世界の医療事情を学ぶ知ることができる医療英語コース
欧米圏の医療英語コースは、英語の能力アップはもちろんですが、各国の医療関係者との国際交流ができるのも人気の理由です。
医療英語コースを受講する学生は、日本人のみならず世界中から集まり、各国の医療事情や国で異なる医療への考え方などの情報交換をすることができるのです。
例えば、日本では当たり前の感染予防である「うがい・手洗い」ですが、感染予防に関しての知識を持たない国もたくさんあります。
また看護師が行うことができる仕事範囲や医療技術の違いなど、プロフェッショナル同士だからこそ話すことができる各国の違いに驚かされるでしょう。
医療英語コースには、内科医や歯科、薬剤、看護、など様々な立場の医療従事者が集まります。
そのため、医療英語コースに参加することで、今まで交流を持つことがなかった立場の異なる医療従事者と交流を持つことができ、多様なものの見方や日本式医療の良い点、改善するべき点も見えてくるのです。
医療英語コースを受講される方々は、医療従事者はもちろん、今後医療分野で活躍を目指す学生も受講可能です。一般英語コースだけでは少し物足りない、英語の磨き上げを行いたい学生にもおすすめです。
欧米圏の医療英語コース受講では、英語レベル中級以上の能力が求められます。多くの場合、コース申込み時に英語レベルチェックテストを受け、受講可能な英語レベルにあるかどうか測ります。英語力が基準に到達していない場合は、一般英語コースで規定レベルに到達するまで学習し、その後に医療英語コースにステップアップする流れとなります。
今回は、欧米圏の語学学校で医療英語コースを開講している学校をまとめました。ちなみに、フィリピンの語学学校で医療英語コースが学べる学校は、以下の記事で特集しましたので、フィリピン留学に興味のある方は、以下の記事をどうぞ!
充実したカリキュラムを提供する老舗校ILSC
ILSCは1991年にバンクーバー校を開講し、現在ではバンクーバー、トロント、シドニー、メルボルンなど世界7都市にキャンパスを持つ大規模な学校です。2013年、2014年には優秀な語学学校に贈られる、Study Travel Magazineの Star Awards チェーンスクール部門に2年連続選ばれるなど、教育の質やサービスは高く評価されている学校です。
医療英語コースは、同校のバンクーバーキャンパスでのみ開講している人気コースです。ILSCの医療英語コースは12週間の学習期間があるディプロマコースと4週間の学習期間のサーティフィケートコース2種類を開講しています。コース入学レベルは英語力中級以上となり、学校のレベルチェックテストにてコース受講が判断されます。
同コースは1セッションを4週間で構成されており、セッション毎に扱う医療テーマが異なります。1セッション終了毎にサーティフィケイトを取得することができ、3セッションの受講が終了すると医療英語ディプロマを取得することができます。
生殖器系 / 頻尿器系 / 筋肉、骨格 / 検査結果の伝え方 / 薬学と薬剤師 / 血液循環、など
緊急医療 / 神経系 / 呼吸器系 / 消化器系 / 手術前、手術後 / リンパ、など
腫瘍学 / 苦痛緩和治療 / 理学療法 / エンドルフィンシステム / コミュニティーヘルス / 精神科医療、など
同コースは医療を専門とする学生向けに作られたプロフェッショナルコースとなり、医療専門用語を用いた、患者とのコミュニケーション力を向上していきます。
授業では学生の専門分野に合わせ、患者と医療スタッフを想定したロールプレイを取り入れています。問診票の入力や病状の確認、治療に関しての説明、など学生はテーマに沿った内容で患者への対応を練習していきます。
また授業では毎週プレゼンテーションがあり、学習内容に準じたテーマを調べて発表を行います。時には医療の考え方に関したディベートも開催され、講師を中心に各国や個人の意見に関して話し合っていきます。
授業を担当する講師陣は学士号と英語教授資格を有しかつ、1年以上の医療英語の教授経験をもつ優秀な講師となり、学生を常にリードしていきます。
1週間単位で申し込める柔軟対応が魅力のVIC
VICはバンクーバーダウンタウンにキャンパスがあり学生定員約450名の語学学校です。同校では総合英語コースやスピーキング強化、進学準備、など幅広いコースを開講しており、学生のニーズに応えています。
VICの医療英語は午後の選択授業のひとつとして開講しており、他のコースと組み合わせることや医療英語クラスのみの授業参加も可能です。そのため一般英語やスピーキング強化科目と医療英語を平行して学ぶことができ、集中的な学習や応用力の強化に最適です。
授業は月曜から木曜の14時20分から15時30分に開講され1週間単位の申込みが可能です。入学も毎週月曜日に入学することができるので、学生のスケジュールに合わせることができるのがポイントです。
メンタルケア / 患者モニタリング / 薬物医療・対処 / 治療法の学習
医療英語クラスの授業は、医療現場で必要となるコミュニケーションスキルアップを目的としたものとなり、医療単語、表現、言葉の使い方、などを含めたロールプレイ授業を行います。医療英語クラスは英語レベル中級以上の学生向けとなりますが、授業ではスピーキングの基礎やリスニング、タイティングなども含まれ、英語の基礎から応用を学ぶことができます。
授業のプログラム内容は12項目に分かれており、1項目を1週間かけて学習していきます。12週間のプログラムを受講するとCertificate (修了証)を取得することができます。同クラスは日本人学生の参加が非常に多くクラスの約8割は日本人の学生となります。
授業を担当する講師は一般英語を専門としており、元医療従事者ではありませんが、カナダの医療事情に詳しく授業の中でも具体的な例なども挙げながら進めてくれます。
オーストラリアで幅広く開講するLexis English
Lexis Englishはオーストラリア国内の5都市、ブリスベン、ヌーサ、サンシャインコースト、バイロンベイ、パースにキャンパスがあります。2003年に創設されたLexis English85ヶ国以上からの留学生を受け入れるワールドワイドな学校です。
Lexis Englishの医療英語(OET)コースは、ブリスベン、パース、サンシャシンコーストキャンパスで開講されています。同校のEMP(医療英語)プログラムは医療従事者など医療系でのバックグランドがある方を対象としています。クラスへのエントリーレベルは英語力中上級となりIELTS5.5レベルが目安となります。
授業は医療現場で必要とされる専門用語や医療現場での実践的なコミュニケーション能力をつけるために適したコースとなっています。リーディング科目では肥満やアレルギー、自閉症、などの文献や医学書を読み進めていき、内容に関しての討論会を行います。
各国から集まる学生による、さまざまな意見や考え方を聞くことができる貴重な機会です。スピーキングではロールプレイ授業、ライティングでは紹介状の書き方、など基礎ライティングを学んでいきます。
同校の医療英語プログラムは海外就職のみならず、日本で活躍するためのスキルアップやキャリアアップ、海外の論文や文献をもっと読みたい、などさまざまな目標を持つ方におすすめです。
イギリスで医療英語をかじるならRose of York
ローズ オブ ヨークは、ロンドンの中心地にキャンパスがある中規模の英語学校です。1989年に設立され、経営や教師の質、授業、学校設備、など各教育機関からも認められています。
同校の開講コースはジェネラルイングリッシュやIELTS、ケンブリッジ試験対策、などがあり、医療英語はプロフェッショナル英語クラスにて学ぶことができます。
プロフェッショナル英語クラスでは、医療英語の他に金融やマーケティング、法律、観光・接客、などの分野もあり、学生の要望や専門に合わせて選択が可能です。
医療従事者は海外でも強い
看護や医療は万国共通であり、日本での医療知識や経験は必ず世界でも通用する高いスキルとなります。
留学中に医療関係の仕事を探す方も多いと思いますが、医療経験者の求人はとても多く需要があります。
特に日本での医療現場経験を持つ方で、医療英語コースの修了証書を持つ人材であれば、雇用側も安心して留学生を雇うことができます。また、その後の正社員への道も開かれていきます。医療分野は、海外永住権取得にも大きな利点となります。
例えば、オーストラリアでは技術独立ビザ – Skilled Independent Subclass 189 visasというものがあり、ご自身が持つ技術や経験を活かした仕事をすることで永住ビザを取得することができます。
この189 visasのポイントは、オーストラリア移民局が毎年発表する「技術職業リスト」となり、永住ビザを取りやすい職業の一覧が記載されており、毎年医療系職種が記載されています。
日本と同様に、欧米圏でも医療人材は常に人材不足となっている現状があります。医療分野からの永住権取得やビジネスビザ発行は、手に職系の専門性が強い頃から競争率も少なく、ビザ取得にかかる時間も早いとされています。
医療英語コースを学ぶことを機会に、自身の英語力の上達はもちろん、海外の医療情報を知ることができ、将来的な永住ビザ取得に繋げることも可能です。
現在の仕事を辞めて留学に行くことは大きな決断となり、悩むことも多いと思いますが、それ以上に得るものが多く、新鮮な毎日を送ることができるはずです。