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カテゴリー:ワーキングホリデー

ワーホリ決行したのはどんな理由?「海外で働きながら学び、遊ぶ」というキャリアチェンジがなぜ人気なのかを探ってみた!

公開:2020/06/26 著者:坂元 ちひろ 751 Views

こんにちは、カナダ在住のちひろです。

現在は、「キャリアチェンジ」という概念が浸透しつつある時代です。それに対して一昔前は「終身雇用」が当たり前で、社会人1年目に入社した企業で定年まで働き続ける風潮がありました。

また、「男性は外で仕事、女性は家で雑事や育児」という価値観も普及していました。

 

しかし、近年は転職という選択肢があったり、性別による分業意識(役割分担)が薄れたりして、時の流れと共にライフスタイルが多様化しました。

 

「海外で暮らすぞ!」と決断した人が渡航を実現するために避けて通れないのが、「どのビザで滞在するのか?」を明確にすることです。

海外生活と言っても、観光したい人や勉強したい人、働きたい人、外国籍のパートナーと共に暮らしたい人といった形で、滞在目的は様々です。

ビザの種類はいくつかあり、観光・学生・就労・配偶者用など、その目的によって取得すべき査証が異なります。さらに、一部の国では「ワーキングホリデービザ(通称、ワーホリビザ)」なるものが存在しています。

 

ワーホリビザは、細かな条件はありますが、「就学・就労・観光」という3つの要素を叶えられる査証です。

 

海外での英語学習を目的とするならば、学生ビザもしくはワーホリビザで滞在するのが一般的です。海外学習に興味を持ち始めたばかりの方は、「ワーホリビザの具体的なメリットって何だろう?」という疑問をお持ちかもしれません。

そこで今回は、「キャリアチェンジ」をテーマとして、ワーホリビザにも焦点を当てながら記事を書き進めていきます。なお、本日のコラムは、カナダのワーホリ条件に基づいています。

ワーホリビザが発給されている国は限られていますし、ワーホリビザでできることの条件も各国で微妙に違います。カナダ以外の国への渡航を検討中の方は、その点を念頭に置いて読み進めてください。

カナダのワーホリビザとは?

「ワーホリビザ」は、「ワーキングホリデービザ」の略称になります。カナダの場合は1年間の有効期限があります。

本コラムの冒頭で、ワーホリは「就学・就労・観光」という3つの目的を叶えることができるビザだとお伝えしましたが、就学期間は最大で6ヶ月に限定されています。

極端な例として、カナダ国内で就労もしくは観光だけで丸々1年を過ごすことは可能ですが、年間を通じての就学は認められていません。カレッジ等へ半年以上通いたい場合は、学生ビザを取得する必要があります。

 

学生ビザでも就労できる?

学生ビザは、「本業は勉強」というタイプの査証です。カナダの場合、語学学校での学生ビザでは働けません。学生ビザ保持者で働きたい場合は、カレッジや大学に通う必要があり、週の合計就労時間に上限があります。

「学校終わりの夜シフト+週末2日間のフルタイムシフト」といった形で、ガッツリ働くことはできません。そのため、お金を稼げたとしても、その金額はお小遣い程度だと想定しておくのが良いでしょう。

また、カレッジに就学する場合は課題やテスト勉強に追われ、そもそもアルバイトに集中する余裕がない可能性もあります。

 

どんな人がワーホリを選んでいるのか?

カナダでワーホリをしている人のバックグラウンドは多様ですが、日本で通っていた学校を休学して渡航した人や、勤めていた会社を辞めて来た人が多いように思います。

私も、何人もの日本人とカナダで出会いましたが、彼らの前職のバリエーションの豊富さには驚きました。

以下では、それらの人々がワーホリビザを利用した目的を4例ご紹介します。

 

① スキルアップ

私が意外だと感じたのは、既にある程度の英語力を備えている人もワーホリ制度を活用し、海外で学んでいるという事実です。

具体例としてホテルのレセプショニストや、航空業界でキャビンアテンダントとして日本で活躍していた人を挙げることができます。彼女達は日本にいた頃からビジネスの場で英語を用いていました。

それでも、同業界でさらに大企業もしくは、条件の良い会社に転職するためのスキルアップを図り、カナダに来たそうです。

 

また、ホスピタリティ産業(飲食や観光など、接客サービスを提供する業種)であれば、ワーホリのような期間限定の労働者も雇用されやすいです。

日本人とカナダ人とでは、仕事の進め方や同僚・取引先とのコミュニケーション方法が異なります。ですから、国際的な企業(従業員が多国籍な環境)に転職する際には、非日本人と一緒に働いたワーホリ実績をアピールポイントにできる可能性があります。

カナダでの就労が、ワーホリ期間の1年未満だったとしても、経験があるのとないのとでは大きな差があります。

 

「キャリアチェンジ」は前職とは全く異なる道へ進むイメージもありますが、同じ業界の中で、勤める企業を変えることも1つの選択肢です。

 

同業界内での転職は新卒採用とは違って、過去の実績やその分野に特化したスキルがある状態が望ましいです。

中途採用に求められるのは即戦力です。日本国内での経験値に加えて、海外の接客サービスにも従事した経歴があれば、それはその人の強みとなり得ます。

 

② 長期バケーション

カナダを訪れるワーホリ勢の中には、旅行に重きを置いている人もいます。みなさんご存知の通り、カナダの敷地は広大です。

東側だけでもトロントやモントリオール、ナイアガラなどの様々な観光地があります。

また、車を数時間走らせてアメリカへの日帰り旅行や、少し足を伸ばしてイエローナイフでオーロラ鑑賞なんかもメジャーです。

 

→ カナダの東海岸に浮かぶプリンスエドワード島にて撮影。長編小説「赤毛のアン」の舞台としても有名です。

 

私は、十分な貯金なしで海外へ渡るという大胆な行動は怖くてできませんが、その一方、カナダ国内でお金を稼ぎながら旅をするワーホリビザ保持者がいます。

彼らは口癖のように「もうすぐお金が底を突く。」と嘆きながら、主に「リゾートバイト」で短期集中労働をし、そこで稼いだお金で旅に出るスタイルを取っています。

リゾートバイトは冬にスキー場で働くのが有名ですが、夏に農場でフルーツの収穫をする方法もあります。

 

季節労働なので、オフィスワーク等と比較すると、ワーホリビザでも仕事を見つけやすい職種と言えるでしょう。

私は逆に、必死になってお金を貯めてからカナダに来た派なので、「まとまった資金がなくても、こうして勇敢にギリギリの生活でやっていける人もいるのだな…。」と、妙に感心してしまいます。

文字にすると、皮肉っぽく見えますが、心の底から褒めています。

 

③ 生活のマンネリ解消

日本での職歴がある人に、海外生活に興味を持ったきっかけを聞いてみると、「家と職場をただ往復するだけの毎日に飽き、刺激がほしくなった。」という回答を得る機会が多いです。

「刺激」という意味では、数日間の旅行でも十分かもしれません。でも、観光客としてカナダに滞在するのと、ワーホリビザ保持者として生活するのとでは大きな違いがあると思います。

観光では異文化に触れることはできるものの、その多くが表面的な部分だけに留まってしまいます。旅行者である限りは、カナディアンも私たちのことを、あくまで「お客さん」として捉えます。

 

一方、腰を落ち着けて現地で生活してみると、現地の人々とより近い距離感で異国の文化を体験することができます。

 

→ ハロウィン当日の様子。ガイドブックに載っていないエリアを探索するのも、海外生活の楽しみの一つです。

 

ワーホリビザを活かして就労する場合は、ある意味、カナディアンと対等な立場で渡り歩かねばなりません。結果として、その刺激は良い面だけではなく苦労を伴うものかもしれませんが、単調な日々から抜け出すことができます。

これは私的な考えですが、困難な状況を乗り越える度にサバイバル力も磨かれていくので、日本の外でも何とかやっていける気になります。私自身はワーホリ期間を経て、「日本に生まれたからには、日本で生活を続けなければならない。」という変な固定観念が無くなりました。

チャンスさえあれば、海外移住することも夢ではないですし、日本と海外を行ったり来たりする生活だって実現できます。

 

④ 知見や教養の研鑽

私がカナダで出会ったワーホリビザ保持者で最も印象に残っているのが、日本で通訳として働いていた人です。ビジネスの場ですでに活躍しているので、英語力に関しては「これ以上、何を勉強したいのだろう?」と疑問に思えます。

しかし、彼は「カナダがどんな国なのか、自分の目で見てみたかった。」と言いました。

ワーホリビザがあれば、カナダの学校、職場、地元のコミュニティといったように、様々な環境に身を置くことができます。立つ場所が変われば、そこから見える光景も異なります。

 

カナダの教育、労働、地域社会など複数の異文化に触れるには、ワーキングホリデービザは絶好の手段です。

 

近頃は、自宅にいながらネットを通じてネイティブスピーカーと英会話ができるようになり、「オンライン留学」なんて言葉もあります。

オンラインで海外の大学の授業を聴講できる機会もあるので、「わざわざ海外に行かなくても、日本国内で留学できるじゃん!」という価値観も現れ始めました。

確かに、それは一理あります。でも、海外生活を経験している私としては、「現地でしか吸収できない付加価値」もあると思っています。

 

例えば、カナダの飲食店で受ける接客や口にする食事、現地生活する中で発生したトラブルから学ぶ教訓など、挙げだしたらキリがありません。

2020年は新型コロナウイルスや、「カナダ史上最悪」と言われるノバスコシア州銃撃事件の発生もあり、メディアを賑わせました。それら一連の出来事に関するカナダ政府の対応や事件の報道は、日本で見るのと、実際にカナダに身を置いて見るのとでは感じ方が異なります。

通訳者の彼が言った「カナダがどんな国かを見たかった。」という理由は、捉え方によっては、非常に深い意味を持つ言葉だと実感しました。

 

 

ワーホリに具体的な目標は必要か?

ワーホリはお伝えしてきたように、就学・就労・観光の「良いとこ取り」ができる自由度が高いビザです。そのため、「明確な目的がないと無駄な期間になる。」とも言われがちなビザステイタスでもあります。

確かに、具体的な目標がある方が、計画性を持って努力しやすいです。でも、ワーホリビザを「これから先の人生で何をしたいのか?どこに生活拠点を置きたいのか?」という将来の方向性を考える手段として使ってみて良いとも考えます。

ワーホリ前に目的をしっかり定めていても、実際に海外に来てみると、本来抱いていた目標とは違う夢が見つかるパターンもあります。それは、当然の結果とも言えるでしょう。

 

1年くらい自分探しをする期間があっても、それは他人から非難されるべきことではありません。

 

生まれてから長らく暮らしてきた環境とは全く別の場所で生活したことで、考え方や価値観が変わるのはよくある事です。

現代は「人生100年時代」とも表現されるように、先の人生はまだまだ長いです。万が一、ワーホリが失敗に終わったとしても、「海外生活は自分に合わなかった。」と分かるだけでも良い収穫です。

なぜなら、自分の向き不向きや得手不得手を把握できれば、その後の仕事選びや学業に活かすことができるからです。立ち位置を変えてみることで、新たに得られる目標や価値観は必ずあるはずです。

 

現在勤めている会社を辞めるリスクや、慣れない土地で生活を始める不安はつきものです。

でも、そこで一歩踏み出す勇気が、「人生」という大枠で捉えた際には大きなターニングポイント(転機)となる可能性があります。

「ワーホリビザの利点を活かして、何かを吸収しよう!」という心構えさえあれば、そのメリットを最大限に受け取ることができるでしょう。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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