留学先のアジア人は固まる?アジア学生・ヨーロッパ系学生・南米系学生の違いを解説!
留学して語学学校に入学すると、様々な国籍の学生と出会います。
毎日そうした様々な国籍の留学生と交流したり過ごしていると、日本では見えなかった事やいろいろ見えてきたり、気づく事も多かったりします。
そこで、このコラムでは、そんな国や人種の違いによるそれぞれの特色と、その特徴が授業内でどのように表れるのか紹介したいと思います!
国籍ごとに特徴がある!?
語学学校には様々な国籍の留学生が集まりますが、その国籍を大まかに分類すると下記の3パターンに分かれます。
・アジア系学生
・ヨーロッパ系学生
・ラテン系学生
もちろん一人一人個性がありますので、同じ国籍であったとしても、全員の特徴がまったく同じになるという事はありません。
しかし、「こうした傾向が強いな~」、「こんな感じの人が多いな」という事は大まかに言えたりします。
早速それぞれの国籍についての特徴、傾向を見ていきましょう!
アジア系学生の特徴
まずアジア系学生は、日本、中国、韓国、台湾、台湾、ベトナム、タイ、マレーシアなど出身の留学生となります。
こうしたアジア系の留学生はこんな感じの特徴があります。
・自己主張が少ない
・仲間同士で群れる
ちなみに、語学学校内でも一番割合が多いのがこのアジア系の留学生になっています。
留学先でこうしたアジア人留学生をたくさん見かけるのは、やはり「海外留学に対して強い魅力を感じている、そもそも留学に対して熱心」という所があるんだと思います。
アジアで仕事をしたり、就職活動をする場合には、英語を喋れる事、海外の大学を卒業するといった事がものすごく大きなアドバンテージになるためです。
ちなみに、特に海外留学に対して熱心なのは中国人と韓国人で、次いで日本人と言ったところでしょうか。
文法そこそこ。スピーキングは苦手
まずアジア人留学生の最初の特徴としては、文法は比較的得意だけれども、スピーキングは苦手という点です。
こうした特徴の裏にあるのは、アジアの国にある受験制度が大きく関わっています。
受験勉強を通じて、文法や語彙をしっかりと学習してきたタイプの学生が多いため、文法は得意な傾向が強いんですね。
韓国や中国での受験戦争の様子は、一度はニュースで見たことがある方も多いのではないでしょうか?
一方、スピーキングは苦手な傾向にあります。
日本でも中高の英語の授業でもスピーキングの機会や時間はオーストラリア置くありませんし、日常生活でもスピーキングを訓練する機会や使う機会がほとんどないのがその理由です。
自己主張が少なく、弱い
また、アジア人はヨーロッパ系や南米系の人と比べると自己主張が控えめです。
みなさんも「欧米人は自己主張が強い」という事を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
欧米人の自己主張が強いのは、「欧米が個人主義の社会」、「アジア人の自己主張が少なかったり弱いのはアジアが集団主義の社会」という背景があるためです。
私たちアジア人は、小さい時から「謙虚さや礼儀正しさ、他者の尊重、集団の和を乱さないように」という事を教えられます。
一方、欧米人は小さい時から「あなたは1人の大人なんだから自分の事は自分でやって自立しなさい。1人の人間として自分をしっかり主張、表現しなさい」という事を教えられます。
もちろん国や個人によっても差はありますが、こうした欧米とは異なった環境で私たちは育っていますので、アジア人は総じて「自己主張をあまりしてこなかったために苦手」という事になりやすいんですね。
そのため、語学学校の授業でディスカッションの授業となると、ヨーロッパ系や南米系の学生に圧倒されがちです(笑)
授業の中でもディスカッションの授業となると、アジア系学生は、ほぼ一律大人しい雰囲気になってしまいます。
授業中に積極的に発言してリードしてくのは、ヨーロッパ系や南米系の学生となっています。
仲間同士で群れる
「留学先でアジア人は群れる」と聞いたことはありませんか?
こちらも個人差はありますが、一つの傾向としては事実です(笑)
アジア系学生の大きな特徴は、友人間での仲間意識や同調意識が強く、語学学校内で同じ国籍同士で固まっていることが多いことです。
なぜアジア人が群れるのかというのは、さまざまな理由がありますが…前述の「集団主義」という部分が一番大きく関係しています。
アジアの多くの国は「集団(コミュニティ)で生活する」という集団主義ですので、何か困った事があったら「集団やコミュニティのみんなで解決にあたる」というスタイルを取ります。
一方、欧米人は1人1人の独立性や自分の意志や意見を重視する「個人主義」ですので、「何か困った事があったら自分で解決しなくては!」というスタイルを取るため、グループで固まる必要性をそもそも感じにくいのです。
あとは、アジア人が固まってしまうのは単純に「遠い異国の地にいるからこそ、同じ文化的背景を持つ人と一緒にいると安心する」という心理的な部分もあると思います。
海外で日本食を食べたらやっぱり誰でもホッとしますし、日本語が通じたら安心する気持ちが強くなりますよね?
上記のように「集団主義の社会で育った+仲間といると安心感がある」という状況から、アジア人は海外で固まりやすいんですね。
自分に合った環境を選ぼう
留学したばかりの頃や英語力がほとんどない方にとっては、ペラペラ話してくるヨーロッパ系や南米の学生との接点が恐怖に感じることもしばしば…(苦笑)
そのため、どうしても同じ国籍同士で固まることにより、閉鎖的になってしまう部分もあると思います。
しかし、留学で重要なのは自分に合う環境を選び、作るという点です。
せっかくの留学中に、24時間ずーっと日本人だけで固まるのは決して良い事とは言えませんが…「慣れないうちは、積極的に交流する外国人をアジア人に絞ってみる」というのは一つの手です。
実際、私が留学中、個人的に一緒にいて心地よいと感じたのは、仲間意識の国民性を持つアジア人だったからです。
中国人や韓国人といると、同じアジア人であることで共通点も多く、外見も似ているので違和感がありません。
アジア系の友人とは、普段仲良くしているメンバー全員で遊びに行く、宿題を一緒にすることも良くありました。
また、放課後や週末も良く誘ってくれることが多かったので、疎外感を感じることも少なかったです。
あとは、中国人も韓国人も漢字を使うので、漢字を使う接点から仲良くなるケースも良く見られます。
一方で、アジア系以外の国の学生にとっては、こうした仲間意識や集団行動があまり理解できないようで、距離を置かれてしまうことがあるのが悩みでした。
そのため、英語力にある程度の自信のある方は、日本人留学生が少ない地域、アジア系学生が少ない地域に留学すると自分の抱いた留学生活になりやすいかと思います。
ラテン系学生(ヨーロッパ南部、南米)の特徴
ラテン系の学生は、ヨーロッパ南部に位置するイタリア、スペイン、マルタ、ギリシャなど。
また、南米のブラジル、ベネズエラ、チリ、コロンビア等の学生になります。
これらの学生の特徴は以下の通りです。
・陽気でフレンドリー
・時間や規則にルーズ
語学学校には、ラテン系の学生も多く見られます。
特に流暢な英語を話す人が少ないブラジル人は、どこの国の語学学校でもよく見かけます。
彼らの国民性や母語は、私たち日本人とはかなりかけ離れていますので、文化の違いやギャップを強く感じる人種の1つだと思います。
ですが、彼らの陽気さのおかげで、初対面なのに仲良くなることも珍しくありません。
一緒にスポーツ観戦(特にサッカー)すると、ボルテージ全快で盛り上がります(笑)
彼らの母国語は英語と発音や文法が似ているため、実は私たち日本人のように「主語が…述語が…」といろいろ深く考えなくても喋りやすかったりします。
また、陽気な国民性から知らない人にもフレンドリーに話しかける、間違った英語でも気にしないという部分で、コミュニケーションは比較的得意な人が多いのも特徴です。
ただし、中高で文法をさほど勉強していなかったり、発音はネイティブの英語とは大きくかけ離れており、総合的な英語力が高くはありません。
彼らは文法や発音の正確さに構わず、とにかく知っている単語を並べて、なんとかしてコミュニケーションを取ろうとするので、日本人の目には英語がペラペラ話せるように見えたりします。
そんな特徴から、授業でディスカッションをリードするような立ち位置であることが多く、「我先に!」と自分の意見を強く主張する傾向にあります。
人との壁を作らないフレンドリーな人が多いですので、たとえ先生と生徒、上司と部下といった関係であってもフランクな会話をします。
また、ラテン系の人種は、陽気な性格の反面、時間やルールを守らないことが多いとも言われます。
これは「厳格なルールに縛られず、人との繋がりやその瞬間を大切にして楽しみたい」という気持ちが強いからだそうです。
あまり細かいことを気にせず、その場のお喋りを楽しむように付き合えば、とても良い関係が築けそうですね。
ヨーロッパ系学生(中部~北部)の特徴
ヨーロッパと一言で言っても大変広いのですが、ヨーロッパ中部より北部のフランス、ドイツ、オーストリア、チェコ、ポーランド、フィンランドなどは、タイプが似通っています。
彼らの特徴は以下の通りです。
・真面目で勤勉
・神経質でクール
語学学校の上級レベルのコースを占拠するのが、実はこうしたヨーロッパ系の学生たちです。
彼らは主にビジネスシーンで使うための高度な英語力を求めて語学学校にやって来ます。
ヨーロッパ全体の傾向として、英語のスピーキングは比較的堪能です。
母国語も英語の文法に近いため、流暢に英語を話します。
特に北部の方は幼いころからしっかりとした英語教育を受けており、文法もスピーキングも得意な傾向にあります。
彼らがアジア人と比べて英語が得意な理由は、母国語が英語に似ているだけでなく、多くの国と陸続きになっていることも理由の1つです。
他国から来た人との会話、また音楽、映画等の娯楽を通して英語に触れる機会が多いことや、真面目で勤勉な人種であることが影響していると考えられています。
性格の面では、あまりオープンではなく、クールで人目を気にするシャイな人が多いとも言われています。
そのため、ディスカッション等の場では、我先にと強く自己主張するようなことも少なく、サバサバとクールな振る舞いが特徴的です。
しかし、内面ではしっかりとした考えを持っているため、必要に応じてスラスラと流暢な英語で自分の考えを話す傾向にあります。
ルールや時間も堅実に守る人が多く、全体的に少し日本人に近いというのが率直な印象です。
特にドイツや北欧の学生は、その傾向が強くなります。
ヨーロッパ系でも地中海寄りの国々の学生は陽気なタイプが多く、ヨーロッパ中部や北部のフランス人やドイツ人などはクールで大人しいタイプが多かったりします。
これらの人種が一つの教室に集まるとどうなるのか?
留学する国やクラスのコース、レベル等にもよりますが、一般的に語学学校という場所ではこのような様々な人種の学生が1つの教室の中で英語の学習を行います。
この3タイプの人種が集まるクラスでディスカッションを行うとすると、いったいどのようなことが起こるのでしょうか!?
私が語学学校に通っていた際の実際のディスカッションの様子を表すとこんな感じになります。
留学経験がある方は、上記のやり取りを見ていて、「分かる!」と感じた方も多いのではないでしょうか(笑)
これは極端な例かも知れませんが、少なからずとも人種によってこのような違いが表れます。
まず、ラテン系の学生が発言し、その後も議論をリードしがちです。
一方ヨーロッパ系の学生は、他の学生によって左右されることなく、自分の意見を冷静に語ります。
スピーキングが苦手なアジア系学生は、ディスカッションの速さと主張の強さに圧倒される展開になりがちです。
先生は皆が平等に発言できるよう気を配ってくれますが、発言がまともにできずに悔しい思いをするというのはよく聞く話です。
発言数が少なくなりがちな日本人学生がディスカッションで活躍するには、このような文化の違いがある事を理解した上で、自身が思う数倍も積極的に議論に参加することが大切となってきます。
授業中に圧倒されないために
日本人をはじめとするアジア系学生がディスカッションで苦労するのは、スピーキングが苦手であることに加え、相手の発言を完璧に理解し、それに対する的確な返答を考えてから話すという癖がついているからであると私は考えます。
筋の通った意見を主張するために、時間をかけてまとまった文章を考えてから発言するのは間違っていませんし、日本ではそれが丁寧で良いとされることもあるでしょう。
今回の例のように、他の文化や国民性を持つ学生とのディスカッションでは、様々な視点からの意見が出され、次々に論点が変わって行きます。
また他の学生の意見を100%理解できなくとも、理解できた部分に対して素早くコメントしてきます。
そんな中では、まだ意見がまとまっていなくても、自分から手を挙げて自分の今の考えを発言していくことが必要となるのです。
さらに、語学学校のディスカッションをスピーキング練習の一環だと考えると、考えながらでも話そうとする学生の方が確実にスピーキングの伸びは早くなります。
なぜなら、英語が流暢に話すには、英語で考えることが必須だからです。
最初はたどたどしい英語であったとしても、英語で考えながら文章を組み立てる訓練を繰り返す度に少しずつ英語が流暢になっていきます。
このコラムを読んで、想像しているよりも文化の壁って大きいかもと不安に感じた方もいるかもしれませんね。
しかし、このような文化の違いに圧倒されることは、留学すれば誰でも必ず経験することです。
想像を超える文化の違いを経験できることが海外留学の醍醐味であり、それを乗り越えた先には、世界中で通用するコミュニケーション能力が身に付きます。
人種や育った国によって文化・国民性・英語力が異なることを理解し、今回のコラムで紹介した人種の違いをぜひ文字だけではなく、自ら体感して欲しいと思います。
日本でも英語の勉強はできますが、こうした人種を越えたコミュニケーションは海外留学しないと体験できないことです。
留学経験がなくても英語力がある方もいますが、このような経験を若い時にしていないと後から苦労すると言われます。
海外留学・ワーホリを通して、ぜひ国民性の違いを肌で感じてみましょう!