最初の滞在はホームステイがオススメ?
留学やワーホリなどの留学プランが固まり、語学学校が決まった次に悩むのが最初の滞在方法です。
海外留学といえば、昔からホームステイが主流ですが、一方で学生寮も人気が出てきています。ただ、学生寮は学校側が学生寮を用意していなければ、学生寮を選択できないのがネックです。
ホームステイは、海外留学生活を通じてその国の文化や習慣を体験できるのが強み。
一方、他人の家庭に入ることへの不安や英語ができないという心配もあるでしょう。またネットの様々なネガティブな情報を見て、ホームステイを選ぶことを躊躇する方もいらっしゃいます。
「最初からシェアハウスでの生活はできないですか?」とよくご質問を頂きますが、シェアハウスは実際に内覧をして条件を確認する必要があります。そのため、日本滞在中に決めることはできません。
結論として、最初の宿泊先としての選択肢はホームステイか学生寮の二択になります。最初の滞在先としてホームステイまたは学生寮どちらがオススメなのか、それぞれの特徴から見ていきましょう!
実際に体験することが自分の経験になる
最近、カウンセリングをしていると「ホームステイはちょっと…。」という懸念される方が時折います。この理由は、「ホームステイはあまりオススメできない。」という意見をインターネットで見たという方が大半です。
最近は留学した方の体験談がインターネット上にもあるので、留学前からたくさんの経験談を調べられます。渡航前からその国のことを知ることができますし、非常に参考になりますし便利です。しかし、私はこれが一つの落とし穴でもあると感じています。
皆さんは、「グッドマンの法則」ってご存知ですか?
ネット社会に置き換えて簡単に説明すると、「イヤだな」と感じるネガティブなクチコミは、「よかった」という感想のクチコミに比べると2倍以上も社会に広まるという法則です。
そのため、「ホームステイはオススメできない。」という情報が広まり易いのです。
実際に体験した経験があるからこそ、「ホームステイはよい or 悪い」の判断ができるのであり、自分でそれを体験してみないと本当のところは分かりません。
他人の留学体験談を読んで、「ホームステイした気になる」のと「実際に体験してみる」では得られる成果が全く違います。
ホームステイ先で親切にされたなら、その国の人の良さを実感し、文化・風習も気に入ることでしょう。そして、自分もいつか日本で海外の人をもてなす側になりたいと思うかもしれません。
逆に、ホストファミリーから冷たくされたと感じたなら、「自分は日本で外国人に親切にしてあげよう!」と感じるはずです。
どんなことでも体験に勝るものはありません。経験値を高めていくことで、人間力も育成されていきますし、それこそが海外留学・ワーホリの醍醐味だったりします。
ホームステイと学生寮の違いとは?
では、ホームステイと学生寮では、どちらがオススメなのでしょうか?
どちらが良いかは、留学生の希望によって異なります。ホームステイと学生寮のメリットとデメリットについてご紹介しますので、どちらが合っているのかについて検討してみましょう。
ホームステイ | 学生寮 | |
メリット | ・英語でのコミュニケーションが多い ・日常生活で使う英語が学べる ・現地の料理や文化を体験できる ・朝夕の食事が提供される ・万が一の場合は頼ることもできる | ・生活の自由度が高い ・友人が作りやすい環境 ・生活面での不安が少ない ・食事は自炊で自分次第 ・工夫次第でコストが抑えられる |
デメリット | ・門限など家庭ごとのルールがある ・通学時間が長くなる場合がある ・食事が口に合わない場合がある | ・食事は自炊 ・静かな環境ではないことが多々 ・その国の文化に触れる機会は少ない |
注意点 | ・ホスト毎に環境が大きく異なる ・自室の掃除と洗濯は各自で行う | ・学習しづらい環境になる場合も ・学生間のトラブルが起こり得る |
食事 | ・朝夕提供される | ・基本的に自炊 |
ホームステイでは食事が提供されますが、その国の食文化やその家庭の味が自分に合わない可能性もあります。学生寮は自炊で大変だけれど、好きなものが食べられるので食への不安は払しょくできます。
このように、ホームステイと学生寮それぞれメリットとデメリットは表裏一体なのです。
ネイティブの英語に触れたい方やその国の文化を体験したい方は、ホームステイがお勧めです。一方、比較的自由で自己管理しながら生活したい方や、学校からアクセスの良い場所で生活したい方には学生寮が適しています。
「ホームステイは当たりハズレがある」って本当?
これはよく聞かれる言葉で、非常に「的を射る表現」だと思います。
ホストファミリーが親切な方なのか否かというのは大きな点ですが、親切でも食事が合わないなどの問題が出てくる可能性があります。
ホームステイはそれぞれの家庭があるので、本当に「十人十色」なのです。
どのホストファミリーが自分に合うのかはわかりません。自分に合わないホストファミリーでも、他の人には合うかもしれません。
これは実際に私が2つのホームステイ先を経験して、感じたことになります。
私がイギリス留学でのホームステイ先は、とても自由なギリシャ人で、音楽を常に大きな音でかける陽気な方でした。食事は単に焼いただけの野菜やお肉が多く、「ホームステイ先はイギリス人に違いない。」と思い込んでいた私は不満に感じてしまいました。
そのため、私は学校にホストファミリーの変更を申し出ました。2軒目のホストは、私の希望通り生粋のイギリス人になりました。しかし、その家庭は完全にホームステイを「ビジネス」として運営しているファミリーだったのです。
2軒目のホストでは食事を一緒にとったことはなく、夕食にはよくテーブルに1,000円くらいが置いてありました。要するに、「自分で適当に買って食べてね!」と言う意味。また、ホストが家でチャイルドケアの仕事をしていたので、夕方まで家に帰ってこないでという状況でした。
再度の変更は手間ですし、すぐ近くに大手スーパーがあり、逆に自由に好きな食事が取れたので、申し込んだホームステイ期間が終わるのを待ちました。
私にとっては不満が残るファミリーでしたが、私が留学カウンセラーとしてサポートして来た留学生の中には、同じようなファミリーに当たったケースもあります。その中には、以下のようなプラスの意見もあるのです。
日本で独り暮らしが長い人にとっては、言葉の通じない赤の他人と時間の共有することにストレスを感じる気持ちも分からなくはありません。ましてや、他人の家に居候させて貰っているので、学生寮とは違ってファミリーとは対等な立場でもありません。
面白い現象ですが、人によって感じ方が全然異なるのは、こういう部分なのです。
ある日、語学学校で「最初のホストは最低だったけど、今のホストは最高よ!」と同じくクラスの子が話していました。その話をよく聞くと、最初のホストが今の私の2軒目のホストのことで、最高のホストとは「私の最初のホスト」だったのです!
その子は毎晩ホストと音楽かけて、踊って楽しんでいたとのこと。その子はジャマイカからの留学生でした。背景には文化の違いもあると思いますが、面白いなーと思いました。
今思えば、たくさん話かけてくれていた最初のホストは、間違いなく良いホストだったと思います。後から入ってきたイタリア人の子とも仲良くなりかけところで移動だったので、勿体ないことをしたと思います。
今となっては素材を生かすギリシャ料理も大好物なのですが、「イギリス留学したのだから、イギリス人ファミリーであるべき!」という、当時の私の思い込みがその良さを気付かせてくれませんでした…。
一方、同時期にホームステイを手配した日本人の友人は、私がこれまで知る中で最高のホストファミリーに当たっていました。ホストは生粋のイギリス人夫婦で、料理好きなお父さんが毎晩腕によりをかけて、いろんなご飯を作ってくれます。
奥さんは午後に必ずミルクティーを作ってもてなしてくれます。いつもその家には笑いが絶えず、部屋には大きなベッドがあり快適でした。週末には孫を連れて遊びに来る娘とともに豪華なランチ、その後はサッカー観戦と絵に書いたようなホストファミリーだったのです。
彼らはいわゆるホームステイでハズレを引いてしまった私にその分とても親切にしてくれて、よくご飯もご馳走になっていました。この友達のファミリーと出会ってなかったら、私はきっとイギリス人が嫌いになっていたことでしょう。(苦笑)
理想のホストファミリーはひとつじゃない
「親切であること」以外には、ホストファミリーに正解はないと思います。
どれもがその国を表す家庭のひとつであり、そのどれが自分に合うのかはわかりません。そして、決して「合う」必要はないのです。
海外留学とは、「その国の文化を知り、違いを学び、楽しむこと。」でもあるからです。
良いファミリーに当たるかどうかは運次第に見えるので、ホームステイに期待が持てなくなる方もいるかも知れません。
ただ、留学というその国の食事や文化を存分に体験できる機会を得ているのです。ホームステイでしっかりと現地の文化・風習を感じることも海外留学の醍醐味です。入国して、その国のことを知ることは大切なことです。
最初から学生寮に入ってしまうと、右も左も何も分からない状態で、生活のやり繰りをしなくては行けません。日本でも全く知らない土地に引っ越して生活することは、誰でも最初は慌ただしくて大変だと思います。ましてや、言葉の通じない海外ではもっと大変です。
最初は英語も思うように通じないので、決して学生寮が自由で気楽なワケでは無いことは想像できるはずです。
新しいことに挑戦するのが好きで、何でも自分でやってみたいというアグレッシブな方には学生寮はオススメです。
ホームステイと言う他人の家に居候して文化交流することと、学生寮で同じ立場の留学生同士で気軽に生活することを比べて、どちらが自分にとって合っているかは、人それぞれ判断が分かれるところです。
初めて異国の土地で生活する体験は、一生の思い出となる財産になります。
良いファミリーに当たり良い時間を過ごせるかもしれませんし、合わないファミリーに出会い苦い思い出になるかも知れません。
しかし、苦い思い出の方が、より人生の勉強になりますし、人間を成長させてくれます。
コストの面だけ考えて、現地の文化を体験できる貴重な機会を逃さないように、自分に適した滞在方法を検討されてみてください。