カナダワーホリはジョブオファーが必要?ワーホリを決行するのか、延期や中止も視野に入れるべき?
こんにちは、カナダ在住のちひろです。
本日は、「仮に私がワーホリ延期を余儀なくされた立場だったら、今どんな行動を取るか?」というテーマでお話しします。
実は、カナダでは5月8日(金)付でワーホリ(正式にはInternational Experience Canada、通称IEC)で入国するには、ジョブオファーが必要になりました。
ジョブオファーとは、「企業内定」を指しカナダのワーホリビザ保持者は、働き口が決まっていないと入国できません。
この発表には、過去にワーホリを経験した人も非常に驚きました。なぜなら、以前は働き口が決まっていないことがワーホリの条件だったからです。つまり、数ヶ月前までの条件と真逆の項目が追加されたのです。
この条件はあくまで緊急措置で、時間を追うごとに緩和される可能性もありますが、渡航前に仕事の内定を取るのはハードルが高いと考える方も多いでしょう。
そこで以下では、今私が日本国内にいてワーホリビザで渡航計画をしている身だったら、どのように情報や計画を整理するかをまとめました。ワーホリ準備中の方は、参考にしてみてください。
最新情報に追いつく
新型コロナウイルスの蔓延化では、情報が流れたり変更されたりするスピードが速い体感はみなさんにもあるでしょう。数週間前までは良いとされていた条件が今日はダメになっていたり、新しい条件が次々と追加されていたりします。
冒頭でご紹介した「カナダのワーホリはジョブオファー(企業内定)が必要」という条件を前向きに捉えるならば、数ヶ月後には緩くなる可能性があります。カナダ政府の案内も、「今回の措置は以後の通知があるまで有効」としており、永久的な制限ではないと読み取れます。
ですから、「もうカナダワーホリは実現できない。」と諦めるのはまだ早いかもしれません。「何とかしてカナダに渡航できないか?」と粘りたい気持ちがあるのなら、政府や留学エージェントなど信頼できる機関から発信されている情報をいち早くキャッチすることが先決です。最新情報はカナダ政府の発表を随時ご覧ください。
参考サイト
・Government of Canada
https://www.canada.ca/en/immigration-refugees-citizenship/services/coronavirus-covid19/iec.html
ビザステータスを再検討してみる
カナダ政府から「ワーホリはジョブオファー(企業内定)が必要です!」と宣言された時、私なら以下の3点を掘り下げて考えます。
・どこまでワーホリビザにこだわる?
「カナダのワーホリはジョブオファーが必須」という条件は、楽観視すると「仕事さえ見つかれば入国できる。」ということです。ただし、あえて現実的な状況をお伝えするならば、渡航前の企業内定取得のハードルが高いことも事実です。
日々のニュースを見ても分かる通り、現地で仕事を失っているのは外国人だけではありません。カナダ人ですら失業している状態ですから、雇用案件は通常よりも少ないと覚悟しておくべきでしょう。
かつてはワーホリでも仕事を見つけやすかった飲食・観光業も、以前のように活発には機能していません。けれども、どうしても今ワーホリで渡航したいのならば、まずは仕事探しに挑戦してみるべきでしょう。
「ワーホリビザ保持者は入国禁止」と発表されたワケではないので望みはあります。
一方、「まずは仕事を探してみよう!」と言われて、「それほどの気力はないな…。」と考えてしまう場合は、それはそれで「ワーホリビザでの渡航にこだわる必要はない。」という新たな気付きになるかもしれません。
コロナが落ち着いた頃に、観光ビザで旅行メインに滞在するだけで満足できる可能性があります。実は今の時期が「ワーホリビザを使ってどんな経験をしたいのか?」を考え直す良い機会とも言えるのです。
仕事や英語力向上、また自分探しが目的など、海外渡航の目的は人それぞれです。こんな時だからこそ自分の本心と向き合って、後悔のない選択をしたいところです。
・学生ビザはどうか?
現状、観光ビザ保持者は特別な免除を受けていない限りは、入国が禁じられています。一方、ワーホリビザには観光ビザほどではないものの、要素としては観光の自由も含まれているため、「ジョブオファーがないワーホリビザ保持者はむやみに入国すべきでない。」とされるのも頷けます。
コロナを終息させる観点では、この時期の旅行は誰のためにもなりません。「今は外国人観光客が入国すべきタイミングではない。」という見解が出るのは仕方がないとも言えます。
現状では査証(ビザ)の種類を問わず、新規のビザ取得はどの国でも難しいかもしれません。けれども、あえてビザステータスを分類するならば、就労や学生ビザ保持者など、「明確な目的やカナダ国内で行くべき場所が決まっている人の方に優先順位がある。」という見方ができます。
そこで私なら、「ワーホリよりも学生ビザの方が入国時期を早められるかもしれない。」と考えながら情報収集をするでしょう。しかし、いきなり学生ビザにプラン変更するのではなく、あくまでも「プランB」として渡航計画のサポートにします。
ワーホリビザで働くには、必要最低限の英語力が求められるポジションも多くあります。英語環境での仕事を考えているならば、英語力は大前提でしょう。
ですから、英語力に自信がない場合は、学生ビザで英語力を高めてからワーホリに切り替える方法も検討してみて損はないかもしれません。
渡航国は必ずしもカナダでないとダメ?
ワーホリビザ保持者が渡航を急ぐ理由のひとつとして、年齢制限が挙げられます。特に、申請年齢ギリギリである30歳を目前にしている方は焦りが大きいかもしれません。
一旦、学生ビザで入国できたとしても、ワーホリビザへ切り替え申請する頃には、年齢上限を超えてしまうケースもあるからです。
ワーホリビザのメリットは、「現地でお金を稼ぎながら学べて、遊びもできる。」という自由度が高い点にあります。「何が何でもワーホリが良い!」と考える人も一定数いると推測します。
そんな時は、カナダ以外のワーホリ受け入れ国にも目を向ける方法があります。
コロナ感染者の増減は国によって異なります。他国よりも一足先にコロナの終息宣言ができる国も今後出てくるでしょう。
ですから、外国人の入国制限や新たなビザ発給は、各国によって再開目処が異なると予想されます。
カナダのワーホリにはジョブオファーが必要とされている一方で、オーストラリアやニュージーランドなどのワーホリ人気国はそうしたルールは設定されないかも知れません。
どの国に渡航したとしても覚悟しておくべきことは、終息宣言が出ても1日2日で社会が元通りには戻らない点です。
一旦終息したように思えても、第二波が来る可能性さえあります。過去に世界を襲った感染症も、拡大が収まったと見えてまた盛り返した経緯がありました。
どの国へ渡るにしても、数ヶ月前に抱いていたワーホリ生活とは大きなギャップある可能性を念頭に置いておくのが無難です。
仕事を探してみる
もし私が「予定通りワーホリビザでカナダに渡航したい!」と考えた時には、おそらく以下の3点を検討するでしょう。
① 日本から現地の仕事を探すデメリット
冷静にビザステータスを考え直してみても、「ジョブオファーを手に入れてカナダにワーホリビザで渡りたい!」と強く思うのであれば、私ならまずは求人募集をかけている企業に履歴書を送ります。
日本からでもネット経由でエントリー(履歴書を送信)できる組織は数多くあります。一部の業界が不景気に苦しんでいる一方で、コロナ禍だからこそ仕事が増えた業種も存在しています。
そこで、現地の求人掲示板(Indeed、e-maple、Kijiji、Jpcanadaなど)を活用してみるのも良いでしょう。
ただし、日本から働き口を探すデメリットがあります。
まずは、「土地勘がない」点が挙げられます。通常のワーホリであれば、ある程度その地域に住み慣れてから治安が良いエリアや通勤が便利な圏内で仕事を探すことが可能です。しかし、渡航前に企業内定を得る場合は、そこで不便が生じます。
次に、カナダに入国したい気持ちが強すぎるあまり、仕事の質を深く考えずに手当たり次第にエントリーしてしまう恐れがあります。特に、求人掲示板を利用する場合は注意が必要で、例えばアダルト系の仕事が混ざっている場合があります。
また、「何としてでもカナダでお金を稼ぎながら滞在したい!」というワーホリビザ保持者の気持ちを利用して、法外な低賃金で雇おうとする組織が今後増えてくることも予想されます。
さらに、「何かしらの仕事を手に入れれば大丈夫!」という発想も危険かもしれません。私なら、「現状のカナダに必要不可欠な仕事」だと入国審査官に思ってもらえるジョブオファーを持っている状態が理想だと考えるでしょう。
繰り返すようですが、現地のカナダ人ですら仕事を失っています。カナダ国民を差し置いてでも、「カナダ国内の仕事に従事する価値がある外国人」の入国が優先される可能性も視野に入れておきたいところです。とにかく冷静な仕事探しが望ましいでしょう。
② 健康管理
「コロナ禍で需要が増えている仕事もある。」とお伝えしましたが、それらはコロナへの感染リスクが高い仕事の可能性もあります。従って、「危険を背負ってまでワーホリビザでそれらの仕事に就きたいのか?」と吟味してからエントリーすることも、ひとつのポイントです。
仕事を通じて社会に貢献するためには自分の健康維持が欠かせません。特に海外では医療も保険制度も日本とは異なります。今のタイミングで渡航するならば、「仮にコロナに感染したらどうするのか?」まで考えておかねばなりません。
状況に合わせて計画変更することは大切ですが、「本来の目的や本質からズレすぎていないか?」という視点は常に持っておくべきでしょう。
③ 入国後の生活
ジョブオファーを手に入れるだけでも一苦労ですが、「企業内定を取ればゴール!」でもありません。ワーホリビザでコロナ終息前にカナダへ渡航するなら、入国した後の生活も具体的にイメージする必要があります。
例えば、私なら到着してからの住居について思案します。無事にジョブオファーを取得できても、カナダに入国してからの自主隔離は必要(無症状であっても14日間の隔離が義務)で、すぐに街中へは繰り出せません。
不慣れな土地で他人と最低限の接触で数週間過ごせるのか、もしくはカナダ外から入国した自分を快く受け入れてくれる場所があるのかは、まず検討すべきでしょう。
また、日本人の私たちにとって「アジア人差別」も頭の片隅に入れておくべき項目です。
コロナの蔓延以降、アジア人をターゲットにした暴言や暴行が各国で報告されています。私の生活圏内ではまだそのような被害に遭っていません。けれども、それは週1度の買い物くらいでしか外出していないので、行動範囲が限られているからかもしれません。
コロナが落ち着いて学校や職場、街中に出た時のアジア人に対する風向きについては、楽観視ばかりはしていられない気もします。
ですから、今後、アジア人への待遇がどう転んでも屈しない精神力や英語力が必要になる場面も出てくるかもしれません。
【まとめ】悲観しすぎず楽観もしすぎず!
今、多くのワーホリビザ保持者の方々が「先行きの見えない不安」を抱えていると察します。
日本にいると現地の街の様子を把握しにくいですし、日本語で収集できる情報にも限りがあるかもしれません。
数あるビザの中からカナダのワーホリビザを選び抜き、大変な手続きも進めて「あとは出発するだけ!」という時に足止めされた気がして、本当に嫌になると思います。
それでも、ここまで読み進めてくださったみなさんは「何とかして渡航できないか?」と、まだ希望を完全には捨てていない方々だと想像します。
先行きが見えない以上は、無理に諦める必要もありません。過度な楽観視も問題ですが、ワーキングホリデーを諦めるのもまだ早いのではないでしょうか?
今後、ビザの入国期限が切れてしまった人や、年齢が30歳を過ぎてしまった人に対して、カナダ政府からの救済措置が無いとも言い切れません。
今後の展開は誰にも分かりませんので、現状は視野を広げて慎重に複数のプランを用意することが得策だと私は考えます。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。