文化の違いは買い物にもある!?著者がおもしろいと感じた日本と異なるカナダのショッピング文化
こんにちは、カナダ在住のちひろです。
カナダに住んでいると日本との文化の違いに驚くことが多々あります。
例を挙げ始めるとキリがないのですが、今回は私が買い物時に感じた異文化をご紹介します。
項目が少し多くなってしまうので、日用品部門と食料品部門の2つに分けて詳細をお伝えしていきます。
本日のコラムでは第一弾として、ショッピングモールやオンラインで日用品を購入する際に感じた異文化をシェアします。
後日、別の記事で第二弾としてスーパーの買い物時に感じる日本とのギャップをご紹介します。それでは早速、私が日用品購入時に発見した文化の違いを以下で挙げていきます。
処方箋(しょほうせん)なしで購入できる商品がある
まずは、医薬品関連での発見です。
日本では病院で処方箋をもらわなければいけない薬が、カナダでは処方箋不要なケースがあります。
例えば、モーニングアフターピル(緊急避妊薬)です。
この薬は、避妊に失敗してしまった時に望まない妊娠を避けるために服用されるピルです。
日本では、産婦人科を受診して病院で処方してもらうのが一般的です。しかし、私が現在住んでいる地域では薬局で処方箋なしで購入できます。
さすがに、誰でも手の届く商品棚には陳列されていませんが、店内の薬剤師に声をかけると副作用などの説明を受けた上で処方してもらえます。
また、私が日本にいた頃はコンタクトレンズを買う際に眼科へ行って検診を受けるのが通例でした。
けれども、現在は眼科に行くことなく日本国内正規品のレンズを購入できています。具体的には、オンラインでコンタクトレンズを注文しています。
私の場合は日本で使っていたのと同じ製品の取り扱いがカナダでもありました。
ですから、商品名と度数、そしてカーブ数の情報さえあれば、昔から使っているのと全く同じレンズを購入できます。
それぞれの数字をオンラインのショッピングサイトで入力すれば、あとは自宅にレンズが届くのを待つだけです。
値段も日本で購入するのと大差なく、むしろ頻繁にセール販売されているので、日本で買うよりも安いくらいです。
モーニングアフターピル同様、医師の問診を受けないため、それを使用した際に問題が生じてもあくまで自己責任です。
けれども、どうしても忙しくて病院で受診できない時は、非常に便利なシステムだと感じます。
返品に対するハードルが低い
次に、カナダでは購入した商品の返品が日本よりも気軽にできると感じます。
不良品だった場合の返品はもちろんですが、お店によっては「商品が気に入らなかった」という理由で返品してお金を返してもらうことも可能です。
私も過去、カナダの薬局で購入した脱毛剤を返品してお金が戻ってきた経験があります。
当時の私は、脱毛剤を買って使ってみたものの、日本の製品と使用感が違うので上手く使いこなせずに困っていました。
すると、ホストファミリーから「そういう時は返品すればいいよ!」とアドバイスを受けました。
その商品を開封しただけでなく、すでに薬剤を半分くらい使用していたので、その言葉を聞いた瞬間は信じられませんでした。
しかし、半信半疑ながらもホストファミリーに言われるままに薬局へ行って、店員さんに尋ねてみることにしました。私は開封済みの商品とレシートを持って薬局へ向かいました。
そして、店員さんに「もう開封して使用もしてしまった商品なのですが、返品できたりしますか?」と恐る恐る尋ねました。
すると店員さんから「あら?そうなの?理由は?」と聞き返されました。
私は「やはり不良品でない限り、返品は無理なのではないか?」と自信を失い返答に困ってしまいました。
そうすると今度は店員さんの方から「その商品が気に入らなかったのね?」と私の状況を察してくれました。
なんということでしょうか…。驚くことに、その後、いとも簡単に商品代金を返してもらえたのです。
その店員さんはご好意で、お客さんからの返品リクエスト情報をまとめる伝票を見せてくれました。
するとそこには、返品理由の欄に不良品、部品不足、サイズ違いなどと並んで「商品に不満足」というチェック項目がありました。
そして、彼は「北米では商品に満足できなくて返品することがよくあるから、心配しなくて大丈夫だよ!」とフォローしてくれました。
また、誰もが気軽に返品できる体制を整えておくと、消費者の購買意欲が上がるとも教えてくれました。
彼曰く、お客さんに「この商品がいいかどうかは分からないけど、試したいからとりあえず買ってみよう!」と思ってもらうことが大事なのだそうです。
配達物が玄関の軒先に放置される
最近では手軽に買い物を楽しめるオンラインショッピングが人気ですね。ネットで購入した商品が自宅に届けられる際にも、日本との違いを感じる場面があります。
アメリカでは「置き配」が主流だと聞いたことのある方もいらっしゃるかもしれません。ここカナダでも日常生活の中で「置き配」をよく見かけます。
「置き配」とは配達人が荷物を届けた際に、直接手渡しではなく軒先(玄関の前)に荷物を置いていく配達方法です。
配達業者の立場からすると、受取人の在宅状況にかかわらず荷物を置いていける(再配達する必要がない)ので効率的に配達できます。
私の近所でも街中を歩いていると、軒先に放置された小包や段ボール箱が目に留まります。
一方で、治安が悪い地域ではこれらの荷物を盗む「ポーチパイレーツ(置き配泥棒)」なるものが存在しているそうです。
また、業者によっては荷物の取扱いが雑で、玄関前に投げ置いていく配達人がいることも社会問題になりました。
手渡しもしくは宅配ボックスへの預け入れが主流の日本では、宅配品の盗難や破損は考え難いです。
荷物が丁寧に扱われ、確実に手元に届くのは日本だからこそ成り立つサービスかもしれません。
お得なセールが盛りだくさん
カナダでも日本のようにセールが度々行われますが、タイミングやセール内容は日本と少し異なります。
大きなセールですと、「ブラックフライデー」と「ボクシングデー」はチェックしておくべきでしょう。
・ブラックフライデー
ブラックフライデーはアメリカのサンクスギビング(11月の第4木曜日)の翌日に行われるセールです。元々はアメリカ発祥のセールですが、現在ではカナダにも浸透しています。
お客さんの混雑や店側の黒字を「ブラック」と形容して、ブラックフライデーと呼ばれているそうです。
ショッピングモールや商店によっては、クリスマス商戦の始まりということで11月全体もしくはブラックフライデーを含む前後の日にちをセール期間としています。
・ボクシングデー
12月はクリスマス・イブ、クリスマスとイベントが続きますが、カナダディアンにとってもう1日大事な日があります。
それは、クリスマス翌日12月26日のボクシングデーです。この日はカナダで一番お買い得にショッピングできる日だとも言われています。
私が見た限りでは、70~90%オフなどの目を疑うような破格で商品を売り出しているお店もありました。
私が住んでいるエリアでは、ブラックフライデーやボクシングデー以外にも、日常的に「BOGOキャンペーン」をしているお店が目立ちます。
BOGOは「Buy One Get One free」の略で、1つ買えばもう1つは無料というものです。
コスメや衣料品だけでなく、スターバックスなどの有名チェーン店でも実施されています。
【まとめ】 現地のビジネス展開や消費活動もチェックしてみて!
海外生活の楽しさのひとつに、日本との文化比較ができる点を挙げられます。
買い物という日常生活の中にも地域性や国民性が表れていて、日々様々な発見があります。
日本の繊細で丁寧なサービスに慣れていると、カナダのビジネス展開の豪快さに驚きもしますが、活発さを感じるのも事実です。
豪快で活発な分、堅苦しさがなくサービスに融通が効いている印象さえ受けます。
カナダ留学やワーホリの際は有名な観光地をチェックするのもいいですが、現地の人々が普段どのように消費活動しているのかにも注目してみると、おもしろい特徴が見つかるかもしれません。
最後まで読んでいただきありがとうございました。