インターネットで学校情報を調べる時の6つのポイントを紹介!
今やインターネットは最も気軽に、多くの情報を得られるツールとして、留学の情報収集にも欠かせないものとなりつつあります。
インターネットでは、迅速に情報を調べることができる他、語学学校内の動画や画像も見ることができて大変便利です。
その反面、ネット上には情報があり過ぎて、本当に必要な情報や正しい情報がどれなのか分かりにくいというデメリットもあります。
留学ドットコムを含め、最近は ”留学体験談の口コミ” もあり、留学生目線の情報も充実してきている印象があります。
しかしながら、インターネットの情報は匿名性が強く、学校関係者の ”やらせ投稿” の情報が含まれている可能性も否定できません。口コミ情報を見ていると、「これは明らかにおかしい情報では!?」と思える投稿を皆さんも見かけたことがあるのではないでしょうか。
このコラムでは、インターネットで情報収集する時に着目すべき6つの点を、私個人の留学経験を含めてご紹介します。
1. 学校の規模を見てみよう!
一つ目は、学校の規模、つまり生徒の数です。生徒の総数は語学学校により大きく差があり、またその学校の規模によって授業や生徒同士の雰囲気が大きく異なります。
以下の表で示す部分は、学校規模による主な違いです。なお、中規模(100~250名)の学校は、これらすべての項目の中間にあると考えると良いでしょう。
小規模校(100名以下) | 大規模校(250名以上) |
・コース数が少ない ・レベル分けが大雑把 ・学生全員と友達になれる ・先生やスタッフと距離が近い ・国籍が少なくなりがち | ・コース数が充実 ・レベル分けが細かい ・気の合う友人を探せる ・先生やスタッフと距離がありがち ・学校によってはとても多国籍 |
大規模校の良いところ
まず大規模な学校の良いところは、学生が多い分コースやレベル分けが細かく、レベルや学習内容がより各自の理想に近いものとなりやすいです。
もしもクラスの授業内容が合わなかったり、友人や先生と上手くいかなくても、他のコースに移ったり、クラスの変更も割と柔軟に対応して貰えます。
国籍のバランスの偏りは学校によって異なりますが、大規模校では生徒数が多いので、自分の積極性次第で多くの国の人と交流することができるでしょう。
小規模校の良いところ
一方で小規模の学校は、生徒数が少ないので、必然的にコースやレベル数も少なくなります。そのため、1クラスの生徒の国籍が偏りやすくなります。
私が学習した語学学校は総学生数が20人以下の超小規模な学校でした。日本人を除いて全員違う国籍だったので、人数にしては多国籍な環境でしたが、クラスに日本人が5名いたので、半分が日本人という大変偏った状況でした。
しかし、学校の学生や先生全員と仲良くでき、お昼ご飯の時なども常にクラスメイト皆と一緒だったので、日本人割合の高さはそこまで気になりませんでした。
授業外でも学校のスタッフの方が、地域のイベントに連れて行ってくれたり、学生全員でフェスティバルにてブースを出したりし、狭く深い繋がりが心地よいと感じる私にとっては大変過ごしやすい環境でした。
広く浅い付き合いを好む人や日本人のいない環境を求める人にとっては、この雰囲気は合わないと感じている友達もいました。
学校規模が大規模か小規模かという部分は、大きなポイントの一つだと言えるでしょう。
2. 語学学校の雰囲気を感じ取ろう
語学学校の雰囲気とは、主に学習に取り組む姿勢や学生のモチベーション高さを意味しています。
また、学校側の運営方針も雰囲気に出る傾向にあります。
具体的に言うと、楽しさを重視しているか、学習を重視しているかです。
楽しさ重視の学校ではアクティビティが多く用意されており、授業数が少なく自由度も高いことが多いです。友人を幅広く作って、ラフに英会話を楽しむ程度の気持ちで来る学生が多くなる傾向があります。
一方で、学習重視の場合、「母国語使用禁止ルールが設けられている」、「外出が制限されている」、「試験対策コースが充実している」といった、予備校のように勉強する空気感が強くなります。
学習重視の雰囲気を持つ学校では、週末でも勉強している学生が多く、とことん勉強して英語力を伸ばしたい方には最適です。
しかし、友人を作って楽しみながら英会話に触れたい方にとっては、重苦しい空気を感じるかも知れません。
日本帰国後に英語環境で働きたい方は、TOEICでハイスコア取得を目指す留学になろうかと思います。
そうした方が気楽に英会話を学ぶコンセプトの学校を選ぶと、「周囲に真面目に勉強してる人がいない…。」と落胆されるケースもあります。
どちらの学校が ”良い”・”悪い” という話ではなく、自分がどんな目標を持ち、どんな学校生活をイメージしているのかが重要になってきます。
インターネット上の情報からは雰囲気は伝わってきません。しかし、学校の紹介文をしっかり読むと、どこに力を入れているのか必ず見えてきます。
特にパンフレットは雰囲気がより伝わってきます。楽しい学校であれば、楽しい雰囲気が伝わるような写真を多く掲載しています。真面目な学校であれば、コース説明の文章がびっしり長々と書いてあるはずです。
このようにアクティビティや開講しているコース、学校のルールを調べて、自分がイメージする環境に近いかどうかを見極めましょう。
3, 学校が力を入れている分野とコースを把握する
語学学校の授業は通常、コースやレベル別に分かれており、授業の内容と学生の学びたいことが矛盾しないように、カリキュラムを組んでいます。
その中でも学校によって、特に力を入れているコースやプログラムが存在します。
特別な場合を除いて、自分の学びたい分野やコースに力を入れている学校を選ぶのが賢明な選択になります。
例えば、学校紹介を見ていると、ワーキングホリデー(ワーホリ)についての説明や、ワーキングホリデー希望者に対するメッセージが強く出ている学校があります。
そのような学校は、アルバイト前の準備段階として、一般英語(日常会話中心)の授業に力を入れていることが多いです。特にワーホリは英語初心者が多く、試験対策の中上級コースは殆ど受講しません。
ワーホリの場合、語学学校で学習できる期間もオーストラリアで4カ月、ニュージーランドやカナダで6カ月と定められています。1年間の語学留学プログラムや上級者向けコースは、手薄になっていることが多いのです。
ワーホリや短期留学する方にとっては、サポートや情報の多さや日常会話習得に力を入れた語学学校が適しています。
一方で、長期語学留学の方や上級レベルの英語を身につけたい方にとっては、ワーホリ向けに力を入れた学校を選ぶと、英語力の上達に比例して物足りなさを感じるリスクがあります。
私が行っていた語学学校は大学付属だったので、語学学校卒業後に大学進学する人が殆どでした。そのため、進学コース内では、常に大学の講義を意識したプレゼンテーションやレポートの書き方といった授業が多く行われていました。
大学進学に関する情報供給、個別相談、キャンパス内のツアー等も行っていました。大学進学する予定の無い方にとっては、こうした授業内容や環境はミスマッチだと思います。
同じ語学学校に見えても、良く調べてみると、やっている中身や方針が異なることがあるので、その部分は見落とさないようにしましょう!
自分の希望するコースに力を入れている学校を選ぶことで、特にその部分のサポート体制が手厚く、さらに同じ目標を持った友人にも出会いやすくなります。
有意義な留学生活を送るには、その語学学校の力を入れている方向や分野を見極めることがとても重要なのです。
4. 学校の設立年度もチェックしてみよう!
語学学校は倒産や合併が多く、大変競争の激しい業界です。日本でも英会話教室は、数年毎に倒産のニュースを見ますが、海外ではもっと頻繁に学校の倒産・買収・合併などが繰り返されています。
そんな中で設立年度が長いことは、長期間厳しい競争に打ち勝ち存続してきたという証になります。
つまり、学校の設立年度も、その学校の信頼度が伺える1つの要素です。
設立年度が新しい学校は、設備等は新品で綺麗かもしれません。しかし、学校としての基盤が完成されていない可能性が高く、授業やサポートの充実度に不安があります。
また、設立年度が長い老舗校は安易な値下げはせず、割引キャンペーンも稀にしか行わない傾向にあります。設立年度が短い学校は実績も低いので、授業料を割安設定にし、キャンペーンも頻発することで生徒を集めています。
見た目の値段の安さやキャンペーン価格に惑わされず、しっかりと信頼できる語学学校を選ぶためにも設立年度を調べてみましょう。
5. 語学学校の口コミ投稿は軽く参考にしよう
留学ドットコムにも、各学校の口コミ情報が掲載されています。また、語学学校選びに限らず、飲食店を調べる時なども口コミを参考にされる方は多いと思います。
しかし、このような口コミ投稿は、個人の感情や第三者の手が加えられている場合が多く、あまり客観的な情報ではないケースも多いことは、頭の片隅に入れつつ参考にしましょう。
口コミ情報を見る際は、以下の可能性がある事を踏まえておきましょう。
・自分が学校選びに失敗しただけなのに、学校が悪いと誹謗中傷している。
・被害妄想が強いクレーマー気質の人がむやみやたらに批判している。
・投稿された当時の学校の状況と現在の状況が異なる場合がある。
・人にとって良い学校が、必ずしも自分にとって最適な学校である訳ではない。
実際に私自身が留学していた語学学校の口コミを見てみると、私と同時期に留学していた友人がコメントを載せていました。
個人の留学を決意した背景や、彼らがどのような生活を送っていたのか、街の様子等をメインに書かれていたので、嘘の情報ではありませんでしたし、留学中の生活をイメージするのには良いと思いました。
しかし、「多くの年齢や多くの国籍の方と出会えて良かった。」、「先生やスタッフの対応が良かった。」などの情報は、自分が留学した時には変わってる可能性が高いのです。
インターネット上の口コミの用途は、語学学校の良し悪しではなく、その人がどのような留学生活を送っていたのかを参考までに知る程度と捉えるべきでしょう。
さらには、口コミの投稿者が語学学校を卒業して数年経っていれば、信憑性高いの情報であるとは言えません。
ネット上の口コミ情報は、学校関係者のサクラ投稿かも知れませんし、100%情報を鵜呑みにするのは危険だと思います。飲食店であれば、数千円の出費ですから、口コミを信じて失敗しても痛くありません。
しかし、語学学校に掛かる費用は高額ですし、多くの方が一生に一度の留学だと思います。だからこそ、口コミ情報を学校選びの決め手にするのは、リスキーではないでしょうか?
6. 生活の基盤を置く都市は重要
都市選びは、どの語学学校の選択と同様かもしくはそれ以上に重要です。学校内の雰囲気や規模は、都市の雰囲気に通じるものがあるからです。
都市によってライフスタイルや語学学校の規模、コース選択の幅が大きく異なります。一般的には、都会には語学学校が多くあり、選択肢も広くなります。その他、学生の多い都市、移民の多い都市、英語の発音が異なる都市等さまざまな違いがあります。
私はオーストラリアらしいゆったりとした生活、オーストラリア英語、人々の距離の近さ、アウトドア好きという理由から田舎の都市を選択しました。
しかし、田舎の地域を選んだことで、先生方は強めのオーストラリア訛りで、発音の授業ではオーストラリア発音を叩き込まれました。
都市のイベントで取材をする時や、身近な企業や団体を選び、それに関して調査する課題でも地域性を強く感じました。
クラスメイトは少ないですが、先生やスタッフ、生徒という垣根を越えて皆で釣りに行ったり、地域の小さなイベントに参加したりと、アットホームな雰囲気の中で楽しい留学生活を送れたのも事実です。
これを見ても分かって頂けると思いますが、完璧な条件はありません。語学学校の ”良い”・”悪い” の評価は自分のイメージに合っているかどうかで決まります!
都会の語学学校に通った友人は、授業後にカフェやショッピングに行って楽しかったという話、街中はアジア人で溢れている、学校では様々な国籍の友人ができたなどのエピソードなど、都会の学校でも両面があるものです。
「自分にとって最適な環境は何なのか?」をよく考えましょう。選ぶ都市によって、生活環境が大きく異なる場合があるため、都市選びも重要な要素であることを忘れないでください。
情報の見方が分かれば特徴は見えてくる
以上の6点が、ネットで情報を得る際に着目して頂きたい点です。
インターネット上では多くの情報が錯乱しており、その語学学校も同じに見えがちですが、それは私たちが情報の見方を良く理解していないだけです。
今回紹介したポイントに的を絞って調べることで、その学校の特徴がはっきりと浮き出てくるはずです。
きれいに並べられた誉め言葉や、他人が流した一方的な情報を安易に信用することは、学校選択の失敗に繋がる恐れがあります。
語学学校の持つそれぞれの特徴を捉え、さらにどの特徴が自分に適しているのか、よく考えて最適な学校を選んでくださいね。
また留学エージェントも皆さんにぴったりな語学学校が見つかるよう、アドバイスしてくれますので、ネットでリサーチしてイメージ像がある程度固まったら相談することです。
留学カウンセラーの方々も紹介した手前、クレームが出ると後処理が大変ですし、「学校を提案するは大変だな…。」と傍から見てて思います。
「友達が通っていたから…。」といった軽い理由で学校を決めてしまう方もいますが、それで失敗しても友達を責められませんし最悪な結末です。
留学経験者が周囲にいる場合でも、イチ意見として受け止めましょう。
インターネットの情報、周囲の意見、自分の希望条件、留学カウンセラーの意見、の全てを調べて、どれが最も優先順位が高い条件なのか最終的に絞り込みましょう。
インターネットの情報は万能ではないので、それだけに頼らず幅広い意見を集めることが大事です。そうすることによって、間違いの無い語学学校選びができるはずです。