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カテゴリー:留学後の進路

【留学は就活で有利?不利?】アピールできる留学期間、職種、メリットを徹底検証してみた!

更新:2024/09/06(公開:2019/02/06) 著者:塩口 真由佳 12450 Views

今留学をしようか迷っている大学生の中には、こんな疑問を持っている方も多いと思います。

 

・留学って、そもそも就職活動に役に立つの?

・留学経験はどのような職種でアピールできるの?

・実際、どれくらいの留学期間が評価されるの?

 

そこで、今回のコラムでは「留学経験はぶっちゃけ就活に活かせるのか?」という点に焦点を絞り、これらの疑問について答えていきたいと思います。

アピールするならば短期留学よりも長期留学を!

就職活動をする時に一番困るのは、自己PRだと思います。

当時私の周りでもこんな声を良く耳にしました。

 

「うーん、、自己PRを書きたいけど…大学生活はアルバイトとサークル活動がほとんどだったから、どうも他の人と似たような内容になっちゃうんだよね~」

 

もしあなたがこんな悩みを持っていたとしたら…「自分も留学にでも行っていれば、きっと人とは違った良い自己PRも書けたかも!?」と思うかも知れませんね。

しかし、近年は留学人口が増えており「留学経験自体が周りと差別化できるようなものすごくレアな経験」ではなくなってきています。

 

なぜなら今は大学生の約26人に1人(294万÷11万)が海外留学に行っているような時代になっているためです。

・文部科学省が発表している「令和5年度学校基本統計(学校基本調査の結果)確定値」では、日本の大学生総数は2,945,599人(約294万人
・文部科学省が発表している「外国人留学生在籍状況調査及び日本人の海外留学者数等について」では、2018年(※)の留学生数は115,146人(約11万人)
※2020年以降はコロナウイルスの影響で数字が大きく変わっているため2018年のもので計算

 

しかし、留学期間が変われば…その留学経験はガラッとレアな経験へと変わります。

 

なぜなら下記のように1ヶ月未満の短期留学をしている人が全体の66%にも及ぶからです。

大学生の留学生数の推移

(引用)令和6年5月24日発表 文部科学省の外国人留学生在籍状況調査及び日本人の海外留学者数等についてより

 

緑枠(1ヶ月未満の短期留学)を含めた全体では、前述したように「大学生約26人に1人が海外留学へ行っている」という状態です。

しかし、それが1ヶ月以上の留学に絞った場合には…なんと約76人に1人という割合へと変わります。

 

さらに、半年以上の長期留学と限定すれば…「大学生の約185人に1人」という割合になります。

「大学生約200人弱に対して1人しかいない」となればこれは十分レアな経験と言えるのではないでしょうか?

 

つまり、長期留学はまだまだ少数派なので、もし就活で留学をアピールするのであれば、長期留学がオススメという形になります。

 

短期留学は就活には使えないのか?

上記のように「長期留学であれば就活で留学をレアな経験としてアピールできる」という事がわかりました。

 

では、1ヶ月未満の短期留学ではまったくアピールできないのでしょうか?

また、一体どの程度の留学期間から就活ではアピールできるのでしょうか?

 

そこで、これまで何百人という留学サポートをしてきたプロの留学カウンセラーと特に女子からの人気が高い航空会社へ勤めているベテラン社員さんにご意見を伺いました。

 

留学エージェントからのプロ目線と意見

もし就活で留学経験をアピールしたいなら、期間も大事ですね。

でも、まず第一はTOEICなど点数で対外的に証明できる資格が何よりも必要不可欠です!

もしあなたが1年もの長期留学を経験してきたとしても、帰国時に「英語力を証明できるものは特にありません」となったらどうでしょうか?

面接官はあなたの留学経験を客観的に評価できません。

 

逆に、面接官から「え?そんなに長く留学してたのにTOEICスコアも持ってないのこの人。。大丈夫?」、「もしかしたら留学先でめちゃくちゃ遊んでいて英語力全然ないんじゃ…」、「まともな点数が取れないくらいの実力かも…」といろいろ疑われてしまうと思います(笑)

 

そのため、留学経験をアピールしたいなら「TOEICなどの対外的に英語力を証明できる資格」が必須です。

そして、そうした資格を効率良く取得するためにも、私たちでは最低3ヶ月以上の留学をオススメしてます。

 

理由① 短期留学ではTOEICの点数を伸ばす事は難しい

オックスフォード大学出版局も引用しているTOEICスコアアップと学習時間表によると、「200~300時間の勉強をすればTOEIC100点アップする。」と言われています。

*この数字について詳しく知りたい方はこのページ末のリンクも参考にしてみてください!

 

1ヶ月の欧米留学では「約100時間の勉強時間=TOEIC50点程度のアップ」がせいぜい現実的です。

また、欧米圏と比べて授業時間が2倍あるフィリピン留学であっても1ヶ月では「約200~300時間=TOEIC100点アップ程度」が現実的です。

 

そして、新卒の就職活動で英語力をアピールしたい場合700点以上が望ましいです。

 

もし既に「TOEIC600や650を持っている人が1ヶ月程度の短期留学で700のスコア達成を目指す」という留学プランは悪くない内容です。

しかし「TOEIC400や500の人が1,2週間の留学で数十点のスコアアップをした」という内容は、残念ながら企業側で評価される留学内容とは言えません。

 

実際、留学前にTOEIC600や650を持っている人の方が断然少数派です。

そのため、最低でもTOEIC700を現実的に目指せるような留学期間(3ヶ月程度)を目安にして、留学期間を考えていけるのが理想ですね。

 

理由② 短期留学は海外観光旅行の延長になりがち

対外的に英語力を証明できる資格も重要ですが、現地でどのような経験を手に入れたのかというポイントも就活ではアピールポイントとなります。

しかし、短期留学では時間が極端に限られているので「その国の環境や留学環境に慣れて、友人がだんだん出来てきて楽しくなって来た頃に帰国」となりがちです。

 

「学校や海外の環境にもまだ慣れていない状態で何か珍しい経験をする」、「知り合いや友達が少ない状態でいろんな経験をする」という事は現実的に難しいです。

そのため、短期留学では…

・学校に慣れる前に卒業(帰国)
・友達ができて楽しくなって来た時に帰国
・行った場所も有名な観光スポットだけ
・英語力もそこまで伸びなかった…

となってしまうんですね。

 

もちろん1ヶ月程度の短期留学がマイナスばかりという事ではないのですが、ごく限られた時間で英語力を伸ばし、友達を作り、何か貴重な経験をするという点では適しません。

 

実際、企業の面接官は「留学の期間」よりも「その人がどれくらいの英語力(TOEICのスコアなど)を持っているのか」をシビアに見てきます。

 

例えば、6ヶ月語学学校に通ってTOEIC800点を獲得したAさんと、1年ワーキングホリデーをしてTOEIC650点のBさんがいるとします。

企業によっても異なりますが、ほとんどの企業ではスコアが高いAさんの方が良い評価します。

また、ワーキングホリデーはあくまで「holiday=休暇」と考えられてしまい、企業の方にあまり良い印象を持たれない可能性もあります。

 

つまり、就活でアピールする留学は「留学期間が長いから評価される、短期だから評価されない」という話ではなく、目に見える成果を出しているのかというのが特に重要になっています。

 

目に見える成果や貴重な体験をするにはどうしてもある程度の時間が必要になるので、そうした時間を確保できる長期留学を第一に考慮できると帰国時の成果やアピールポイントもグッと増えると思います。

 

航空会社の社員さん目線の意見

正直留学の期間は正直あまり関係ありませんね。

留学期間よりも「海外に行こうと思った動機」や「そこで何を学んだのか」、「留学を通してどのような成長を感じるのか」などを企業側は知りたいからです。

 

また、航空会社を志望するなら、留学をして語学力が上がったことはアピールポイントの一つになると思いますが、正直強力なアピールポイントにはなり難いです。

 

なぜなら航空会社に応募する学生のほとんどが、すでに非常に高い語学力を持っているからです。

 

特に海外に本部がある航空会社であれば、いわば外資系企業となるので、英語を使ってコミュニケーションは当然であり、問題なくこなせる事が求められます。

英語が話せることに加えて、何か別のスキル、例えばコンピューターのプログラミングやマーケティングについての知識などを「英語+α」を学生の間に得ておくと就活でより強い自己PRが出来ると思います。

 

以上をまとめると、以下のようになります。

・期間は3ヶ月以上が望ましい

・短期間でTOEICなどの語学力を劇的に上げることは難しい

・長期留学だから評価されるわけではない

・留学を経てどれくらい英語力を伸ばす事が出来たかを見られている

・航空会社のような業界では「英語力+α」のスキルが求められている

 

グローバル企業で活躍する人材に求められる能力とは

次は少しデータは古いのですが、企業側が求めている能力について見ていきましょう!

 

1位海外との社会・文化、価値観の差に興味・関心を持ち柔軟に対応する姿勢284社
2位既成概念にとらわれず、チャレンジ精神を持ち続ける216社
3位英語をはじめ外国語によるコミュニケーション能力を有する177社
4位グローバルな視点と国籍、文化、価値観、宗教等の差を踏まえたマネジメント能力164社
5位企業の発展のために、逆境に耐え、粘り強く取り組む160社
6位当該職種における専門知識78社
7位個別企業の利益を超えて、進出先地域や国の繁栄を考えられる高い公共心、倫理観を持つ36社

(出典: 経団連「産業界の求める人材像と大学教育への期待に関するアンケート(2011年1月18日)375社*複数回答)

 

上記の経団連の調査によると、375社のグローバル企業に行った調査では、1位が柔軟な対応力、2位がチャレンジ精神、3位が英語力という結果になりました。

 

英語力が第3位というのは少し意外ではないでしょうか!?

 

私はこの結果から「英語力が重要ではない」のではなく、留学がより身近になったからこそ「英語力+α」の力が求められるようになったのだと感じました。

実際、日本のグローバル化はどんどん進んでいます。

今後は日本にも移民が少しずつ増えていき、将来的には「英語がぺらぺらで、日本語も中国語も話せて頭も良い!」そんな優秀な人材が海外からどんどんやってくる時代がくるはずです。

そうなった時には、日本人は英語力だけでは到底太刀打ちができません。

 

だからこそ、英語力はもちろんとして留学前、留学中、帰国後に+αのスキルや経験を身に付けておくことがとても重要です。

もし、今から留学を考えている方がいたら、単に「留学=語学力向上や就活のため」だけでなく、「留学=語学力+α(スキル)」を得ることが、就職活動だけではなく自分の将来に役立つという事を頭の片隅に置いておいて欲しいと思います。

 

留学経験をアピールしない選択肢もある

また、就職活動を始めて女性にとって、最初の選択肢になるのが「総合職」か「一般職」どちらの働き方を選択するかだと思います。

総合職は「企業において総合的な判断を要する基幹業務に取り組む職」定義され、企業内で、さまざまな部署、仕事を経験しながら管理職になることを期待されています。

そのため、総合職へ応募するという事は、事業の展開する国内・海外での異動や転勤の可能性があるという意味でもあります。

 

特に海外転勤を視野に入れている学生にとっては、「私は留学をしていましたので、海外への転勤や異動も全然OKです!」という企業への有効なアピールポイントとなります。

 

一方、一般職は「一般事務などの定型的・補助的な業務を担う」職と定義されており、営業サポートの事務処理、資料作成など総合職のアシスト業務を行います。総合職と違い国内・海外転勤がほとんどありません。

 

また、職種によっても留学経験の重要度は変わってきます。

私の知り合い(女性・イギリスへ半年留学)は銀行への就職活動の時、留学の経験をあえて話さなかったと言っていました。

理由を聞くと、「銀行ではチャレンジ精神より協調性がある面が重視されると思ったから、サークル活動の話を主にした」と教えてくれました。

 

それから、当時就職活動を行っていた先輩に「留学経験って就活でアピールできるの?」と聞いてみた情報もご紹介します。

インタビューをしたのは、A・Kさん(1年間休学・カナダ)です。

 

先輩からの回答はこんな感じでした。

・留学経験が就活のアピール材料になるかは、希望の職種やどんな留学をしていたかによって変わる
・もし就職先でやりたい事や業務が留学内容とマッチしていたら強いアピールになる
・実際、ある友人はずっと国際開発・支援の仕事に興味があり、留学先も国際開発に関する授業がある大学を選んだ。
そして、その友人は将来の夢と留学先で行っていた内容がマッチしていたので、就活でもそれをアピールし、無事希望の仕事に就くことができた
・でも私の場合には「就活で留学体験を前面に押し出して企業にアピールはしなかった」
・留学に行ったことは確かに自分の大きな成長につながったけど、就職先と留学経験の内容がマッチしていなし、留学は就活のために行ったわけではなかったから

 

ちなみに、A・Kさんが留学に行きたいと思ったのは純粋に「海外が好き!海外で暮らしてみたい!」という気持ちからだったからだそうです。

海外留学をする動機やきっかけは人それぞれだと思いますが、A・Kさんのように「就活のためだけに留学をする」のではなく「行きたいから行ってみる!」というのも前向きな考えやモチベーションですよね!

 

アピールポイント=引き出し(武器)は多い方が良い

銀行への就職活動をしていた私の友人やA・Kさんは「就活で留学についてあえてアピールしなかった」という部分が共通しています。

 

これはまさに今「就活で何か魅力的な自己PRをしたいから留学を考えている」という人にとっては驚きのポイントではないでしょうか?

 

私は、就職活動でのアピールはその企業や面接官にしっかり合わせるというのが特に重要だと思っています。

 

・留学が評価されそうな企業→留学経験をしっかりアピール。

・留学が特に評価されそうにない企業→あえてアピールしない。

 

そして、こうした方法を取るためには、当たり前ですが…当然留学をしていないといけません!(ウソをついてのアピールはできませんので^^;)

 

つまり留学経験者は、相手の企業によって「留学をしたことを話す」or「あえて話さない」と選ぶことができるという事です。

 

また、きっとあなたも就活では、1つの業種、1つの企業だけに応募することはないはずです。

就活では、複数の業種や企業に応募するのが一般的ですので、アピールポイント=引き出しは1つでも多い方が有利です!

 

実際、就活で留学がアピールポイントになるかは希望の働き方や職種によっても変わってきますが、どんな企業に対してもあなただけが話せるような話の引き出し(武器)があるに越したことはないはずです!

留学に行くことで日本にいてはわからなかった発見や困難に気づき、その困難を乗り越えて大きく成長するチャンスもたくさんあります。

 

就活ではその引き出し(武器)を元に、どんな質問がきても柔軟に対応できる力、チャレンジ精神を面接官にアピールしちゃいましょう!

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

実際に就職活動を通して私が強く感じたのは、「留学に行った人=優秀」という評価にはならないという点です。

では、具体的に企業側がどんな所を見ていたのかというと、「意思疎通が難しい海外での困難な状況をどう工夫して乗り越えたのか」といった対応力のような所でした。

 

ちなみに、私と同じ企業の面接を受けていた女の子は、「コンビニバイトにいる外国人アルバイトが、しっかり働いてくれないという問題を話し合いで解決した話」をしていて面接官がとても食いついていたのを覚えています(笑)

 

つまり、重要なのは「留学しました・インターンしましたという事実」ではなく、その経験を通してどのようなことを学んだのかがという部分だと思います。

 

留学に行っていない人は、なにより留学について話したり、アピールすることはできません。

特に留学は若いうちの方が、時間と行動の自由が利きますし、一度就職してしまうと、そう簡単に辞められません。

また、就職してから年数が経つと、責任あるポジションを任されるかも知れませんし、パートナーや家族を持ったら、長期留学はかなり難しい選択肢となります。

なのでもしあなたが今、留学を迷ってるなら積極的にチャレンジをして、面接時にアピールできる引き出しを増やしておきましょう!

 

また気にはなっているけれども…留学に行くかどうか、自分に留学という選択肢が合っているかどうかわからないという人は、まずはプロに相談してからでも判断はきっと遅くないはずです。

留学ドットコムの公式LINEから無料で相談ができますので、ぜひお気軽にご利用ください!

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