英語力は不安でもOK!子ども英会話スクールの講師になる方法
「英語力を活かして、英会話講師になりたい!でも資格なんてない…」
「子どもも好きだし英語も好き!でも英語力が不安…。」
…と、子ども英会話教室の講師になりたくても、なかなかチャレンジ出来ずにいる方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は「子ども英会話教室の講師になりたい」という人に向けて、子ども英会話教室の採用試験の体験談や、講師にとって必要な英語力を身につける方法を解説していきます!
英語ペラペラじゃなくてもOK!
私は、大手の子ども英会話教室で5年ほど勤め、講師グループのリーダーにもなりました。
しかし、そんな私の講師仲間も全員が全員「英語ペラペラ」という訳ではありませんでした。
正直、最初は「そんな講師でいいものか?」と感じる事もありましたが、実際に現場を体験した立場からすると「子供英会話教室の講師は英語ペラペラじゃなくても良い!」とまずは皆さんにお伝えしたいです!
なぜなら子供英会話教室の現場で求められるのは「英語力だけ」ではないからです。
以下で、その部分を詳しく見ていきましょう。
子ども英会話教室の仕事内容は?
あなたは子ども英会話教室での仕事内容は、どんなイメージを持っていますか?
もしも「子どもたちに英語を教えて、テストの採点をして…」しか思い浮かばないのなら、それはちょっとリサーチ不足ですね。
子ども英会話教室での仕事は「英語を教える」だけではなく、下記のような仕事内容が含まれてます。
・生徒の入退会管理
・保護者とのコミュニケーション
・イベントの準備、催行
・毎月の会議、研修への参加
・教室の整備
生徒の入退会管理
特に、上記の中でも企業が運営する子ども英会話教室で勤める講師たちの負担になりやすい業務が「生徒の入退会管理」です。
これは「生徒」というよりも「顧客」と言った方が正しいかもしれません。
当然ながら英会話講師がもらうお給料は、月謝や入会金から生まれるので、顧客(生徒)の確保は教室運営のために絶対必要です。
しかし、「先生」と呼ばれる仕事に憧れて講師になる人の多くが「こんなに数字を管理しなきゃいけないなんて…。」と、理想と現実のギャップに悩みます。
企業運営の子ども英会話教室の講師を目指すにあたり、入社後のギャップをなくすためにも、まずはこの数字の管理を意識して頂くと良いと思います。
保護者とのコミュニケーション
また、顧客(生徒)により長く教室に通ってもらうために、保護者とのコミュニケーションを密に取ることも求められます。
例えば、お金を出す保護者が「うちの子、教室で何をやっているのか全然分からない。」という状態では「通わせても無駄かも…」と思われてしまいますよね?
英語学習は、なかなか成果が目に見えないものです。
特に子どもが小さい年齢であればあるほど試験の点数によるものさしもありませんから、目に見える点数によって成果を測ることもできません。
そのため、保護者との密なコミュニケーションが重要になってきます。
具体的に保護者とは下記の情報共有が特に重要です。
・情報(レッスン内容)
・目標、目的(英検や将来の夢)
・意識(英語力の必要性)
私が勤めていた頃は、レッスン後の送迎時、レッスン終了後の電話にて保護者とのコミュニケーションを取っていました。
具体的にはこんな感じです。
「今日のレッスンではこんなことをやりました。〇〇君、とっても上手に’I like banana’が言えたんですよ!」
「△△ちゃん、ちょっと今日は元気が無かったけど、お疲れだったかな?でも歌は一生懸命に踊ってくれたのでお家でも褒めてあげてくださいね!」
などなど…
各家庭、お子さんの英語力がどれくらい上達しているのかを伝えてあげることで、保護者のモチベーションもアップします。
そんな保護者とのコミュニケーションもまた楽しいひと時ではありますが、「生徒」ではなく「顧客」という意識を忘れないようにしましょう。
採用時の英語力はTOEIC850?
一般的に英会話講師に必要な英語力は、「英検準一級以上」とか「TOEIC850以上」と言われています。
→TOEICスコアや勉強量について知りたい方はこちらのコラムが参考になると思います。
しかし、実は子ども英会話教室に関しては、ほとんどの企業の募集内容が「英語に関する資格は問わない」といったケースや、「英語に自信のある方」などのぼやかしたケースが一般的です。
つまり、採用条件に明確な英語力の基準を設けていないんですね。
また、多くの子ども英会話教室では、採用後から講師デビューの間までに「研修」を設けています。
この研修期間に、発音の矯正など必要最低限のトレーニングを受けることが出来るのです。
「TOEIC850点なんて持っていない…」という方であっても、日常会話レベルでの英語力があれば問題ありません。
とは言え「じゃあ実際のレッスンで必要とされる英語力ってどれくらいなの?」という点が気になるところですよね。
必要な英語力は、レッスンのレベル(受け持つクラス)によって変わりますので、以下を参考にしてみてください。
子どものクラス | 授業内容 |
未就学児クラス | ・動物や食べ物の単語が中心 ・フォニックスの知識が必要 ・歌やダンスなども行う |
小学生クラス | ・簡単なセンテンスが中心 ・文法も組み込まれる |
中高生クラス | ・英検対策の知識が必要 ・長文読解の解説も行う ・海外のテキストを使用する場合あり |
子ども英会話教室で、まず重要視されるのは「発音」です。
未就学児クラスで使う英語は簡単な単語程度ですが、ひとつひとつの音をしっかりと意識するフォニックスは外せません。
そして「文法」が入ってくるのが小学生以上のクラスです。
どれだけ分かりやすく英文の構造を伝えることが出来るかがカギとなりますので、内容以上の難しさを感じるでしょう。
もちろん企業ごとにマニュアルが用意されてはいます。
しかし、どんなに素晴らしいマニュアルが用意されていたとしても、「自分が理解していないことを教える。」というのは不可能です。
例えば「I like apple.」という簡単な英文であっても「そこにどんな文法的構造が詰まっているのか」を理解するクセを付けておきましょう。
そして、最も講師の英語力が問われるのは、もちろん中高生以上のクラスです。
生徒もこの年代になると、得意な子はどんどん先へと進んでいきます。
早い子では中学生のうちに英検準2級~2級にチャレンジすることも。
講師にとっても、そういったテスト対策や長文読解の指導が本格化、というわけです。
「意外と大変そう…。私の英語力では不安かもしれない…。」と思うかもしれません。
でも、少しずつで問題ないので頑張ってみてくださいね!
※記事の最後に、こういったクラスで必要とされる英語力を鍛えるためのオススメ学習方法もご紹介しています。
面接は人柄と見た目が特に重要!
子ども英会話教室の採用試験や面接って、ちょっとドキドキしてしまいますよね。
「難しいテストが出るんじゃない?」
「面接はオールオールイングリッシュなのかな?」
と、不安もいっぱいのことでしょう。
まず、子ども英会話教室での採用試験では「筆記テスト」と「面接」を受けます。
「筆記テスト」はそれほど難しい内容ではありませんが、普段メールやネットで済ませてしまうことが多い人はスペルに注意しましょう。
ちなみに、私は「soccer」を間違えてしまった記憶があります(笑)
「面接」に関しても、たしかにオールイングリッシュの質疑応答はありました。
しかし、海外旅行に行ったり、ネイティブスピーカーと自己紹介をし合えたりするレベルなら問題ナシです。
そして、たくさんの子どもたちをまとめ、さらに保護者とのコミュニケーションも重要視される仕事ですから、英語力以上に人柄をチェックされることは言うまでもありません。
ちなみに、この「人柄」というのは性格の良し悪しではなく、受け答え方・積極性などのことです。
そして、意外かもしれませんが、子ども英会話講師は「外見」も大切な要素のひとつです。
もちろん若いとか美人とか、そんな話ではなく、「明るい印象」の講師に子どもたちは安心感を覚えてくれるということ。
顔色が明るく見える洋服やメイクを心がけるとなお良しです!
普通の接客業以上に、子どもたちは素直に反応しますので、クラスを受け持ったあとにも身だしなみには気を配りましょう。
子ども英会話講師になるためのオススメ勉強方法3つ
ここからは子ども英会話教室の講師をめざす方に、オススメしたい英語学習方法を3つお伝えします。
「文法」、「英語力の底上げ」、「発音」ごとに紹介しますので、講師を目指さない方でも英語力アップにオススメです。
① 精読トレーニングで文法力UP!
「精読」とは、英文を単語・文法・構造に細かく解読していくトレーニングです。
そして精読は多くの英語上級者と呼ばれる人たちが実践し、もっとも効果が分かりやすいといわれる学習方法でもあります。
英語中級者なら飛躍的に、しかも短期間で英語力がアップします。
英会話教室の講師になろうか考えている方なら、英語には慣れていることでしょう。
でも「the」や「a」などの冠詞を正しく使いこなせますか?
動詞やイディオムの語法をしっかりと理解していますか?
外国人とコミュニケーションを取る上では必要のないことでも、教えるとなるとそうはいきません。
特に中学生以上になると、鋭い質問をしてくる生徒もいます。
私も鋭い質問を受けると、しばしばドキッとして、「ごめん、それ先生の宿題にさせて…」なんてことがありました。
文法への苦手意識をなくすと、あなた自身がもっと英語を楽しめるようになります!
①興味のある1つの文章&ノートを一冊用意
②ひと段落目の英文を、そのままノートに書き映す
③各単語の上に品詞を書き込む(音・意味もチェック)
④一文ずつ、文型を解いてみる(SVOなど)
⑤日本語・英語でサマライズを作る
⑥声に出して読む
ここまで終わったら、その後は20日間ほどかけて、毎日音読を繰り返します。
精読が完了したからとすぐ次に行ってしまっては、定着を図ることができません。
とても面倒な勉強方法ですが、一度やってみると文法の面白さに気づけるので、ぜひチャレンジしてみてくださいね!
② ディクテーションで英語力の底上げ!
「ディクテーション」とは、リスニングしながら聞こえた単語やセンテンスを書きだしていく学習方法です。
ディクテーションは英語初心者が多く取り組みますが、中級者にも非常にオススメの学習方法。
「リスニングには自信ある!」と思っていても、実際にディクテーションをしてみると聞き取れないことが多く出てきます。
そして、聞き取れない部分こそが、あなたの英語力の弱点なんです。
単純に聞き取れる単語が少なければ語彙力が弱点ですし、文法的に考えれば分かる部分のミスが多ければ文法力が弱点ですよね。
リスニング力が伸びることはもちろんですが、ディクテーションは「英語力の底上げ」に直結します。
英語中級者にとっては、大きく英語力を伸ばす良い学習方法というわけです。
①1~2分程度のリスニング教材を用意
②ざっくりとまずは聞いてみて、内容をイメージ
③もう一度聞き、ノートに聞こえた英語を書きだす
④5~7回程度、限界を感じるまで繰り返す
⑤英文スクリプトと答え合わせ&弱点分析
もっとも大事なポイントは、最後の「弱点分析」です。
先ほども伝えたとおり、ディクテーション最大のメリットは、自分の英語力における弱点を知ること。
答え合わせをしながら、「何が聞き取れなかったのか(単語?熟語?)」、「どうして聞き取れなかったのか(知識不足?音声スピード?)」などを考えてみてください。
その上で、、、
この2点を合わせて行います。
ディクテーションは万能学習方法ではなく、あくまでも弱点を見つけるためのツールです。
ディクテーションしただけで終わってしまうとまったく意味がありませんので、注意してくださいね!
③ TEDや映画の完コピで発音矯正!
そんな方にオススメの学習方法が「完コピ」です!
英語を “流ちょうに” 話すコツってなんだと思いますか?
それは、ネイティブスピーカーをとことんまで真似ること。
私は15歳の頃から好きな海外ドラマや映画を観ながらひたすら真似て、留学先でも周りのネイティブスピーカーの発する言葉やセンテンスをとにかく真似ていました。
そんな私の英語は、ネイティブスピーカーと話していて「え?君はネイティブじゃなかったの?」と言われるくらいまで成長。
私のように留学経験がたった一年でも、完コピできれば流ちょうな英語を身につけることは可能ということ!
さて、具体的な方法ですが、まずは自分が「好き」と思えるスピーチや映画、女優などを見つけてください。
「好き」は何でも構いませんが、強いて言えば「憧れる」がポイントでしょうか。
私の場合は「この女優さんの話し方がチャーミングで好き」とか、そういう感じです。
「こんな風に話せたらかっこいいなぁ」と憧れることの出来るネイティブスピーカーを見つけましょう。
TEDを活用するのであれば、内容の面白さもひとつですよね。
そこからは何度もくりかえし観て、真似ていくだけ。
ただし、中途半端ではなく、徹底的に真似てください。
セリフを暗記するくらいの勢いと集中力を持って、気に入ったセンテンスは普段のひとり言でもどんどんつぶやいてみてください。
そこまでやり込み、定着した英語はそのうち「自分の言葉」としてスムーズに出てくるようになりますよ!
【まとめ】子ども英会話をバカにしないことが一番大事!
子ども英会話教室の講師に必要な英語力は、TOEICハイスコアでも、英検1級でもありません。
もちろん、ペラペラじゃなくても大丈夫です。
ただ、子どもたちに「英語って分かると楽しい!」と思わせる指導力が問われます。
そのためには、まずは自分が英語の構造や発音、細かい部分まで理解を掘り下げていくことが大切です。
「コミュニケーションが上手にできるレベル」よりも少し上を目指すことがポイントですね!
「どうせ相手は子どもだし、この程度でいっか」と思っていると、子どもはつまらなくて辞めてしまいます。
そして、英語力はもちろん重要な要素ですが、それ以上に人柄や保護者とのコミュニケーション力が重要です。
また、中高生などの上級生を受け持つようになると、一層の英語力が求められます。
子ども英会話教室の講師には、単なる英語力だけなく、自身の人間力や営業力までの総合的な力が求められます。
児童英語教師を目指す方や興味がある方にぜひ上記の情報がご参考になれば幸いです!
※上記の内容は「企業が運営する子ども英会話教室」でのお話しとなっています。
個人で運営する英会話教室では若干状況が異なる場合もありますが、講師に必要な最低限の資質として理解して頂くと良いと思います。