これぞ日本とカナダの異文化!カナダに1年以上住んで感じたカルチャーショックとは? | 留学・ワーホリ・海外留学・語学留学は留学ドットコム

カテゴリー:現地生活情報

これぞ日本とカナダの異文化!カナダに1年以上住んで感じたカルチャーショックとは?

公開:2020/07/06 著者:坂元 ちひろ 7870 Views

こんにちは、カナダ在住のちひろです。

私がカナダに住み始めてから1年と数ヶ月が経過しました。数年前にも旅行でカナダを訪れましたが、その短期滞在中には気づかなかった日本とカナダの異文化も明らかになってきた今日この頃です。

そこで本日は、「日本とカナダの文化の違い」をテーマにお話しします。

 

コラムのタイトルは敢えて「カルチャーショック」としましたが、日本とカナダの差異に戸惑った部分もあれば、驚きはしたけど「なんだか良いな。」と感じた点もあります。

本コラムでは私が海外生活を通じて体験した文化の違いを、良し悪しの両面からご紹介します。外国文化を自分の身で体験できるのは、留学・ワーホリの醍醐味です。

けれども、海外渡航を控えている方は前知識として両国の文化の差を把握しておくことで、現地での生活がよりスムーズになるかもしれません。今回のコラムは、これからカナダ留学する方々の参考になれば嬉しく思います。

日本特有の文化!?

まずは、北米だけでなくヨーロッパでの旅行も含めて、「日本独特の文化」だと感じた点をシェアします。

 

レストランでのカルチャーショック

・食品サンプルとメニュー写真

日本にいた頃は全く意識していませんでしたが、海外に出てから食品サンプルは日本特有の文化という事実に気づかされました。

カナダのトロントでも日本食レストランやラーメン店では食品サンプルを目にすることもありますが、北米人が経営しているローカル店では見かけたことがありません。

また、海外のレストランでは、メニューに料理写真が掲載されていないケースもしょっちゅうあります。それらのお店では、写真がない代わりに料理に含まれている食材や調理方法が明記されているケースが一般的だと感じました。

 

例えば、「炙ったサーモン、炒めたタマネギ、ピリ辛のマヨネーズ」といった具合です。

そのため、但し書きを読めば写真よりも料理内容を明確に把握できるという意味では、不便はありません。

一部には、「メニューに写真がないのは洗練されたレストランの証」という見方もあり、ファストフードやファミレスよりも高級とされている店舗では特に、メニューが文字情報だけという場合が多いように思います。

 

→ 英語環境に慣れるまでは、文字情報だけのメニューを解読するのに苦労しました。

 

・店員さんを大声で呼ぶ習慣と呼び出しボタン

日本にいた頃は、居酒屋などで店員さんを呼ぶ際に「すみません!」と大声をあげる習慣がありました。もしくは、テーブルに備え付けの呼び出しボタンがある場合は、そちらを使用していました。

けれども、北米やヨーロッパでは大半の場面で、サーバー(ウエイトレス)が自分のテーブルに来てくれるのを待つか、アイコンタクトや小さな挙手で知らせる方法を取ります。

カナダはチップ文化があることも影響してか、食事中もサーバーが頻繁にテーブルに来てくれるので、その際に追加オーダーやお会計を依頼します。各国で営業しているアジア系のレストランでは、何度かテーブル設置の呼び出しボタンを見たことがありますが、それでも数は少ないと感じました。

 

街中でのカルチャーショック

・お手洗いのセキュリティ

欧米では公共のお手洗いの数が少ないと感じます。私が住んでいる地域でも、地下鉄の全駅には設置されておらず、主要駅のみに設けられています。

レストラン内のお手洗いに入るには、お店が管理している鍵や暗証番号が必要なところも多く、日本とは様子が異なります。これには、利用客以外の人の不法侵入を防ぐ意図があります。

ショッピングモールや図書館、一部の飲食店では例外もありますが、どこでも気軽に入れるワケではありません。

 

外に出かける際は、家やホテルを出発する直前や食事・買い物のついでにお手洗いを済ましておく方が無難でしょう。

 

特にヨーロッパでは、公衆トイレの数が少ないだけでなく有料の場合もあります。

他に海外生活のお手洗い文化で慣れるまで違和感があったのは、個室扉の上下に広い隙間がある作りになっている点です。

ここにも防犯の意味があって、個室内または扉前に不審な人がいないかを把握するためだそうです。

 

 

→ 個室扉の上下のスペースはこの画像よりも広い場合も稀にあります…。(出典: CANADIAN WASHROOM PRODUCTS

 

・外に干された洗濯物

庭やベランダに洗濯物を干すのも日本に根強い文化かもしれません。

北米やヨーロッパで外干しをしない理由は、「家事の効率化を図るため」というポジティブなものや、空気の汚染や鳥・虫の汚物を懸念したネガティブなものなど複数あります。

しかし、最もよく耳にするのは景観の乱れを気遣う声です。外に干された隣人の下着が視界に入ってくるのは、お互いに気持ちが良いものではないでしょう。

 

私はカナダ国内で3度引っ越ししていますが、どのエリアでも「外に干された洗濯物」を見かけた記憶がありません。

 

どの家庭でも洗濯後には乾燥機を使用していました。シーツなどの大きい1枚布を庭に干す場合は、その先の見通しが悪くなる可能性もあり、防犯面を気にする意見もありました。

 

・自動販売機

自動販売機は空港やホテル、学校の中では見かけますが道路上に設置されているケースはレアです。日本は世界的に見ても、自販機の設置台数が多い国だと言われています。

海外に自販機が少ない理由としてはまず、機械の中の商品やお金を強奪される危険性が高い点を挙げられるでしょう。

次に買い物時の支払いをクレジットやデビットカードで済ませるのが主流の国では、紙幣や硬貨しか使えないタイプの自販機を流通させるのは難しいかもしれません。ちなみに、カナダではお酒を販売している自販機は一度も目にしたことがありません。(下記参照)

 

カナダ生活で体験した異文化!

ここからは生活圏内をカナダに絞って、私が受けたいくつかのカルチャーショックをみなさんとシェアします。

以下でも引き続き、日本では当たり前の存在だったのに、カナダに来てから見かける回数が減ったものをご紹介します。

 

・飲酒習慣

カナダでは一部の州を除いて、お酒を購入できる場所が限られています。日本のスーパーやコンビニのように気軽には入手できないので、自宅でお酒を飲むならばリカーショップ(酒屋)へ買いに行くのが一般的です。

酒屋も24時間オープンしているワケではないので、お酒はいつでもどこでも手に入る存在ではありません。

また、レストランやバーですらお酒の提供時間が制限されていて、飲食店で朝までお酒を飲み続けることは不可能です。公園や公共交通機関での飲酒も禁止されているため、外でバーベキューをしながらお酒を飲んだり、仕事の帰り道に電車内でビールの缶を開けたりする行為は厳禁です。

 

・二言語表示

カナダは、英語とフランス語が公用語として認められています。そのため、食品パッケージや商品の取り扱い説明書は二言語表記です。政府の会見も英語とフランス語の二種で話されていますし、ネットニュースも同じ内容で英文版と仏文版の双方を見つけることも安易だったりします。公的な手続きや登録をする際にも二言語から選択可能です。

カナダ全土の国民が英語とフランス語両方を話すワケではありませんし、トロントでフランス語が話せなくて苦労した経験はありません。

しかし、カナダで国際的な仕事に就く場合は、英語とフランス語を扱えるバイリンガルであることが求められます。

 

→ お菓子のパッケージも英語とフランス語の二通りで表記されています。

 

・労働者の拘束

ここでご紹介するのは、トロント市内を走るバスに乗車した時の出来事です。乗っていたバスが、ある停留所に停まりました。バスが停車して乗客の乗り降りが済んだので、そのまま出発すると思いきや、運転手がバスから降りていきました。

「何事?」と疑問に思いつつ運転手の帰りを待っていると、数分後に彼はドーナツとコーヒーを抱えて戻ってきました。

アメリカ旅行中にガムを噛みながら接客している店員やガードマンは見かけたことがありましたが、勤務中の軽食買い出しは想像の斜め上を行く体験でした。ちなみに、そういった場面に遭遇したのは一度ではなく、何度もあります…。

 

・喫煙ルール

カナダでは、レストラン・カフェ・バーやオフィス内での喫煙は禁じられています。日本では飲食店に入った際に、「禁煙と喫煙席どちらがよろしいですか?」と聞かれることが多々ありましたが、カナダに来てからは皆無です。

また、私が住んでいるトロントでは、それらの公共施設の入り口から9メートル以内の範囲でタバコを吸う行為もNGです。日本でも分煙化が進み、「店内は禁煙のため、おタバコは入り口の灰皿でお願いします。」という形で営業しているお店もありますが、私が住んでいるエリアでは、その入り口の灰皿すら設置されていないのです。

タバコ自体はコンビニやガソリンスタンドで購入可能ですが、日本のようにズラリと陳列されていません。そんな経緯から、海外からカナダへ来た旅行者から「タバコはどこで買えますか?」と聞かれた経験も度々あります…。

 

・スーパー内の薄切り肉(細切れ肉)

ローカルのスーパーでは、しゃぶしゃぶ用のお肉を探すのに苦労します。なぜなら、スーパーの精肉コーナーに並んでいるお肉の大半が厚切りなのです。さらに、鶏肉も豚肉も骨つきの状態で販売されていることも多くあります。

ですから、料理の際に骨を外す手間がかかったり、そのままの状態で調理する場合は食事の際に食べづらかったりします。

アジア系スーパーに行けば、豚肉の生姜焼きや肉ジャガに使えそうな細切れ肉を入手できる日もありますが、街全体で見るとレアアイテムと言えます。

 

・スーパー内の野菜の個別プライス

スーパーで野菜を購入する際も、若干の不便を感じる瞬間があります。例えばキャベツを買う時、日本では個包装がなされていて各重量に応じて「1玉〇〇円」という表示がされていました。バナナも「一房〇〇円」と均一設定されていたように記憶しています。

しかし、カナダの地元スーパーでは個別包装されていない野菜がドサっと積まれていて、「1ポンド〇〇ドル」と案内されています。不便を感じるのは「1玉〇〇ドル」という設定ではない点で、1商品当たりの値段がパッと分からないことに苦労します。

レジに通す前に細かな金額を把握したい人は、売り場に設置されている秤を使って自分で計算する必要があります。

 

→「1ポンド98セント」という表記ですが、海外生活初心者の頃は「1玉98セント」だと早とちりしてしまいました。(出典:food Basics

 

カルチャーショックは異文化理解を深めるチャンス!

海外渡航前の情報収集や実際の現地生活で、日本とは異なる文化を知った際には、「なぜ違いがあるのか?」という理由まで調べてみると良いでしょう。

歴史、宗教、環境、人種など様々な背景が潜んでいることが分かり、より深い文化理解ができるのでオススメです。また、その背景をすぐに調べる前に、一度自分の頭で推測してみるのも異文化理解の鍛錬になると考えます。

 

異なる環境で育った人とコミュニケーションを取る上では、特に想像力が欠かせないように思います。

 

自分にとっての当たり前と相手にとっての当たり前が異なるため、相手のバックグラウンドに配慮すべき場面もあるからです。そんな時に異文化に対する理解があると、相手が抱える背景を汲み取った適切な言動が取れるでしょう。

カルチャーショックはその言葉の通り衝撃や困惑も伴いますが、深く理解すると納得できたり理に適っていると感じたりするものも多く、視野が広くなる感動があります。

今回の記事がこれから海外生活をスタートされる方の参考になることを願っています。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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