留学は本当に役立つ?就活で成功するための戦略
「留学経験があれば、就活で役に立っていい会社に入れる?」
という疑問は、留学に興味のある大学生なら皆、一度でも耳にしたり、考えたりしたことがあるのではないでしょうか。
ただ、「就職活動のためだけに留学するぞ!」という人はきっと多くないと思います。
実際、私も「海外に住みたい!」という理由で留学したので(笑)
それでも、たくさんお金をかけて留学するのですから、せっかくなら就活でも留学経験が役に立ってほしいと思いますよね?
そこで、このコラムでは就活で留学は有利に働くのかどうかという事について、私の体験談をお伝えしたいと思います!
就活を経験してわかった就活で大切なこと
「留学経験が就活で役に立つのか?」という問題に答える前に、私が就活を通して気づいたことを紹介します。
就活を通して、自分に合う会社を見つけたい!という場合、大切なことは…
「大学生のうちに、自分がやりたいことを全力でやる!」
ことだと思います。
「え、それだけ…?」と思った方もいるかもしれませんが、意外とこれが難しいのかもしれません。
就活に対してまじめであればあるほど、「やりたいことだけやって、面接で語れるものがなくなったらどうしよう…。」と不安になってしまうからです。
しかし、これが就活を通して感じた、一番大切なことなのです。
では、それがなぜなのか、これから2つの理由を説明していきます。
① 面接で一番聞かれる「学生時代一番力をいれたこと」が答えやすくなる
就活生の間で「ガクチカ」と呼ばれるこの質問は、本当に、本当に!多くの会社で聞かれます。
などなど、様々な形で質問をされました。
しかし、共通しているのは…
この2つです。
面接での質問や書類選考での質問を合わせると、私が受けた会社の8割以上でこのような形の質問をされたと思います。
そして私の場合、全て同じ経験を使って、質問に合わせて答え方を工夫することで乗り切ることが出来ました。
この経験は、組織のリーダーをやったとか、世界一周したとか、そんな特別な経験である必要はないと思います。
アルバイトでの経験や、サークルの経験でも、自分なりに努力をしてさえいればそれで十分です。
実際に就活を通してお会いした、新卒でリクルートに入社した方は、居酒屋でアルバイトをした話で面接を乗り切っていたそうです。
「リクルートで働いている人は、大学時代に意識高く何か活動していた人」そんなイメージを持っていた私は、ガクチカでアルバイトの話をしていたことに衝撃を受けました。
ワーホリ経験が就活の武器に!ガクチカとして使う秘訣
→このガクチカについて詳しく知りたい方はこちらのコラムもご参考下さい。
② 自己分析に活用できる
就活をまだ経験していない学生でも「自己分析」が就活で必要だということはみなさんご存知かと思います。
私も就活を始める前から自己分析の必要性は聞いていたので、3年生の秋ごろから少しずつ進めていました。
しかし、いざ就活が本格化すると、自己分析の至らなさや重要さを身に染みて感じました。
自己分析とは、簡単に言うと、「自分ってどんな人間?」かを理解するための作業です。
この作業が就活の中でどう役立つかというと…
という2つを把握し、自分に合う企業に効果的なアピールをしやすくなります。
自己分析とは、「自分ってどんな人間?」を理解する作業。
パッと見単純そうな作業に聞こえるかもしれませんが、自己分析のやり方に正解はなく、様々な方法があります。
その中の一つに過去のエピソードを深掘りしていって、自分の特性を理解するという方法があります。
これをすることで、自分がどんな状況で頑張れるのか、どんな人と相性がいいのか、など様々なことが分かります。
そうすると、自分がどんな人と働くのがいいのか、どんな環境がいいのか、どんな仕事がいいのかということが少しずつ言語化できていくのです。
このような自己分析の方法に、何かを頑張った経験が役立ちます。
なぜなら、自分なりに精いっぱい努力した経験には、大きな感情の動きや、学びが必ずあるからです。
その感情の動きや学びを分析することで、自己理解が進んでいきます。
以上2つが「大学生のうちに、自分がやりたいことを全力でやる。」ことが大切な理由です。
しかし「じゃあ就活のために何か新しいことを始めよう!」という考えで何かに挑戦することは、結果的にあまり良くないと思います。
あくまでも、「自分がやりたいことを」全力でやることが大切なんです!
それはなぜなのかは、次に説明していきます。
新卒採用の場でスキルはほぼ求められていない
日本の新卒就活のやり方は、世界的に見るとかなり特殊だと言われているのをご存知ですか?
日本では、大学で学んできた専門分野に関係なく(医学部など例外はありますが)、一斉に「総合職」または「一般職」という形で採用します。
そして、大学時代にどんな経験をしたかに関わらず、4月から同じ研修を受けることになりますよね。
このように画一的な採用・教育が行われると、企業側はビジネスの場で使うスキルを持っている学生をそこまで求めていません。
私は就活中、様々な企業の人事の方に「新卒に何を期待していますか」という質問をしました。
その時に聞いた答えは…
などなど、精神的なものばかりでした。
中途と新卒の違いも聞いてみたところ、中途に求めるものは即戦力・新卒に求めるものは企業文化への適応と変革と答える人事の方もいました。
つまり、面接で見せなければいけないのは、入社後すぐにではなく「教育を経てから」活躍できる人かどうかなのです。
「即戦力ではなく、活躍できる人であることを証明する為にはどうすればいいのでしょうか?」それを次に紹介したいと思います。
面接官は「how?」と「why?」を聞きたい!
先ほど書いたように、企業はいわゆる「ガクチカ」を高確率で聞いてきます。
では、多くの企業がガクチカを聞くのはなぜだと思いますか?
これは私が就活を通して気が付いただけでなく、就活中に出会った人事の方や、留学ドットコムで人事を担当している社員からも理由を聞いてみました。
ガクチカで面接官が聞きたいのは、「どれだけ優秀か」ではなく、「どのように問題を解決したか」や「なぜその行動を選択したか」というhowとwhyの部分です。
“未来のことは誰にもわからない”ので、入社後活躍してくれるかどうかを予測するのは難しいと思います。
しかし、面接官はそれを予測して合否を出さないといけません。
そこで過去の経験を聞くことで、その人がどんな状況で力を発揮するのか、その環境が会社にあるか、ということを予測していきます。
つまり、過去の経験は学生の個性を裏付けるデータのような働きをするのです。
また、いくら仕事が向いていても、学生の価値観と企業の価値観が合わないと、組織の一員として上手くやっていけませんよね?
そこで大切になるのが「why」の部分です。
何か行動を選択したときの動機は、その人の価値観や考え方が反映しています。
そのため、過去のエピソードの中で、「なぜその行動をしたのか?」という部分を深掘りして話を聞いていくと、その人がどのような価値判断をするのか、ある程度予測できるのです。
面接官はこの「how」と「why」を聞くことで、学生が活躍してくれるか、会社に合っているかを判断するのです。
先ほど、リクルートで働いていた人事の方がアルバイト経験について語ったという話をしましたよね?
その方は、誰でもしているアルバイトというエピソードを使って、howとwhyの部分を上手く面接官に伝えたのだと思います。
面接官は即戦力となる人材を求めているわけではない。
だから、何をしたかではなく、howとwhyの部分を聞きたがっている。
これが、「自分がしたいこと」を全力でやるべき理由です。
結局、留学は就活で役立つの…?
ここまで長々と就活で学んだことをご紹介してきました。
お待たせしました!
それではここから、「結局留学は就活で役に立つのか?」ということについて考えていきましょう!
結論としては…
「留学をしたい!という気持ちが少しでもあり、現地で自分らしく精いっぱい努力ができれば」必ず役に立つ!
です!
上で説明した通り、企業はhowとwhyを求めており、そこから学生が入社後活躍できるかを予測します。
「留学に行きたい!」という気持ちがあって留学をした場合、留学をした理由には必ずあなたの価値観や個性が反映されているはずです。
私の場合、留学に行った理由は「海外に住んでみたかったから」でした。
私は内定先にこのように説明したのですが、恐らく好奇心旺盛な性格と、自分の好奇心に基づいて動ける行動力を評価してもらえた気がします。
また、留学に行くということは、異国の地に1人で飛び出して行って、言葉も不自由な状態である程度の期間過ごすことになります。
そんな日常とはかけ離れた状況で、なにも困ることなく、ただ楽しいだけで終われることはほぼありません。
例えば一から居場所を作らなければいけなかったり、学校の授業についていけなかったり…。
そんな困難に出会う機会がたくさんあるのが、留学の醍醐味であり、価値だと思います。
そんな困難に出会ったとき、自分なりに精一杯努力した経験は、自己分析や面接で必ず活きてきます。
今留学に行こうか迷っていて、就活についても考えている人がいたら、ぜひ参考にしてもらえたらと思います。
まとめ
このコラムでは、「留学は就活で役立つのか?」という、みんなが気になっている疑問について考えてみました。
留学は短期でも数十万、長期だと数百万単位でお金のかかる、大きな買い物です。
そんなにお金がかかるとなると「本当にそれだけのお金を払う価値があるのか…?」と不安になりますよね。
特に大学生にとっては、帰国後にほぼ必ず待っている「就職活動」に漠然とした不安があり、どうしてもそれを意識してしまいがちです。
私も就職活動は不安だったし、留学に行くときも「高いなあ…親に申し訳ないな」という気持ちがありました。
それでも、私は自分の留学が人生の糧になっていると思いますし、就職活動でも様々な形でいい影響を及ぼしていたと思っています。
矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、就活で成功するためにも、ぜひ就活の事は忘れて!(笑)
自分のやりたいことに正直に大学生活を送ってみて下さい。
その中で、留学が一つの選択肢に入ってくれたら嬉しいです。