著者がカナダのスーパーで買い物時に感じる日本との違いとは?
こんにちは、カナダ在住のちひろです。
カナダに住んでいると日本との文化の違いに驚くことが多々あります。
前回のコラムでは私が買い物時に驚いた日本とのギャップ、特にショッピングモールやオンラインで日用品を購入する際に感じた異文化をシェアしました。
本日はその続編として、スーパーでの買い物時に見られる日本との相違点を紹介していきます。
野菜や果物類は量り売りが主流
私が日本にいた頃に利用していたスーパーでは、野菜や果物は「一袋100円/一房150円」といったように、数量あたりで金額固定されているのを頻繁に見かけました。
けれども、ここカナダではよく「1ポンド(約453グラム)あたり1ドル」という形で、それぞれの重さに応じて金額が変動する設定で販売されています。
例えば、同じバナナ一房でも片方は1ドルでもう片方は1.4ドルといった形で、重量が重ければ重いほど割高になります。
また、バナナの場合はビニール袋で梱包されていないことも多く、自分が必要な本数だけもぎ取れます。
例えば、6本1房で陳列されているバナナがあるとすると、その中の数本だけもぎ取ってレジへ持っていく人の姿を見かけることもあります。
単身者用サイズを見つけるのが難しい
次に紹介するのは、私がカナダのスーパーで買い物する際に少し不便だと感じている部分です。
日本のスーパーでは一人暮らしでも消費しやすいように小分けにパッキングされた肉や1/4にカットされたキャベツなど、いわゆる「単身者用サイズ」を頻繁に利用できていました。
けれども、私が現在住んでいるエリアで販売されている物は、とにかく全ての商品が大きく感じます。
肉類などは買ってすぐに冷凍すれば長い間保存できますが、冷凍できない野菜などはすぐに傷んでしまいます。
ですから、私のような単身者は1週間の献立も含めてよく考えて買い物しないと、食材を余らせたり腐らせたりすることになります。
原材料のバリエーションが豊富
カナダでは、日本よりもアレルギー対応食品を見つけるのが簡単だと感じます。
アレルギーと一口に言っても、小麦、卵、ピーナツ、牛乳アレルギーといったように様々な分類があります。
日本で加工食品を購入する際は、これらのアレルギーに対応している食品を探すのに苦労しました。
けれども、カナダのスーパーでは比較的スムーズに対応食品を見つけられるように思います。
また、消費者の中にはアレルギーではなくとも思想や健康上の理由から動物由来の食材を口にしない人もいます。一般的に「ベジタリアン」や「ヴィーガン」と呼ばれる人々です。
彼らは牛肉、鶏肉、豚肉、魚肉はもちろんですが、程度によってはそれらの生物から取った出汁(だし)や牛乳、卵を口にしないこともあります。ですから、日々の食事で食べられる食材が限られます。
ベジタリアンやヴィーガンは肉を摂取しないため、タンパク質を摂取しにくい食習慣だと言われています。
しかし、そんな彼らでも口にできる大豆ミートや豆乳、アーモンドミルクなどの豆製品が充実しているのが北米のスーパーです。
移民が多いカナダですから、単なる個人の趣向ではなく宗教上の理由で肉を食べられない人が日本以上に存在しています。
その影響もあり、スーパーだけでなくレストランで外食する際も、ベジタリアンやヴィーガン向けのメニュー展開が豊富であることがはっきりと分かります。
お酒を買える場所が限られている
日本であればスーパーやコンビニ、自動販売機などお酒を買える場所が至るところにあります。
けれども、私が現在住んでいる地域ではお酒に関する厳しい法律があります。
ですから、お酒を購入できる場所や飲めるエリア、飲食店でお酒を提供できる時間帯が限られています。
近所のスーパーやコンビニにはお酒の取り扱いがなく、アルコールを扱う自動販売機もありません。つまり、アルコール類を購入する際はリカーショップ(酒屋)へ行くのが一般的です。
日本とは違って、スーパーやコンビニなど1つの場所で買い物を完結できないため、少々不便に思う人もいるでしょう。
また、地域によってはアルコールを販売している店舗で働く場合、アルバイトであっても特別なライセンスを取得する必要があります。
私もワーホリ中に日本食レストランで仕事をする際にこの免許を取りました。
アルコールを提供できるのはお酒の扱い方や法律に関する知識がある人だけという点からも、日本とはお酒の位置付けが異なることが分かります。
また、タバコも日常生活の中で見かける機会が減りました。日本ならコンビニへ行けばレジ中に陳列されたタバコがすぐに目に入ります。
しかし、カナダでは日本の販売方法とは異なり、タバコがお客さんの目に止まりにくい
ように感じます。
例えば近所のコンビニでは、タバコはお客さんの視界に入らないように保管されていて、店員さんに声をかけると死角にある棚から持ってきてくれるという要領です。
お酒と同様、街中でタバコの自販機を見かけたこともありません。
商品に対する意識の違い
カナダで買い物していると、日本のスーパーはつくづく綺麗だったと実感します。
海外ではお店側もお客さん側も「商品を丁寧に扱う」という意識が日本と異なるせいか、床に平気でトマトが転がっていたり潰れたいちごが点在していたりします。
鶏卵を購入する時も注意が必要で、パックの中ですでに割れてしまっていることもしばしばです。
卵が陳列されている棚も黄身でベタベタだったりすることもあり、本当に現場は悲惨です…。(笑)
さらにもう1点、日本でなかなか目にしない光景があります。それは、商品をカゴに入れる前に味見している人がいることです。
フルーツ売り場に並べられているぶどうやチェリーを、一粒もぎって味見している人を見かけたのは一度や二度ではありません。
北米では「どうせ後でお金を払うのだから、精算前に食べてもいいだろう。」と考える人もいるようで、未精算の商品を食べたり飲んだりしながら買い物している人と遭遇することもあります。
会計時は自分で商品をカゴから出す
商品を会計する際にも日本とカナダ間で差があります。
日本の場合は商品をカゴに入った状態で店員さんに渡すのが一般的だと思います。そして、あとは店員さんが商品のバーコードを読み取ってくれるのをひたすら待つだけです。
けれども、ここカナダでは店員さんに商品をスキャンしてもらうために、お客さんがせねばならない工程があります。
それは、お客さんが自分でカゴから商品を1つずつ出して、レジ前のベルトコンベアに載せていく作業です。
私はカナダに来たばかりの時にそのことを知らず、カゴごとベルトコンベアに置いて待っていました。
すると、レジのお姉さんに「それはダメよ!商品を全部カゴから出して!」と言われてしまいました。
大量に食料品を購入する時は、意外と大変な作業になるので日本のシステムを恋しく思います。
【まとめ】海外に住むことで日本の良さを再発見できる
私はカナダに住んでもうすぐ2年になりますが、この国独特の文化を面白いと思いながらも、日本の清潔さや丁寧さを懐かしく感じています。
日本に住んでいた頃は、日本のサービスが当たり前で何も特別なことはないと思っていました。
けれども、海外に出てみて日本とは違う文化を肌で感じることで、日本の良さをあらためて実感しています。留学やワーホリと言うと、新しい文化や価値観を知ることに意識が向きがちです。
しかし、それと同時に日本を客観的に見つめられるのも海外で生活するメリットのひとつだと感じました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。