英会話メインの授業を行う語学学校は本当に良いのか?メリットとデメリットを考察してみた
海外留学を検討している生徒さんのお問合せで一番多いのが「英会話を特にやりたいです!」といった希望です。
特に語学学校で勉強する時間が限られているワーホリにとっては、「1日でも早く会話ができるようになりたい!」という焦りも手伝って、英会話ばかりに目が行きがちです。
また、その要望に応えて「英会話メインの語学学校」も多く存在しています。
英会話を中心に授業を行っている語学学校は、授業のどの程度を英会話に時間を割いているのでしょうか?英会話以外は授業の中でやらないのでしょうか?
そして、英会話中心の授業は、英語力の向上に効果的なのでしょうか?
英会話メインの語学学校のメリットとデメリットを整理して、英会話メインの授業を行う語学学校が自分に合うのか検討してみましょう!
英会話メインの語学学校のメリット
会話をメインに行う語学学校のメリットとして考えられるポイントとして、以下が挙げられます。
・発音矯正などのスピーキングの細かなところまで修正できる
・日本ではなかなかできない練習を集中的に行える
この3つのメリットをさらに掘り下げて検証して行きましょう。
スピーキング練習に集中できる
英会話メインの学校の良さは、何と言ってもスピーキングに割く時間が多いこと。
欧米圏の語学学校では、1日の授業時間は4~5時間程度。授業時間が欧米圏よりも長いフィリピン留学では、平均6~10時間ほど。
多くの学校では、4技能(読み、書き、聞き、喋り)をバランスよく勉強するため、1日の授業時間に対してスピーキングに充てられる時間には、おのずと制限があると言えます。
一方で、英会話メインの学校の場合には、1日の授業時間の中で、より多くの時間をスピーキングに費やします。少なくとも授業の半分または3分の2をスピーキングに費やします。
そういった面では、よりスピーキングを行っている時間が長く、他の語学学校よりも早くスピーキング力アップを期待できそうです。
スピーキングの細かなところまで修正できる
スピーキングと言っても、スピーキングの中で学ぶことは様々あります。
まずは英語の文章を組み立てて話す基礎的なことから、スラングやイディオム、ビジネスシーンなどでのフォーマルな表現方法や発音など、スピーキングの中にも様々あります。
会話中心の語学学校の場合、スピーキングに充てる時間が長いため、これらの項目にもより時間を割いて学習できるメリットがあります。
スピーキングの練習を集中的に行える
リスニング、ライティング、リーディングの領域は、日本でも学習可能な分野であると言えます。リスニングにおいても、書店に行けば様々なリスニング教材が充実しています。ライティングやリーディングに関しても、参考書や問題集が多く販売されてます。
スピーキングに関しては、一人で学習することが難しい分野です。日本国内で頑張る人は、駅前留学(英会話教室)に通う人も多くいますが、圧倒的に話す機会が少ないと言えます。
英会話教室に通っても、「週に1回1時間だけ。一歩英会話教室を出れば英語を話す機会は全くない…。」という状況ですので、スピーキングが上達しないのは当たり前ですよね。
会話メインの語学学校では、毎日の授業がスピーキングに重点を置いて組まれます。毎日スピーキング練習に費やす時間を確保できるため、「授業内で習ったことを次回までに忘れてしまう。」または「せっかく習っても使用する機会がない…。」といった悩みを解消できます。
英会話メインの語学学校のデメリット
上記メリットの部分だけ見てると、「英会話ができるようになりたい!」と思っている生徒さんにとってはメリットばかりのように感じますね。
それでは、デメリットとしては、どのようなことが考えられるのでしょうか?
以下のポイントがデメリットとして挙げられます。
・他の項目がおろそかになる傾向がある
英語学習者は、この2つの部分を忘れてはいけません!
基礎知識がないとスピーキング力を伸ばすことが難しい
「英語を話す」という事は、既にある程度の英単語や英文法を知っている必要があります。
例えば、日本語で「私の好きな季節は春です。」と言いたい場合、まず「私、好き、季節、春」という単語を知っている必要があります。また、「の」や「は」など助詞の使い方、「私は という主語が最初に来る」と言った構造も理解している必要がありますよね。
英語も同様、これらの基礎的な知識が入っていないと、英語での文章の組み立てができません。もちろん、辞書に載っている全ての英単語を熟知している必要はありませんが、中学校~高校程度で習う英単語と英文法は最低でも身に着けている必要があります。
これらの英単語や英文法が知識として頭の中に入っていなければ、聞こえてくる単語の意味も分からなければ、言いたいことも伝えられません。
多くの語学学校で、バランス良く4技能を伸ばす一般英語コースを受講するのが一般的なのは、こうした理由があるからなのです。
会話中心のコースを受講する方は、日常会話に必要な基礎知識が揃ってることが重要です。そのステージをクリアしている方は、会話中心の授業は効果を発揮します。
リーディング・ライティング・リスニングの学習時間が減少する
スピーキングの授業が増えることは、その他の3技能(リーディング・ライティング・リスニング)の時間が減ることになります。つまり、4技能をバランス良く進めていくことができなくなります。
しっかりとしたスピーキングのスキルを持っている人は、リーディングやライティング、リスニングもある程度できます。
リーディングやライティングができなければ、しっかりとした文章を組み立てて、話すという作業ができません。また、リスニングができなければ、相手の言っていることが理解できず、会話が成立しません。
特に英語初心者の方は、どの技能が欠けてもスピーキング上達に大きな妨げになります。
スピーキングばかりに力を入れても、バランスの悪い勉強法となってしまい、結果的に「会話力が思ったように伸びない…」なんてことになりかねません。
特に英語力を仕事や就職活動で強みにしたい人には尚更です。「あの人は簡単な英語は話せるけれど、しっかりとした英語は使えない。」といった状態だと、就活の際にはマイナスとなってしまいます。
自分の英語力はバランスが取れているか!?
この点もしっかりと考慮する必要があると言えるでしょう。
TOEICなどの語学試験で自分の実力を測ろう
スピーキング力は大事ですし、英語学習の一番目立つ花形の分野です。ペラペラ話してる人を見ると、カッコ良く見えるのは誰でも一緒です。
しかし留学やワーホリでしばらく経つと、ペラペラ早く話していても、文法がバラバラな人や、何を言ってるのか意味が分からない外国人留学生に出会います。
中東系、ヨーロッパ系、南米系の学生は、とにかく早く話す傾向にあります。一見、凄くペラペラに見えても、「良く聞くと意味が分からない!」なんて場面があります。
見せかけで早く話せる人よりも、正しい英語を使える方が、ずっと価値があります。
スピーキングをメインで行う語学学校は、スピーキングに苦手意識を持っている方、日常会話レベルの基礎力ある方にとっては、大きなメリットがあります。
一方、初級の方やスピーキング以外にも苦手がある方には、基礎力をバランス良く伸ばしていくタイプの語学学校を選ぶようにしましょう。
英会話に力を入れている語学学校は、授業内容に偏りが出てしまうことを上記でも紹介しました。スピーキングだけでなく、残り3技能を含めてバランス良く伸びているかどうかを測るためにも、定期的にTOEICやIELTSなどの語学試験を受験することをお勧めします。
語学試験を受けることで、現在の自分の英語力を客観的に分析できます。
会話中心の語学学校に通うことで、スピーキング力は希望通り伸びたとしても、スピーキング以外の実力が劣っているようであれば、その弱点を補わなければいけません。
自身の現在の英語力、弱点箇所をしっかりと把握し、ピッタリの語学学校を選びましょう!