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【イタリア留学】イタリア4番目の都市トリノの特徴を紹介!

公開:2019/05/23 著者:常世 麟太郎 1697 Views

イタリアの北部の都市と言えば、ミラノやヴェネツィアがよく挙げられます。

しかし、それらに並ぶ大きな都市として意外と知られていないものが、冬季オリンピックの開催都市となったこともあるトリノです。

あまり日本人には馴染みのない都市ですが、実はイタリアの歴史と産業においては重要な役割を果たしてきた都市なのです。今回はそんなトリノをご紹介いたします。

トリノの地理と気候

トリノはイタリア北部にある、国内人口第4位の都市です。港町が有名なジェノヴァの北西約120km、オペラで有名なミラノの南西120kmの位置にあり、フランスにも近い都市です。

トリノの西方にはアルプス山脈がそびえ、それを越えれば隣国フランスへと辿りつきます。トリノはピエモンテ州の州都ですが、「ピエモンテ」とは「山麓」を意味する言葉に由来し、アルプスの清涼な雪解け水が豊富な地域にあります。

気候は温暖湿潤で日本と同じですが、緯度も高くアルプス山脈が近いことから、夏でも最高気温が30度に達しないことがほとんどで、過ごしやすい気候にあると言えます。

その一方で、秋~冬にかけてはかなり気温が下がり、雪が降って氷点下を下回る日もあるため、冬が厳しいこともトリノの特徴と言えます。

 

トリノの歴史

古代ローマ帝国時代以前は、タウリーニ人が居住していました。後にローマ共和国領となり、紀元前1世紀にはカストラ・タウリノールムと命名されました。これがトリノの都市名の由来となっています。

16世紀にフランスによる占領を経て、サヴォイア王家に帰属しました。1720年以降は同王家のサルデーニャ王国の首都になり、同王家が進めたイタリア統一運動(リソルジメント)の後に建国されたイタリア王国は、そのまま首都になりました。

つまり、トリノは近代国家としてのイタリアの最初の首都であったということです。

 

トリノは、自動車を中核とする国内最大の民間企業グループFIAT(フィアット)の下で発展してきました。その主要工場が位置するのもトリノで、同都市はミラノに次ぐイタリア第二の工業都市として有名でもあります。

そして、トリノはイタリアにおけるメディア産業の誕生の街でもあります。イタリア放送協会(RAI)は日本のNHKのような立場にある放送局ですが、最初の設立はトリノでした。

映画産業もトリノを中心に発展してきたという歴史があり、RAIのトリノ支局近くには、トリノにおける観光スポットの1つである映画博物館があります。なお、イタリア第三の大手新聞「La Stampa(ラ・スタンパ)」の拠点もトリノにあります。

 

トリノの食文化

トリノにおける料理の特徴は、まず食事に出されるパンで分かります。通常イタリア料理のレストランでは、塩やオリーブオイルで軽く味付けされたパンなのですが、トリノを含むピエモンテ州では、プリッツが出されるところがあります。

これはグリッシーニと呼ばれ、形状としては中が空洞になったフランスパンがポッキーのサイズになったもの、と表現すると分かりやすいでしょうか。サクサクとした食感が堪らなく、ついついメインの食事が来る前にたくさん食べてしまう一品です。

トリノのスーパーマーケットには、2メートルはあろうかというグリッシーニがよく売られています。

 

→ クラッカーのような軽い食感のスティック状の細長いパン。長さのサイズはさまざま。

 

メイン料理に共通するのは、山が近いという地理的特徴が活かされたジビエ料理である点です。多くの料理には、牛肉やウサギの肉が使われています。

カルネ・クルーダはそのまま「生肉」という意味で、オリーブオイルと胡椒で味付けされた新鮮な生の牛肉のたたきです。

また、アンニョロッティ・ダル・プリンはウサギ肉を使用したラヴィオリ(餃子のように皮状のパスタで野菜や肉を包んだ料理)で、ピエモンテ州では広く食べられている伝統料理です。

 

トリノの観光スポット

トリノで最も有名な観光スポットいえば、世界遺産に登録されているパラッツォ・レアーレ(王宮)でしょう。この王宮は16世紀から17世紀にかけて建設され、サヴォイア王家一族が住まいとしていました。

玉座や舞踏ホールなど、煌びやかな貴族の暮らしぶりに触れながら、サヴォイア家の栄華を肌で感じることが出来ます。王宮は左右対称の構造をしていますが、これはフランスの建造物の影響を受けていることを示すものです。

その王宮の中でも、アルメリア・レアーレ(武器庫)は必見ポイントです。長い廊下の両側には中世から近代にいたるまでの様々な武器がずらりと展示されており、壮観と言わざるを得ません。

 

人間と軍馬の甲冑から、剣・槍・斧などの鉄製武器と鉄砲などの火薬武器まで、時間を忘れて鑑賞してしまいたくなること間違いなしでしょう。

ここには明治天皇からサヴォイア王家に贈られた、日本刀と鎧も展示してあります。

なお王宮だけではなく、王宮正面のマダーマ宮殿や郊外のストゥピニージ狩猟宮殿も世界遺産「サヴォイア王家の王宮群」として登録されており、足を運ぶ価値のあるスポットです。

 

次に訪れるべき観光スポットはサンタ・マリア・デル・モンテ教会です。トリノ中心部の王宮前の広場から南東方向に歩き、ポー川を渡った先の丘の上にある教会です。

この教会の前にある広場からは、アルプス山脈の山々を背景に広がるトリノ市内の様子を一望することができ、夜景も素晴らしいです。特に、トリノ市内にそびえ立つ塔のラ・モーレが、暗い夜空に浮かび上がる様は非常に幻想的です。

ちなみにラ・モーレにも展望台があり、トリノ市内を一望できます。塔の内部には国立映画博物館があって、イタリア映画好きの人には大変人気のスポットです。

 

→ トリノ市内を一望できるサンタ・マリア・デル・モンテ教会

 

最後に、ムゼオ・エジツィオ(エジプト博物館)も人気の高い観光スポットの1つです。トリノとエジプトは、一見何の結びつきもないように思われますが、実はエジプトの首都カイロにあるエジプト考古学博物館に次いで、2番目の収蔵品数を誇る博物館です。

18世紀半ばからサルデーニャ王国の主導でエジプトの遺跡発掘が進められ、現在に至るまでコレクションが幾度となく追加されてきました。

ちなみにヒエログリフ(エジプトの神官文字)を解読したフランス人シャンポリオンは、その解読作業のためこの博物館の膨大な資料を利用しました。貴重な石像や棺を間近で見られるということで、多くの観光客が訪れます。

 

サヴォイア王家のお膝下、トリノへ行こう!

如何でしたでしょうか?トリノはまだ日本での知名度があまり高いとはいえないものの、サヴォイア王家の宮殿や、美味しいジビエ料理を楽しむことのできる、魅力にあふれた街です。

ミラノやジェノヴァからも簡単に行くことができるので、北部イタリアを訪れた際には是非足を運んでみましょう!

 

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