中学英語で英会話は可能?留学前に知りたい現実と対策
あなたも「英会話をするには中学レベルの英語力で大丈夫だよ」という事を一度は耳にしたことはないでしょうか?
「でも、それって本当なの?」って思いますよね!?
そこで、このコラムではその事について詳しく解説してみたいと思います!
「中学生レベルの英語力=英会話ができる」ではない
まず「中学生レベルの英語力があれば、英会話ができる」というのは正確な表現ではありません!
正確には「日常英会話で使われている単語や文法は中学レベルのものがほとんど」という事実で、英会話ができるかどうかは別問題となります。
もし「中学生レベルの英語力があれば英会話ができる」のであれば、日本の中学生は全員英会話ができる事になってしまいますので(笑)
日常英会話で使われるのは本当に中学レベル?
英語が苦手な方はきっと「会話で使われてるのは本当に中学で習うような文法や単語なの?」と思われると思います。
例えば、有名な映画ハリーポッターシリーズでの、「謎のプリンス」ではハリーのライバルであるマルフォイはこんな風に喋ってます。
(最後に笑うのは誰かな)
単語としては「We、Will、See、Just、Who、Is、Laugh、In、The、End」ですので、簡単な単語ばかりですよね!
こうしてみると本当に中学で習ったような英語をネイティブが喋っているのがきっと分かると思います。
もちろん映画の種類やシーンによって、時に難しい専門用語や言い回しが出てきたりする事もあると思います。
しかし、ネイティブであっても基本的にはこうした簡単な単語、言い回しで日常会話は進んでいるんですね。
会話には英文を瞬時に理解する能力が必要
実際にいくつか洋画などを見てみると、「ネイティブも日常会話ではものすごく難しい単語や文法を使っているわけではないんだな」というのはすぐに納得できるかと思います。
でも、多くの方は「中学レベルの英語はわかるけど…英会話は全然できないよ!」と感じるはずです。
実は、中学レベルの英語が理解できたとしても、それを瞬時に理解して、瞬時に口から英語を出せるかどうかというのは別問題となります。
例えば、下記の英文を”数秒”でパッと見て瞬時に理解するのは、英語が苦手な方はなかなか難しいはずです。
↓ハリーポッターで師匠的な役割であるダンブルドア校長の名台詞です。
使われている単語も簡単なものですし、文法も中学レベルです。
しかし、たいていの方は「ん?どういう意味だろう?」と思ったり、「パッとはすぐ分からないな…。」と2回、3回読んでみたり、「こんなに長い英文をスラスラ口から出すのは無理だ!」と思ったのではないでしょうか?
ちなみに、日本語訳としては「暗闇の中でも、幸せは見つけることができる。明かりをともすことを忘れなければ。」という意味になります。
英会話をしているネイティブがやっている事
実は、ネイティブは上記のような英文章をパッと見たり、会話で聞いたりしたときに即時に理解して、自分の考えをパッと口から出しています。
具体的にネイティブと英語を勉強している人を比べるとこんな感じになります。
→瞬時に中学レベルの英文を理解し、瞬時に英作文ができ、瞬時に口から発音できる(= 英会話が出来る)
→中学レベルの英文は読めるし理解できるが、理解するのに数秒。英作文をするのにも数秒。口から話すのにも数秒かかる(= 英会話が出来ない)
つまり、英会話をするためには、単純に「中学レベルの簡単な英語を理解できるだけ」ではダメなんです。
英会話ができるという事は「中学レベルの英語を瞬時に理解して、超スピードの英作文を頭の中だけで行い、それを瞬時に口から出せるかどうか」と言えるんですね。
英語を瞬時に理解して口から出すためには?
英会話をするためには「英語を瞬時に理解し、瞬時に頭の中で英作文をして、瞬時に口から出す必要がある」ということがわかりました。
では、そうするためには私たちは何をすれば良いのでしょうか?
それは、まずは「中学レベルの英語を完璧に理解する」ことです。
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2.瞬時の理解や英作文がうまくできない
中学レベルの英語は、英語を瞬時に理解するための最大の土台、基礎です。
もしその土台や基礎があやふやなままでは、どれだけ英会話を練習をしてもうまく成果には繋がれられません。
実際こうした状態で英会話を練習したとしても、「自分が言いたい英単語を相手にぶつける」、「相手が喋る文章の中で自分が知っている単語を拾うだけ」という作業になるためものすごく非効率となってしまいます。
そのため、下記のようにまずは中学レベルの英語をあやふやではなく、完璧に理解する事が重要となります。
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2.理解した上で練習を繰り返す
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3.英語の瞬時の理解、英作文、口に出せるようになる
土台や基礎が完璧となれば、次のステップである会話練習もより効率的になり、英会話の上達もそれだけ早くなるのです!
また、「理解している事」と「出来る事」は全く違います。
例えば自転車に乗る時に「バランス良くペダルをこげれば転ばない。」という事は頭で分かっていても、実際は何度も転んで失敗して、練習を重ねて初めて乗れるようになりますよね?
英語も同じように「中学レベルの英語を完璧に理解している」というのが頭で分かっていても、私達日本人はいきなり第二カ国語である英語を練習なしでペラペラ喋る事はできないんですね。
なので「まずは基礎をしっかり理解→会話の練習」というステップが重要なんですね。
あなたに中学レベルの英語があるかをチェック!
ここまで読んで頂いた方はきっと「うーん。。果たして今の自分は中学レベルの英語力があるのかな…。」と不安になっていることだと思います(笑)
そうした方には、簡単に英語力をチェックする方法をお伝え致します!
それは世界で一番有名な英語検定試験(ケンブリッジ英語検定)を運営している、ケンブリッジ大学のオンラインテストです。
→ 25の設問で、短時間でチェックできるテストで無料です!
無料で気軽にチェックできるテストではありますが、下記のような弱点もあります。
・選択問題のため運良くハイスコアが取れる事もある
・日本人が苦手なリスニング、スピーキングはチェックできない。
テストの結果で判別
無事テストを終えましたら、25点満点中の何点だったかをチェックしてくださいね。
そして、中学生レベルの英語力があるかどうかはズバリ…「10点を超えているかどうか」です!
10点を超えている方は中学生レベルの英語力はあると考えられるので、効率良く英会話を練習できるステージにいると判断できます。
もし、10点を超えている方で、留学前にお金と時間に余裕がある場合は、出発前の英会話をしてみるのも良いかもしれません。
逆に、10点に満たない場合には、残念ながら中学生レベルの英語力に達していません。
英会話の練習をする前に、まずは中学生で習う単語や文法を見直して、徹底的に基礎固めをしていくのがベストです。
ちなみに、なぜ10点がボーダーラインになるのかというのは以下のような理由です。
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2)「中学レベルの英語力」=「英検3級レベル」と考えられる
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3)英検3級レベルは文部科学省のCEFR対照表でA1レベル出典: 文部科学省
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4)ケンブリッジ大学英語検定でA1レベルは「Young Learnersの中間レベル(YLE MOVERS)とKET KEY(For Schools)」に相当出典: ケンブリッジ大学英語検定機構認定西日本試験センターJP176
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5)ケンブリッジ大学のオンラインチェックテストのスコア結果で、A1と同じ「Young Learnersの中間レベル(YLE MOVERS)とKET KEY(For Schools)」に相当するのが10-11スコア
また、もっとシンプルに考えて中高生を対象とする英語テストなので、「25点満点でその半分(12.5)を超えてない。 = 中高生レベルの平均を超えていない。 = 中高生レベルの英語力をきちんと理解していない。」と考えても良いかもしれません。
逆に、10-11を超えている場合には(まぐれで当たった問題がなければ…)中学生の基礎レベルを超えた「高校中級程度の準2級」や「高校卒業程度(大学入試レベル)の2級」に達していると言えるでしょう。
ちなみに、ケンブリッジのオンラインテストは、「中高生対象のもの」と「大人用」の2種類あり、今回ご紹介したものはより簡単で基礎力を測りやすい中高生対象のテストとなっています。
→ こちらは大人用のテストです。
興味がある方は、上記の大人用テストを受けてみてはどうでしょうか?(大人用のテストでも同じように10点を超えていければ、中学生レベルの基礎力はバッチリだと思います!)
中高生向けテストだけでなく、大人向けテストも両方スコアが10に届かない方は、残念ながら中学生レベルの英語力に達していないと考えれます。
こうした結果は「英語は苦手だけど…実際中学くらいのレベルはあるだろう~。」とちょっとした自信があった方にはなかなか厳しい現実かもしれませんね…。
しかし、母国語が日本語である私たちが第二カ国語の英語を身につけるにはどうしても、それなりの努力と時間が必要です。
今の実力を把握したら、ここからスタートです!しっかりと一度あなた自身の現実と向き合って、英語勉強の第一歩を踏み出せると良いですね。
こうした情報があなたの英語勉強や留学準備の一助になれば幸いです。
先輩留学生やワーホリの平均就学期間はどのくらい?
→自分の今の英語力からどれくらい学校に通うべきなのか知りたい方はこちらのコラムもご参考下さい。
(おまけ)ブロークンイングリッシュでも海外生活は可能!
英会話ができるようになるためには、中学レベルの英語を理解するだけではなく、瞬時に文章を理解して言葉として喋る必要があるという事が分かりました。
しかし、世の中にはこんな意見もあります。
・英語なんか身体で覚えろ!
・「習う」より「慣れろ」だ!
・海外にいて外国人としゃべってたら、自然に英語がしゃべれるようになるよ!
いわゆる海外生活を通じて身につける「ブロークンイングリッシュ(流暢な英語ではなく、間違った発音や文法が入っている英語の事)で十分だ」という意見ですね。
実際、ブロークンイングリッシュでも海外で通じますし、多少不便はありますが海外の生活自体は可能です。
一番イメージしやすいのは、芸人の出川哲朗さんの「出川イングリッシュ」のような感じでしょうか(笑)
例えば、前述のハリーポッターのダンブルドア校長の明言「暗闇の中でも、幸せは見つけることができる。明かりをともすことを忘れなければ」でも、ブロークンイングリッシュでも頑張れば伝えられます。
分かりやすく日本語で考えると…
「あなた 幸せ 見つける できる 暗い場所。ライト つける 忘れない」
という感じで身振り手振りを一生懸命頑張ればなんとか伝わりそうじゃないでしょうか?
しかし、あなたがもし留学をして本気で英語を学ぼうと思った時に考えるべきなのは「大切な時間とお金を使って留学なのに、海外で身につける英語は果たしてそうした英語で本当に良いのか?」という所です。
せっかく留学するのであれば、きっとブロークンイングリッシュではなく、きちんとした英語力を身につけたいと多くの方が思うはずです。
また、ブロークンイングリッシュは海外で苦労しながらもなんとか意思疎通をしたり、生活したりする事はできます。
しかし、当然ながらTOEICなどの英語試験では当然ブロークンイングリッシュだけではハイスコアは取れません!
やはり日本に帰国した際に「私は英語がしゃべれます。」と対外的に示して、証明できるのはTOEICなどの目に見えるスコアです。
「留学をして、ブロークンイングリッシュと海外で生活できる自信はついたけど…企業にしっかりアピールできるようなもの(TOEICのハイスコアなど)は持ってない…。」
そんな風にならないようにぜひ留学プランも組み立てていきたいですよね。