カナダで保育士資格を取るには?今すぐ知りたい成功のカギ
子供が好きな人なら一度は考えたことのある資格「保育士」。
最近は男性保育士も増えていますよね。
保育士のニーズは日本にも多いですが、カナダでも保育士のニーズが高いことご存知ですか?
日本人からはワーキングホリデーでも留学先・移住先としても最近人気の高いカナダ。
今回はカナダで保育士になる方法をご紹介していきます。
このコラムは・・・こんな人に向いています。
・英語が好きな人
・子供が大好きな人
・子供や社会と関わる仕事がしたい人
・カナダへの移住を考えている人
日本とカナダでの保育士のなりかた
まずは日本とカナダでの保育士のなり方について簡単にご紹介します。
基本的には、カナダも日本と同じように「指定教育機関を卒業して保育士の資格を取得する」というのが一般的になっています。
ちなみに日本では保育士養成施設に通わず「保育士の国家試験に挑んで合格する」というルートでも資格取得が可能です。
しかし、実際は難易度やハードルが高いためあまり一般的ではありません。
カナダの保育士資格の種類
一方、カナダの保育士資格は、正式にはECE(Early Childhood Educator)と呼ばれ、ECEの資格証明書は主に3つの種類があります。
・ECE 1年証明書
・ECE アシスタント証明書(5年有効)
まずECE(5年)とECE(1年)ですが、どちらも保育士としての業務内容、できる事については違いはありません。
単純に、証明書として有効期限が長いか、短いかだけの違いだけになります。
ECEの資格は「取得したら一生涯ずっと有効!」というものではないため、定期的な更新が必要になっています。
そのため、当然有効期限が長い5年のものの方が更新頻度が少なくてオススメなのです。
しかし、有効期限が長いECE(5年)を申請するためには、学校の卒業に加えて「500時間の実務経験」が必要となっています。
つまり州政府指定の学校を卒業した場合でも、申請時に「500時間の実務経験がない人」は自動的に1年間のECEが取得資格となります。
ちなみに「ECEアシスタント」の有効期限は5年になっていますが、その名の通りECEアシスタントの資格では単独では保育士として働く事ができません。
ECEアシスタントは、必ずECEの資格保持者と一緒に働かなければいけないという制限があるんですね。
カナダの保育士専門学校へ入るには?
カナダの保育士資格であるECEを取るためには、州政府指定の教育機関に入学し、プログラムを卒業すれば良いというのが分かりましたね!
では、次はカナダ保育士の専門学校に入学するのに必要なものを見ていきましょう。
入学に必要なもの
・規定の英語力(IELTS 5.5~)
・高校卒業資格
・19歳以上
・レファレンスレター
・3~5歳児との50時間のボランティア活動
まず英語力や高校卒業資格、年齢といった部分は、海外の専門学校入学に必要な一般的な要件となっています。
また、レファレンスレターとは、日本語に直すと「推薦状、推薦の手紙」というような書類になっていて、海外のビジネスシーンでは多く求められるものになっています。
この場合には、自分の周りの人(家族や親戚、友達など)に依頼をして、「入学を希望している〇〇さんは保育に関する専門学校へ入学するにふさわしい人物ですよ」という内容を手紙を書いて貰い、それを学校へ提出します。
ちなみに、学校側ではこのレファレンスレターのフォームが準備されていて、作成が特に難しい書類などではないのでご安心ください。
それから、最後のボランティア活動については少し珍しい入学条件となっています。
これは学校側が生徒に対して「子供と携わる経験をもった上で入学、授業に参加して欲しい」、「入学前に子供と携わる経験があった方が授業内容の理解を深めやすくなる」と考えているため設置している入学条件になっています。
実際こうした学校入学前のボランティア経験については、個人的にはすごく良い入学条件だと思います。
やっぱり仮にボランティアであっても、実際に小さい子ども達を保育する経験を持つ事で「保育士になるぞ!」という気持ちが強くなったり、「やっぱり子ども達と触れあうのが楽しい!」という気持ちになれると思いますので^^
ちなみにカナダでの就職の際にも、この入学前のボランティア経験は一つのアピールポイントともなっていたりしますので、無駄になることなどもありません!
入学前ボランティアのハードルは?
上記の「50時間の幼児に関連するボランティア活動」が少しネックに感じられる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、50時間という時間は思っているほど高いハードルではありませんのでご安心ください!
例えば土曜日か日曜日のどちらか1日8時間や、土日それぞれで4時間を半日ずつボランティアを続ければ1ヶ月半程度で条件は満たせるような時間になっているためです。
また、この条件はボランティア団体を通した正規のボランティアで50時間を満たすのも可能ですが、親戚や近所の子供の面倒をみてその親御さんに証明書を作成してもらうということでも可能だったりします。
そして、この幼児に関するボランティアはカナダではなく、なんと日本での経験も対象となっています。
もし日本で、3歳〜5歳の親戚やお世話ができそうな仲の良い近所のお子さんがいれば事前に日本でボランティアしておくのもオススメです。
オススメの保育士養成専門学校のご紹介
次は留学ドットコムオススメの保育士養成コースのある専門学校(STENBERG College)を例にして、実際にカナダでどんな学習をして資格を取得するのか見ていきましょう!
まずは、STENBERG Collegeの概要をご紹介します。
STENBERG Collegeは、1990年の創立以来、教育・ヘルスケアなど人に関わるサービスについて学べる専門学校として地域に根ざした運営を続けているカナダの専門学校になります。
場所はバンクーバーがあるビクトリア州にあり、キャンパスはバンクーバー市街地からスカイトレインで35分という立地になっています。
学校では充実した学習内容はもちろんですが、その実践的なプログラム内容から卒業生の就職率が非常に高くなっているのが魅力です。
また、STENBERG CollegeはECE(保育士)コースだけではなく、介護士などのコースも運営していますが、違うコースに通っている留学生との交流も盛んです。
これはSTENBERG Collegeのキャンパスは1つだけのため、学内にいれば違うコースの留学生とも頻繁に顔を合わせる事ができるためです。
違うプログラムであっても同じ留学生同士で交流が深めて、学校外でも充実した留学生活が送れると大変評判となっています。
STENBURG CollegeのECE(Early Childhood Education)プログラム
次は、ECEの保育士プログラムをより細かくみていきましょう!
STENBERG Collegeの保育士コースは、入学時の英語力に合わせてA~Dの4つのプログラムから選ぶ事ができます。
A:ECE Basic Certificate 46週間
B:ECE Basic Certificate with co-op 69週間+4週間の休暇
C:EAP+Basic Certificate 58週間
D:EAP+Basic Certificate with co-op 81週間+4週間の休暇
まず大きな違いとしては、入学時の英語力でコースが分かれている点です。
基本的にはECE(保育士)コースを受講するためにはIELTS6.0以上の英語力が必要になっています。
しかし、学校が指定するEAP(English for Academic Purposes:進学英語コース)を保育士コースの前に挟むことで、規定よりも一段階低い英語力(IELTS5.5)から入学する事が可能です。
またもう一つの違いは「Co-op(有給インターンシップ)」の有無となります。
A、Cはインターンシップがないコースとなっていて「授業だけのシンプルコース」となり最短期間で資格取得と卒業ができます。
一方、B、Dは保育士コースに加えて「有給インターンシップが含まれたセットコース」になっていて、下記のように有給インターンシップ分のコース期間が延びている形になっています。
オススメは断然インターン付きプログラム!
留学ドットコムでオススメしているのは、断然Co-opありのB&Dプログラムです。
B:ECE Basic Certificate with co-op 69週間+4週間の休暇
D:EAP+Basic Certificate with co-op 81週間+4週間の休暇
なぜならCo-op付きのプログラムを利用することで下記のメリットがあるためです。
メリット1)大きな収入となる
Co-opとはプログラム期間中の有給インターンシップの事で、Co-opプログラムを利用することでこの期間には現地企業でお給料を貰いながら働けます!
保育に関するCo-opの平均時給は26〜32カナダドルです。
そのため、もし「時給26ドル×1日8時間×5日×23週」の有給インターンシップに参加すると、Co-op期間中に最低23,920ドルもの現地収入を得る事ができます。
これはレート110円で計算をすると260万円以上の収入となります。
これくらい大きな収入となれば、滞在中の生活費や学費の大部分をカバーすることも当然可能です。
そのため、結果として手出しのお金を極力少なくして、お得に留学ができる事に繋がるんですね。
ちなみに、ECEプログラムでは、上記のCo-op期間の前からパートタイムで補助保育士として働く事も可能です。
これは、ECEプログラムがスタートして2ヶ月後になるとECEアシスタント(補助保育士資格)が申請、取得が可能になるためです。
この資格を取得することで、有給インターンシップがスタートする前でも空き時間で補助保育士としてのパートタイムの仕事ができますので、さらに現地費用や学費面でメリットが出てきます。
また、カナダのCo-opの仕組みについてより詳しく知りたい方は下記のコラムが参考になると思います。
メリット2)卒業後の就労資格に繋がる
そしてもう一つのメリットは、Co-opプログラムを履修することで、ECE 5年間の申請条件である「500時間の実務経験」をクリアできるという点です!
これは、STENBERG CollegeのCo-opプログラムには「500時間の有給インターンシップ」が含まれているからです。
Co-opプログラムで勉強し、卒業をすると自動的に5年間のECE資格が取得できるのは魅力ですよね!
もちろん1年のECE資格でも中身は変わりませんので、もちろん1年ごとの更新でも良いですが…せっかくならばより長い資格を取得した方が手間なくお得です。
ちなみに、現在カナダではかなりの保育士不足となっていますので、STENBERG Collegeを卒業した学生も、カナダ現地の保育関連企業から就労ビザの申請サポートしてもらい現地就職の希望を数多く叶えています。
さらに保育士は5年間のカナダ就労資格だけではなく、カナダでの永住権申請にも有力な職業の一つにもなっていますので、現地就職後の永住権申請も視野に入れることも可能なんですね。
カナダの保育士になれたらどうなる?
次は、STENBERG Collegeのようなカナダでの保育士養成学校を卒業し、無事保育士免許を取得した時の就職事情についても解説していきます。
カナダでの保育士免許を無事取得ができたら、カナダでは託児所やデイケア、ビフォアフタースクール、プリスクールなどで就労することができます。
前述の通り、カナダでは現在保育士が足りておらず、ものすごく需要が高いお仕事ですので仕事が見つけやすく、また好条件で働く事ができるのです。
実際の就労条件も少し見てみましょう!
上記のようにECEの求人では時給19〜28ドルで見つかることが多いですし、政府管理の求人ウェブサイトでも検索結果が1478件も出ているというのはその大きな需要をしっかり感じて頂けると思います。(2024年9月時点)
ハードルが低く、卒業時に得られるものは多い!
カナダには数多くの専門学校、コースがありますが、その中でも保育士コース(ECEプログラム)はハードルが低く、その上で下記のように得られるものが非常に多いコースとなっています。
・BC州政府公認保育士 Early Childhood Educator(ECE)5年資格取得
・カナダでの有給インターンシップ(co-op)体験
・ECEアシスタントやインターンでの収入
・カナダでの長期滞在
・モンテッソーリ教育が学べる
海外での専門学校入学、留学とはなりますので、入学時に規定の英語力は必要です。
しかし、入学のために頑張って身に付けた英語力は長い目で見れば自分の将来に必ず役立つことは間違いありません。
なのでぜひ入学前の英語力アップも前向きに取り組めるとれると良いですね^^
ちなみに、最後のモンテッソーリ教育(子供には自分を育てる力が備わっているという考えを基本とした教育法)は、Appleのスティーブジョブスや棋士の藤井聡太などが受けた教育法です。
日本ではまだあまり知られていない教育法ですので、カナダで学べれば保育現場だけでなく、ご自身が親になった時にも子育て時にモンテッソーリ教育を取り入れたり、就職時に魅力的なアピールをする事にも繋がるはずです。
まとめ
カナダ・BC州で保育士として働く方法とその魅力は伝わりましたでしょうか?
多民族国家のカナダで長期生活をすること自体がなにより貴重な経験になります。
また、様々な出身国の方との交流、英語を使った就業体験や日常生活、そして大人になってからの学生生活はものすごく刺激的なはずです!
きっと自分が学生だった頃は、時間そのものの貴重さを実感していなかったかと思いますが、一度社会に出てから学生に戻る事で、自由に使える時間があることの喜びをそれまで以上に感じられるはずです。
また、インターンシップ先はきちんと登録された派遣先になるので、給与は最低時給はしっかりと守られ、安定した収入を確保できます。
さらにプログラムの中には4週間のホリデーがあるので、アルバイトやインターンシップで貯めたお金を使ってこの間にカナダ国内の旅行や日本への一時帰国、周辺の国への海外旅行なども存分に楽しみましょう!
保育留学について気になった方は、ぜひこちらの姉妹コラムご覧下さい。
Q&A
また最後にオマケとしてプログラムに関して良く頂くご質問とその回答をご紹介します!
Q:STENBERG Collegeの魅力は?
A:STENBERG Collegeの魅力は大きくわけて3つあります。
1)35年以上のキャリアもつ幼児教育のベテラン講師在籍
学部長のパットは認可幼稚園を運営し、複数の保育園で子供向けの音楽プログラムを指導してきました。
こうして幼児教育に35年以上携わり、幼児教育の学位取得、AMIモンテッソーリ認定も受けています。
このベテラン講師がプログラム受講者を子供を尊重しつつ、愛情を持ってケアすることができる保育士へと育成していきます。
2)在籍中はキャリアカウンセラー・移民コンサルタントが無料サポート
カレッジ在籍中には学んだ内容を活かすためのキャリア形成についての相談やそのまま永住権申請を検討する際に相談できるサービスを無料で受けることができます。
特に移民コンサルタントとのカウンセリングなどは通常数万円程度の内容になるので、これはかなり助かりますね。
3)語学学校CCEL/Canadian Collegeと連携しているので、英語力の心配がある方も安心
前述のとおり、英語力 IELTS5.5以上の方向けプログラムとして、進学英語コースが一緒になっている内容もあります。
IELTS5.5もない状態の生徒でも提携する語学学校のESLで学び、進学することが可能になります。
同じ系列の学校で一貫して学ぶことができるのは何より安心かと思います。
Q:ECEプログラムの内容は?
A:基本的には日本の保育家庭のある大学で学ぶ科目と似たような内容になっています。
具体的には、学習に関する一般的な教養的なものから、子供を保育するのに必要な健康や安全、栄養学に関するものや子供のケア、子供の両親への対応、音楽やお遊戯、お絵かき、読み聞かせなどです。
実際の科目名は下記の通りとなっています。
• Orientation and Student Success Skills
• Early Childhood Education Foundations
• Child Growth & Development |
• Child Growth & Development lI
• Emerging Curriculum
• Observation & Recording
• Health, Safety, and Nutrition
• Guidance and Caring
• Curriculum Development Courses (Music & Movement, Creative Art, Language & Literature,Science,
Socials & Math)
• Family-Teacher Relations
• Practicum Seminar & Practicum 1 & 2
• Career Search Strategies
• Cooperative Work Experience
Q:ECEアシスタントについて教えてください
A:ECEアシスタントの資格があれば、コース開始から2ヶ月後から働きはじめる事ができます。
現在保育士の人手が足りないため仕事が探しやすく、時給などの労働条件もかなり良くなっています。
正規の保育士の時給と比べると少し落ちますが、時給20ドル前後で下記のように求人数もたくさんございます!
Q:ECE以外に取得できる資格は他に何がある?
A:卒業時に取得できる「ECE(カナダ正規保育士免許)」、上記の2ヶ月後に取得できるECEアシスタント」に加えて下記の民間資格も取得可能です。
・Workplace Hazardous Materials Information System (WHMIS)
→作業場危険有害性物質情報システム管理下での危険物扱いなどの知識
・Emergency Child Care First Aid
→子供への応急処置方法
・FOODSAFE Level 1
→食品衛生についての知識の修了証
・Personal and Professional Developments Skills
→全ての業務に共通する仕事、対人関係に関するスキル
・Appetite to play certificate
→幼児期の身体活動と食事についての知識
Q:就学中は保育士関連以外でも働ける?
A:はい、就業中は保育士関連以外の職業でも問題なくアルバイトが可能です。
学校で学んでいる内容に関連した保育関連のお仕事をする事もできますし、保育とはまったく関係ないお仕事(レストランのような飲食店など)も可能です。
これは、Co-opとしての学生生活中は学生ビザとオフキャンパスワークパーミットという就労許可証が有効になっていますので、保育士のインターンシップとは別に週24時間のアルバイトが可能です。
週24時間という制限があるので、基本ワーキングホリデーのように仕事を詰め込みものすごく忙しい生活になってしまう!という心配もありません。