社会人は海外留学を決めたら、いつ会社に退社意思を出すべき?
社会人が今までの仕事を辞めて留学に行くということは、言わずもがな一大決心です。
いざ仕事を辞めて留学に行くと決意しても、退社意志をいつ出したらよいのか、スムーズに退職できるのか、という問題が大きな気掛かりになると思います。
雇用形態によって多少違いはありますが、民法上では2週間前に退職届を出せばよいということになっています。
また法律とは別に会社でも規定があり、会社ごとに定められる時期は異なりますが3カ月前などの規定が決まっています。
しかし、会社規約に書いてある「〇カ月前ルール」は、あくまで建前である可能性が高いことを頭の片隅に入れておきましょう!
会社規約に沿って退職意思を伝えたのにも拘らず、忙しい企業で人手が足りない、後任がなかなか見つからない、トレーニングに時間が掛かるといった理由で、退職させて貰えないということが実際には起こっているようです。
ルールは守っているとは言え、お世話になった会社に迷惑を掛けたくない、けんか別れしたくない、円満退社したいという理由から、出発時期を延期せざるを得ない方もいます。
そこで今回は、留学出発前に円満退社を成功させるためのポイントをまとめました!
留学が決まっているのであれば、早めに退職意志を伝える!
留学することが早くから固まっているのであれば、規約の時期よりも前に退社意思を伝えましょう。
…と言うのも、規約に記載してあるギリギリまで待ってから会社に伝えると、上記で説明したような退職時期の延期説得を受けて、自分が予定していた時期に出発できなくなってしまう可能性が実際あるからです。
スムーズに出発できない場合は、いったいどんな理由が考えられるのでしょうか?以下、実際に退職を延期せざるをえなかった方々に聞いた話を紹介します。
ケース① 自分の後任がなかなか見つからない
会社や部署が人手不足の状態で、後任が見つかるまで仕事を続けなければならなかったというケースがあります。
専門性の高い仕事だと、特にこの傾向が強まることも予想できます。
ケース② 引き継ぎが間に合わなかった
仕事によっては引き継ぎの量が膨大で、1~2ヶ月では間に合わないというケースがあるようです。
後任への引き継ぎが追い付かないと、退職前に追い込みで残業続きになるor退職時期をずらすことを余儀なくされる場合があります。
ケース③ 他の社員の休職と重なってしまった
退職のタイミングが、同じ部署の同僚が産休に入る時期と被ってしまったという状況もあるようです。
会社側は産休の方の休職しか事前に把握していなかったため、即座に人材確保や諸対応が取れず、やむなく退職時期を延期することにしたそうです。
ケース④ 強く引き留める会社の場合、何度も面談を設けられる
人手不足などが理由で退職希望者を引き留める風潮の強い会社では、退職希望を伝えてから何度も面談を設けられることもあるそうです。
こうした理由から、退社時期を延期せざるを得なくなるケースが実際にあるのです。
もちろん、民法や会社規約を守っているので、皆さんは会社を辞める権利を持っています。しかし、退職を強行した場合、当然自分と会社との間に亀裂が生まれます。
場合によっては、絶縁状態にまで関係悪化に至る可能性もあります。
多くの方は、これまでお世話になった会社への恩義もあります。また、円満退社を望むのが普通ですので、自分が出発時期をずらして妥協するケースを多く見かけます。
留学時期が遅れると、場合によっては航空券や授業料をキャンセルしなければならず大損になってしまいます。
やはり、留学の意志が固まっている場合は、会社の都合も考慮して早めに退職意志を伝えるのがベターです。
留学するプランを隠しておく必要性もないですし、会社のためにも早め早めに伝えておくのがお互いにとってプラスだと言えるでしょう。
退職意思の表明は半年~1年前がひとつの目安
“早めに”とは言っても、具体的な目安が欲しいところですよね。
職種や役職によってかなり変わってくるため、一概に「〇か月前!」と定義づける事はできません。
ただ、今回周りの会社勤めをしている方々を中心に調査をしたところ、最も多かったのは「半年~1年前に退職意志を伝える。」という意見でした。
理由としては、半年~1年前くらいの時期であれば、会社も余裕を持って後任や引き継ぎの準備が進められます。
また、自分にとっても退職直前で引き継ぎに追われてバタバタすることを防げるということです。
そのくらいの時期であれば、会社への配慮の気持ちを示しつつ、円満に退社できる可能性がより高くなるようです。
退社時期は職種や状況で検討!
目安が半年~1年前といっても職種や状況によってベストなタイミングは変わるので、よく吟味する必要があります。
規約通りの時期に伝えて退職できるかどうかは、自分の働いている会社の業種・業態がポイントになります。
簡単に言えば、「自分の代わりが比較的簡単に見つかるような仕事かどうか?」です。
重要なポストに就いている、もしくは他に代わりのいない仕事を任されている場合は、直前に伝えてもスムーズな退職が難しい場合が多くなります。
会社側も代わりを探さなければならず、場合によっては社外から新たに人を雇う必要が出てきます。
自分の後任が見つからない場合は、退職を先延ばしにするようお願いされるケースも覚悟しておかなければ行けません。
【まとめ】お互い気持ちよく関係を維持するために
会社側が退職延期を依頼してきた場合、それは決してあなたへの意地悪ではありません。
それだけ、社内では重要なポジションを任せられていたことを意味します。
職場において自分がどんな立場で、後任がどのくらいの期間で立てられそうかを、きちんと計算して準備を進めるのが大人の対応です。
民法や会社規約に書いてある期限を盾に自分の主張を一方的に通すようなやり方は、世間一般的には不義理な行動に見えてしまいます。
だからこそ、大人の対応を考えなければなりません。
退職意志を伝える際のポイントをまとめると、以下の通りです。
そして、以下の部分も配慮した上で早めに会社に退職意思を伝えましょう。
どの職種・状況でも言えることは、“規約ギリギリで退職意志を伝えるのは避けるべし”です。
以上の点を踏まえて、スムーズで気持ちの良い留学のスタートを切れると良いですね!