帰国後の就職活動の際に求められるTOEICスコアと面接対策
職種や配属ポジションによって求められるTOEICスコアは様々ですが、就職活動の場で挙げられる基準レンジは700点~850点です。
このレンジのどこを目指すかで、就職・転職の可否は決まってきます。
募集要項で「TOEIC700点以上」の条件に、TOEIC700点の方がそのまま応募しても、面接通過の可能性は低いでしょう。
・募集条件がTOEIC800点なら保有スコアは850点。
最低このくらいの上振れ状態でエントリーしたいものです。
また、留学経験のない新卒ならばTOEIC700点でも許されますが、留学経験がありながらTOEIC800点すらないのでは、それだけで無能の烙印を押され兼ねません。
貴重な経験をたくさんしてきた素晴らしき海外留学やワーキングホリデーを、低いTOEICスコアのせいだけで否定的に見られるのはあまりに残念だと思いませんか?
定量分析と定性分析について
社会人経験者であるビジネスマンの方々なら良く聞く言葉ではないでしょうか。
両者を一言で言えば、定量分析は「数値に基づく分析」であり、定性分析は「性質的データに基づく分析」です。就職活動の場でも良く用いられ、最終的な採用可否が決まります。
例えば、TOEICスコア800点は定量データで、「明るくて英語でも躊躇なくコミュニケーションを取れそうだ」という数値に現れない印象は定性データになります。
「TOEICスコアは持っていないけど、1年間の海外生活で培った英語力を使って御社に貢献できます!」とアピールしたところで、定量分析が主である書類審査の前ではあえなく落とされます。
仮に書類審査は切り抜けられたとしても、海外での優秀な営業成績や外資系企業・外国人担当者との渉外経験等、よほどの実績がない限り一次面接で「その自信の根拠は?」と詰められてゲームオーバーです
逆に言えば、TOEIC850~900点を持っていれば、それだけでスコア的には全受験者のトップ数パーセントに入っているわけです。
・ 高い目標を設定し、目的意識を持って過ごしているようだ
・ ビジネスで使える英会話も期待できそうだ
・ 海外生活にも大きな支障がない適応力・順応力がありそうだ
数値で誰の目にも明らかな客観的な努力の結果があるからこそ、面接官の定性分析にも好影響を与えるわけですね。
なお、一部の外資系企業では外国人による英語面接があるため、定性分析(英会話力やコミュニケーション能力の測定)が可能ですが、日系企業ではまだまだ英語面接は広くは浸透していません。
資格試験はTOEICじゃないとダメなの?
TOEIC以外にも英語試験は色々ありますよね。留学生が受ける英語試験ではTOEFL、IELTS、ケンブリッジ検定、英検が開発したCASECなどが有名どころでしょうか。
しかし多くの企業が面接時に採用しているのは、未だ圧倒的にTOEICです。
我々のような留学会社から言えば、TOEIC850点よりもIELTS6.5の方が凄いし、ケンブリッジ検定FCE合格の方が難しいと断言できます。しかしながら、当の面接官にその凄さが伝わらなければ意味はありません。
他の資格試験でハイスコアを持っていれば、TOEICで850点を取得することは難しくありません。試験代は必要経費。受験は面接前のエチケットくらいの気持ちで、さっと取っておきましょう。
TOEICは英語力のみならず、集中力や瞬発的思考力、読解力も求められる試験であるため、ビジネスの素養を図るにもちょうど良いのでしょう。
上場企業では社員にTOEIC受験を推奨どころか強制している会社さえもあります。もはやTOEICでハイスコアを取得することは就職活動のみならず、社内昇進や配属、給与条件にも影響します。
もしかしたら、今まさに目の前にいる面接官も、四苦八苦しながら毎月TOEICを繰り返し受験しているかもしれません。
自身も昇進や社内評価アップのために800点を目指しているところに、既に800点を優に超えるスコアを持っているあなたが目の前に現れたらどうでしょうか?
そこに到達することがいかに大変かを痛感している人に、これ以上響くものはありません。
TOEICスコアはアピールするな!
逆説的に聞こえるかもしれませんが、TOEICスコアは最低条件でしかないので、ことさら自分でアピールしてはいけません。
先述の通り、留学経験ありで中途採用の場合、そもそもそこまでの自慢になるわけでもありません。
面接官にも「鼻につく奴だ」、「TOEICスコアだけで仕事ができると思っているタイプなのか?」、「スコアの他にアピールできる海外経験はない人なのかな?」と、ネガティブな定性分析をされ兼ねません。
賞賛に値するハイスコアをさらりと見せて、相手に勝手にポジティブな定性分析をさせることが大切なのです。
TOEICスコアさえ見れば大体の英語力自体はわかることなので、面接の際にはスコアではわからない、留学中の数多くのユニークな体験をアピールしましょう。
会社は語学学校じゃない
あるベンチャー社長が「会社は学校じゃねぇんだよ!」と発言し、炎上してドラマにまでなった話がありましたが…
帰国後の留学生の中には、学生気分が抜けない勘違い就職活動者は多いです。
留学地から日本に帰国すれば英語を使う機会は当然激減し、何もしなければ英語力も落ちていきます。せっかく伸ばした英語力を錆びつかせたくないその気持ちは私もわかります。
しかし、ご自身の英語力を維持・向上させるために「いかに仕事で英語を使えるか?」という点だけにフォーカスしている面接者に対して、企業の面接官は「会社は語学学校じゃないんだよ」と思っています。
あなたの英語力を上げるために仕事があるわけじゃありません。
企業の利益・業績向上に貢献してくれる力があると期待するから、あなたを採用するのです。
面接時に仕事内容や役割を確認することは、採用後に後悔しないための大切な確認事項です。
しかし、「英語を使いたい」という点だけ前面に押し出しすぎると、当然仕事はそれだけじゃないわけですから、「採用しても実際の仕事とのギャップですぐに辞めるのでは?」と警戒されて採用見送りとなります。
TOEIC受験は早めに予約を!
TOEICも試験ですので事前の対策が必要です。何も対策をしなければネイティブが受けても700点程度しか取れないとも言われています。
私自身900点を超えるだけの実力に達したと自信を持ってから、実際には3回目の受験でようやく目標達成しました。(笑)
試験の開催スケジュールもありますので、目標スコアをひっさげて面接に臨むには、時間的余裕もある程度意識しておきましょう。
TOEICは海外でも受験可能ですから、帰国前の英語力がMaxに伸びている時点で、留学地で帰国前に受験しておくことをお勧めします。
その上で帰国前から転職活動(企業へのエントリーと書類審査)に着手すれば、帰国後スムースに企業面接を受けることができます。
※TOEICには通常のテストと別に、話す・書く能力を見るための「Speaking & Writing Tests」もあります。(400点満点)
就職活動の場でこちらの試験まで求められることは多くはありませんが、余裕があればこちらも受験しておくとより良いでしょう。
私自身、TOEICだけが留学の目的であるべきとは微塵も思っていません。
しかし、就職活動の場で求められる以上は、ハイスコアを取得することを意識した学校選びや留学プランを立て、目標に沿った過ごし方をすることが肝要です。
帰国後の就職成功の可否は、留学前からすでに始まっている
何事も計画性が重要です。皆さんが頭の中で思い描く留学プランを実行することは可能です。しかし、それが成功に導くプランかどうかはまた別の話です。
留学ドットコムには経験豊富な留学カウンセラーと共に、多数の留学生の就職を成立させてきたアドバイザーが在籍しています。TOEIC900点保持者もいます。
「帰国後の就職が不安」
「TOEICのコツが知りたい」
「TOEICスコアを上げつつ、充実した海外生活を送りたい」
そうお考えの方は是非一度相談してみてください。
留学ドットコムでは、帰国後の就職サポートまでしっかりサポートします。帰国後にどのような求人があるのかを出発前にアドバイスしつつ、将来につながる留学プラン作りをお手伝いしています。
TOEICに縛られない人生を送るためにも、TOEICハイスコアは早めに達成しておいたほうが良いでしょう。就職活動においても選択肢の多さが大きく変わってきますよ。