験はありません。
しかし、コロナ騒動にも慣れてきて気が緩み始める今こそ、あらためて警戒心を持ち直す必要があると私自身も実感しています。
かつてのように海外留学や旅行を自由にできる日がいつ戻ってくるかは、まだ見通しがつきません。しかし、海外に滞在していようが日本に住んでいようが、防犯意識は高く持っていたいものです。
今回のコラムも海外生活中に身の安全を守る方法をメインにお届けしますが、日本在住の方の防犯意識強化にもつながれば嬉しく思います。
今海外でどのような犯罪が起きているのか?
ヨーロッパや北米では外出自粛期間が始まってから約1ヶ月が経ちます。世間には「自粛疲れ」なんて言葉もあるように、自宅で時間を過ごし続けることにストレスを抱えている人がいます。
また、仕事が無くなり収入が減ったことに不安や苛立ちを覚える人もいます。そこで、憂さ晴らしをするために、誰かしらを攻撃したい衝動に駆られる人が一部で現れ始めました。
「このコロナウイルス蔓延はアジア人のせいだ。」という認識を持っている人もまだまだ多いため、攻撃のターゲットが中国人を含むアジア人になるケースが往々にしてあります。
中国人・韓国人・日本人などは、その見た目からは区別がつかないため、一括りに差別の対象になっているのです。
先月末あたりは、アジア人が街中で汚い言葉を投げかけられたり、除菌スプレーを吹きかけられたりする被害が報告されていました。しかし、近頃はその方法がエスカレートしています。
ゴミを出すために家から出た瞬間に酸をかけられ、被害者が化学熱傷(やけど)を負った事案も発生しました。
こちらに関してはアジア人に対するただの嫌がらせではありませんが、金銭に余裕がなくなった人が、街中でスリをしたり車を盗難したりする犯罪も起きています。
日々の生活の困窮に端を発した犯行であるため、国籍関わらず地元住民ですらその被害に遭っているのです。
以下からは、コロナウイルスから派生した治安悪化から、自分の身を守る知識として5つの対策を紹介します。
対策1: お金持ち感や留学生感を抑える
「観光客を狙ったスリ被害に遭いたくなければ、犬を連れて歩け。」という言葉があります。これは、犬の散歩をしている人は、大金を持ち歩いていない現地人のように見えることを引用したものです。
犬を連れて歩くのはさすがに極端すぎますが、「観光客は現地の新聞を持って歩け。」なんていうアドバイスもあります。要するに、「お金を持っている雰囲気や観光客感をできるだけ抑える工夫が必要」ということです。
留学をするためには学費や渡航費、現地での滞在費といった大金がかかります。そこで、スリ集団は「留学生=お金持ち」という判断基準を持っています。
通常でも、中国人や日本人はひとたび国外に出ると、強盗やスリ、ぼったくりのターゲットにされやすいです。「アジア人はお金持ち」という認識を持つ人も未だに多いからです。
私自身も海外旅行慣れしていなかった頃は、お財布を取られかけたりタクシーで規定以上のお金を巻き上げられたりしそうになった経験があります。カナダでもアジア人をターゲットにした強盗やスリ事件が立て続けに起きた時期がありました。
事件の被害者になることを避けるための工夫として、まずは「服装」を挙げることができるでしょう。
顔のアジア人感を完全に消すことは難しいので、他の部分でカバーする作戦です。身に着ける洋服やアクセサリー・鞄などは、ブランド物の着用を避けることが大原則です。
それ以外に注意したいのが、日本人にとってカジュアルな服装と北米人が思うカジュアルにはギャップがある点です。
例えば、「無地のカーディガン+スカート+パンプス(ヒールなし)」という組み合わせは私の中ではカジュアルの部類でした。でもカナディアンからすると、「おしゃれだから目立つ。」という見方になるそうです。
それもそのはずで、現地の人々にとってのカジュアルは「パーカー+レギンス+スニーカー」という定義だったのです。そこで私はとにかく、目立たない・浮かない格好をして街に出ることを意識しています。
ちなみに私の友人はパーカーのフードをかぶり、サングラスも装着して黒髪と黒目を隠すという警戒ぶりです。
次に財布に関してですが、北米では長財布を使用している人は日本よりも少ない印象があります。大半の現地人がカードケースや折りたたみ財布など小振りのものを使用しているように思います。ルイヴィトンの長財布を持ち出した日には、悪目立ちして仕方ないです。
どこでスリ集団が目を光らせているか分かりません。人前で財布を鞄から出し入れすることが予想される場合は、目立たないものを持ち歩くことをおすすめしたいです。また、私の場合は、万が一盗難に遭った際のリスク軽減のため、日本の免許証や保険証・その日に使わないクレジットカードなどは持ち歩かないようにしています。
その日に使う貴重品だけを持ち出すことで、何もかもを失ってしまうという最悪の状況だけは回避する意図があります。
対策2: スリ集団の手法を把握しておく
みなさんは友達から「昨日、お財布や携帯を盗まれた。」という話を聞いた時、どんな犯行方法をイメージしますか?カフェや図書館のテーブルに貴重品を置いてお手洗いに立った瞬間や、電車で居眠りをしている隙に鞄から取られる様子が想像しやすいでしょうか?
それ以外にもまだまだあります。例えば、ネット上で「パリ スリ」と検索をかけると、電車のドア側に立って携帯を操作することは危険行為だと知ることができます。これは、犯人がドアの閉まる直前にターゲットの手から携帯を奪いホーム側へ逃走し、次の瞬間にはドアが閉まってしまい被害者が犯人を追跡できなかった事例からきています。
また、「ルーブル美術館周辺でスリ多発」という情報もありました。私も実際にフランス滞在中、ルーブル美術館付近を流れる川のほとりでスリ目的の男性に声をかけられました。こちらは、アンケート調査を装って接近し、ターゲットが回答している隙をついて鞄から貴重品を盗む方法です。
「財布や携帯を盗られるシチュエショーンに、どのようなものがあるのか?」を把握しておくことで防ぐことのできる被害があります。
インターネットで検索すれば、いくつも事例を調べられます。被害に遭いやすい状況を知っておき、仮にその環境に身を置くことになった場合には真っ先に警戒できることが理想です。
治安の良い日本で生活していると、「自分だけは大丈夫だろう!」と他人事のように捉えがちですが、海外ではその考えは通用しないことを肝に銘じておきましょう。
対策3: 歩きスマホやイヤホンをしない
強盗やスリは、被害者から貴重品を突発的に盗む行為だけではありません。街中でめぼしいターゲットを見つけると、相手に気がつかれないように尾行し、ひと気のない場所に差し掛かったところで一気に襲うパターンもあります。
そこで、「街中を歩く際は周辺に怪しい人がいないか?いつまでも不自然に向かっている方角が同じ人がいないか?」という意識を持っていたいです。
その際に妨げになるのが、歩きスマホや音楽を聴きながら歩くことです。歩きスマホは、携帯の画面に集中してしまい周囲への注意力が散漫になりがちです。
個人的に危ないと考えているのが、ノイズキャンセリング機能がついているイヤホンです。
最新のノイズキャンセリングイヤホンは、高性能で周りの雑音がほぼ気になりません。
音楽を満喫する分には素晴らしい機能ですが、怪しい人の足音や不意に相手が接近してきた際の音までシャットアウトされてしまいます。
身の回りの音が削減されすぎてしまうことで、危険を察知することに遅れが生じてしまう可能性があります。
対策4: 緊急避妊薬(アフターピル)の存在を知っておく
海外だけに関わらず日本でもあり得ることですが、世間ではレイプ被害が後を絶ちません。もちろん最悪の事態は避けたいですが、これからお話しする「緊急避妊ピル」の存在は知っておいて損はないでしょう。
緊急避妊ピルは望まない妊娠を避けるための薬です。別名では「モーニングアフターピル」とも呼ばれています。避妊をせずに行われた性行為や避妊に失敗(避妊具が破れるなど)した後でも迅速に服用することで、妊娠率を大きく下げる効果があります。
ただし、「中絶薬」ではないので絶対的存在ではありません。あくまで妊娠の可能性を減少させるための薬です。アフターピルの種類によっても異なりますが、多くの薬が問題の性行為から72時間以内に服用するよう推奨されています。ちなみに、服用のタイミングが早ければ早いほど成功率は高まります。
さて、アフターピルの入手方法についてですが、日本では産婦人科で診察後に処方してもらう手順が一般的です。一口に「アフターピル」と言っても、病院毎に取り扱っているメーカーや薬は様々です。価格にも差がありますが、現状では自費診療(保険外診療)となり、10,000円前後が相場となります。
一方、カナダのオンタリオ州でアフターピルは一般用医薬品として販売されています。日本のように病院へ行かずとも薬局で購入することができるのです。基本的には店内の陳列棚に並んでいません。
薬局内のカウンターで薬剤師に声をかければ、過去の使用経験有無や副作用の確認をした上で手渡してもらえます。処方箋は不要で、価格も日本円で約3,500円前後となっています。私もお守り代わりの意味も込めて1つ購入しましたが、手軽に買えてしまうがための問題点もあります。
それはレイプ被害者がアフターピルを服用して、そのまま家にこもってしまうパターンがあることです。もしも、被害を受けてしまった場合は、外傷を伴うケースもありますし、感染症検査やメンタルケアの必要性もあるでしょう。
個人的にはアフターピルの服用は、居住環境や金銭的な事情で「自力ではこれ以上、どうすることもできない状況」に陥った場合の最終手段という認識です。
まずはやはり、緊急外来や然るべき機関に相談することが望ましいでしょう。
対策5: 被害に遭っても無理に抵抗しない
強盗やスリ集団の中には、それで生計を立てている人もいます。もちろんやり方は間違っていますが、相手も生活がかかっているため本気です。被害に遭った人の中には、犯人が所持していた銃やナイフで脅されたと証言している人もいます。
ここで武器を目の前に出された時に「ただの脅しだろう。」と軽く捉えるのは厳禁です。ターゲットを殺してでも金品を奪おうとする強盗がいるのが現実です。
貴重品を奪われるのは本当に悔しいですし、腹立たしいです。そのような心情は重々承知ですが、誤解を恐れずに言うなら、お金はまたあとから稼ぐことができます。でも、一度失った命を再び取り戻すことは不可能です。
まずは生き延びることが先決です。万が一、身の危険を察知した場合は、お金で命を買う覚悟で貴重品を差し出しましょう。
まとめ: 自分の身を守れるのは自分だけ!
強盗やスリは一人で行動している時に狙われやすいように思います。自分のことを守ってくれる人が誰もいない場合は、とっさに自分自身でしかるべき判断・行動をせねばなりません。
特に今のように世界的な混乱が続いている状況では、「日本に住んでいるから安心」とも「治安の良いエリアに住んでいるから安全」とも言い切れません。
コロナウイルス終息の目途は全く立っていませんし、各国政府の支援次第でその国の治安状況も大きく変動することでしょう。
程度の差はありますが、日本では日本なりに治安が乱れ、カナダはカナダなりの治安悪化が今後予想されます。
ただでさえ、気が滅入りやすくて疲れやすいご時世です。ここでさらに、治安の悪化に警戒せねばならないかと思うと、本当にネガティブになってしまいそうです。
でも、少し意識するだけでトラブルに巻き込まれるリスクを減らせる方法がある以上は、実生活に取り入れておきたいです。各々で防犯意識を再確認して、この時代を生き延びましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。