留学・ワーホリ中に歯が痛くなった!デンタルケアを怠ると最悪の場合、緊急帰国も!?
こんにちは、カナダ在住のちひろです。
今回は留学やワーホリで海外滞在する際の注意点として、歯のケアについてお話ししていきます。
海外は歯科治療が高額になるという話は、一度は聞いたことのある方もいらっしゃるかも知れません。
実は私も過去にカナダで歯の調子が悪くなった経験があり、当時は高額な治療費を覚悟しながら歯医者へ向かいました。
しかし、その結果、「お金で解決できるならまだいい方だな…。」と思わされる事態になりました。
そこで本コラムでは、留学・ワーホリ中に歯の調子が悪くなった時に想定される事態と、デンタルトラブルを抱えないための予防策をご紹介していきます。
著者の歯科治療体験談
まずは、カナダで歯科治療を受ける際に大変だったポイントをシェアしていきます。私の場合は夜寝ている時に急に歯が痛み出し、その痛みは鎮痛剤を飲まなければ寝られないほど強いものでした。
「もしかしたら、虫歯かもしれないからすぐに歯医者へ行こう!」と考えつつ、その夜は痛み止めだけ服用して眠りにつきました。
そして、その次の日からは海外で歯医者に通う苦労を体感することになりました。詳しくは、以下の4項目に分けてご紹介します。
① 言葉の壁
私の場合は、歯医者を予約する段階で早速つまずきました。歯の痛みを感じた翌日にすぐ最寄りの歯医者へ電話しましたが、私の英語の発音が悪いせいか全く聞き取ってもらえなかったのです。
発音を意識したり別の言葉に言い換えたりしてみても結果は同じでした。そこで電話予約は諦めて、その歯科のウェブサイトに記載されていたメールアドレス宛にメールを送ることにしました。
文字情報であれば発音の問題がないので、予約を取ることに成功しました。
しかし、今度は既往歴(過去にかかった病気や治療、健康状態の詳細)を専用フォームで回答するのに苦労しました。
日常会話をマスターしていても、私のように歯科で使われるような治療に関する英単語には馴染みがない人もいると思います。
私はもともと、専門用語が理解できない確信があったので、日本語が通じる歯科医を探しました。
幸いアジア移民が多いエリアに住んでいたのでカタコトの日本語を話せる医師は見つかりました。
けれども、受付や歯科助手の方は生粋の英語話者だったので、コミュニケーションを取る際には難しさを感じました。
最終的には何とかなりましたが、日本であれば言葉の壁を感じることなくスムーズにやりとりできるので、今回の一件では不便さを感じました。
② すぐに受診ができない
カナダの医療施設を利用する際は、常に予約の取り難さを実感します。今回、検査予約が取れたのは痛みを感じてから2週間後の枠でした。
そして、検査日にそのまま治療をしてもらえたわけでもなく、さらにその1週間後に治療することになりました。アメリカに留学している友人も、虫歯治療してもらうのに1ヶ月も待ったそうです。
私が日本に住んでいた頃は、痛みを感じてから遅くとも数日後には治療予約が取れていたので、そのスピード感を懐かしく思いました。
③ 高額な費用
言葉の問題と予約の取り難さ以外に私が大変な思いをしたのは費用面です。
海外で使える保険に加入していても歯科が保障範囲に入っていないケースが多く、保険が歯科項目をカバーしている場合でも治療内容によっては全て自費になったりするケースがあります。
私の保険は歯科項目が対象外だったので、全額自己負担しました。具体的に日本円換算すると、検査で約10,000円、虫歯治療(1本)で21,000円、歯のクリーニングで16,000円かかりました。合計で50,000円近い予期せぬ出費だったので痛手となりました。
④ 町医者では治療が難しい病気が見つかる
検査の結果、見つかった虫歯は現地で治療できたのですが、私にはもう1つ問題がありました。
それは、歯茎の中で起きていた炎症です。この炎症は自然治癒や薬物投与による治療はできない病気で、手術で取り除くしかない深刻な症状でした。
治療内容も複雑になるそうで、担当医に「残念ながらここでは治せないので、日本での治療をおすすめするよ…。」と言われてしまいました。
もちろん大病院に行けばカナダでも治療してもらえますが、入院を伴う手術であれば何十万円もの費用が必要です。そうなると、日本への航空券代を含めても日本治療した方が安い計算になります。
私の場合は近々日本に一時帰国する予定があったので、ついでに日本で治療することにしました。もし数年単位でカナダに滞在し続ける予定だったら、緊急帰国もしくは大金を支払って現地で手術せねばならないところでした。
万が一のことを考えると、家族がいない場所での入院ほど心細いものはないでしょう。大きな手術をするのであれば、慣れ親しんだ国の方が安心できるかもしれません。
歯の問題は全て解決してから渡航すべし!
留学・ワーホリ先で私のような大変な目に遭わないようにするためにできることをご紹介します。まず、今後渡航を控えている方には、虫歯や歯周病、親知らず抜歯など現在抱えている歯のトラブルは完全に解決してから海外へ渡ることをお勧めしたいです。
渡航したばかりのタイミングで歯の問題が出てくると、土地勘、言葉、費用の問題でスムーズに治療を受けられない可能性があります。腕のいい歯医者がすぐに見つかればラッキーですが、相性の合う医師を見つけるのも実は苦労する点のひとつです。
私もカナダに再渡航する際に、虫歯と親知らず抜歯、矯正、ホワイトニングを完全に終わらせたので、その後2年間は歯のトラブルなく平穏に過ごせました。
定期検診は欠かさずに!
残念ながら、渡航前に治療を全て済ませたからと言って、手放しで安心できるわけではありません。次に私がおすすめしたいのが、現地での定期検診です。
どの病気についても言えることですが、自覚症状なくいつの間にか病状が悪化していることも考えられます。私の歯茎トラブルも実際にそうでした。
ずっと違和感や痛みがないまま日々を過ごしていました。痛みを感じた時には大病院へ行かないといけないレベルまで進行していて、医師からは「これはずいぶん前から炎症を起こしているみたいだね…。」と言われました。
炎症が起きている自覚のなかった私は、その診断結果に心底驚きました。そして、もっと小まめに歯医者へ行っておけばよかったと後悔しました。
定期的に検診を受けていれば、仮に虫歯ができてしまっても悪化しないうちに発見でき簡単な治療で済みます。
大掛かりな治療の前は精神的な不安が大きくなり仕事や勉強に対する集中力も下がってしまうため、何としてでも避けたいトラブルです。
正しいケアを理解しておく
最後に歯のケアで見落としがちなポイントをお伝えします。私は歯茎トラブルだけでなく、自分に虫歯があることも本当に信じられませんでした。なぜなら、日頃から念入りに歯磨きしていたからです。
入念な歯磨きだけでなく、寝る前に歯間フロスまでしていたので完璧に虫歯予防ができていると思い込んでいました。
しかし、歯医者での治療時に歯科衛生士さんから正しい歯磨き方法やフロスの使い方を教えてもらうと、日頃の自分のやり方では不十分だったことが分かりました。
しっかりとケアしているつもりでも、その方法が間違っていることは誰にでもあり得ます。
ですから、私がおすすめしたいのは「デンタルケアの正しいやり方」を把握しておくということです。
歯医者での定期検診時に聞くのもいいでしょうし、ネットで調べてみるのもいいでしょう。
【まとめ】 歯に痛みが生じてからの受診では遅いかも…
私は日本在住時、歯医者へは歯の調子が悪くなったら行くものだと思っていました。
けれども、留学やワーホリについて調べてみたり、現地のカナディアンに話を聞いてみたりすると、歯の大きなトラブルを予防するために歯医者で受診するという考え方があることを知りました。
本コラムでもお伝えしてきたように、歯に痛みがなくても小まめにチェックすることで、虫歯を予防できたり早い段階で悪化を食い止められたりする可能性があります。
皆さんには日々のケア方法の再確認、定期検診とクリーニングをあらためてお勧めさせていただきます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。