冬は極寒のトロント!カナダ人に聞いた風邪対策をご紹介します!
こんにちは、カナダ在住のちひろです。
ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、カナダのトロントは冬になると気温がマイナス20度前後まで下がります。まさに「極寒の地」と言えるでしょう。
私はカナダに渡航する際に日本から厚手のコートを持って来ましたが、カナダの真冬を過ごすには物足りず、マイナス30度に耐えられるコートを現地で新たに購入したほどです。
実は、それでもカナダの気候に身体が慣れるまでには時間がかかり、移住1年目はなんと3度も風邪をひいてしまいました。体調を崩している間は勉強や仕事が思うようにできず、留学やワーホリ中は健康第一だとあらためて実感しました。
現在はカナダ在住2年目になりますが、カナダ人から教えてもらった風邪対策を生活に取り入れて毎日健康に過ごせています。
そこで今回のコラムでは、カナディアン直伝の極寒の地で健康に過ごすコツをお届けします。
車を持っているかどうかで防寒着は大きく異なる
私がしばらくカナダ生活を続けて実感したのは、冬の服装からその人が車移動なのか公共交通機関を利用しているのかが一目瞭然ということです。
気温が氷点下まで下がるため、通常なら着込めるだけ着込む厚着スタイルが欠かせないと考えがちです。
けれども、車移動の場合は家の車庫から職場や学校の駐車場まで外気に触れることがないので、意外と軽装の人も多い印象です。
さらに、建物の中は暖房が効いているので、真冬にもかかわらずコートやジャケットの下はTシャツという人もいます。
レストランに一歩足を踏み入れると、冬なのに半袖シャツのお客さんだらけという異様な光景にも遭遇するのがカナダの極寒エリアです。(笑)
ニット帽は寒さを凌(しの)ぐためのアイテム
ここでは車がなく、電車やバスを利用せねばならない人々の防寒着についてお伝えしていきます。
まず、風邪をひかないようにするために3つの首(首、手首、足首)を冷やさないのは鉄則です。これらの部位は人体の中でも皮が薄く冷えを感じやすい部分だと言われています。
外気の影響を受けやすい3つの首を温めると、血液が冷えたり血の巡りが悪くなったりすることを防げるので全身の温かさを保てます。
それに加えて、雪国では頭や耳を外気に直接触れさせないことも重要です。真冬に頭や耳を露出して外出すると、寒いという感覚を通り越して激痛が走ります。(笑)
そんな時にお勧めしたいのがニット帽です。日本に住んでいた頃、ニット帽はファッションアイテムのひとつでおしゃれのために被(かぶ)るものだと思い込んでいました。
けれども、カナダのような雪国では防寒アイテムとしての意味合いが強いように思います。
私はカナダ生活最初の年にホームステイをしていたのですが、「ニット帽=防寒アイテム」という認識がなく何も被らずに外出しようとして、ホストファミリーに「死ぬよ?」と脅(おど)かされました。(笑)
その後すぐにホストシスターが帽子を貸してくれ、その暖かさに感動しました。頭と耳をニット帽ですっぽりと覆い、首に巻いたマフラーは口元まで上げて目だけを出した状態で外出するのが完璧な防寒です。
さらに、積もった雪に太陽が反射して眩しいので、冬でもサングラスを着用することがあり、日本では不審者と認識されてしまいそうなスタイルで外出しています。
うがい薬がない時は塩水で代用する
喉に痛みや違和感がある際は、水に塩を混ぜてうがいすると良いそうです。
うがい薬ならば市販もされていますが、作用が強い商品は使いすぎると逆に喉の粘膜を傷つけてしまう恐れがあります。また、常にうがい薬を自宅に常備していない人もいるかもしれません。
そこで、うがい薬の代わりに殺菌作用がある塩水でうがいするのです。
塩水を用いたうがいのやり方は特に珍しい動作はなく、まずは口をゆすいで吐き出してから、本格的に喉の奥まで塩水が届くように洗浄するのが一般的です。
実は人前でガラガラとうがいすることは海外ではエチケット違反とされるケースもあり、日本ほど主流ではないので、周囲に人がいる場合は注意が必要です。
そのマナーさえ気をつけておけば、喉の粘膜の強さにあまり自信がない人や自宅にうがい薬がない人は応急処置として塩うがいの存在を知っておいて損はないはずです。
ビタミンDを積極的に摂取する
風邪予防には体の内側からの対策も重要です。そこで私たちを助けてくれるのがサプリメントです。
サプリメント売り場へ行くと、あまりにもたくさんの種類があってどれが良いか悩んでしまいますが、カナディアンのおすすめはビタミンDです。
ビタミンDが不足してしまうと骨や筋肉が弱くなる傾向があり、免疫機能も下がってしまうと言われています。
通常、ビタミンは体内で生成することができないため食品から摂取するのが一般的ですが、ビタミンDに関しては日光に当たることによっても作れます。
しかし、日照時間が短く曇りや雪の日が多い冬は日光浴で健康維持することは困難です。
仮に、晴れの日に外出したとしても防寒着を着用しているので、日光に当たる肌の面積が極端に狭くなってしまいます。
そうなるとやはり食事の際にビタミンDを意識して取り入れるのが望ましいですが、このビタミンを含む食材はキノコや魚など、通常の洋食では使用する頻度が低いものです。
そこで、カナディアン達が頼りにできるのがサプリメントになってくるというわけです。
こんな時、和食がいかにバランスの取れた食事かを強く実感します。
生姜(しょうが)はカナダでも一般的に消費されている
「風邪予防には生姜が効く。」という話は、みなさんも耳にしたことがあるかもしれません。生姜には体を温めてくれる効果があり、免疫力向上や殺菌効果も期待できるため予防だけでなく、風邪のひきはじめに悪化を防止する役割も担うそうです。
アジア料理に用いられることが多い生姜ですが、実はここカナダでも一般的な食べ物です。
わざわざアジア系スーパーまで行かなくても、ローカルスーパーで簡単に手に入ります。
さらに、ゴロゴロした生生姜だけでなく生姜パウダーもあり、料理のアレンジもしやすいです。煮込み、焼き料理を始めとして、ジンジャーティーなどの飲み物で日常生活に取り入れている人もいます。
私が初めてカナダで風邪をひいてしまった時、ホストファミリーが生姜やレモン、ハーブを煮詰めて特別なスープを作ってくれたのですが、それを飲むと喉の痛みや咳の症状が治りました。
こちらに住んでいる人々は、単なる風邪では滅多に病院へ行かず自宅療養が基本です。ですから、各家庭で風邪対策や先代から受け継がれているレシピなどがあり、おもしろく感じました。
私が日本に居住していた頃は風邪のひき始めでも、すぐに病院や薬に頼る生活だったのでカナダ人のように自宅で治療する習慣には驚きました。
咳にはハチミツやレモンが効く
私は咳がひどい時に、スプーン一杯のハチミツを舐めるようにホストファミリーからアドバイスをもらいました。
ハチミツを舐めることで抗菌や抗炎症作用が期待できます。イギリスのオックスフォード大学の研究では、ハチミツは市販薬よりも効果があるという実験結果も出ているほどです。
カナダの名産品といえばメープルシロップで、普段は食卓にハチミツ代わりにメープルシロップが並ぶことが多いのですが、風邪の時はハチミツに置き換えられます。
また、咳の症状がある場合は、何度も咳をすることで消耗する体力も気になります。そこで、疲労回復に効果があるとされるクエン酸が含まれるレモンを積極的に取り入れる手もあります。
レモンはビタミンCを摂取するためにも欠かせない食材です。とはいえ、そのまま齧(かじ)るわけにもいかないので、カナディアンはお湯にレモン汁を混ぜて飲んでいました。
酸味が気になる場合は、そこにハチミツを入れると格段に飲みやすくなります。
【まとめ】 医薬品に頼りすぎない治療が理想
カナダ人から風邪対策を教えてもらった際、医薬品を使う代わりに塩、生姜、ハチミツ、レモンなど、安全に口にできるもので治癒を目指す姿勢が印象的でした。
医薬品は便利な反面、副作用があったり身体が薬慣れしてしまうと反応が鈍くなったりすることが考えられます。けれども、日常的に口にする食材であればそれらの心配がありません。
食事から十分に摂取できない栄養素だけサプリに頼り、あとはできるだけ自然な方法で風邪対策をするカナディアンのスタイルは、自分が日本へ帰国した後も継続したいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。