カナダ留学生&ワーホリのための入国ビザトラブル回避法!必読ガイド
このコラムではカナダ入国時のビザトラブルとその回避方法について解説しています。
カナダの入国時はちょっとの油断や気の緩みで取り返しの付かない事にもなりかねないため、カナダの学生ビザ、ワーキングホリデービザを利用予定の方はこのコラムを読んでしっかり対策していきましょう!
ビザ引換券システムを採っているカナダ
実は、カナダの入国時のビザ発給トラブルは、他国に比べて非常に多いです!
留学ドットコムでは、カナダ以外の国(アメリカ、イギリス、オーストラリア、マルタ、フィリピン、ニュージーランド、アイルランドなど)も多数取り扱っていますが、入国時のビザ発給トラブル数は実はカナダがダントツです。(苦笑)
その理由は、カナダが他国とは違った「入国時のビザ引換券システム」を採用しているためです。
カナダの学生ビザやワーキングホリデービザも、他国と同じように日本で事前のオンラインビザ申請をするのですが、日本国内でカナダのビザを取得する事はできません。
なぜならカナダの場合、日本でビザ申請をして手に入れられるのは「ビザの引換券」となっていて、正確には「ビザ」ではないためです。
このビザの引換券のような書類は「POE Letter=Port of Entry (POE) Letter of Introduction」と呼ばれ、直訳すると「Port of Entry=入国する場所」での「Introduction Letter=紹介状」という意味になります。
つまり、日本で手に入れられるのは「その入国者の事前審査を終えてますよ!」という紹介状だけで、ビザではないんですね。このカナダの引換券システムは「事前審査を終えているので、入国時のビザ審査はある程度スムーズ」というメリットもあるのですが、デメリットもあります。
それは「事前審査は終えていますよ」=「最終判断は入国時に判断するので、実際はどうなるか分からないですよ」という部分です。
つまり、カナダの場合、自分が欲しいビザがきちんと取れるのかどうかは…「最後の最後までフタを開けてみないと誰も分からない」=「最後の最後で、ひどいどんでん返しの可能性もある」という状態ですので、ある意味で恐ろしいシステムとなっているんですね…。
ビザ審査数が他国に比べて実質2倍!?
カナダは上記のように「ビザ引換券システム」を採っていますので、実質的に日本出発前に1回目の審査。
入国直前に2回目の最終審査というような形になり、実質他国に比べてビザ審査回数が1回多いと言えます。
実際カナダに限らずどの国であっても入国時には一定のトラブルはつきものですが、この「審査回数が実質1回多い」というのが、おそらくカナダのビザトラブル数が異常に多い最大の原因だと思われます。
これは何か複雑な理由や状況があるというわけではなく…単純に「カナダは他国よりもビザ審査回数や作業が多い」=「回数や作業が多いと移民局のミスも増えがち」という理由です。^^;
例えば、仮にもし移民局のミス率が1%で、オーストラリアとカナダのワーキングホリデー入国者100人を移民局が入国審査したという場合を想定します。
おそらく、以下のような感じでカナダの方が断然トラブルが多くなっているのでしょう。
→ 審査はオンライン申請時に1回だけなので、トラブルは1件(1/100)
→ 審査はオンライン&到着時で合計2回。入国者は100人だけど200回分の審査となり、トラブルは2件(2/200)でトラブル確率は2倍
実際、留学ドットコムのお客様でも、カナダ以外では入国時のビザ審査でのトラブルはほとんど耳にしません。
一方で、事実カナダに渡航される方は入国トラブルが毎年のように、さらに定期的に発生していますので…上記のような状況が間違いなくあるのだと思われます。
カナダ入国時のビザ発給の流れを理解しよう
カナダ入国時のビザトラブルを避けるために、まずはカナダ入国時のビザ発給の流れを理解していきましょう!
カナダ入国時のビザ発給の流れは下記のようになっています。
→ 飛行機から降りたら「Arrivals(到着)」という看板に従い移動
→ パスポートをスキャンして電子入国できる機械(Border Xpress)で受付対応
→ 機械から出てくるレシートを持って入国管理官のカウンターへ
→ 荷物が流れてくるベルトコンベアの場所で荷物を受け取ります
→ ベルトコンベアがあるすぐ横にImmigration(移民局)があり、そこへ移動
→ 順番を待って、準備してきた書類を見せながら窓口で質疑応答
カナダ入国時の流れは、他国ともほとんど変わらず、3番までは特に難しいものではありません。
「乗客の流れに沿って移動をして、入国審査をして、荷物を受け取る」だけでOKです。
ちなみに、観光ビザ(ビザなし)でカナダへ渡航されている人は4番のビザ発行は不要ですので、荷物を受け取ったらそのまま外に出られます。
しかし、学生ビザやワーキングホリデービザの方は、4番の移民局(Immigration)でビザを発行して貰わないといけませんので、荷物を受け取ったら空港内にある移民局オフィスへ立ち寄り、そこでビザの発給を受ける必要があります。
貰ったビザを確認することが超重要!
一般的なカナダ入国の案内は上記の1番〜4番なのですが…実は一般的には知られていない「最後の超重要な5番作業」というものが存在しています。
その作業とは、「発行されたビザの内容をしっかり確認すること」です!
→ ビザの有効期限、名前のスペル、苗字と名前の逆転、性別、ビザ自体の間違いなどをしっかりチェック!
実は、移民局オフィスで行われるビザ発給のためのやりとり自体は、決して難しいものではありません。
ビザ発給前の最終審査と言えども、日本出発前に既にオンライン申請(1回目)をしておりPOE(入国するための紹介状)もきちんと出ていますので、ビザ書類はたいていスムーズにパッと発行されます。
しかし「そのパッと発行されたビザ書類が正しいかどうか」というのは、まったくの別問題になります!
実は、この5番がめちゃくちゃ重要なのは、カナダでは「目的のビザが発行されない」というトラブルはほぼ100%ないのですが、「発行されたビザ書類が間違っている」というトラブルはめちゃくちゃ多いためです。
その理由は、留学生側と移民局側の双方にあります。まず留学生側としては、「日本とカナダの大きな時差+長いフライトの後でヘトヘトに疲れている」というのが1番の理由です。(時差で頭もボーッとしているかもしれませんね)
そして、ビザがきちんと発給されるかどうかというのは「留学やワーホリの最初に出会うめちゃくちゃ緊張する一大イベント」です。
そのため、ほとんどの留学生は移民局スタッフから無事ビザ書類を手渡された瞬間に「一大イベントが無事終わった!」と完全にリラックス状態になってしまい、そこで緊張の糸がプツンと切れてしまうのです。
「は〜良かった!欲しかったビザが無事手に入った…」という安堵感に包まれ…その瞬間にほとんどの方が完全に油断をします。(笑)
そして、「まさか自分が手渡されたビザが間違っている」なんていう事は夢にも思わず、そのまま空港を出てしまうのです。
一方で、移民局側としては、カナダ移民局の職員はオフィスが24時間体制となっていて、本当に朝早くから深夜までず〜っと毎日毎日何十人、何百人という人のビザ審査と発給対応をしています。
つまり、移民局の職員も単純に疲れていたり、ボーッとしているケースが非常に多いんですね。
また、職員もその日の気分や体調などは当然ありますので、あなたがもしその日「たまたまめちゃくちゃ疲れている職員」に運悪く当たってしまったら、間違ったビザ書類が出される可能性はグッと増える事でしょう。(笑)
また、その職員が仮に元気だったとしても「もともとうっかりな性格の職員」に審査されてしまう可能性もゼロではありません。
そのため、本当に最後の最後にカナダ移民局側のミスで間違ったビザ書類が発給されてしまうという事がよくあるんです。
実際、2023年にはカナダ移民局の職員が留学ドットコムのお客様(ワーキングホリデーの方)に対して、なんと「たった3ヶ月だけの有効期間でワーキングホリデービザを発行される」、「ワーキングホリデービザの有効期限がなぜか8ヶ月だけで4ヶ月少ない」というあり得ないミスがたった3ヶ月の間に2件も発生しています。
さらに前年の2022年には、発行された学生ビザの有効期限が「学校の卒業日よりも数ヶ月前」だったという事も複数回ありました。
また、少し前の2018年の学生ビザのお客様では、就労が必要な留学プログラム(Co-opプログラム)へ入学する留学生のビザに「学校外での就労は一切認めません」というとんでもない条件がくっついていたという事もありました…。
普通に考えれば明らかに移民局側のミス、間違いという内容であっても、留学生が入国時の疲労で油断してその間違いに気づかなければ…最後の最後にビザ発給トラブルに見舞われてしまうのがカナダ入国の恐ろしいところになります…。
そのため、ビザを発給して貰ったらあなたが絶対にすべき事は「もらったビザ書類をしっかり確認する」という事です!
もし、間違いに気づいた場合には「This is wrong 〇〇(Date、Condition、Nameなど)!」と大きな声で堂々と職員に伝えましょう。
もし職員の言っている事がわからなければ「Japanese Speaker Please」と依頼しても良いですし、「Please say it again more slowly」と何十回でも一生懸命依頼しましょう。
ちなみに、その場で間違いに気づいて職員に指摘や訂正の依頼をしても100%必ず対応してくれるというわけではなく、断られる可能性もあります。留学ドットコムのお客様でも、下記のような方がいらっしゃいました。
↓
2.カナダ出発前から1ヶ月以上時間を掛けて移民局とやりとり
↓
3.結局、移民局からは一切対応をして貰えず、そのまま出発日が到来
↓
4.空港到着時の移民局では、上記のやりとりをプリントアウトしたものを提示し、一生懸命に交渉や説明するも空港の移民局スタッフは「ここでは対応できない」との一点張り
↓
5.結局その方は入国後、学生ビザの再申請が必要になった
端から見たらあまりにひどい対応ですが…実はこうしたカナダ移民局の対応は決して珍しいものではなく、本当によくあることだったりします。
よくあることだからこそ、間違いに気がついたらダメ元で一生懸命交渉、説明するのが重要になっています。
空港から出たら一巻の終わり!?
空港の移民局オフィスで発給されるビザ書類ですが、もし運良く間違いに気がついたとしても…「既に空港を出た後だった」となれば、ビザ書類の即訂正は非常に難しく、ほぼ不可能に近くなるので注意が必要です。
具体的には下記のように気づくタイミングで書類の訂正成功確率が大きく変わるため、必ずビザ書類を受け取ったその場で確認をしていきましょう!
特に、空港を出てしまうことで訂正の成功確率は大きく減少してしまうので、最低でも「空港を出る前に気づく&すぐ対処」をしていきましょう。
また、一度空港のロビーに出てきてしまうと、空港にあるベルトコンベアの横にある移民局スペースには戻る事ができません。
もしロビーに出てきてしまった場合には空港スタッフに声を掛けて、「ビザ書類で間違いを発見したので、空港にある移民局オフィス=Canada Border Services Agency(CBSA)へ行きたい」と伝える必要があります。(入り口が分かりにくかったり、入りにくい場所にあるため空港職員へ質問するのが確実)
最後の望み(郵送申請)のご紹介
間違ったビザ書類を受け取り、カナダへ入国をしてから1ヶ月以上時間が経ってしまうと、上記のように訂正確率はものすごく下がってしまいます。
しかし、実はワーキングホリデービザの方で「移民局の間違いで短い有効期限が表記されている」というケースであれば、最後の望み(最終手段)という事で郵送の申請でなんとか訂正ができる場合があります。
この「ワーキングホリデービザの有効期限の訂正」は、オンライン申請では対応ができないため、下記のような郵送(書類送付)で対応をしていきます。
→ imm5556e、imm5710e、パスポートコピー、ビザ書類コピー、医療保険の保険証コピー、事情説明レター
→ 受取確認、追跡ができるように書留で発送
→ 移民局側で確認が取れた場合には、メールで連絡が届き、正しいビザ書類が郵送で送られてくる
ちなみに、こうした郵送申請による有効期限の訂正は、どうしても手間や時間が掛かってしまいますので、こうした郵送申請は本当に最後の最後の手段としていきましょう!
一番は「やはり空港でビザ書類を受け取った際にすぐ確認、訂正依頼をする」に限ります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
カナダ移民局でのトラブル、入国時のトラブルは誰にでも起こりえる事で、とにかく「最後の最後まで油断しない」というのが何より重要というのが伝わりましたでしょうか?
もしカナダの入国トラブルに遭ってしまい、困っているような場合には留学ドットコムへ一度ご相談ください!
対応内容によって無料、有料のケースはございますが、もし他社さんご利用の場合であってもアドバイスやサポートができる場合がございますので、気になる方は公式LINEからお気軽にお問合せください。
ビザ申請でのトラブルは非常に多いですので、これからビザ申請をするという方はぜひ以下のコラムもご参考ください!
あなたもしっかり事前準備と情報を集めて、正しいビザ書類をゲットできるようにしていきましょう!