多くの留学生が学校を選ぶ時、選ぶポイントは正しい?プロの目から検証!
私達エージェントがカウンセリングをさせて頂く際、学校選びの段階でよく以下にあるようなポイントでおすすめ校を尋ねられます。
・とにかく授業料が安い学校
・少人数や小規模な学校
・田舎の地域やマイナー地域の学校
本当にこれらのポイントは学校選びとして正しいのでしょうか?
お客様によっては、そもそもどのように語学学校を選べば良いのかも分からない方もいると思いますが、今回のポイントを参考に学校選びをして頂くと良いです。
それでは早速、それぞれ選ぶポイントは果たして正しいのか、じっくり検証いきましょう。
フィリピン留学で日本人が少ない学校はどうか?
まず日本人に人気の高いフィリピン留学ですが、フィリピンは他留学国とは特殊なので、欧米圏の留学地とは分けて見ていきたいと思います。
フィリピン留学は、欧米国と違い日本人が少ない学校であってもその他国籍、例えば韓国や台湾などアジア人で占めているケースが大半です。
そのため、ヨーロッパ人、南米人、アジア人と世界各国から生徒が集まるような「国籍バランスが良い」学校は少ないのが現状です。
最近ではフィリピン留学の語学学校の中でも、日本人率25%、韓国人25%、中国人15%、台湾人20%、他ベトナム、ロシア、モンゴル、アラビア人など国際色豊かな学校も増えてはきました。ただやはり欧米国からの生徒は少ないですね。
一方、欧米圏の語学学校は、国籍バランスを取るために調整を行っており、例として日本人2割、韓国人2割、南米人4割、ヨーロッパ人4割…と比較的バランスが取れています。
フィリピン留学はアジア人が多いという前提で、日本人が少ない学校を選ぶメリットとデメリットをまずは見ていきましょう。日本人が多い学校は日本資本の学校、逆に日本人が少ない学校は韓国資本が多くなります。
韓国資本の語学学校の特徴は以下の通りです。
日本人が少ない学校のメリット(韓国資本)
・日本語を話す生徒が周りに少なく、英語環境になりやすい。
・日本人同士で固まりにくい。
・他国の生徒と仲良くなりやすい。
・比較的リーズナブルな学校が多い。
日本人が少ない学校のデメリット(韓国資本)
・日本人生徒が少ないため、日本人スタッフがいない場合も。
・韓国料理が多くなるため、辛い料理が苦手な方にはキツイ。
※日本人率が少ないので、日本食メイン、日本のクオリティーを求められません。
次に日本資本の語学学校の特徴を見てみましょう。
日本人が多い学校のメリット(日本資本)
・日本人スタッフが在籍しているので、日本語で相談できる。
・生徒の過半数以上が日本人のため、日本人へのサポートが手厚い。
・日本料理に精通したシェフがいる。または日本人好みの料理が提供。
日本人が多い学校のデメリット(日本資本)
・日本語環境になりやすい
・比較的新しい学校が多い
どちらを選んでもメリット、デメリットがあるので、どちらを優先させたいかによります。
お客様の要望にもよりますが、基本的にはじめての留学の場合、サポートが厚い日本資本の語学学校が良いのかも知れません。ただ、最近は韓国資本の学校であっても複数名の日本人スタッフを常勤させ、食事も改善されている学校も増えています。
私の一番のお勧めとしては、どちらにも偏らない日本人4割位のバランスの取れた学校であれば、多くのお客様にとって不便なく過ごしてもらえるかと思います。
極端に日本人が少ない学校を選んで、「自分を厳しい環境に置いて英語力を伸ばす!」と意気込んで入学した方も多々います。しかし、実際学校に行ってみると孤立してしたり、困ったことがあった時に日本人スタッフ不在で相談できなかったりと、勉強も手につかず心が折れてしまう方もいました。
日本資本の場合、日本人率ほぼ100%の学校もあり、避けたいと思われる方もいます。しかしながら、一日の過ごし方を考えてみて下さい。
フィリピン留学では、日本資本の学校であっても一日あたり8~10コマ授業で英語漬けになりますし、授業以外も約3時間の自習は当たり前です。そうしますと1日24時間のうち、13時間程は英語に触れてる時間です。
その他睡眠、食事、シャワー時間など考えると自由時間はあって2時間程度でしょうか。そのフリータイムも「日本人や日本語を避けて過ごしたい!」と果たして思われるかどうかを基準に考えて頂けると良いのではないでしょうか。
そうは言っても、「日本人だらけの学校は気になる」、「グループレッスンで日本人が多いのは…」と言われる理由も分かります。その場合は、日本資本以外の学校を選択し、ある程度日本人が在籍している学校を選ぶことをお勧めします。
ちなみに、韓国人や台湾人が多い学校でも皆さん授業で疲れています。授業や自習で忙しいので、いつでも会話に付き合ってくれるワケでもないので過剰な期待は禁物です!
欧米留学で日本人が少ない学校はどうか?
次に欧米圏の留学地で日本人が少ない環境、国籍バランスが整ってる環境はどうなのか、掘り下げていきましょう。
ご留意頂きたいポイントとして、ホームページなどで公開されている日本人割合はあくまで全校生徒あたりの比率であること!
初級者クラスは、スピーキングが苦手な日本人を含むアジア人が固まりやすい傾向にあります。私も経験があるのですが、はじめて留学した時のクラスは、1クラス15人程でしたがそのうち5人が日本人でした。つまり私のクラスの日本人率は30%です。
幾ら日本人割合が低いと謳っている学校であっても、比率はあくまで参考程度に見るべきです。日本人がどれだけいるかは、クラスにもよっても違うということを頭の片隅に入れておきましょう。また日本人の人気国では、日本人がメインという国もあります。例えば、ハワイでは日本人割合が50~70%という学校も珍しくありません。
欧米圏の語学学校では、校内外でアクティビティが開催されています。ランチタイムでも他のクラスの生徒と出会える場が提供されています。つまり、クラスに日本人が多くいたとしても、授業以外で日本人以外の友達が作りやすいと言えます。
1日に8~10コマ授業で英語漬けになれるフィリピンと違い、欧米の学校では授業時間は約半分です。また、授業も15名前後のグループ授業で行うため、基本的に先生の英語を聞いている時間が大半です。
英会話力の向上は、如何に授業時間以外で英語を使えるか、によって自身の英語力の伸びが変わってきます。積極的にアクティビティに参加して、日本人以外の友達もたくさん作って、自ら英語を使う環境を作り上げることがポイントです。
では、日本人が多い学校は良くないのでしょうか?
「日本人が多い = 空き時間に日本語を話してしまう」状況に陥ります。ただデメリットばかりではありません。例えば、カナダバンクーバーにある iTTTi では、日本人率は約3割ですが、スピーキングや発音が苦手な日本人にとっては充実したコースが用意されています。
iTTTi のスピーキングクリニックコースでは、ドラマのワンシーンを再現しネイティブの話し方を真似してよりナチュラルな会話を目指します。また指示されたテーマで2分間のスピーチも行い、単純にスキルを身に付けるだけではなく自信もつきます。
スタンダードな一般英語コースも良いのですが、このようにユニークなコースも受講するとメリハリがついてモチベーションも上がります。
また同じくカナダの VIC は、日本人率25~30%です。やはり発音矯正、スピーキング向上を目指す方に最適なコースを提供し、卒業生でもアクティビティにも参加できますし、学校のパソコンも使用できます。
単純に日本人が多い学校を避けるばかりではなく、こういったコースやサポートが充実していた方が良いのかも学校選びのポイントの一つとして考えると良いでしょう。
とにかく授業料が安い学校を選ぶ
こちらもよくお客様から聞かれるリクエストの一つです。「安かろう、悪かろう」の理論は留学においても同じで、例外もありますが、やはりそれなりのリスクは覚悟しないといけません。
いわゆる激安校の場合は、施設の老朽化や講師の質が低い、新人教師やパートタイマーの教師が多いといった現象も出てきます。フィリピン留学だと食事の質が落ちる、学生寮のメンテナンスが整ってないケースも目にします。
私もかつてリーズナブルな学校で授業を受けてみたのですが、相場以上の語学学校の授業と比べると、少し物足りなさを正直なところ感じました。とてもフレンドリーで話しやすい先生だったのですが、新しい先生で少し不慣れな感じがしてしまいました。(あくまで個人の感想ですが。)
学費が安いので、その分講師のお給料も安く抑えないといけません。教師としての経験値が浅かったり、正社員ではないパートの講師が担当したりすることも。ただ、英語力が無い方にとっては、逆にガツガツ教えられるよりもフレンドリーで優しく対応してくれるような講師が合っている場合もあります。
一方で高額な学校を選ぶことがベストな選択となるのでしょうか?
講師の質もそうですが、費用は学校が提供するサービスや施設レベルに比例します。例えばフィリピン留学の場合、高級コンドミニアムを学生寮として利用する場合は相場よりも割高になりますし、相場の学校であっても一人部屋を選べば月20万円は超えてきます。
高級志向で設備重視であれば、相場よりも割高な学校を選ぶべきでしょう。
施設や食事に過度な気にしないが、「しっかり勉強はしたい!」という方には、相場くらいの学校を選ぶことをお勧めします。
欧米留学での語学学校では、オリジナルのテキストやツールを利用し校内施設も充実させ、ハイレベルな試験対策コースなどに対応できる講師を多く雇っているような学校は少し値段が高めの傾向にあります。
とにかく学校、施設、講師、サポート、食事の質は一切問わずに安く済ませたい場合は、値段重視で選ばれるのも手ですが、実際に学校に行った後何かと不便なことが出てくる可能性があります。
何事も極端な選択は良くありませんね…。
気になることは必ず留学エージェントにご確認頂いて、ご納得・ご了承の上で手続きを進めて行くと良いと思います。
少人数や小規模な学校を選ぶ
いわゆるアットホームな学校がいい、先生と生徒の距離が近い方がいい、大規模な学校は圧倒されてしまうから嫌だという方からこのようなリクエストを頂きます。
私は過去に大規模校と小規模校どちらも通学した経験があるので、その時の話を少しさせて頂きます。
小規模な語学学校の印象
私が通った学校は、カナダの日本人が殆どいない小さな都市の語学学校(既に閉校)に通っていました。
全校生徒は恐らく数十名だったと思いますが、校内の生徒の顔は殆ど把握できる程度の規模でした。良かった点は、皆仲良く楽しく家族のように過ごせたという点です。特に日本人が少ない都市だったので、不安に思うこともすぐに先生や友達に相談し、助け合い不都合に思うことはありませんでした。
人によっては距離が近すぎると感じるかもしれませんが、私の性格上特に気にしなかったので、むしろ楽しむことができました。
また学校規模が小さくスタッフとも良く話をしていたので、自分のリクエストにもきちんと耳を傾けてくれ柔軟に対応してくれました。「アクティビティでこんなところに行きたい!」など気軽に相談もできます。
一方、気になった点としては、クラス数が少なかったことです。初級・中級・上級ありますが時期によっては、全校で2~3クラスだったと思います。よって同じクラスであっても生徒間の英語レベルの差は感じました。
大規模校の場合は、在籍する生徒数が多いのでグループクラスのレベルがとても細かく分かれています。初級の中でも2段階、中級でも3段階ときめ細やかに分かれています。
小規模校は講師の数が少ないため、同じ先生に当たることも多くなります。長期で通っていた生徒に聞いたところ、同じ内容の授業を繰り返しやっている場合もあったそうです。期間中に教わる先生は限られてくるため、マンネリ化する可能性もあります。
一方、フィリピン留学の場合は、マンツーマンのレッスンがメインになります。大規模校の場合は講師が多数いるため、仮に相性が合わない場合でも先生を比較的変えやすいです。
小規模校はそもそも講師の数が少ないので、先生を変更してもらうにしても、変わりの先生がいない場合もありますし、選べる状況ではないかもしれません。
小規模校は倒産リスクもあります。そう、私が通っていた語学学校も現在はありません。ビジネス規模が小さいので、大規模校に比べると体力がありません。ある日突然倒産することも頭の片隅に入れておかないといけません。
大規模な語学学校の印象
私はオーストラリア留学の際、世界展開している大規模校に約4カ月通ってました。先述の通り、レベル分けはとても細かく安心して授業に臨みとても満足しています。
特に世界展開している大規模校ならではだと思いますが、本部でしっかり管理されているため質を一定に保ちカリキュラム、設備、教材何をとってもよく考えられていると感じました。
例えば、学校オリジナルの学習ツールを授業時間以外に無料で使用でき、テキストも市販のものではなく独自開発されたものを使用し効率良く勉強ができました。またクラス数が多かったので、各クラスで日本人も分散されており、日本人の多さは気になりませんでした。同じクラスには世界各国の生徒がいて、ワクワクしたのを覚えています。
ただ皆さんが想像する通り、大規模校は校内の人数が多いので、アットホーム感は薄れます。友達を作るのが苦手な方にとっては、過酷な環境かもしれません。私も知らない生徒が大勢参加するアクティビティには、積極的には参加しませんでした。ひとまず同じクラスや同じタイミングで入学した生徒と仲良くしてましたが、少し勿体なかったですね。
アットホームな学校では、自分から話しかけなくてもスタッフも生徒も距離が近いので、仲良くなれるチャンスが多々あります。一方、大規模校はとにかく人数が多いのでそれぞれ顔も把握しておりませんし、自分から動かないと人脈作りは難しいかと思います。
また学校スタッフは大勢いる生徒一人一人に時間をかけられないため、何でも手厚くサポートして欲しい方には向いていません。
ちなみに、大規模校でも同じ都市内にキャンパスを複数設置しているところもあります。この場合は、全校生徒数は少なくなるのでアットホーム感は増します。
留学がはじめて英語力もまだ無い、人付き合いが心配という方はどちらかというとアットホームな学校が安心かと思います。ある程度英語力がある方にとっては、手厚いサポートも不要ですし、よりレベルの細かいコースが多彩な大規模校を選ぶのがお勧めです。
田舎の地域やマイナー地域の学校から選ぶ
こちらのポイントをこだわる理由として、日本人が少ないエリアが良い、大都市は苦手、人とは違った場所に行ってみたいなどが挙げられると思います。
日本人が少ないマイナーな地域に行く不都合は、何かあっても周囲に助けてくれる人が少ない点です。
また田舎の地域でアルバイトをしたい場合は、求人数が極端に少なく、なかなか仕事が決まらないというケースもあります。上述で紹介した私が訪れたカナダのマイナー地域では、ショップが数えるほどしかありませんでした。
ローカル(現地)の人と職を争わないといけないので、ネイティブ並みの高い英語力や経験値がないと中々雇ってくれません。その地域にも日本食レストランが幸いあったので、そこで働いている留学生は多かったです。
マイナー地域は色々と過酷な状況ではありますが、良かった点としてはガイドブックに載っていない、人には知られていない自然豊かな環境、自分なりの観光スポットを発見できることです。
現地の人も温かく癒される気持ちでした。大都市はどうしても皆忙しく他人に構っていられませんが、田舎ならではののんびりした雰囲気は個人的には好きで楽しんでいました。
現在日本の大都市に住んでいる場合は、真逆の田舎に行きたい方もいますし、逆に田舎のエリアに既に住んでいて大都市が苦手な方は、同じように留学先でも少し田舎の地域を選ぶ方もいます。
ただし、日本と海外では、「田舎具合」には差があります。
よくお客様から頂く声として「自分が思っていた田舎と違っていた。想像以上に田舎で周りには何もない…。」といった声も。期待や想像を膨らませるだけでなく、ある程度覚悟もしておく必要があります。結局アルバイトが見つけられず、都市部に移動するパターンも良く聞きます。
田舎の地域に行く場合は、ある程度の英語力や自信がある方。そして、アルバイト探しに苦戦した場合、生活を維持できるだけの資金力がある方。その条件が整っていない場合は、最初は都市部から留学生活をスタートした方が良いでしょう。
何においてもベストな選択肢はない
どの項目においても、「こうすれば良い!」といったベストな選択肢はありません。何れの選択肢にも、メリットもあればデメリットもあります。
自分がどちらに向いているのか、どのポイントを優先させたいのかによって最適な学校は決まってきます。また全ての要望を満たすような学校があれば良いのですが、そうでない場合が殆どです。
「どちらも捨てがたい」場合は、中間くらいの選択を取ることだと思います。
何かを妥協し何を一番大事にしたいのか、今一度考えてみて下さい。迷った時にはもちろん私達留学エージェントがいますので、お気軽に何でもご相談下さいね。