カナダ在住の著者がおすすめ!リピートしたいトロントのエンタメイベント!<前編>
こんにちは、カナダ在住のちひろです。
カナダ最大の都市トロントには数々の観光名所があります。CNタワー、トロント市庁舎、セント・ローレンス・マーケット、オンタリオ湖、トロントアイランドなど、歴史文化や自然を体感することのできるスポットが盛りだくさんです。
トロントから少し足を伸ばせば、オンタリオ州(カナダ)とニューヨーク州(アメリカ)の国境沿いに位置する「ナイアガラの滝」への日帰り観光も実現可能です。
もしかすると、ガイドブックに載っている観光スポットだけでは物足りないと感じる方がいらっしゃるかもしれません。
一通りの観光を終えて目新しいものをお探しのトロント居住者もおられるでしょう。そんな場合は、エンタメイベントを通じて非日常体験をしてみるのはいかがでしょうか?
私自身、ライブショーやミュージカルが好きなこともあり、カナダに移り住んでからも数々のエンタメイベントに足を運びました。そこで今回は、私が実際に参加して「リピートしたい!」と感じたおすすめイベントをみなさんとシェアしたいと思います。
NBA@Scotiabank Arena
「NBA」はNational Basketball Association(ナショナル・バスケットボール・アソシエーション)の略で、北米で展開されている男子プロバスケットボールリーグを指します。
NBAは、「アメリカの世界最高峰バスケリーグ」なんて表現されることがあります。でも実は、リーグ内にはカナダを本拠地とするチームがこっそり紛れています。
カナダのチームがどの程度こっそり含まれているかと言うと、全30チームあるうち29がアメリカ、残る1つがカナダを本拠にしている状態です。唯一のカナダ陣営、その名は「Toronto Raptors(トロント・ラプターズ)」というチームで、昨シーズン(2018-19)のリーグ戦を非常に盛り上げてくれました。
なぜなら、ラプターズが設立された1995年以来の初優勝を飾ったからです。一躍、カナダの英雄となったのです。
ラプターズがトーナメント戦で優勝するまでの間、ファン達は様々な形でバスケ観戦を楽しみました。友人宅でテレビ前に集結して大勢で応援する人がいれば、スポーツバーや広場に出向いてパブリックビューイングに参加する人もいて、多くの人々の関心がNBAに注がれました。
トーナメント中、いくつかの試合は「ホームゲーム」という形で、ラプターズが本拠としているScotiabank Arena(スコシアバンク・アリーナ)でも行われました。本拠の競技場はトロント市内にあるため、私も実際にチケットを購入して観戦しました。
その試合は、偶然にもラプターズ側が「ブザービート」で逆転勝利した回でした。
その日の試合は序盤から接戦が続いていて、どちらのチームが勝ってもおかしくない状態でした。でも、最後の最後にトロントのチームが勝利を収めてくれたおかげで、会場は大熱狂に包まれました。
勝利したとは言え、トーナメント中盤のゲームだったので後にも試合を控えている状態でしたが、当時の盛り上がりは「これって決勝戦なの?」と錯覚するほどでした。その日以降もラプターズの快進撃は順調に続き、見事にリーグ優勝にたどり着きました。
私が選手とお客さんの熱気や一体感を肌で感じることができたのは、ホームゲーム会場での試合だったことが大きいでしょう。ホームゲームにはそのチームを応援しているお客さんが多く集まりやすいです。
私が参戦した試合では、会場にいた観客の9割以上がラプターズファンだったように思います。ホームゲームの場合、客席のラプターズファンも選手と一緒になって戦います。例えば、対戦相手チームのメンバーがシュートを決める際にその敵選手の気を散らそうと雑音を鳴らすなどの妨害行為をします。
その作戦むなしく敵チームの選手がシュートでも決めようものなら大ブーイングが起こります。その代わり、ラプターズ側が得点を決めると「そんなに喜ぶ?」と笑ってしまうくらい大喜びします。私としては試合もさることながら、お客さんの熱狂ぶりを見ているのも楽しかったです。
トロントにお越しの際には、郷に入っては郷に従うスタイルでラプターズファンとして試合観戦してみては如何でしょうか?
最後にNBA観戦を計画する際には注意したいことがあります。それは「チケット価格」です。NBAチケットの値段が席種によってピンキリなのはもちろんですが、対象の試合によっても値段が大きく異なります。
レギュラーシーズン(10月下旬~4月中旬)は比較的安価で楽しむこともできるNBAですが、プレーオフ期間(4月下旬~6月中旬)は1席のチケット価格が数十万円にまで膨れ上がることがあります。
購入タイミングによっては連席が確保できないケースもあるので、お目当てのチームや試合がある場合は計画的なチケット購入が必要です。
VELD MUSIC FESTIVAL@Downsview Park
「VELD MUSIC FESTIVAL」は、8月の週末2日間に渡って開催される野外音楽イベントです。EDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)やHip-Hopなどの音楽ジャンルがメインに取り扱われます。
最大収容人数は42,000人とも言われており、ピーク時の盛り上がりは圧巻です。昼間に開場して夜遅くまで公演は続きますが、複数のステージや屋台があるため、会場で過ごす時間はあっという間に感じました。
2012年から始まったこのイベントは過去に、Avicii(アヴィーチー)やSteve aoki(スティーヴ・アオキ)、Zedd(ゼッド)などの日本でも馴染みのあるアーティストも出演しました。
私自身はEDMに関する知識は少ないですがそれでも聞き覚えのある曲も多く、飽きることなく終日過ごすことができました。
また、ネイティブカナディアンのイベント仕様のファッションやヘアメイクが新鮮で、場内には海外特有の開放的な空気感も漂っていました。
こちらのイベントもチケット価格には変動があります。昨年は公演日による料金差はありませんでしたが、前売り券購入のタイミングによってチケット代が異なる形態でした。
公演日が近付けば近づくほど料金が上がっていくシステムで、チケットの販売開始直後が最安値です。ホテルの宿泊予約などで適用されている「早期割引」のイメージに近いかもしれません。
私は早期割引の機会を逃してしまい公演の前々日にチケットを入手したため、1日券を約18,000円で購入する結果となりました。
【まとめ】 現地の人に紛れてエンタメを楽しんでみては?
費用面から考えると観光名所を巡る方が安上がりではあります。一方で、「観光はガイドブックの確認作業だ。」なんて言葉もあります。
これは、旅行前にガイドブックやネットで収集した観光地の写真と旅中に目前で広がる光景とを見比べて、「写真の通りだ!」と感動したり「実物はイマイチだな。」とがっかりしたりする行為を皮肉に捉えたものです。
「旅をする前から、ある程度はその光景の想像がつくので全く新しい体験にはならない。」という考え方だそうです。ガイドブックで写真を見た段階で、「何だかパッとしないな。」と感じて訪問する予定自体をなくすこともあるかもしれません。
これは、情報や体験談が世に溢れすぎていて、あたかも自分で経験した気になってしまうパターンです。
海外に住んでいると、日本と非日本人の国民性の違いを実感する場面が多々あります。エンタメイベントに参加する人々の姿勢ひとつを取っても、そこにはやはり差があると感じます。
現地の人にとっては日常でも、外国人からすると非日常です。その国だからこそ体感することのできる人々の熱狂や息遣い、イベントの楽しみ方があります。
イベントに参戦すると、お客さんとして観光スポットを訪れるのとは違う新鮮な感覚を味わうことが可能になる気がします。それは、地元の人々の生活圏内により深く立ち入った心地がするからです。
イベント参加は値が張るのも事実ではありますが、たまにはお金をかけていつもと違う行動パターンを取ってみるのも悪くないように思います。
ガイドブックメインの旅行に飽きて、通常とは少し異なる体験を欲した際には、今回シェアさせていただいたようなライブエンタメに参加してみるのはいかがでしょうか。
観光モデルコースから外れてオリジナル度を上げることで、海外旅行や海外生活がより充実するかもしれません。「リピートしたいトロントのエンタメイベント!」は後編を追ってお届けしますので、そちらのコラムもお楽しみに。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。