ホームステイのメリットとデメリットを経験者が比較!留学・ワーホリ中の住居について考えよう!
こんにちは、カナダ在住のちひろです。
私がカナダに住んで3年目になりますが、ここに来たばかりの頃を思い返すとホームステイ中の記憶が頭に浮かびます。
ホストファミリーがとても素敵だったことや、私の性格にホームステイが合っていたこともあり、できることならまたホームステイ生活をしたいくらい快適でした。留学・ワーホリ中のホームステイ体験は非常におすすめです。
一方で、現在私はシェアハウスに住んでいるのですが、人によってはシェアハウスでの生活が向いているかもしれないことに気付きました。
「長所と短所は表裏一体」という言葉もあるように、ひとつの物事を見た時に同じ事柄でもある人にとっては魅力的に映りますが、別の人からするとそうでもない可能性があります。
そこで今回のコラムでは、できるだけ中立的な立場でホームステイ生活のメリットとデメリット(になり得る側面)についてご紹介していきます。
ホームステイの生活環境① – サポート
ホームステイの特徴として、家事をホストファミリーにお任せできる点が挙げられます。
私が滞在していた家では食事の準備だけでなく消耗品(ティッシュやトイレットペーパー)の買い出し、洗濯までホストがしてくれました。
ですから、「今日の夜ご飯は何を作ろう?食料品の買い出しに行かないといけないな…。」と考える必要がなく、勉強と仕事だけに集中して毎日を過ごせました。
一方でホストファミリーに炊事、買い出し、洗濯をお任せする都合上、全てがホストの趣向やペース中心で進められます。
例えば私のホストの場合、洗濯は週に1度だけまとめて行う家庭だったので、日本から持ってきた数少ない洋服を1週間着回す必要がありました。また、食事についても用意してもらったものを食べるので、必ずしも好みの物が食べられるとは限りません。
自分の好きなタイミングで洗濯したり、その日の気分で食事内容を調整したりはできないので、その不自由さをデメリットだと感じる人がいるかもしれません。
ホームステイの生活環境② – ヘルプ
私はカナダに到着した当初、日本から持って来た冬物コートがペラペラの薄手でなんの役にも立たなかったり、1年のうちに3度も風邪をひいたりしました。
そんな時に助けてくれたのはホストファミリーでした。彼らはカナダの寒さを軽く見積もっていた私に、厚手のコートやニット帽、マフラー、手袋といった防寒着を滞在中ずっと貸してくれました。
また風邪をひいたタイミングでは、薬をくれたり食事を風邪に効くものに変えてくれたりしました。
本来であれば、防寒着や薬は自分で調達せねばならないものです。けれども、ホストファミリーのご好意でこれらを無料で提供してもらえたので、余分な出費を防ぐことができました。
特に風邪をひいてしまった時は、どの市販薬が効くか分からず病院にも行けない状況だったので、自宅でホストに支えてもらいながら療養できたのは本当に助かりました。
とは言え、最初からホストファミリーを当てにして、「何かあったら助けてもらえるだろう。」と自分で何も準備しないのは問題です。しかし、ホームステイでは結果として、現地の人に助けてもらえる機会を得やすいと言えるでしょう。
では、デメリットとしてどんな可能性が挙げられるでしょうか?それは、常に他者の存在を意識する必要がある点です。
いざという時には助けてもらいやすい反面、自分も普段からホストファミリーを気遣うことが欠かせません。
基本的にはホストファミリーの意向に合わせて、家の中の空気を乱さないようにするのが望ましいでしょう。
ここでひとつ、具体的なエピソードをご紹介します。
私の滞在先は3世代が一緒に生活している家で、おばあさんがいました。ホームステイ生活の序盤から、ホストマザーやシスターがおばあさんに毎日気を遣って生活している様子が見て取れました。
例えば、おばあさんの就寝時間が早いので、ホストマザー達は夜にヘアドライヤーを使うのを控えていたり、昼間もできるだけ物音を立てないように過ごしたりしていたのです。
私もその家庭でお世話になる以上は、それに従うしかありません。自室でNetflixやYouTubeを見るときはヘッドフォンをつけて視聴したり、おばあさんが外出している間や違う階にいる隙にお風呂からドライヤーまで済ませたりするなどして調整していました。
時々、日本にいる家族や友達と電話したい気持ちもありましたが、話し声でおばあさんに不快感を与えてしまうのではないかと考えて遠慮しました。
目上の方と生活するということもあり、学生同士でシェアハウスに住むのとは違う緊張感がありました。人によってはこの緊張感を堅苦しく居心地が悪いと感じてしまうかもしれません。
ホームステイの生活環境③ – 価値観
ホストファミリーとの共同生活を通じて、カナダ人の価値観を知ることができます。
学生とホストとの親密度は受け入れ先によって異なりますが、両者の距離が近い家庭だと日々の食事だけでなく食後の団欒(だんらん)や休日の外出も行動を共にしたりします。
私にとっては、日本人とは異なる生活習慣や考え方に触れて大きな刺激となり、「これはまさに海外で経験してみたかったことのひとつだ!」という実感がありました。
一方で、ネイティブと密接に関わることで宗教などに関係する相違が明確に出てきます。
実は、私のホストは熱心なキリスト教徒で毎週末の礼拝を欠かさない家庭でした。私はキリスト教信者ではありませんが、彼らは毎週の礼拝に私を誘ってくれました。
最初は異文化を知りたい気持ちから、何度か教会に連れて行ってもらいましたが、途中から興味が他へ向いてしまいホストとは別行動を取るようになりました。
すると、ホストマザー達は私にキリスト教の素晴らしさを改めて教えてくれ、聖書を読んで勉強するようにも勧めてくれました。彼らはもちろん良かれと思って熱心におすすめしてくれますが、度が過ぎるとそれを煩(わずら)わしいと感じてしまう留学生も出てくる可能性があります。
私自身もホストから「こんなに素晴らしい教えがあるのに、どうしてそれに従わないの?」と何度も尋ねられ、困ってしまいました。
ですから、ホームステイ生活では親密性が上がる分、お互いの価値観を尊重し合う適度な距離感が必要だと感じました。
ホームステイの学習環境
私がカナダワーホリ中に実感したのが、語学学校に通う場合はネイティブのカナダ人と話せる機会が少ないということです。
学校ではネイティブの先生と話せますが、授業中しかチャンスがありません。また、同じクラス内で友達もできましたが彼らは留学生で、自分と同じく英語学習中の生徒なので発音やボキャブラリーが常に自然で正確とは言えません。
けれども、ホームステイの場合(家庭によって異なりますが)は家に帰ればネイティブのホストファミリーと会話できます。私のホームステイ生活は、ホストとの会話がリスニングやスピーキングの練習になったり、ネイティブと話すことに慣れるいい機会だったりもしました。
しかし、学習環境においてもホームステイのデメリットとなり得る要素があります。それは生活音に関する懸念です。私はワーホリ中に2組のホストファミリーにお世話になりましたが、そのうちの1組は子供がいる家庭でした。
ワーホリ・留学生が家にいてもホストは普段通りの生活を続けます。ですから、子供が泣くこともあればホストファーザーが子供を怒鳴りつけることもあり、自室で勉強している時にそれらの声が気になる瞬間がありました。
また、犬などのペットを室内で飼っているホストもいるので、日本でそれらの環境に慣れていない場合は適応できるまでに苦労するかもしれません。
【まとめ】自分の生活や趣向に合う居住環境を見極めよう
私はワーホリの準備段階からホームステイ生活に憧れていました。「ホストファミリーと仲良くやっていけるかな?」、「ネイティブとの生活はどんな様子なのだろう?」と不安半分、楽しみ半分でいたのを懐かしく思います。
実際にホームステイ生活をしてみると、想像していた以上に価値があり思い出にも残る経験になりました。
けれどもそれは、外で派手に遊ばず、こぢんまりとネイティブの人々の生活を体験したいと考えていた私だからこそ相性がよかった居住環境だと思います。
週末は友達と時間を気にせず遊んだり自由に生活したりしたいと考えている人にとっては、ホームステイは退屈で窮屈かもしれません。
ですから、勉強以外の時間をどのように過ごしたいかを考えてみると、最良の選択ができるのではないかと感じました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。